【完結】おおかみ☆せんせーしょん(ハーメルン移植版) 作:ブドウ冷やしんす
大変お待たせ致しました←誰も待ってない
「おまけ」編、スタートです(と言っても完全不定期更新です)
一応補足ですが、これはあくまで「おまけ」です。
そもそも当シリーズ自体「作者が読んで楽しむために書いたもの」ですので「作者がゲラゲラ笑うための怪文書」程度にお考え下さい。
新コスチュームと新たなシモベ
竜王国から戻った二人は、再びリおんの部屋で相談していた。
……何? 『何で今もお前がナレーションやってるんだ』だと?
やぁ500年前の読者諸君!
私は500年後のアルス・マグナスだ。
これからも私が変わらず語り部を続けるので安心し……ケラルトとかの件どうなったか? ハァ……
いいかね? 500年もかかったのは
……さて、話を戻そう。
竜王国の件は早々に片付いてしまったため、まだダークエルフの件は調査が終わっていない。
では、どうするか? と、モモンガは相談したかったわけだが……
「……リおんさん、前から思ってたんですけど、何でその格好なんです?」
今のリおんの服装は『緑色の芋ジャージ』の一言である。
中の白Tシャツには『人生万事塞翁が馬!!』と毛筆体の
本人の作ではなく、ギルメンの誰かだろう。
選んで着たのは本人だが。
部屋の雰囲気からは浮いて……いや、部屋の中もカオスではあるが。
とはいえ、むしろここは可愛らしいパジャマ姿とかではないのか?
アイドルとしてどうなのか……
部屋に引き
「……ぁー……何となく?」
「いや何で疑問形……んん、さておき、どうします? ダークエルフの調査は、まだ少し時間が必要みたいですけど。行ってみたい所とかないです?」
「うーん……行ってみたい所……聖王国とか?」
「ほう? 何でまた」
「色々な理由でライブには行けないままだったので……竜王国は一応は行ったし、法国は怖いし……都市国家連合も行った事はないですけど、コキュートス出張させてまでパブリックビューイング見せた以上バレるかも知れないし……消去法ですね」
「なるほど」
「エルフ国も行った事はないですけど、クソみたいな国とは聞いてますし。そのうちエルフ国民は助けてあげたいけど……」
「ふむ、そう言えばエルフの従者達がいるんでしたっけ」
「はい。陛下もエルフ奴隷の救済は少しずつ実施してくれるんでしょうけど、いつまでも帝国に負担はさせたくないので」
「側近辞めても『陛下』呼びなんですね」
「辞めたつもりはないです。神様って立場はありますけど、僕にとっては今でも『陛下』ですよ」
と、ニッコリ笑うリおん。
『仲良いなぁ』と、友達を取られたようなジェラシーで内心への字口なモモンガ。骸骨だが。
「どうしました?」
と、沈黙の意味を気にするリおん。
ゲーム時代のように感情アイコンは出ないので、不機嫌さまでは伝わらない。骸骨だからな。
「いえ、ずいぶん仲良いんだなぁ、と」
「まぁ2年も一緒でしたから。過ごした時間の長さで言ったらアルシェの次には長いので」
「あぁ……2年……最初、心細くなかったですか?」
モモンガは不機嫌を塗り潰すくらいには『一人にしてしまった事』を申し訳なく思った。
「みんな良い人ばかりだったから大丈夫ですよ。そもそも、いきなり陛下のドレスルームの中に出ちゃいましたし」
「ぇえ!? いきなり城の中スタートだったんですか!?……よく戦闘にならなかったですね」
「あはは、まぁ『不法侵入』は僕の方ですし、『何か物語を』って言われて千夜一夜作戦で行ったら気に入られちゃいまして」
「……千夜一夜? って何でしたっけ」
「あー……カクカクシカジカ」
「マルマルウマウマなるほど、確かに『続きモノ』の魅力は強いですよね。……聞いてみたい……」
「あ、じゃあ今度みんな集めてやりますか」
「……今度は『守護者の皆で』って言わなきゃ。また『大イベント』にされてしまう」
「……あ、はは……まぁ、さておき、そういうわけで行くなら聖王国を見てみたいかな、なんて」
「分かりました、けど、それなら今までの『お忍び装備』もライブも封印ですね」
「がふッ!?……歌もダメですか」
「いや、バレたくないんでしょ? 絶対バレますって」
「うぅ……封印……でも……うぅ……」
(ライブへの欲求が高まれば社会復帰に繋がるだろう……とはいえ、あと一押し、もしくはハードルが下がるような体験が必要かな)
などと、『我ながら上手くやれてるんじゃないだろうか』と思いながら心のメモに記録しておくモモンガ。
ともあれ、そうなれば新たな『お忍び装備』が必要と思い、
「さて、別の装備って何かあります? なければ宝物殿とか漁りますけど」
「……ハァ……そうですね。いえ、それなら確か……」
思い当たる節があったのか、リおんは積み上げられたぬいぐるみの山に頭から突っ込んだ。
足をプラプラさせながら探している。
「……あ、あった!」
出て来たリおん、手にした装備をポーチに入れ、ポーチに手を突っ込んだまま『むむむっ』と真剣な(?)表情で……恐らくショートカット設定でもしているのだろう。
それが終わると「よしっ!」と立ち上がり、その場でクルッと華麗にターン(ターンする意味は無い)して装備を早着替え。
「これです!」と言った姿は白地に青が基調の水兵服だった。
スカーフのみ赤で、下は膝丈のハーフパンツだ。
背中には……あー……オリジナルの楽器、だろうか、長い円錐管の先端に巨大な法螺貝が付いた、身の丈以上の……イメージとしてはモン○ンの狩猟笛に近い、のか?……を、背負っている。
帽子に付与されている魔法か、はたまたウィッグか、髪の色も黒に変わった。
帽子から耳は出ていない。
モモンガは首を
「そんな装備あったんですね。使った事ありましたっけ」
「いえ、念のために作って使う機会はなかったですね。ほら、
リおんは遠い目をした。
戦士系や
ただ、リおんの語る
ちなみに私はカネに困った事などないな。
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《一方その頃、今のアルス・マグナス》
「……ハァ……ハァ……♡」
「くくく、どうだい? フレイヤ。そろそろ決心が着いたかな?」
「……くっ」
「さぁ、返事を聞こうか……
『滅びの魔樹──種族を越えた英雄譚』
各登場人物を追ったスピンオフまでセットになったプレミアムエディション!!
……通常なら5000億ヴァリスのところ……
今だけ! あなただけ!!
ギルドに私のファミリアを仲介すれば10億!
たった10億ヴァリスでご提供!!!」
「……こんな胡散臭い奴に! でも買っちゃう♡」
「まぁいどありぃぃッ!!!(……チョっロww)」
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話題を変えようとモモンガは口を開く。
「ぁー……オホン、どんな装備なんです?」
「『固さ』オンリーです」
「…………………………その心は?」
「いざって時の突破用ですね。いきなり
「………………ぁー……なる、ほど……?」
確かに『移動速度上昇』くらいなら笛で一時的に何とかなるだろう。
リおんは『自分は演奏できるのにキャラが演奏できないのはヤダ』という理由から『演奏者』系の職業も取得している。
だから歌なし楽器のみでも
……そのせいで職業レベルに圧迫されてワーウルフの種族レベルは、大狼形態はカスなのだ。
だが、そんなマネをしなければならない時点で詰んでいると思う。
リおんは一応『知巧』派ではあるのだが、ぷにっと萌えほど頭脳派というわけではないため、時折こういう部分を見せる。
……脳筋寄りな女性陣の影響、という可能性については本人達の名誉のために断言を避けよう。
さて、そんなアレコレは置いておくとして、外へ『お忍び』となれば考えなければいけないのが『設定』やら『お供』やらである。
改めて話題を変えようと訊ねるモモンガ。
「そ、それじゃあ! 設定どうしましょうか。たぶん守護者からも『誰かは護衛に』って言われるんだろうし、内容に合わせた選抜をしないと」
「……うーん、設定……この格好だし……そうだ! 海の向こうから来た海運商人の
「おぉ、良いですね! じゃあ名前は……リーオとかどうです?」
「……ふぇ!?……ど、どうしてその名前なんです、か?」
「? 単純に短くしただけですが。
「……あぁ、なんだ、そういう……」
「あ、私は『護衛に雇われた傭兵』モモンなんて、どうです?」
「え、前衛ですか?」
「やってみたかったんです」
「うーむ……まぁ確かに、力量をセーブするなら丁度いいかも?」
「決まりですね! じゃあ私の姿は、こんな感じでどうでしょう」
読者諸君なら
……いや、『ダークウォリアー』の方が良いかなww
しかし、その姿を見たリおんはビミョーな表情を浮かべて言い淀む。
「……どうしたんですかリおんさん」
「……いやぁ、何と言いますか、その格好だと『傭兵』は無理なんじゃないかなぁ、と」
「え?」
「どこからどう見ても『どこかの国の騎士団長』ですよ。やっぱりユグドラシル感覚が抜けてないですねモモンガさん」
「……そう、ですかね」
「この世界でそんな装備を手に入れようとしたら、すごく大変だと思いますよ? 傭兵って言ったら、もっとこう、使い古された無骨な装備を……あと、そんな大剣を、しかも二刀流なんて……
いや、確かにデカい武器を腕力に任せて振り回すのは、モモンガさんの『剣士としての技量のなさ』を
言いながら、適当な紙に絵を描くリおん。
「うーん、そうなんですか……」
受け取ったモモンガが絵を見ると『大きく、ぶ厚く、重く、そして
想像して欲しい。
ユルユルな顔の首から下が、鎧とかはリアルでゴツいのだ。
「……リおんさん、相変わらずですねぇ」
「え、何がです?」
このワンコロ、物品の絵を描く分には問題ない(実際ジルクニフに見せた望遠鏡やらの絵は大丈夫だった)のだが、人物やキャラクターを描こうとすると、何故か『下手ウマ系』になってしまう。
ギルメンの間では『味がある』とかでウケていたが。
「……ともかく、まぁ、分かりました。装備のデザインは後で少し考えてみますね。二刀流も諦めましょう。それは良いとして、あとは従者か……」
モモンガは人間種に見えるプレアデスを思い浮かべた所で、
「そう言えば」
と思い出した。
「どうしたんです?」
「いえ、プレアデスの他に誰かいるかな、と考えて思い出したんですけど、以前タブラさん達に言われて傭兵NPC作ってたなぁ、と……アルスさんが」
「…………………………大丈夫なんですか、それ」
「……詳しくは知らないんですよね。確か封印状態で放置されてたんで、念のため確認って意味も含めて、ちょっと見に行きますか」
「……部屋にトラップとか」
「いや、流石に……ない、と、思います。掃除してる一般メイド達が無事なので」
「……ナザリックの安全のために見に行きましょう」
心外だな。
………………途中で出会したルプスレギナはリおんの姿に
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「アルスさんの部屋は、ほぼデフォルト状態のままなんですね」
と、モモンガ。
ま、パッと見はな。
ただ、細部には
それより目立つのは……
リおんが指摘した。
「いや、あの、部屋のド真ん中にある
見た目としては黒い木棺タイプでモダンな装飾彫りが
「あれの中身が彼の傭兵NPCです。開けた事はありませんが」
そう言いながら逆探知妨害魔法や探知魔法などを連発し、たまに「うわ……」と声を
スクロールに頼らねばならない魔法は、リおんに呪歌でカバーしてもらっていた。
リおんも「……ぅへえ……」と声を漏らす。
まぁモモンガくらい慎重なら私の部屋のガサ入れも問題ないだろう。
ん? 別に何とも思っていないよ。
見られて困る物は置いていない。
そもそも『単なるゲーム』のつもりでしか部屋を使った事はないからね。
「……ふぅ……これで問題ないと思いますので、開けてみましょう」
「……部屋の状態から、どんだけヤバい人か分かりました」
失敬な。ちょっとした遊びの
「じゃ、開けますね」
リおんが鍵を解錠し、蓋に手をかけた。
中に眠るは、闇夜の如き漆黒のスーツを
そばかすのある鼻に眼鏡が乗っており、胸の上で指を組まされた腕の中には古ぼけたマスケット銃を抱いている。
「……あれ、この特徴、どこかで……」
「どうしました? リおんさん」
「いや、なんか見覚えが……あ! 思い出した! 『リップヴァーン・ウィンクル』だ!」
「誰です? それ」
「昔の古い名作漫画の登場人物です。ただ、やられ役だったので細かい設定とかは、なかったと思います……どんなフレーバーテキストになってるのか不安ですね。……あれ、何だろう。手の下に紙が」
リおんが抜き取った紙は、フレーバーテキストの写しだ。
内容を読み進めた彼は「なるほど! そういう解釈……へぇ」と、言うなれば『二次創作物』を見るように楽しげな様子。
「いや一人で面白がってないで説明して下さいよリおんさん」
内容は、こうだ。
『19世紀リンブルク公国東部、ドイツ国境付近の森林地帯出身。猟師である父親が殺され、
ちなみにレベルは40にしておいた。
その辺りまでを説明し終えて、リおんが『マスケット銃とか、
「………………ぇ、あ、えーっと……おはよう、ございま、す?」
ぎこちなく挨拶するリおん。
紙を抜き取る事を起動カウントダウンのトリガーにしておいた。
リおんが説明し終えて覗き込むまでの時間を予想して。
文末にある『最初に目が合った相手をマスターと認識する』という部分までは読み終えてなかろうww
起動したリップヴァーン、頬を染め即座にリおんへ抱き着いた。
「
「ふぅええええッ!?」
吹っ飛ばされて
「……おい……誰に何してんのか、わかってんだろうなぁ」
誰の台詞か分からないと困るので言っておこう。
ルプスレギナである。
『激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム』5秒前である。
フレーバーテキストに起因する能力まで
アイアンクローでリップヴァーンを宙吊りにしたルプスレギナは、にこやかな笑顔で
「このデクは教育が足りないようですので、お預かりいたしますね♪」
そのまま
「……とりあえず危険はなさそうですね」とモモンガ。
「……従者、どうします?」とリおん。
「……もう少し、じっくり考えましょう」
二人の会議は続く。
ア「中々良いチョイスだろ? 眼鏡だし」