【完結】おおかみ☆せんせーしょん(ハーメルン移植版) 作:ブドウ冷やしんす
知識無双のツケを払わされるオリ主の話。
リお「んぁぁぁぁ待って待って待」
作者「リおんは可愛いですね」
《リ・エスティーゼ王国》
王都にある最上級の宿、その一階の酒場
「よぅラキュース、そんな顔してどうしたよ」
メンバーのガガーランが声をかけた。
ティア、ティナは『監視』や情報収集、イビルアイはアイテムの調達に出ていて、ここにはいない。
「これよ」
ラキュースは『指名依頼』の紙を見せた。
「なになに?……『蘇生依頼』?」
「そう、帝国の商人から。ただ、ねぇ……」
「なんだよ」
「ティナが言うには、鮮血帝
「つまり、蘇生ってのも?」
「帝国関係者の依頼って可能性があるわけ。だから……どうしたものかしらねぇ」
「なるほど。冒険者としては理由もなく断るのは
「……あんまり動きたくないのよねぇ」
ラキュースは
「双子に探ってもらうってのは?」
「最近『あっち』も変な動きがあるらしくて
「まぁ、それもそうか……」
それからしばらく「うーん」と悩んでいたラキュースに、ガガーランは言った。
「姫さんに相談したらどうだ?」
「……そうね。近いうちに聞いてみるわ」
《バハルス帝国》
全てが順調であった。
様々な改革も、砂糖事業も、リおんの活動も。
近く行われるカッツェ平野の戦いも、本当なら新戦術などで圧勝できるのだが『仕上げとしてエ・ランテルを獲得するまで温存』というジルクニフの方針により、
ブレイン?
あぁ、彼には『守破離』やら『明鏡止水』やら『斬るとは小さな世界で見れば破壊であり、本当に
それでいいのかリおん……
さて、誰しも
「アルシェ、まだ『あの話』みんなに言ってないの?」
「……迷惑がかかる」
「遅かれ早かれじゃん。ワーカー始めてから装備も新調してないんでしょ? そのうち気付かれるよ」
「でも……
リおんはアルシェの借金を気にしていた。
他のメンバーとは離れた位置に座って話をしている。
……ヘッケラン達は遠巻きにチラチラ見つつ
「アルシェも
「若いっていいわね」
「青春ですねぇ」
などと勘違いした話をしていたが。
「……150枚だっけ」
「200に増えた」
「なん!?……なんでそんなに」
「最近、景気がいいからって金貸しに
まさかの『自分が遠因』という話にリおんは内心
結局、その日は結論が出ず、リおんは
翌日、リおんは歌う林檎亭へ向かう前に、気晴らしもかねて散歩をする事にしたのだが……
「何をグズグズしてるんですか! キリキリ歩きなさい!!」
目の前でエルフ奴隷を
モヤモヤを抱えていたリおんは、その光景に一言
「何やってんだよ!」
後ろで
「あ? 何か用ですか? ガキンチョ」
「奴隷だからってヒドイ事すんなよ! 目に余るわ!」
「フッ……あぁ、お子様にはまだわからなかったかもしれませんねぇ。これはヒトモドキに対する
もう読者諸君は
エルフ奴隷をいじめ倒すド
実はエルヤーも
理由はブレイン・アングラウスが登用されたという噂である。
『剣の腕前だけで認められたなら何故自分ではないのか』という、プライドからくる逆恨みであった。
その
ニンブルも相手が誰か気付いたが、火が付いたリおんは止まってくれない。
わざと
「躾だぁ? アンタが言うなよ。無闇に暴力
「んなっ!?」
「そんなに暴力的じゃ女の人も怖がって相手してくれないでしょ。あ、そっかー。だから奴隷買って来るのかー」
「このガキッ!!」
「いっそオーガの
『ブチィッ!!』と
ここから先は聞くに
どうなったかだけ
三日後、チーム戦で決闘する事になった。
大口を叩いた結果、勝てばエルヤーは奴隷を手放し、負ければ自分が奴隷になる条件だ。
言い争いが終わって冷静になったリおんは、ニンブルからエルヤーの力量について聞き後悔した。
魔法についてのみ『逸脱者で第6位階?』と首を
もちろん看破系の手段はあるものの、ジルクニフの元で大事に大事にされていたため敵対的存在にも出会った事はなく、そんな事を身近な相手にするのは失礼であると
(エルヤーの相手をしていた時は頭から
それでも、ジルクニフに迷惑をかけるわけにはいかないため
『これは闘技場でのアイドルデビューに必要な話題づくりだ』
とニンブルには言い張り口止めし、自分の歌による底上げ能力なら四騎士までは必要ないと……
「……という事があったから協力してくださいお願いします」
フォーサイトに泣きついた。
「「「「ハァ !?」」」」
相手はクズとはいえ『天武』エルヤー・ウズルス。
これには
「まずは実際どれくらい強くなれるか実感してもらいたいんだうんそうだそれがいい」
などと(金貨200枚ほどを積んだ)必死の説得をするリおんに
ロバーデイクは『口論の理由』から
ヘッケランは(金貨込みだが)普段の付き合いから
アルシェは(金貨の事も無くはないが)普段から
イミーナは……
「もし本当にあのド腐れをボッコボコにできるとしたらって考えたら気になるじゃん」
……むしろ少し乗り気であった。
ともあれ「もしダメそうなら、しばらく身を隠せよ?」という条件で、
(帝国では基本的に騎士団がモンスター討伐するが、大規模なアンデッド狩りには冒険者やワーカーも募集する)
ちなみにニンブルは「本人が決めた戦いですから」と肩をすくめアンデッド狩りのみ参加するとの事。
この世界に来て初めての戦闘である。
口では『自分の能力なら』などと
しかし、出発前の打ち合わせで名前が出てくるモンスターは
気になって「……一番
「
「
という
(……勝った)
ここに来て、やっとこの世界の水準を知ったリおんは、とても、とても調子に乗った。
人の視界に入っていない時のニヤニヤ笑いが大変ウザい。
読者諸君なら『うぜぇ丸』を検索すれば参考になるはずだ。
何ならエルヤーのチームに単身勝利も可能だろう。
しかし『それではアイドルらしくない』と、あざとい計算をするリおん。
彼は余裕と見ると調子に乗りやすいクセがあった。
それが後で様々な騒ぎに
カッツェ平野に着いてしばらく
『呪われた呼び鈴』
見た目は古ぼけた呼び鈴だが、使うとエンカウント率が30%ほど上がるゴミアイテムだ。
それをリおんがカラカラ鳴らすと、風化したように
最初に異変に気付いたのはイミーナだった。
「……待って! 何か来る!!」
霧の向こうから姿を見せたのは
「! 魔法、避けて!」
アルシェが警告を発すると
「
ヘッケランが毒づく。
「一度後退して態勢を……」
とロバーデイクが言いかけるがニンブルが
「ダメです! 後方から
進退
全員が顔色を悪くした時、満を持して歌が響く。
リおんの呪歌だ。
ヘッケランは勇気が湧き、体に力が
「これなら!」
と不敵な笑みを浮かべる。
見れば全員が似たような表情。
「イミーナは
ヘッケランの指示で動き始める。
ヘッケランは
ニンブルが抑える間にロバーデイクが祈り、全体を
攻防の果て、
ロバーデイクとアルシェの
足を
「やっっっと終わったぁぁ!」
脱力するようにヘッケランが叫び、皆が息を
バフのせいで限界以上の力を使っていたからだろう。
もう戦闘を重ねるのは
「リオン、お前の歌スゲーわ。おかげで助かったぜ。確かにこれなら『やれそう』だ」
「わかってもらえて……」
リおんが『なにより』と言いかけた時、遠くに動く影を見付けた。
その様子に気付き全員が同じ方向に目を向ける。
「ウ゛ォア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア!!」
体の底から生理的
「なに、あれ……」
見た事のないアンデッドに、イミーナは直感で『ヤバい』と思った。
ヘッケランに
「にげ……逃げて下さい……」
顔が
「え?」
比較的冷静だったロバーデイクが聞き返す。
「逃げろ! あれは手に負えない!
一刻も早く帝国軍に知らせろ!
私が時間を稼ぐ……後ろを振り返らず走れ!!」
ニンブルはアレを知らない。
しかし『ガゼフで倒せるかどうか』という力量である事は理解できてしまった。
時間を稼ぐとは言ったものの数分と持たないだろう。
全員を逃がしても、何人生きて帰れるか。
それでも四騎士の
だが、
「? リオン君、気持ちはありがたいが……」
リおんが
ニンブルが止める声も無視して前へ。
「いかん! 避けろ!」
ニンブルが叫ぶが間に合わない。
リおんへと
ここで、リおんの
呪歌によるバフ・デバフ、回復、手先の器用さによる鍵開け・罠解除、魅力値による対話や情報収集。
だが、どれも本職には
呪歌の効果は位階換算で10が限界。
いれば便利だが、立ち回り方を
パーティーや小さなクランなら
最上位の
いわばバフ・デバフの固定砲台だ。
……もちろん変わり者が多いユグドラシルでは、一人の
そう『普通の
リおんは自称だけでなく『アイドル』というレア
これの取得条件が、なかなか
『最上位
というもの。
精神系の手段で
アインズ・ウール・ゴウンは本人を
しかも時期としては『そろそろ
それでも取得を実現したリおんは、正に『アイドル』であった。
これだけ取得が困難なレア
にも
何故なら……
歌って踊れるアイドルは『
それでも、歌は止まらない。
空中で
蹴り飛ばされた
「「「「「……えっ」」」」」
全員が似たような顔でハモった。
まぁ、ニンブルやヘッケランが敵わないと判断したアンデッドを小柄なリおんが蹴り一発で吹っ飛ばしたら、そんな反応にもなろう。
着地したリおんはアルシェにアイコンタクトを送る。
歌は続いている。
意味を理解したアルシェはフリーズ状態から回復し、
遠くでふらつくように立ち上がろうとしている
「
ようやく戦いに
リおんは、
(いやー、
……あまり深い事は考えていなかった。
《決闘当日》
あれからアルシェに
「リオン君、もしかして一人でも全然……」
と実に
(
などと良くわからない
一名を
ちなみに、その一名
「んな細かい事どうでもいいのよ! あのクズ、
イミーナだけは最高潮に盛り上がっていた。
もはや、リおん本人以上の意欲である。
既にリおんとしては『エルヤーはカモ』の認識であり、意欲は別の方向へ。
「自分たちに全額
リおんの提案に全員が苦笑いした。
とはいえ
当然ながらロバーデイクは難色を示したが、リおんが
「これは賭け事じゃないよ。もう結果は見えてるんだから楽しむためにする訳じゃないし。ロバーさんは善行するためにお金を稼いでるんでしょ? ワーカーまでやってさ。折角のチャンスを
よくもまぁ、
(……僕が立て替えちゃうのは違うだろうけど、チャンスをあげるくらいなら、いいよね?)
というのが、リおんの真意ではあった。
「おやおや、逃げずにノコノコやって来るとは感心ですねぇガキンチョ。そして誰かと思えばフォーサイトの皆さん! 助っ人とはあなた方でしたか。災難ですねぇ、こんなクソガキに
闘技場の『舞台』に来たリおん一行に、エルヤーは開口一番に
「あれから怪我一つさせてないだろうな?」
リおんは奴隷達の事を問う。
「それはもちろん。一応『景品』ですしねぇ。それに……」
エルヤーは
「
……などと言っていたエルヤーだったが、試合開始直後リおんのデバフで
「なん、ですか、これはっ……体が重い、痺れ、るぅ!」
さながら『病気を
ただでさえ戦意の低いエルフ達はバタバタと倒れ、フォーサイトに無力化されていく。
一方のフォーサイトはバフ特盛り絶好調である。
矢も魔法も飛んで来る。
「んぎぃぃぃ! 能力向上! 能力超向上! 邪魔です! 死ねぇぇい!!」
武技全開の『縮地改』でヘッケランの右後方へ、そして
「
すぐさま体を捻るように、下から来るエルヤーの剣を、さらに下から合わせ
「しまっ」
「双剣斬撃ぃぃぃ!!」
剣を飛ばされ無手となったエルヤーは、反射的に腕で庇った。
当然の結果として……
「あぎゃああああ!! うでっ、腕がぁぁぁぁ!?」
右腕を
落ちた腕を拾い、回復役だったエルフが倒れている場所へと転がるように逃げるエルヤー。
エルフを蹴り、何とか意識を取り戻させようとする。
「いつまで寝ているのですか!? さっさと起きて治癒を」
その首に、ヒヤリとした感触。
「エルヤーさんよ、腕を
「……んぐ、ぎぎぎ……ぢ ぐ じょぉぉぉぉぉ!! こんなザコどもに! この! わたしが!?」
よほど悔しかったのかエルヤーは、頭に血が登り顔は真っ赤で、両方の黒目など
審判が「勝者、リオンとフォーサイト」と言うと「あああああ!!」と
……リおんがエルフ達を起こしながら何か
客席からは
「エルヤーのクソったれぇ!」
「カネ返せエルヤー!」
「すげーぜフォーサイト!」
「ちくしょー賭けときゃ良かった!!」
「きゃーリオン君かわいい!」
など様々な声が上がる。
それが余計と気に
「おぉ! お前達! さっさと私の腕を治癒し な ぶ ら ぁ !?」
先頭一人の
倒れたエルヤーに後続の二人も加えて殴る蹴る。
「新しい、ご主人様の、ふっ! ご命令、ですので、はっ!」
「でゃ! どうぞ、お静かに……死ねぇ!」
「何が『あいつの目の前で××××××って××××やる』よ、くたばれ、女の敵!」
その光景にイミーナは、
「いいぞ! そこだ! 鼻へし折ったか!? 玉蹴り潰せぇ!」
……
ヘッケランとロバーデイクは少し股間が『ヒュッ』となった。
ともあれ、エルフ奴隷を三人も購入したばかりで手放して、治療費も治療してくれる相手も
ボロクソにされるエルヤーに客席からも笑いが響き、決闘
闘技場ロビーに戻った面々。賭けの賞金も受け取った。
総額、金貨1,000枚。
一人あたり200枚で山分けだ。
アルシェの問題も解決するかと思い、リおんがコッソリ話しかける。
「これで何とかなったんじゃない?」
「うん…ありがとうリオン君」
花が咲くようにアルシェは笑い、
「あとは
「なんで増えてんだよ!!!」
他のメンバーに振り向かれ「あ、なんでもないない」と誤魔化す。
幸い、周囲の雑音でハッキリとは聞かれずに済んだらしい。
改めてアルシェに聞いた。
「……アルシェ、どういう事?」
「……それが、よくわからないの。急に経営方針が変わったとか言われて、利率を引き上げられた……」
「……ヤバいとこじゃね? それ」
帝国にも一応「法定金利」というものはある。
しかし、それは金融業者の取り締まりというより、犯罪者を立件しやすくするための法と言って良い。
貸す相手の信用に合わせて利率は上下するのが当然で、法定金利にも、ある程度の
ちなみに、世の中で最も低い金利は「平和で安定した国家が借りる場合」である。
ゼロ金利やらマイナス金利というのがそれだ。
バハルス帝国は現在、史上
それ故、金融業者に対して
……が、実はそうではなく、問題は『外』にあったのだ。
「でも、あとほんの少しだから大丈夫。心配しないで?」
「……早めに片付けた方がいいよ?
「うん」
「ところでリオン、この子らどうすんの?」
イミーナがエルフ達の今後を気にする。
リおんは奴隷の所有者になる気はなかった。
彼女達を自由にしてやるつもりだが、そのためには……
「イミーナさん、とりあえず彼女達を身綺麗にしてやってください。首輪も外してやらないと。あと服とか。費用はこれで。いくらでも使ってくれていいんで」
そう言ってリおんは金貨200枚が入った袋を渡した。
「え、って事は……良かったわねアンタ達! 自由になれるわよ!!」
エルフ達は目を白黒させて、まだ状況が飲み込めないらしい。
「あとは耳かぁ…」
「耳って、それはどうしようもないんじゃ…」
いや、リおんなら呪歌で一発だ。
しかし、リおんは
(解決したけど、今回の事は最終的には陛下の耳にも入るだろうし、何か帝国にもメリットになる話に…そうだ!)
「ちょっと僕に考えがあるから、しばらく彼女達の事は預かるよ。もしかしたら耳も元通りに治せるかも」
「ウソ!? マジで!?」
その後、耳以外すっかり見違えるような姿になったエルフ達を連れて皇城へと戻るのだった。
《とある場所》
王国のどこかにある怪し気な会議室。
集合時間でないせいか、席は埋まっていない。
男女が一人ずついるだけだ。
男が女に話しかける。
「なぁヒルマ。例の話マジなのか?」
「例の話?」
「帝国でも商売するってやつだよ」
「あぁ、それ? さてね。私より知ってそうなのから聞きなよ」
嘘だ。
ヒルマはこの男、サキュロントを見下している。
いや、幹部連中は全員が彼を軽く見ているのだ。
サキュロントは先任のゼロが足を洗うと言って出て行ったため『繰り上げ』で警備部門の長となったにすぎない。
ゼロが出て行った理由は定かではないが、正体不明の
その後ペシュリアンとマルムヴィストが消しに動いたが、エドストレームとデイバーノックが内通していたようで返り討ちに。
そのまま三人
この状況にサキュロントは、どうせ
「相手が消えたなら暗殺部門の仕事だ」
つまり放棄した。
アンダーグラウンドな世界では『
だからヒルマは、というより幹部連中は「アイツに教えてやるのは一番最後だ」と無視していた。
そもそも、あまり派手に動いては危険な『帝国での仕事』に警備部門は必要性が薄い。
それに、
「あら、二人で何の話してたのん?」
女喋りの男、コッコドールが入って来た。
「おや丁度良いところに。サキュロント、こいつにお聞きよ」
ヒルマはコッコドールに『
「よぅコッコドール。帝国で
「ちょっとヒルマ。勝手に」
「私は『他に詳しい奴がいる』としか言ってないよ」
「良く言うわ! ウチより先に儲けてるクセに!」
事実である。
ヒルマの麻薬部門は、ある意味『最も帝国で儲けた部門』と言って良いだろう。
ここで彼ら、八本指の『帝国での仕事』について解説しよう。
まず最初に動いたのは金融部門だ。
帝国は史上空前の好景気。
そして、急速に力を増した鮮血帝を
それを足掛かりに各金融業者に根を張り、同時に『顔繋ぎ役』としても利益を上げる。
次に麻薬部門だ。
帝国は王国の『黒粉被害』を知っており、酒やタバコや大麻といった比較的安全な(長らく使われている)薬物には『取り締まる事自体が行政上の無駄である』として、税を課した上で寛容な扱いだが、黒粉は厳しく取り締まっていた。
では麻薬部門が『どんな顔で』商売したかと言えば、貿易商だ。
具体的には『砂糖の仕入れ』である。
麻薬製造で培った技術で合成甘味料を作り、仕入れた砂糖に混ぜて水増しして売るのだ。
一度の仕入れで2回分の売り上げにできるのだから、ボロ儲けであった。
本来なら『帝国の利益を
尤も、八本指が砂糖の価格を下げるような売り方をしていない事から、ジルクニフは情報省が形になるまで『取引手数料』として見逃している
『王国貴族が損をする分には勝手だ』と。
ちなみに、合成甘味料が
まぁ、ヒルマが会合の度に『頼んでもいないのに
だから未だ誰一人として『菓子に手を出していない』
ある意味、ヒルマは『信頼』されているのだ。
『あの女が
犯罪組織である八本指は商売仲間の集まりであると同時に、お互いを『カモ』と見ている集団なのだから。
そして奴隷部門は……
「ま、いいわ。いずれは声をかけようと思ってたし、特別に金融部門へ口利きしてあ・げ・る」
コッコドールは
「『取り立て』の時には警備もいる方が便利よ、ってね?」
暗躍する八本指の影!
アルシェの運命やいかに!?←生存フラグ