【完結】おおかみ☆せんせーしょん(ハーメルン移植版)   作:ブドウ冷やしんす

1 / 47

ユグドラシル最終日から陽光聖典制圧まで。


プロローグ
異世界転移したばかりなのに神様にされてた件


 

モモンガは玉座にいた。

 

 

(かたわ)らにはアルベド。

目の前には(ひざまず)いたセバスとプレアデス。

 

 

ここに来る前に、ヘロヘロは寝落ち同然にログアウト。

 

 

(ゆえ)に、彼は一人であった。

 

 

しかし、(さび)しさに()れているわけではない。

 

 

『彼』を待っているのだ。

 

 

ヘロヘロがログアウトした直後『ラストライブを終えたもののファンに追い回されて逃げている。今からナザリックに戻る』と連絡があったのだ。

 

 

だが、ただ待っているのも面白くない。

そう思って、アルベドの設定を見てみる事にしたモモンガだったのだが……

 

 

モモンガの伴侶(はんりょ)である

 

 

お い ぃ ぃ ぃ ぃ ぃ !!

 

 

と、そこに『彼』からのショタボなメッセージが入った。

 

〈モモンガさん!? 僕です! ゴメン間に合わない! 後でボイチャでもしましょう! あとアルベドの設定見て!!〉

 

 

お ま え か あ あ あ あ ! ! てか、まだ時間あるだろ! 最後くらい頑張れよオイ! 玉座の間でビシッと(かざ)るって決めてたろうが!」

 

 

〈無理ぃぃぃぃぃ! この人! なかなか! 振り切れない!!〉

 

 

「アイドル自称するなら変装スキルくらい持っとけよ!!」

 

 

〈 て へ ぺ ろ !!!!!〉

 

 

「叫ぶ事か!? 急げ急げ急げ!! あ、ヤバい時間、あ、あ、終わっちゃう、終わ

 

 

00:00:00

 

 

「あーーーーー!!!!!」

 

 

アインズ・ウール・ゴウン、よもやよもやのグダグダendであった。

 

 

『そうだ……楽しかったんだ』などというセンチメンタルはなかったのだ。

 

 

あ ー も ー 、 な ん だ よ オ イ 、 折 角ビシッと 決 め よ う と 思 っ て た の に……って、あれ? なんで終わってないんだ?」

 

 

如何(いかが)なさいましたか? モモンガ様」

 

 

へぁ ?」変な声が出た。

 

 

聞き覚えのない声の方を見れば、アルベドが『気遣(きづか)わしげな表情で』こちらを見ていた。

 

 

(えええええ!? AI? いやいやいやいや、いくらヘロヘロさんでも無理だろう! バグ? どんなバグだよ! どうなってんのこれ!?……フゥ。あれ? 一周まわって逆に冷静になったか?)

 

 

「……ふむ、ナザリック内か、ユグドラシル全体かは不明だが、何か異変が発生しているようだ」

 

 

咄嗟(とっさ)にも魔王ロールが出るモモンガ。

あんた流石(さすが)だよ……

 

 

「それは! ……申し訳ございません! 守護者統括にも(かかわ)らず、何も気付く事ができず」

 

失態と思ったのか、床に(こす)り付けんばかりの勢いで頭を下げるアルベド。

 

 

「よせアルベド。失態とは思っておらぬ」

 

 

そこからは読者諸君も知る通り。

 

各階層に問題がないか確認させたり、アンフィテアトルムにて忠誠の儀や報告を受けたり、ナーベラルやデミウルゴスと夜空散歩したり……

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

そして、今は遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を操作していた。

 

 

「……ん? これは、祭りか?」

 

 

モモンガの(つぶや)きに、横で待機していたセバスが答える。

 

「いえ、モモンガ様。これは戦争です」

 

 

小さな村が、騎士や僧兵に襲撃(しゅうげき)されている。

 

騎士の多くは(たお)()しているものの、木や(いばら)(つた)(から)めて作った(へい)は、(すで)(やぶ)られていた。

 

炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)が相手では分が悪かったのだろう。

 

一体だけ監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベイション)もいる。

 

 

村人達は()れない様子で弓を射掛(いか)けるが、命中率は悪い。

 

村の中央辺り、遺体の横で一人の少女がドルイド魔法で奮戦(ふんせん)している。

 

時折(ときおり)、村人に指示をしているようにも見える。

 

(つえ)は大したものではなさそうだ。

 

装備……というより服装も、ほとんど『単なる村娘』でしかない。(かろ)うじて革の籠手(こて)やブーツがある程度(ていど)

 

横の遺体は、雰囲気からして父親だろうか。

 

 

「! モモンガ様! あの少女の首飾りを!」

 

 

言われて注視すると、そこにあったのは……

 

 

「ギルド章!?」

 

 

木の板に()られた簡素なものではあったが、完璧なアインズ・ウール・ゴウンの紋章であった。

 

 

「モモンガ様……如何なさいますか」

 

 

『助けたい』と、表情には出ていた。

 

人間が殺されている光景への嫌悪感(けんおかん)がなく、自身が心までアンデッドになってしまった事は(あきら)めていた。

しかし……

 

 

(困っていたら、助けるのが当たり前……ですよね、たっちさん)

 

「……状況はわからぬが、我らの印を(かか)げる者を害するならば、それは我らの敵だ。アルベドに伝えよ。村を(すく)う。騎士と僧兵は一人も逃がすな」

 

 

「はっ!!」

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

sideエンリ

 

 

覚悟(かくご)は、していた。誰かは死んだりするって。

 

 

他の村から避難(ひなん)してきた人たちから襲撃の事を聞いて、最初はエ・ランテルに助けを求めた。

 

なのに何故(なぜ)か返事をもらえず、とって返すなり大急ぎで準備をした。

 

茨で塀を作り、騎馬対策の浅堀(あさぼり)で囲い、でっち上げの弓矢を用意した。

 

先生からの知識を総動員して……それでもダメだった。

 

 

お父さんが死んだ。私を(かば)って。

 

 

魔力切れが近い。

けど、(ひざ)をついてなんかやらない!

 

 

顔に傷のある僧兵が、勝ち(ほこ)ったような笑みを浮かべて言った。

 

 

「なかなか手こずらせてくれたが、そろそろ限界だろう?」

 

 

「何故こんな事を! それでも神官ですか!」

 

 

「黙れ小娘! チッ……異教徒の貴様には我らの崇高(すうこう)な使命など理解できまい」

 

 

「崇高? なんの罪もない村人を殺す事の何が崇高だって言うんですか!? それに異教徒って……まさか、そんな理由ですか!? 神が(なげ)きますよ!」

 

 

「答える義理などないな」

 

 

こんな人たちに……(ゆる)せない!!

 

 

魔法効果範囲拡大化(ワイデンマジック)植物の絡みつき(トワイン・プラント)!!」

 

最後の魔力を()(しぼ)り発動させた魔法で、前方を半円状に蔦が囲み、天使を絡め取る。

 

 

「悪あがきを! 今さら壁を作ったところで、どうにもならんぞ! 天使たちに切り開かせろ!」

 

 

「壁じゃ、ないわ」

 

 

魔力切れでフラつく体に鞭打(むちう)って走り出す。

 

 

足場よ!!

 

蔦に足をかけ、天使の頭を()み台に、飛ぶ!

 

落下の(いきお)いそのままに、振りかぶった杖を傷顔に(たた)き付ける!

 

「ぬぉ!?」

 

チッ、腕で(ふせ)がれた。けど左腕は折った。

 

着地しても足を止めず相手の周りを動き回り杖を振るう。

 

止まってしまえば、それきり動けなくなりそう。

 

距離を開けさせず、反撃の機会を与えない。

 

「隊長!?」

 

「撃つな! 私に当たる! 天使達に取り押さえさせ、ぅお!?」

 

天使が近づいて来るが、牽制(けんせい)するように振り回しつつ『隊長』への決定打を(ねら)う。

 

 

……どこまで戦える? いつまで動ける?

いや、やってやる!!

 

 

「くっ、()めるなよ小娘ぇ!!」

 

捨て身のタックル!?

 

ダメ元で頭か首を狙って振り下ろすが、鎖骨(さこつ)を折っただけだった。

 

()っ飛ばされ、受け身を取りつつ、あえて転がり、さらに()んだ。

 

絶対に追撃が来る。

 

けど、飛びつつ見上げた先にはメイスを振り上げた上位の天使。

 

……間に合わない……神様……

 

 

 

 

 

ウ゛ォア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア!!

 

(あきら)めかけた私の目の前を、腹の底から恐怖が()き上がるような雄叫(おたけ)びを上げる『黒い何か』が通りすぎ、天使を(はじ)き飛ばした。

 

 

そのまま私は転がり、体勢を建て直……無理、もう足に力が入らない。

 

杖にすがりつつ顔を上げると、黒い騎士のような姿のアンデッドが、盾で天使を押さえつけながら剣でメッタ刺しにしていた。

 

あれは、一体……

 

 

「そこまでにしてもらおう」

 

 

頭上から声?

私は声の聞こえた方を見上げ

 

 

「……ぁぁ……」

 

もはや言葉も(うしな)い、杖も取り落とし(いの)り始めた。

だって、そこには……

 

「……死の……神様……」

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

モモンガは死の騎士(デスナイト)作成で騎士の死体が材料になった事や、自分の方に向かって「死の神様」とか呟きながらメッチャ祈り始めた少女にドン引きしながらも、それらを(おくび)にも出さず威厳溢(いげんあふ)れるロールを続けた。

 

『非公式魔王』は伊達(だて)ではないのだ。

 

 

「我らが印を持つ者に手に掛けようとは、その意味を理解した上での狼藉(ろうぜき)か」

 

 

僧兵たち……陽光聖典のリーダー、ニグンが反応する。

 

「我らの印?……ハッ! アンデッド風情が何を馬鹿な! 自分が神だと? 各員傾聴(けいちょう)! 死に(ぞこ)ないは後だ! 天使をアンデッドに」

 

 

死の騎士(デスナイト)

ウ゛ォア゛ア゛ッ!!

 

主の意を()死の騎士(デスナイト)は天使に突撃した。

 

その加速度とも合わせ、モモンガに向かおうとしていた3体が一振りで()ぎ払われ、後には光る(ちり)だけが舞っていた。

 

 

「なぁ!?」

あまりの殲滅(せんめつ)力に言葉を失うニグン。

 

 

死の騎士(デスナイト)、僧兵どもは殺すな。ただし、一人たりとも逃がすな。死ななければ何をしても構わぬ」

ウ゛ォア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア!!

 

 

その言葉に、(ふところ)から魔封じの水晶を取り出すニグン。

 

「天使の再召喚を急げ! 最高位天使を召喚する! 時間を稼げ!!」

 

 

(最高位天使!?熾天使(セラフ)クラスか!?)

 

死の騎士(デスナイト)、私を」

「出でよ! 威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)!!」

 

 

「……は ?

セラフを警戒して、出たのは単なるドミニオン。

モモンガは思考停止した。

 

 

善なる極撃(ホーリー・スマイト)を放て!!」

頭が真っ白になったモモンガを神聖な光が包む。

 

 

「ふははは、どうだ! 魔神をも葬り去る第7位階魔ほぅ あ あ あ あ あ !?

 

健在(けんざい)なモモンガが呟いた。

「……ちょっとピリピリしたな」

 

 

この状況に、流石のニグンも気付き始める。

 

え……ま、まさか……本当に……か、か、か m

 

「……暗黒孔(ブラックホール)

 

ドミニオンの前に小さな黒い穴が開き、次の瞬間には(ふく)れ上がりドミニオンを飲み込んだ。

 

後には、何も残っていない。

 

 

「さて、何か言い残す事はあるか?」

 

 

「おおおお待ちを! 他の宗派(ゆえ)に気付くのが遅れただけでして、我々は」

 

「我らの印を持つ者を『異教徒』として攻撃するのが『崇高』だと言っていたな。違うか」

 

「ごか、誤解でございます!! 我らは神官長らの命で」

 

「ほう? つまり貴様らの上役も、我らへの攻撃意思があると」

 

 

ニグンは(おのれ)の失態に気付いた。

 

『独断である』として自身の首を差し出すべきだった。

 

自分が口を滑らせた結果、法国は異教の神に目を付けられたのだ。

 

 

「……違うのです……わ、我々は」

 

 

「残りは後で聞くとしよう。……ふむ、手が足りんな」

モモンガは言うと、もう2体、騎士の死体を死の騎士(デスナイト)に変えた。

 

 

聖典隊員らが絶望に(ふる)えた。

 

異教とはいえ神の怒りを買い、彼らの魂は永遠に救われないのだ。

 

そして、きっと自分達も……と。

 

 

転移門(ゲート)……死の騎士(デスナイト)達よ、僧兵どもを連れて行け」

 

 

自分の運命を悟った隊員らが(おび)えだす。

 

いいいやだぁ! 地獄はいやぁ

ひぃぃぃ、た、助け

お許しを! お許しをぉぉ!

 

 

そんな言葉で死の騎士達は止まらず、無理やりに引きずられ、(かつ)ぎ上げられ、運ばれていった。

 

 

最後の一人が入りゲートが閉じられると、後には静寂(せいじゃく)だけが残った。

 

 

この光景を見ていた村人達は、老いも若きも全員が、跪き、すすり泣きながら一心に祈りを(ささ)げていた。

 

 

神が降臨され、無法者どもに天罰を下された、と。

 

 

その祈りを一身に受け、モモンガは静寂の中に立ち、空を見上げた。

 

 

 

 

 

……どうしてこうなった、と。

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

「つまり、数年前に村を訪れた魔法詠唱者(マジックキャスター)から学び、教会を建て、巫女として(つと)めるようになったのだな」

 

 

「……教会といっても粗末(そまつ)なもので……申し訳ありません」

 

 

「何を言う。独力でここまで信頼を(きず)き上げ、維持し、周囲の村からの信望(しんぼう)(あつ)い。やり()げた事の大きさは見た目ではないぞ、エンリ」

 

 

「ぁぁ……神様、ありがとうございます」

 

 

あの後、フル装備のアルベドが到着し、怪我(けが)人の捜索(そうさく)や手当ての(ため)に『ゴブリン将軍の角笛』を、村の教会 (と言っても()()て小屋だが) を切り盛りするエンリ・エモットに使用させゴブリンを召喚、状況が落ち着いてきたところで彼女から話を聞く事に。

 

 

ゴブリン達を即座(そくざ)に使いこなすエンリに「あれ? 俺よりリーダー力あるんじゃね?」と、軽く落ち込んだのは本人だけの秘密だ。

 

 

その魔法詠唱者(マジックキャスター)は気になるものの、滞在(たいざい)したのは2、3週間程度で既に居場所は不明との事。

 

今は彼女しか手がかりは無い。

 

 

「……しかし意外だ」

 

 

「意外とは? 何の事でしょうか」

 

 

「我々は、この世界に来たばかり。既に信者がいるというのがな」

 

 

……話を合わせる為に神様であるのは諦めていた。

 

アルベドが「当然」といった反応なのは()せないとは思っていたが。

 

 

「それについては教典の最後に書かれてある内容が答えかと、私たちは解釈(かいしゃく)しております」

 

 

「そこには何と? 今、教典は持っているかね」

 

 

「はい! こちらをどうぞ!」

 

 

エンリはすぐに『ナザリック教典』を取り出してきてモモンガに渡した。

 

(ちなみに名前は『死の神』で通るようなので名乗ってはいない)

 

 

教典を開くと、そこに書かれていたのは(まぎ)れもなく日本語であった。

 

 

「君は、この文字を読み書きできるのかね。村人達は?」

 

 

「私は布教する立場ですので可能です。教えの通り、信者さんに渡すものでない正式な教典なら、写しを作る際は聖刻文字でなくてはいけませんから。村の皆さんは、読み書きできても王国語だけでございます」

 

 

日本語は聖刻文字らしい。

 

吹き出しそうになるのをモモンガは(こら)えた。

 

 

ここで、ナザリック教について説明しておこう。

 

口伝(くでん)によれば、周辺諸国での始まりは100年前。

 

遠方から来た旅の魔法詠唱者(マジックキャスター)が広め始めたとされている。

 

カルネ村や竜王国の『聖堂』という例外を(のぞ)き、特定の拠点(きょてん)(もう)けず、個々の信者がそれぞれに活動している。

 

その活動形態、そして教義が故に、同じナザリック教徒といっても信仰の形は様々だ。

 

 

最も重要な教義は二つ。

 

一つは『見かけに(まど)わされず、本質を見極めよ』

 

二つ目は『神が伝えんとする真理を見つける事こそが信仰である』

 

 

41柱も神がいて、場合によっては一見矛盾(むじゅん)した教えも存在するナザリック教では、()り合わせ、解釈し、時に議論を交わした上で、自らの答えを見つける事が重要とされている。

 

 

カルネ村では自然を(うやま)い、(めぐ)みを享受(きょうじゅ)し、人々の暮らしに寄り()(おだ)やかな信仰が()されてきた。

(戦わないとは言っていない)

 

 

一方、竜王国での信仰は、その土地(がら)を理由に(きわ)めて苛烈(かれつ)であった。

 

『死んで元々、死なば(もろ)とも、死ぬ気で生きよ』

そんなモットーを掲げ、ビーストマンとの戦いを続け、竜王国民を、聖堂を、その最奥に安置される聖遺物を守る『ナザリック聖堂騎士団』

 

その屈強(くっきょう)さから民からの信望は厚く、騎士団長を務めるクレマンティーヌは、口も悪く『法国からの逃亡兵』という前歴にも(かかわ)らず、周囲から(した)われている。

 

 

他にも、王国内を()り歩き善行(ぜんこう)を続ける一団がいたりもするが、例外たる『拠点』の話なので今回は省略しよう。

 

 

そんな彼ら彼女らの()り所である『教典』の構成は以下のようになっている。

 

神の定義を、そして、その起こりとして天界からユグドラシルへの神々降臨を(しる)す第一部『ユグドラシル創世記』

 

偉大なる41柱の活躍を通じ、その教えを()く第二部『神々の物語』

 

神々の衰退(すいたい)とユグドラシル世界の崩壊、その結果として現世への降臨までを(えが)く『降臨記』

 

 

モモンガのページを(めく)る手が早まったのは、黒歴史のように感じたからではない。決して。

 

 

それはそうと、モモンガは疑問ばかり抱えていた。

 

100年前? 何故?

そもそも、その布教した魔法詠唱者(マジックキャスター)が最初の一人なのか、それとも布教者の一人にすぎないのか。そして誰なのか。

もし魔法詠唱者(マジックキャスター)が最初の一人でないなら、さらに昔という事に……無事でいてくれるだろうか。

 

 

さて、教典の最後は以下のような形で()めくくられていた。

 

 

『空が割れ、大地は崩落した。そこに成す術なく巻き込まれ、物や、聖地や、天界への帰還が叶わなかった神々が、場所も時間も引き離され落ちて行く。気付けば見知らぬ場所。友の姿も無し。ならば探して歩むまで。歩く。歩く。世界のどこかで今日も一人、歌の神は歌い歩く。汝、死を忘れるなかれ、と。』

 

 

モモンガは気付く。『歌の神』?

 

 

( お 前 かああああああああああああ !!! )

 

 

叫び出さなかったモモンガは(えら)い。





次の回から時間を(さかのぼ)って本編です。

(100年前とは言ってない)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。