「ここが文月学園か」
校舎へと続く両脇を桜が咲き誇っている坂道を上がるとその建物はあった。
今日から私が通う学園、私が大好きな姉さんが通う学園、そして……
私を励まし生きる希望を与えてくれた人、私の初恋の男の子がいる学園……
君は覚えていてくれているのかな……私のこと……
それとも忘れちゃったかな?
生徒手帳にこっそりと忍ばせている一枚の写真を見ながら校舎の入り口に入ろうとした時
「そこのお前、ちょっと待て」
そう呼ばれ、振り返ってみると
浅黒い肌をした短髪のスポーツマン然としたマッチョさんがそこにいました
「あ、あの、ど、どちら様でしょうか?」
いきなり現れたこのマッチョさんは一体どなた?
「ああ、驚かせてすまん。俺は西村 宗一、この学園の生活指導担当の教師だ。 お前が編入してきた霧島夢希だな?」
まさか出会い早々一発目からこんないかにも戦場で一騎当千で戦っていそうな濃い先生に会うとはさすが文月学園……
普通の学校とは一味違うということですか……
「うん? どうかしたか?」
「い、いいえ! なんでもないです! き、霧島夢希です……。よろしくお願いします」
「? まあいい。ほれ、編入試験の結果だ」
先生が懐から封筒を取り出し、私に差し出してくる。宛名には「霧島夢希」と書かれてあった。封筒を開け紙を開くとそこには
「霧島夢希 Aクラス」
と書かれていた
「私がAクラス? 本当に?」
Aクラス、それはその学年で優秀な成績を収めている生徒が集まるクラス
つまり、その学年の最高クラスだ
「何かの間違い、とかじゃないですよね?」
「安心しろ。何の間違いもない、Aクラスだ。 お前の姉と同じクラスのな」
そう言われた途端、私は嬉しさの余り顔が綻ぶのを抑えられなかった
できれば姉さんと同じクラスになりたかった
だけど文月学園のことをネットで調べていくうちにそれはとても難しいことだということが判った
正直一度は諦めようとした
でも昔、彼が言ってくれたあの一言を思い出し諦めずにここまで来た
そして今日、その結果が今、目の前にある
「うちの学園でAクラスに入るというのは並大抵の努力では難しい。だがお前はそれを乗り越えこの結果を出したんだ。 胸を張れ霧島」
私の肩に手を置き西村先生はそう言ってくれた
「はい!」
「うむ。 では学園内を案内するのでついてきてくれ」
そう言われついていこうとすると「ああ、そうだった」と西村先生がこちらに振り
「ようこそ、文月学園へ」
こうして私の学園生活第一日目がスタートした