Erstes Mädchen, das den Terror ausschalten will
7才の頃、その少女は父と母と妹を亡くした。
停車していたバスの爆発に巻き込まれ、家族は、彼女一人を残して帰らぬ人となった。
たまたま、ショーケースに飾られた綺麗なドレスに見惚れていなかったら。もし、その三人に追いついていたとしたら、彼女もまた、彼らと同じ運命を辿っていたのかもしれない。
身寄りをなくした彼女は、身内をたらい回しにされ後、ようやく叔父のもとで引き取ってもらえることになった。
10才になって、彼女はあの出来事が「テロ」というものだと知った。
幼い彼女は全てを理解することはできなかったが、「テロ」は「自分の言いたいことに目を向けてもらうために、人を傷つけたり脅したりすること」だと知った。
彼女の叔父が教えてくれたのである。
「テロ」はどうしたら無くなるのか。と、少女は叔父に聞いた。
それを聞いた叔父の困り果てた顔を彼女は今でも覚えている。そして、今ならその表情に込められた思いも理解できるのだろう。
だが、いずれにせよ、彼女の決意が揺らぐことはなかった。
「あんな目に遭う人を二度と出させない。『テロ』を、この世から無くす」
家族を「テロ」で失った、少女の至上命題は、そう決定づけられた。
13歳になった頃、少女はウィッチの才能を開花させた。強い体を作るために励んでいた、オリジナルの特訓中での出来事だった。
彼女のひ弱なパンチを受けた、自家製のサンドバッグからのカウンターを防ごうとして、彼女は魔法を発現させたのだ。
彼女自身、ウィッチなるものの存在は知っていた。もちろん、その比類なき強さも知っていた。故に、彼女は大いに喜んだ。
この力があれば、私──のような齢15に満たない少女──でも
あまりの嬉しさに、彼女は色々な物を倒しながら、叔父のいるキッチンへ向かい、彼の前で嬉々としてシールドを発現させて見せた。
しかし、叔父は嬉しような、悲しいような顔をして「おめでとう」と、ぽつりとつぶやいただけだった。
ウィッチの才能を開花させてから、ひと月くらい経った頃だった。
ある日、叔父は「大切な話がある」と、彼女をリビングへと呼んだ。
「フリーデ、お前は『テロを無くしたい』。そう、言っていたな?」
「えぇ、そうよ叔父さん。ウィッチの力があれば、私だってテロからみんなを守れるもの!」
「そうか……」
あの時の叔父は、いつか見た、嬉しさと悲しさがごちゃ混ぜになったような表情をしていた。
「……実は、その夢を、叶えられる仕事があるんだ」
「えっ! 本当に? どんなお仕事なの? 教えて?」
無邪気に跳ねる少女の姿は、彼をより躊躇わせた。
本当にいいのか? 本当に、彼女にこのことを伝えていいのか、と。
しかし、彼の口は、その主人の本心に反した動きと声を上げる。
「GSG-9」
「げー、えす、げー、のいん?」
「あぁ、そうだ。カールスラントの国境警備隊の、対テロ特殊部隊だ」
「対テロ特殊部隊!? すごいわ! まさに、私のためにあるようなお仕事じゃない! それで? どうやったらそれになれるの?」
「私の友人に、隊員を募集する窓口を担当している人がいる。彼に頼んで、試験に応募するんだ」
少し言い淀んだ後、彼は続ける。
「いいかい、フリーデ……いや、フリーデリーケ」
「なぁに? 叔父さん」
「人を守るということは、自分から率先して、痛いことや、苦しいことに飛び込んでいかないといけない。たとえそれで、死ぬかもしれないとしても」
姪っ子の夢を、決意を実現させてやれる道がある。だが、その道は目の前の幼気な少女にとってはひどく険しく、あまりに残酷なもの。しかも、一度進ませてしまえば、二度と戻って来れなくなってしまうかもしれないのだ。
相反する二つの葛藤の狭間で、叔父は苦悩していたのだと思う。
それを証明するかのように、彼の声は弱々しく震えていた
「そして、その過程で、人々を守るために誰かを、殺さなきゃいけない時が必ずくる。それも、一人じゃなく、何人も」
少女の夢と、現実の残酷さ。
彼はどちらも知っていたからこそ、最後まで躊躇った。本当にいいのだろうか、と。
「……それでも、なりたいと思うかい?」
だが、彼女の答えは、すでに決まっていた。いや、もはや運命づけられていたと言ってもいい。
「
意気揚々に彼女はたった一言、そう言い放った。むしろ、これ以上の言葉は必要なかったのだろう。これだけで良いのだ。
これが彼女──フリーデリーケ・フィッツェンハーゲン──の答えなのだから。
なればこそ、それは彼女の人生の至上命題であり、彼女を、この世に実在たらしめる存在意義そのものなのである。
更新時期?もちろん未定ですとも。
ですので気長に待っててくださいどうかお願いします