【完結】おおかみ☆せんせーしょん(ハーメルン移植版) 作:ブドウ冷やしんす
※途中の戦闘シーン以降のBGMは、Dragon Ashみたいなハードロックか、カウボーイビバップOPみたいなスイングJAZZとかを想像して下さい。
(『まんが日○昔ばなし』おばあさん風ナレーションで)
むかぁし、昔、ある村に、おばあさんが住んでいました。
おじいさんを流行り病で亡くしてから、おばあさんは一人暮らしをしています。
だけど、さびしくはありません。
息子夫婦に生まれた孫娘が、いつも遊びに来てくれるからです。
ところが、ある日、孫娘が熱を出して寝込んでしまいました。
村には神殿も薬師もありません。
運の悪いことに、ちょうど収穫の時期で大人たちは大いそがし。
そこで、おばあさんは
「わしぁ年寄りだから、力仕事は役に立たんし、あの子のために薬草をとってきてやろぅ」
おばあさんはカゴを持って森へ行きました。
すぐカゴは薬草でいっぱいになって、村へ帰ろうとするおばあさん。
しかし、その帰り道
「ぅわあ〜、だれか、たすけてくれぇ〜!」
なんと
必死に逃げるおばあさん。
ですが、いくら
とうとう息がきれて追いつかれるおばあさん。
「もぅ、だめじゃあ……」
鬼の手が伸びてきた、その時
「ぇぇぇぇぇぇいあああああ!!!」
何か、とても大きなものが飛んできて、鬼をふっとばしてしまったのです。
鬼は、そのまま動かなくなってしまいました。
「老婆よ、大事ないか」
おばあさんが目を丸くしていると、大きな何かがしゃべりました。
おばあさんが見上げて、よく見てみれば、いくつも入れずみをした岩のようにたくましい体に、黄色くて長い布を巻きつけるように着た大男でした。
きれいにそりあげた頭が、お
男のすがたを見て、おばあさんは
(きっと、お坊様じゃ。なんとたくましいことか)
そう思って、お礼を言います。
「ありがたや、ありがたや。お坊様、おかげで助かりました」
「なに、『困っていたら、助けるのが当たり前』礼にはおよばぬ。しかし老婆よ、なにゆえ一人で歩いておった。見ての通りだ。危険であろう」
動かなくなった鬼を指さして、お坊様が聞きました。
おばあさんが答えます。
「実は、孫娘が熱を出しましてのぅ。みな、いそがしい時じゃから、わしが薬草をとりにきたんじゃ」
すると、お坊様は言いました。
「なんと、それならばしかたあるまい。よし、村まで送ってやるとしよう」
親切なお坊様に、おばあさんは、また「ありがたや、ありがたや」とお礼を言っていると
「なんだいゼロ、また
腰から剣をさげた踊り子さんみたいな女がやってきて、声をかけます。
その後ろには、他にもフードで顔が見えない
ゼロと呼ばれたお坊様が答えます。
「やむを得まい。孫娘のため薬草を穫りに来たのだという」
それを聞いて、
「それはいかん。幼子には無限の可能性があるのだ。魔道の深淵を求める者として見過ごせぬ」
踊り子さんも言いました。
「何もイヤだとは言ってないさ、アンタが行くってんなら付いて行くよ」
立派なお坊様のお供だけあって、みな、お優しいようです。
おばあさんが言います。
「ありがたや、なにもない村ですが、よければ泊まっていってくださいまし。一人暮らしには広い家ですじゃ。お食事も用意しましょう」
お坊様が言いました。
「おぉ、それはかたじけない。ありがたく世話になろう」
「あぁ、ばあさん、俺の分はいらないぞ?……なんだ、その、断食の行をしていてな」
そういえば、タバコを吸ってたおじいさんもアンデッドみたいな声だったな、と、なんだかおかしくなったおばあさん。
機嫌よく答えます。
「あら、それは残念。せめて毛布くらいはお使いくだせぇまし」
そんな風に話していると、遠くの方から荷物持ち風の男が走ってきます。
「ハァ、ハァ、やっと追いついた。置いてかないでくだせぇ旦那方」
どうやら、お坊様の付き人のようです。
お坊様が声をかけます。
「ザックよ、行く先が決まったぞ。この先の村へ向かう」
すると付き人、ザックは
「ありがてぇ! 屋根のあるとこで休める!……食いもんは期待していいんですかぃね?」
「こらザック、意地汚い事を言うな」
お坊様にしかられてしまいました。
小さく笑いながら、おばあさんは言いました。
「大したもんはございませんが、どうぞ食べてってくだせぇ。さ、こちらです」
お坊様たちのおかげで、おばあさんは無事に村へ帰りました。
お坊様たちは2、3日ほど村にとどまり、村人の手当てをしてくれたり、ありがたい話を聞かせてくれました。
そのかいもあって、孫娘は熱も下がって元気になりました。
お坊様たちが旅立つ時、おばあさんは何度も頭を下げて見送りました。
それから、数年ほどあと。
村にめずらしく行商人がやってきました。
おばあさんが世間話をしに行きました。
でも、なにも大したことがない村ですので、お坊様たちの話を聞かせました。
すると行商人、
「ンンンなん、と!
この村に、あの!
法ゥ師
ゼ!
ロ!
の一行ォ!
ンが!?」
と、おどろきました。
どうしてそんなにおどろいたのか、おばあさんが聞いてみると、あのお坊様たちは王国中を、さらには他の国にまで旅をして、行く先々で人々を助け、ある大きな街の大事件をおわらせたり、おそろしい化け物と戦ったりして、『砕憂記』という物語にまでなったすごい方々だったというのです。
話を聞いた村人たちは、もっとお礼をするべきだったと残念に思いました。
せめてもの気持ちにと、その日の事を代々つたえ、村ではナザリック教を信心する事になったのでした。
めでたし、めでたし。
(行商人が来る、少し前)
「良いかパンドラよ。信仰とはな、大事なのは何も神への信仰心ばかりではない。聖人と呼ばれるような敬虔な信徒や、生活に根ざした逸話などが特に重要なのだ。わかるな?(……他に目が向いてくれないかなぁ。いや別に悪い事してるわけじゃない。立派な人は褒めようってだけの話で、何も間違っちゃいない……はずだ。あれ、何か見落としてる気が……)」
(マジか……草の根から外堀を埋めるとか、さすが非公式魔王パネェ……神様になる覚悟ガンギマリか……僕も覚悟決めなきゃダメかなぁ……けどライブ……がまん……ツライ( ;∀;)……何かいい方法は……そうだ! アルベドかデミウルゴスに聞いてみよ!)