【完結】おおかみ☆せんせーしょん(ハーメルン移植版)   作:ブドウ冷やしんす

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※注意、この回はオバロ以外の作品とのクロスオーバーです。

そういうのが苦手な方はブラウザバックをお願いします。

私の自己満、息抜き怪文書として大目に見て下さいませ……
 



読み切りif短編 もしもリおん君が転移先を盛大に事故ったら

 

 

side???

 

 

───その日も私は学校から帰るなり、いつも通り『日課』に取りかかろうと押し入れの引き戸に手を伸ばした。

 

 

……疲れた、しんどい……こんな時こそ自分の世界に()()もらねば……

 

 

けれども、そこから先の展開は、いつもとは違っていた。

 

押し入れの中から、明らかに妹とも違う、少年の声が聞こえてきたのだ。

 

 

「え! 真っ暗!? ここどこ!?(ゴンッ)あ痛 ! え、なんで痛い!?」

 

 

……え、え……だ、誰……?

 

ま、まままままさか泥棒!?

 

一体どうやって!?

 

窓は閉まってたし下にいた家族も普段通りで、何も変わった様子なんてなかったのに!?

 

そ、それに私の部屋に『金目の物』なんて……あ。

 

 

押し入れの中の『アレ』だけはヤバい!!

 

盗られたら人生が終わってしまう!!

 

 

……あ、開けるべきだろうか……いや、その前に助けを呼ぶ?

 

というか本当に泥棒なんだろうか。勘違いだったら?

 

 

などと、私がオロオロしてると引き戸がスパァンッ!!

 

ピィ!?

 

中から出て来た、同い年か一つ下くらいに見える、帽子を被った赤毛の『とてつもなく顔面偏差値が高い』男の子と目が合った。

 

 

「ぇ、あ、あの、えっと……ど、どどどちら様で……」

 

「リ、リおん・がぶりールと申します……」

 

が、外国の人!?

 

あいきゃんとすぴーく「あ、日本語で大丈夫です」あ、はい……ぇ、えっと……何故、ここに?」

 

「それが、その、僕にもよくわからないっていうか……すみません 、 ここ 、 どこなんでしょう

 

……よ、良かった(?) 外国の人だけど泥棒じゃなくて迷子だ(!?)

 

 

安堵(あんど)した私は応えた。

 

「ここは私の家で、私の部屋で、私の、押し、入れ……」

 

言ってて急に申し訳なくなった。

 

勝手に入られたとはいえ迷い込んだだけなわけで、私のようなナメクジの生息地の空気を、こんなお美しい少年に吸わせるなど……むしろ私の方が犯罪的……いや、もはや犯罪では!?

 

瞬間、私の脳内で最悪の展開が繰り広げられた。

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

「フリーズ! デトロイト市警だ!!」

ォギャア!?

「美少年に生活臭を吸わせ罪の現行犯だ! 貴様には黙秘権も弁護士を呼ぶ権利もねぇ!! ゲハハハハ!!

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

す、すみませんでしたぁぁぁッ!?

「何が!?」

 

我に返った私は、慌てて()(つくろ)った。

「……ぇ、あ、いえ、今、警察……」

 

「……え? 警察?……あ! ごごごごごめんなさい! すぐに出て行き

 

飛び出そうとした彼の足にケーブルが引っかかったらしい。

つんのめって顔から畳へ……い、痛そう……あれは痛い(私も前にやった)

 

 

私が慌てて助け起そうとした時、彼が何かに気が付いた。

 

「いったた、違うんですたっちさん、これにはワケが……あれ? これ……ギターケース?」

 

「ぁ、ぁ、はい、お父さんの……み、見ますか?」

 

 

誰かと初めて共通の話題!? き、キターッ!!

外国人イケメン少年とお近づきに!?

これはもう私『陽キャ』では!?

 

……と、私が浮かれてケースから取り出してみせると、

 

 

「こ、これ、ギブソンのレスポール……しかもカスタム!? 現存してたなんて……」

「ぁ、え、そんなすごいものなんです、か?」

 

お父さん、そんなものを私に!? ※違います

 

 

私が戸惑(とまど)っているとリオン君は急に青ざめて(つぶや)いた。

 

「こんな希少品を持ってるという事は、実はとんでもない大富豪なんじゃ……」

 

え?

 

私に視線を戻した彼は、涙目になって言った。

 

な 、 なんでもしますから許して下さい……

 

……ゲスい悪者なら「今、なんでもって言ったなぁ? ゲッゲッゲッゲッ」となるような、いかがわしい場面みたいにも見えるセリフを彼に言わせたなどと、彼の親御さんに知られたら……

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

「被告、後藤ひとり、美少年にヤラシイ事しようとした罪で死刑!」

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

あばッばッ!?

 

「ぇ、ぇ、ど、どうしたんですか……?」

 

「ごかッ、誤解なんです裁判長!? 私はただ仲良くしたくて!!」

 

「……仲良く……じ、じゃあ! 友達になりませんか!?」

 

「………………ぇ……へ?……と、もだ、ち……?」

 

「はい! だから、その……勝手に入った事、ゆる………………ぇ?」

 

 

私は、あまりの幸福感に天へと昇る気分だった。

 

 

「……ぇ、天使に種族変更? てか、あれ? ここってリアルだと思ってたのに、え? ユグドラシル内だったの? ってイヤイヤイヤイヤ!? どっちにしろ帰って来て下さぁぁいッ!?」

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

落ち着きを取り戻した私がリおん君(外国の人じゃなかったらしい)から話を聞いた所……なんと彼は近未来である西暦2138年、流行っていたDMMO-RPG『ユグドラシル』で活躍していたバーチャルアイドルなのだという。

 

そのサービス終了で、原因不明の転移現象で2017年の現代に来てしまった!!

 

……という設定らしい。

 

 

いや、いくら私の頭でも分かっているのだ。

 

突然犬耳美少年(そんなの)が現れて『友達になろう!』なんて都合が良すぎる。

 

つまり!

 

恐らく彼は、私の(さび)しさが生み出したイマジナリーフレンド!!

 

そう考えれば全て辻褄(つじつま)が合う。

 

2138年? DMMO-RPG?

 

我が脳ミソとはいえ、何と作り込まれた設定だろうか。

実は作家の才能もあったとか?

 

……小中学校の休み時間……図書室へ……ぅッ頭が!

 

 

というか、触れる事さえできるイマジナリーフレンドだなんて、これはもはやスタ○ドでは!?

 

ギターを極めすぎて超能力に目覚めたのか私は!?

 

 

……などと私が一人で納得していると、説明を終えたリおん君が言った。

 

「そんなわけで、話が通じる方に出会えて本当に安心したんです。だから僕としても是非、仲良くなってほしいと思っています。ギターやってるなら共通の話題にも困りませんし。なので、えっと……」

 

「……?」

 

なんだろう、こちらを(うかが)うような表情……?

私がキョトンとしていると、

 

「あの……お名前をお()きしても?」

 

あ……そうだまだ自己紹介してない!?

いくら自分のス○ンドだとしても好感度は重要!!

 

 

「ぁ……あッ、はいッ、後藤ひとりと申しまッじゅッッ!?

 

 

「……え!? 大丈夫ですか!? 口から血が!?」

 

 

……ふぁい、はいひょうふ(大丈夫)へふ(です)……ひは()あいひっは(噛み切った)はけへ(だけで)

 

 

ぅ、うわあッ!? すッすぐ治癒かけますからぁッ!?」

 

彼が慌ててギターの演奏と歌を……どこの国の言葉か分からないけど綺麗(きれい)唄声(うたごえ)……って、あれ?

 

「しッ舌が治ってる!?」

 

「……よ、良かったぁ……ちゃんと効いた……」

 

 

こ、これが私の○タンドの能力かぁッッ!?

歌で治癒なんてスゴい!!

 

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「いえいえ、驚きましたけど、友達のためですから」

 

 

とッッッともだちぃぃぃッッッ!?!?

 

 

ぅえッひへへへ……とッともだッちへへへ……

 

「……ぇ……ぇ……顔面が崩」

 

……と、私が全身トロトロになりそうな愉悦(ゆえつ)(ひた)っていると廊下の方から足音ヤバい!? 妹のふたりだ!!

 

「あ! リおん君、隠れ」

 

ドアを開ける音!? 間に合わない!?

 

 

「お姉ちゃん? 誰と話して……」

「ふッふたり!! この人は別に怪しい人じゃ……」

「……? 誰もいないよ?」

 

 

「………………へ?」

 

 

振り返ると、そこには本当に誰もいなかった……

 

私が呆然(ぼうぜん)としてると、ふたりが何か納得したように言った。

 

「ぁ……お姉ちゃん、現実を見なきゃダメだよ」

「……ぇ?」

「ちゃんと本物の友達つくろうね」

 

それだけ言うと「ジミヘンと遊んでくるー」と出て行った。

 

 

………………ぇ……え?……消えちゃ……イマジナリーフレンドだから?……そ、そんな……

 

ショックのあまり膝から崩れ落ちt

 

 

「ふあー、びっくりしました……」

 

 

「………………え……?」

 

顔を上げると、さっきと変わらないリおん君の姿が!?

 

「どうしました?……あ、驚かせちゃいましたね。高速歌唱で不可知化のまほ「ぅああああッ!!!

 

 

安堵と感激で思わず飛び付いた。

 

 

ぁうあ 、 ともだ 、 消え 、 ぐすッ 、 良かっ 、 ぇッぐ

 

「……ぁ、あはは……大丈夫ですよ。いきなり、いなくなったりしませんって」

 

困ったように笑い、私の頭を()でてくれるリおん君。

良かった……消えてない……

 

 

だが、続けて申し訳なさそうに言ったリおん君の言葉が私の心臓に突き刺さった。

 

「……えっと……もしかして、ひとりさん、友達、いないんです?」

ぐはッ

 

喜びから奈落の底へのジェットコースター……

 

 

ひとりはしんだ。

 

 

「………………あれ……ひとりさん?……ひとりさぁぁん!?

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

その後、何とか復活した私はリおん君の住居問題について話し合い (霊体化とかできないのか……あ、設定ですねわかります) 建築系のスキルを持つモンスターを召喚してウチの屋根の上に足場を築いた上で『グリーンシークレットハウス』という野営アイテムを設置、魔法で隠して住む事に決まった。

 

 

魔法って便利だなぁ……それにしても解決策があって良かった……

 

だって私のような下等生物(ガガンボ)と同じ部屋に住まわせるなど……美少年と一つ屋根の下? 何と罪深い!!(だだだだ抱き付いた事に関しては許して下さいませぇぇ……)

 

彼だって「流石にココで寝起きするわけには……///」なんて言ってたし、きっと湿気とか臭いとかイヤだったに違いない。

 

 

飲食についても問題ないとの事。流石スタン○

 

※彼女はガチオタでもジョジョニストでもない単なるニワカである

 

何にせよ、きっとここから私の人生は奇妙な冒険が始まるに違いない!!

 

そんな風に期待を抱きながら (秘密の建築工事が進んでいる間) 一人で『guitarhero』の配信をしつつ (つい、いつもの調子で「バスケ彼氏あきてきたしー、ギターやってる年下クンに告られたから付き合ってあげる事にしたー。かわいい♡」などと余計な一言を動画に付けてしまったりはした) 未来への希望に心を踊らせ……

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

……翌日、私は学校で見事に玉砕していた。

 

今は、友達獲得作戦のためアピールしようとジャラジャラ身に付けていたバンドグッズなど外し、中に着てるバンドTシャツを隠すようにジャージ前も首まで閉めて、公園のブランコに座っている。

 

 

リおん君が声をかける。

 

〈……えっと………………た、たぶん存在感が強すぎて圧倒されてたんですよ! きっと大丈夫ですって!〉

 

そうだろうか……そうだと良いなぁ……

 

 

ちなみに魔法で姿を隠して、私には『見えるようになる魔法の指輪』をくれて、ずっと近くで見守ってくれていた。

 

それでも昨日の『いかにもファンタジー世界の吟遊詩人』みたいな姿ではなく、上が2ヶ所とがってる黒いニット帽で犬耳を隠して、えっと、だむんいっと……? 良く分からない英語の白い殴り書き風プリントの、ダボっとした黒Tシャツ、同じくダボっとしたミリタリー風ハーフパンツからはサスペンダーが肩にかけるでなく垂れ下がってて、ん? ハーフパンツとスニーカーの色は髪色に合わせて赤系、サスペンダーは瞳の色に合わせてるのか!? こ、これが陽キャのファッションセンス……

 

あとポーチもファンタジー風のじゃなく、カジュアルなデザインのウェストポーチを腰に斜め掛けしてる。

どちらも無限ポーチなのだとか。スゴい。

 

この服装、じゃなかった装備? を見せてくれた時の「ちょっとロックでしょ?」アイドルスマイルやめて下さい私のような陰の者は浄化されてしまいます……

 

 

……それはさておき、やっぱり最初に「流石に、やりすぎじゃないかなぁ……」って彼の忠告(ちゅうこく)を聞いていれば……

 

 

ブラックホール化しそうな空気の私に彼が言った。

 

〈むしろ見た目じゃなくて、みんなの前で実際に演奏した方が良いアピールになったんじゃないですかね〉

 

それができたら苦労してないよ……

 

「プレッシャーが……視線が……評価されてしまう事が無理です……」

 

〈うーん……評価とか関係なくて、自分が楽しんで演奏するのが大事なんじゃないでしょうか。それを見てもらえば、きっと〉

 

「たッ楽しむ余裕が……」

 

 

すると、私が『ジュッ』ってなりそうな輝かしい笑顔で彼が提案した。

 

〈なら練習しましょう!〉

 

 

「れ、練習、とは……?」

 

〈僕に見せて下さいよ、演奏!〉

 

「ぇッ」

 

〈評価なんてしません。ひとりさんが楽しんでるのが見たいです!〉

 

「で、でも今アンプとか……」

 

 

〈一式ありまーす〉

 

ポーチから小型ながら本当にアンプがズルリと、

 

 

「え!? それ私のギターにも使えるやつですか!? ファンタジー製品じゃなく!?」

 

〈昨日、買ってきました!〉

 

「え!? お金は!?」

 

〈手持ちで、魔法とか付いてない宝石あったので (……み、身分証とかは呪歌でゴニョゴニョ……) と、ともかく! いつか必要になるかと思って、ひとりさんにプレゼントです!〉

 

「へぅッ!? ぷップレゼント!? わわわ私が、とッ友達から、プレ……へっひ

 

〈だから、僕を『最初のお客さん』にしてくれませんか?〉

 

「ぅッ、ぅう……お、お客さん……」

 

 

退路を断たれた私が高速振動しだしたら、リおん君は提案を切り替えた。

 

 

〈ぁ……あはは、無理かぁ……じゃあ、一緒に楽しみましょう!〉

 

いつも彼が背負ってる、ちょっと変わったギター……リゾネーターギターというらしい……それを演奏し始める。

 

エレキとは違う、フォークギター寄りの音で勇ましい、だけど時々(あで)やかさも感じさせる旋律を響かせる。

 

歌は、やっぱりユグドラシル語で意味は分からない。

 

でも()き込まれるように聞き入って……あれ? なんだろう、さっきまでの緊張や不安が消えて……

 

 

気が付くと、何か衝動に突き動かされるみたいにギターを取り出しアンプに接続、調整の音さえ演奏の一部みたいに楽しみながら、彼の音に飛び込んだ。

 

 

スコアなんて知らない。ユグドラシルの曲なら当然。

 

だからアドリブで合わせて殴り込みだ。

 

それを受けて彼がメドレー演奏みたいに曲を変えた。

 

付いて来いって?

 

面白い。ダンスしよ?

 

行く先も分からないまま突っ走るけど、恐怖はない。

 

 

ただ楽しい!!

 

 

……そんな風に互いに音を絡ませながら、どれくらい弾いてただろう。

 

彼の音色に『終局』の雰囲気。

 

合わせるように、着地点を大雑把(おおざっぱ)に予想しながら旋律を終わりへと収束させていく。

 

そして、()き鳴らす彼の横、私の残響。

 

最後に合わせて弦を弾き、静寂(せいじゃく)が残った。

 

 

……空を見上げる。

 

アタマの中が空っぽで、ただ余韻(よいん)に浸る。

 

誰かと演奏するって、こんなに気持ち良いものなのか……って、え? 拍手?

 

 

対面してるリおん君を見たらギター持ったままだし、違った。

 

あと彼は私じゃなくて横に視線を……そちらに私も目を向けると、サイドテールが可愛い同年代の、けど別の学校のリボンを付けた女の子が拍手してた。誰?

 

「めっっっちゃスゴかった!! カッコよかった!! 感動した!!! guitarheroみたいだった!!!」

 

「ッ……ぁ、どうも」

 

 

バレたかと思った……

 

それはそうと、彼女の視線は私にしか向いてない。

リおん君の不可知魔法は解除されたわけではなさそう。

彼自身、口の前で人差し指を立ててる。

 

 

「あの! いきなりゴメンね!? 私、下北沢高校二年、伊地知 虹夏!」

 

「……後藤ひとり、秀華高校一年です」

 

「そ、それで、あのね! ひとりちゃんの腕を見込んで助けてほしい事があるの!」

 

 

助ける? ギターで?

 

 

「実は私、バンド組んでドラムやってるんだけど、今ちょっと困ってて……お願い! 今日だけ私のバンドで、サポートギターしてくれないかな!?」

 

「……ぇ?」

 

「これからライブなのにギターの子が突然辞めちゃって!!」

 

「ぇ、ぇ、」

 

「ひとりちゃんならきっと弾ける曲だから!! なにとぞ〜!!」

 

 

グイグイくる虹夏ちゃん。

 

たじろいでいるとリおん君は『行け行けー!』と……

 

……よし、やってみるか。

 

 

薄くニヤリと笑って応える。

 

「……いいよ」

 

「ホントに!?」

 

 

私たちは虹夏の案内で付いて行き……

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

「ひとりちゃんゴミ箱から出て来てー!? もう本番始まっちゃうよー!?」

 

……む、無理ですゴメンナサイ……

 

 

リおん君の魔法が解けた。

 

音合わせまでは対応できたものの、さっきまでの自分を思い起こしても『頭おかしいんじゃないの!?』としか思えない……

 

ベースのリョウさんにも「ついさっきアダ名の話で苦笑気味に『……ふふ、ぼっちです』とか返してた時までのクールな感じとの落差よ。おもろ」と言われた。

 

 

私は小声でリおん君に助けを求める。

 

「お願いします……さっきの魔法かけて下さい……」

 

〈うーん……けど、それで良いんですか? そっちが『素』だと思われたら、逆に困りません?〉

 

「ぃ、いつか大丈夫になれるように頑張りますから……今は……今だけは、どうか……」

 

〈ふーんむ……わかりました……じゃあ、ちょっとだけ。もしかしたら途中で効果が切れるかも知れませんが、そのまま頑張って続けて下さいね?〉

 

「ぅッ……ぅう……わ、わかりました……」

 

 

再び心に響くリおん君の歌 (歌い出しまでで止まった)

おお……力が湧いてくる!

 

ゴミ箱から出ようと立ち上がる。

 

 

「すみません、今出ま「コレでも被って演奏したら良いんじゃね?」がぼッ!?

 

 

頭を出した途端、リョウさんに何か……段ボールを被せられたらしい。

 

リおん君が〈完熟……マンゴー……ぷふッ……あ、いやいや、ある意味ロックですよ! カッコいいwwうんwうんw〉って言ったのが聞こえる。

 

ふむ、カッコいいのか。なら問題ないな。

 

 

「さぁ、行きましょう。ステージへ」

 

ギターを(つか)んで歩き出した。

 

 

後ろから、

「ちょ……絵面(えづら)……w……ギャップ……ww……やめ……集中でき」

「自分でやった事だけどw……これは……ww」

 

……どうしたんだろう。

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

結論から言えば『演奏は』何とか成功した。

 

リおん君の魔法でブーストされてた分、音だけを頼りに二人の演奏に付いて行くなんて事も可能……と、言えなくもなかった。

 

でも流石に『アイコンタクトできない』というハンデは大きく、ブーストなし限界状態の自分が弾くよりはマトモな演奏だったとは思うものの、お互いに追いかけっこ状態になったり逆にペースを落としたりと『演奏技術はあるのにテンポはグダグダな学芸会レベル』というチグハグな結果に終わってしまった。

 

なので私の貢献度も『謎の段ボールギタリスト』というウケ狙いに成功した、程度の反応だった。

 

それでも……

 

 

「ミスりまくったー!」

「けど、ぼっちがいたおかげで悪い反応じゃなかったね。インパクトでかかったし」

 

あんな自信満々だったクセに大したクオリティでもなかった私を悪く言うわけでもなく、青春したって感じに笑い合う二人。

 

〈ま、最初にしては大成功だったんじゃないですか?〉

 

と、明るく励ましてくれるリおん君。

 

 

私は控え室の床に正座し、

 

 

「お? ぼっち、どした?」

「ひとりちゃん?」

〈 (・ω・)?〉

 

 

ジャージの前を腹までガバッと開け、

 

「ぇ、でっか!?」

「……メロンかな」

〈!?!?〉←何かイケナイものを見たように目を逸らした

 

両手でギターのネックを逆手に握り、

 

 

「いざ、切腹を……!!」

 

 

「いやいやいやいやぼっちちゃん!? 何やって」

〈落ち着いて下さいひとりさん!?〉

「マジか、ロックだ」

 

あ、あんな無様をさらして……皆さんに顔向けが……

 

情けなさに項垂(うなだ)れる私に、けれど

 

 

「何言ってんだか! 全然そんな事なかったよ? 私、ぼっちちゃんと一緒に演奏できて楽しかったし」

 

「うむうむ、納得いかなかった部分だって、これからだ、これから」

 

〈お二人の言う通りですよ! 大丈夫!〉

 

 

まるで天からの遣いのような優しい言葉に、私は歓喜に打ち震え、涙で顔のパーツが流出した。

 

ぁ、あぅあ……皆さん……が、頑張りましゅ……

 

 

空気を吹き飛ばすように虹夏ちゃんが声を上げた。

 

「さ! それじゃあ、ぼっちちゃんの歓迎会、兼、我ら結束バンドとしての反省会でもしよ! 打ち上げよ打ち上げ!」

 

 

へぅッ!? 打ち上げ!?

 

何とか持ち直したとはいえメンタルが削れきった今の私には、そんな陽の気が満ちたイベントはキビシイ!!

 

 

ぁ、あの、私はMPがゼロになったので帰ります……

 

「……へ?」

 

〈え? 僕は全然余裕ですけど〉

 

罪悪感を抱きつつ『何とか逃げきりたい!!』と声を絞り出した私にリョウさんらも援護射撃が。

 

「ごめん、眠いからパス」

 

「へ?……ウガー! 結束力ぅ!!

 

 

荒ぶる虹夏ちゃんに申し訳なさから作画崩壊しながらも、どうにか陽イベントは回避できたのであった。

 

 

〈まぁ何にせよ、友達できてバンドデビューして、良かったですね! さ、帰りましょうか!〉

 

「……ぇへへ……」

 

 

 

「………………」

「リョウ? どうかした?」

「……いや、何でもない」

 

 

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それからも、色々な事がありました。

 

例えば……

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

「り、リおん君ッ、こここコレ、何ですか!?」

 

半泣きで押し出すように見せたパソ画面。

 

そこには……

 

 

『彼氏でーす(。•̀ω-)☆』

 

首から上は映っていないものの、ゆったりした部屋着姿でリゾネーターギターを奏でる明らかにリおん君と分かる動画が!!

 

コメント欄は、

 

『なん……だと……』

『いつものフカシだと思っていた私をお許し下さい』

『てかめっちゃ上手い』

『部屋着かわいい』

『え、て事は今までのも事実だった可能性が』

『それはない』

 

などと盛り上がっていた。

 

 

リおん君は、

 

「いやー、元配信者として血が騒いで、つい。それに色々『好き勝手』書いてくれてたみたいですし?」

 

「ぁッ、ぁッ、そそ、それについては本当に申し訳ございませんでしたぁぁッ!?

 

 

バレてたぁ!?……ぇ、というかイマジナリーフレンドなのに映像映れるの!? 実態化!?

 

 

なお、私の配信活動は家族に筒抜けだったらしく、後日、緊急家族会議が開かれ私のメンタルをゴリゴリ削り取ると共に

 

つつつつ付き合ってるとかじゃないんですッ! ふざけて書いた事が友達にバレて仕返しされただけなんですッ!! 信じて下さいぃッ!!!

 

と鼻水たらして涙ながらに潔白(けっぱく)を訴えた結果、妹は私に友達ができた事に驚愕(きょうがく) (失礼な) 両親は大喜びで「今度ちゃんと紹介しなさい」と言われたので、実はウチの上に住んでるのに外から連れて来て挨拶してもらうという意味の分からない状況になったり……

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

ファミレスでリョウさんに私が書いた歌詞を読んでもらった際、

 

「……良い歌詞だね。けどコレ、本当にぼっちが書いた歌詞?」

 

「……ぇ?」

 

 

「それとも、『友達』に書いてもらったとか?」

 

その視線は、『誰もいないはずの』私の隣に向けられていて……

 

 

きッ気付かれてるぅッ!?

 

 

「りッ、リョウさん! 彼はその〈あちゃー……〉……へ?」

 

リおん君は両手で顔を(おお)って天井を(あお)いだ。

 

〈カマかけですよぅ……僕とは目も合ってないのに……〉

 

「…………ぁ……」

 

リおん君、深いため息をして

 

(……僕が正体を見せるメリット、デメリット……隠したままだと『ひとりさんはイマジナリーフレンド相手にキャッキャしてるヤバい奴だ』と思われるし、何か勘付かれてる以上ちょこちょこ嗅ぎ回られたりしては、せっかくの『友達』とか『バンド仲間』という関係性にヒビが……仕方ないか)

 

※この間0.1秒、なお『ヤバい奴』は事実な件

 

ギターを構えて一鳴らし。

 

 

リョウさんが目を丸くして「……ぇ」

 

 

「はじめましてリョウさん。僕の名前はリおん・がぶりール。ちなみに、今このテーブルを囲む僕らの姿は他の客には見えていませ「それ見せて下さい!!!」ぇッ、あッはい」

 

一瞬シリアスな雰囲気になるかと思ったけど、リョウさんはリおん君のギターを見るなり豹変(ひょうへん)

 

マジかよ……ナショナルのスタイル1、トライコーン……しかも復刻じゃなくてオリジナルですかァ!?」

 

「 (……ユグドラシル内で作ったレプリカなんだけど……い 、 言えねー……) は、い、そうです」

 

「弾いてみても!?」

 

「ど、どうぞ……」

 

 

リョウさんはブルースっぽいメロディーを、音を味わうように少し弾くと

 

ヤベェ……かっけー…………いくらならお(ゆず)り頂け「それだけはダメです!!!」……そっか……

 

捨てられた子犬みたいになったリョウさんに、リおん君はポーチからズルリとベースを一本取り出して言った。

 

「これだったら「見せてェッ!!」

 

 

リョウさん……そんな半分奪い取るみたいに……

 

 

ぎ、ギブソンRD……しかもアーティスト……嘘だろ……」

 

「……今から話す事を黙って聞いて誰にも秘密にしてくれたら無償でお譲りします」

 

 

それを聞いた途端(とたん)、覚悟ガンギマリの表情でリョウさんが応える。

 

「墓まで持っていきます。タダより高いものはない」

 

「あ、あはは……」

 

 

その後の話し合いで、手持ちアイテムの売却で窓口になってもらったり、インターネット環境をリョウさん名義で整えてもらう事になり「これで自分の配信ができる!」とリおん君がホクホク顔になったり

 

 

「何ならウチのバンドに」

「いやいや流石に」

「じゃあたまにゲストとして」

「けど女性バンドだし」

「……男の娘とか」

 

 

……ライブやりたさに負けたリおん君が色々アレな感じでデビューする事が決まってしまったり、と……

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

「……今まで生きてきて、ここまで濃い一ヶ月はありませんでした」

 

「ぼっちちゃん……( ;∀;)」

 

バンドミーティングを終えて外に出て達観しながら空を見上げて呟いた私に、何故か虹夏ちゃんがホロリ……はて?

 

 

「何言ってるの後藤さん! これからもっと濃厚な思い出を作ってくのよ! ですよねリョウ先輩!」

 

「郁代、近い、暑い」

 

 

「あはは……ま、まぁ、濃厚かどうかは別として、まだまだこれからじゃないですか。頑張りましょう? ひとりさん」

 

苦笑いするリおん君に、自信なくも笑顔を返す。

 

「……ぁ、はい……す、末長くよろしくお願いします」

 

「なんか意味が違う!?」

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

……笑い合う5人を見下ろす視線があった。

 

 

ビル屋上の端に座り込み、黒いローブをはためかす一人の男。

 

フードの端から(のぞ)く口元が、細い三日月のように孤を描いた。

 

 

「………………見付けたぞ、リおん・がぶりール」

 

 

 

──────────────────────

 

 

騒がしくも穏やかな日常に忍び寄る黒い影。

 

 

「リおん・がぶりール、キミの存在は本当に彼女のためになるものなのかね」

 

「ぇ

 

謎多き天才ギタリストが、ぼっちの目の前で馴れ馴れしくリおんの肩を抱き寄せ、その優しくも妖しげな囁きと吐息が彼の耳元をくすぐる。

 

「端的に言おう、私と来(たま)え。何、悪いようにはせぬ」

 

「始まりましたねリョウ先輩!!」キターン✧

「いや何が」

 

 

ぼっちの危機に颯爽(さっそう)と現れる稀代の女ベーシスト。

 

「ぼっちちゃん、敵を見誤るなよ?」

 

「久しいな、きくり。さぁ()せてもらおうか、お前の『魔法』を」

 

「百目鬼クンおっひさー! 家業を継ぐ継がないって話どうなったー? フローリングワイパー作ってんのー?」

 

テメェ人前で実家の話するんじゃねぇって言ってんだろッ!!!

 

 

解放される、秘められしチカラ。

 

「馬鹿な……何だこれは……世界災厄(ワールド・ディザスター)クラスの音階魔法とでも言うのか!?」

 

 

ついに迫る運命の時、その先に彼女は何を見るのか。

 

「私が持ってないものたくさん持ってて、追いつけないくらい遠くて、(まぶ)しいくらい輝いてて、いつも助けてもらってばっかりで……いっそ居なくなっちゃえなんてバカな事思ったりもしたけど居なくなったらイヤなんです!! だって、私は……!!!」

 

 

劇場版ぼっち・ざ・ろっく

Over the Loneliness

 

──彼女の『魔法』、それは『ロック』だ。

 

 

来春、全国シアターピノで放映決定!》←ここまでテレビCM

 

ひ「……ぁ……はわわわ……」

犬「どうしたんです? ひとりさん」

ひ「ぃ、いいんでしょうか……」

犬「……えっと、何が?」

ひ「こッ、こここんな、私が主役みたいな……」

犬「……いや、タイトルから内容まで、どこからどう見ても主役じゃないですか」

ひ「………………かッ、監督ゥッ!! 今から試写会中止して撮り直しましょう!?」

リ「またぼっちのアレが始まったか」

虹「ぼっちちゃん、どのシーンもOK出てるんだから大丈夫だって!」

喜「そうよ後藤さん! みんな待ち望んでるんだからカッコいい姿を見せ付けるのよ!!」キターン✧

ひ「がッッ!?

 

AD(黒)「5分前でーす、お願いしまーす」

 

 




 

リおん君にブーストかけられたぼっちちゃんは狂気が前面に出て、きくり姐さんみがあると予想。

……何故あっちの世界へ?
きっとツチノコ(ぼっち)は竜帝の同位存在だったんですよ(適当)

……劇場版ぼっち・ざ・ろっく観たいなぁ←知らん

あ、『続きを書くつもりのない短編置き場』にも『ぼざろ』二次ありますので、よろしくお願いします←
 
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