西村先生について行くと職員室の前に案内された
「職員室には担当の高橋先生が居られるので、後は高橋先生の指示に従うように」
「え? 西村先生がこのまま案内してくれるんじゃないんですか?」
「そうしてやりたいのも山々なんだがな……」
そう言って先生は懐からさっきの試験結果が入った同じ封筒を取り出した
「これを渡さなきゃならんバカが一人いるのでな。すまんな」
西村先生は一つの封筒をヒラヒラさせながら去っていった
私は去って行く西村先生に一礼すると職員室の扉を開いた
「し、失礼しまーす」
「お待ちしていました、霧島夢希さん。私がAクラス担当の高橋洋子です。よろしくお願いします」
職員室に入るとそこには髪を後ろでお団子状にまとめ、眼鏡をかけてスーツをきっちり着こなした知的女性の代表のような先生がいた
格好いい女性だな……
今はコンタクトしているけど家では私もメガネを掛けることのほうが多い。けどあそこまでは決まらない……
「ん? どうかしましたか?」
「ふぇ? あ、いいえ!? 何でもないです!! 霧島夢希です、よろしくお願いします」
いけないいけない、考え事すると周りが見えてないな私……
「そこのソファーに座って楽にしてください。ふふ、そう緊張しなくてもいいですよ。」
「あ、はい……」
緊張してるのバレバレだし……。 しかも気を使ってもらってるし、うう、恥ずかしいな……
「では簡単にこの学校について説明しますね」
「はい、お願いします」
私は高橋先生からこの学校の特色、 自身の召喚獣のこと、その召喚獣を使って行う試験召喚戦争、 そしてその戦争の勝利のメリットと敗北した時のデメリットの説明を受けた
「では、そろそろ教室のほうに移動することにしましょう」
「は、はい」
先生に連れられ階段で二階に上がるとそこには厳しい現実があった
端からまるで廃屋みたいな教室、木造の教室、一般的な教室、隣の教室より倍近くあるだろう教室、そして今目の前にある明らかに普通とは違う雰囲気を醸し出している教室
生徒の成績によって待遇の違う教室に振り分ける。 このように目に見える形で……
それがここ、文月学園の方針だった
確かここの授業料はみんな一緒だったような…。 それでこんなにも待遇が違ってたら不平不満も出るだろうに
「では、外で待っていて下さい。Aクラスの生徒と少し話をしたら呼びますので呼ばれたら入って来て下さい」
高橋先生はそうとAクラスに入っていった。しかし何だろうこの広い教室にこの設備は……
教室の窓から見えてきたのは壁を覆うほどのプラズマディスプレイにノートパソコンに冷蔵庫、リクライニングシートなど他にも色々な設備がありそれはまるで高級ホテルのようだった
唖然としている所に「どうぞ、入ってきて下さい」と高橋先生の声が聞こえた
「さて、いよいよだ……」
私は緊張ながらも教室の扉を開き、中へと入った
たくさんの視線に耐えながら先生がいる教壇に向かい、前を向くとその人物はいた
「夢……希……?」
普段はあんまり表情を出せないけどこの時は見事なくらい顔に驚きの表情が出ていた
私はそれを見ると思わず笑みがこぼれた
久しぶりだね、姉さん♪
「それでは自己紹介をお願いします」
「はい。 今日から文月学園に編入して来ました霧島夢希です。 よろしくお願いします!」