Liberty   作:高市苦楽

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訪れた希望

 

俺の旅は終わった。

 

考えたこともなかった、まさかこんなことが起こるなんて

 

今から10年前いつも通り俺は旅に行っていた、何事もなく目的の場所にひたすら歩いて行く

何も変わらないごく普通の旅のはずだった

 

そして目的地までもうすぐのところで、俺は倒れた

訳がわからなかった何故倒れたのか、こんなことは今までなかった

 

それから俺は病院に搬送され、医者に言われた

足が動かなくなる持続的な病気です、もう旅に行くのは辞めたほうがいいと。

 

ちょっと待てよ、と言いたいところだが、何も言えなかった

不安と焦り、それが俺を包み込んで怖かった

 

この病気になる前、俺は多少テレビに出ていた

自分で言うのもなんだが、少し有名だったんだ。

 

だがもう旅に行かなくなったからテレビには出ていないし、みんなも忘れただろう俺は心の中でそう思った

 

あれから10年、俺はいつも通り朝起きて家を出る

近くに海辺があってそこでいつも波の音を聞いている

 

波の音はすごく落ち着くんだ、だから毎日この音を聞いている

 

そして俺は帰ろうとした、いつもの家に、だが今回は少し違ったようだ

何故なら、、、彼女に出会ったから

 

 

「やっと見つけましたよ、日本一の旅人さん」

 

後ろ振り向くとそこには少女が居た、急すぎて俺は動揺した

 

「俺はその名前が嫌いだ、日本一の旅人なんて思った事ねぇよ」

 

そう言うと彼女は微笑みながらこう言った

 

「でも私にとっては日本一の旅人です」

 

俺は訳がわからなかった、なぜ俺の事を知っているのか、なぜ俺がここに居るのがわかったのか、色々問い詰めようと思った。

 

「おいなぜ俺のことを知っている、あとこの場所は誰にも教えていないぞ」

 

一呼吸おき彼女は長々と話した

 

「私が幼い時テレビであなたを見たことがあるんです、色んなところに行って、色々な食べ物を食べて、色々な景色を見て、その時私は思いました。」

「こんな自由な人が居るんだなって、この世界を好きに生きているんだなって、凄く感激したんです」

 

「後場所はあなたの経歴を調べて見つけました。」

 

そう彼女は呟いた、俺は少し嬉しかった、でも言わなければいけない

 

「わざわざありがとうな、でも俺はもう旅に行けないんだ、病気でな、」

 

そう言うと彼女は下を向いた。

そりゃあそうだよな多分遠いところから来てくれて、何もできずにただ見送る、情けねぇよな俺は。

 

「違います、」

 

「え?」

 

「違います!!」

 

「な、なんだいきなり大声だして」

 

そう言うと彼女はゆっくりと顔を上げて言いました

 

「「私を弟子にしてください!」」

 

「、、、え、?」

 

間違いなく俺は今人生で一番驚いている

 

何故なら俺は中学、高校で女性と話した回数は指で数えるほどしか居ないからだ

 

つまり俺には女性経験がないのだ!

 

他にも突っ込まないと行けないところがあるが俺は最初にこれが浮かんだ。

 

俺は混乱していた、こんなこと人生で1度もなかった、ましてや若い女性、心臓の鼓動が治らず、頭も混乱していた

 

五分ぐらいかけて何とか深呼吸をして落ち着かせた

それぐらいかかったせいか彼女の目には輝きがなかった

 

だが勿論俺の答えは決まっている

 

「ダメだ」

 

これでいい、これでいいんだ

すると一瞬の間が開いた後に彼女は喋った

 

「何故ダメなんですか」

 

もちろんこれも答えが決まっている

 

「君、未成年だろ」

 

すると彼女は驚いた感じで言いました

 

「な、なぜわかったんですか!?」

 

俺と同じ位の馬鹿がいて少し嬉しいよ

 

「自分の服を見ろよ、明らかに制服じゃないか」

 

「ん?あ、ほんとだ!」

 

なぜ気づかなかったのか俺にはわからない

馬鹿なのか?それともバカなのか?

 

「まぁその事は置いといて、弟子はダメだ」

 

「何故ですか!」

 

「そもそも何の弟子だよ」

 

「旅の弟子です!私の旅のこと何もわからないので教えていただきたいんです!」

 

そんなことでわざわざこんな田舎まで来たのか

 

「悪いが俺は旅博士でもなければプロの旅人でもないんだ、だから教える事は何もない、大人しく帰りな」

 

こんな事を言ってるけど少しだけ嬉しかった

一度弟子を作っていろいろ教えたい、そう思っていた時期もあった

 

だが俺はヘタレだ、信頼や責任と言うのはあまり好きじゃない

あと彼女は女の子だ、危険な目に合わせたくは無い

彼女の為にも、俺は断らなくてはいけないんだ

 

俺の真剣な顔を見てわかったのだろう、彼女は下を向きながら

黙っていた

 

少し心が痛かった自分に罪悪感があった、だからすぐ後ろ向いて帰ろうとした

 

その時彼女は口ずさんだ

 

「自由って何なんですか」

 

その時俺は止まった、まるで時が止まったかのように動けなかった

なぜなら昔俺もそう思っていた時期があったからだ

 

自由、それは俺にとって生きる意味でありこの人生で一番価値のあるものだと俺は思っている

俺は10年前に自由を奪われた、その痛みは死ぬまで忘れないだろう

 

そしてふと彼女の顔を見て驚いた

真剣な顔をしながら泣いていた

 

その時俺は思った

 

俺に憧れて、わざわざここまで来てくれて弟子入りを申し出た、しかも一人で、凄く勇気が必要な行動だ。

だが俺は病気のせいにして帰らそうとした

なぜだろう、もしここで帰らしてしまったら俺は終わってしまうかもしれない、そう思った

 

さて、本当の答えを出そうか

もうどうにでもなれ、俺はこの子の思いを受け取る。

 

「あぁわかった、弟子にしよう」

 

「え、本当ですか?!ありがとうございます!」

 

その時の彼女の顔はとても笑顔だった

俺は嬉しかった、弟子にできるのはもちろん

何よりこの子は少し俺に似ている、俺と同じ人がいて嬉しかったんだ

俺は友達なんていなかった、いつも1人だったから尚更だ

 

「さて、一旦家に帰るか」

 

そう言うと彼女は喜びながら頷きました

 

 

ここから新しく始まっていくんだ、俺の人生が

教えてやるんだ、この子に自由と旅と生き甲斐を。

 

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