サンジ君の足技カッコいいので、楽しみ!
ゾロもカッコ良すぎて痺れます!
「うおー! 潰れてしまえー!!」
「こんッ……! ふんッ!!!」
身長18,000メートルの巨体を支える足が頭上より降ってくる。
大地が堕ちてきたかと錯覚する程巨大な足が恐ろしい速度で迫ってくる様子はセンゴクの感覚を鈍らせる。
遅いようで速い。
あまりの大きさ故に迫ってきているかも分からなくなる。
そんなセンゴクをして未知の一撃に見聞色の覇気を総動員させながら反撃する。
「こんな相手は初めてだ……!」
「これ楽しいなー! ワールドの能力と相性抜群だっつ!!」
「舐めおって……!!」
漆黒の大仏であるセンゴクは掌に武装色と覇王色の覇気を纏い、再度迫り来る巨大な足へ衝撃を放つ。
衝突する巨大な足と衝撃波。
想像を絶する質量と覇王色の乗った衝撃が衝突し、轟音が辺りに響き、海が大爆発を起こす。
ウルフとセンゴクとの戦闘により海は荒れ果て、大気は崩れ、異常気象が絶えない"偉大なる航路"においても、険しい気候に変貌する。
並大抵の海賊ならば一撃で粉砕するセンゴクの攻撃も、あまりの質量とそれに伴う武装色の覇気により、決定打にならず、常時月歩により跳び続けているために、体力を消費する一方。
「ぐッ……! あちらに戻っても詰み。ここでも決定打に欠けるか……!」
あまりの状況に歯噛みするセンゴクと、かつてない巨体での戦いに上機嫌なウルフ。
先程から状況は同じ。
遥か頭上から攻撃を繰り出すウルフとそれを迎撃するセンゴク。
有効打を与えられるであろう頭部へと、空を足場とする"月歩"と高速の移動術"剃"の合わせ技、"剃刀"で迫ろうと試みるが、巨大な拳で叩き落とされる。
あまりの大きさとスピードに避けて進むのも不可能なため、何度か試みてはみた結果、センゴクは不可能と判断した。
相手の一挙手一投足が一撃必殺。
対して、己の攻撃は有効打にならず有効打になり得る頭部への移動も難しい。その上、戦闘が長引くにつれて己の敗北が近付いてくる。
八方塞がり。
「せめて、もう一人戦力がおれば……!!」
"海軍の英雄"ガープと共に、激闘の時代を生き抜いてきた伝説の海兵は、あまりの状況に苦い顔をしてしまう。
"智将"と称される頭脳をフル回転させ、勝利の選択を捨て、時間稼ぎへと行動を変更しようとしたところ、マリンフォードから離れた自分達より更に彼方より艦隊が見えた。
「あれは……、インペルダウンの艦隊……! わっはっは! 天は我々をまだ見捨てていないようだな……!!」
「何一人でぶつぶつ喋ってんだー? そら、いくぞー!!」
「貴様の面にこの拳をめり込ませるまでは倒れられん! ぬぅんッ!!」
再度激突する巨大な足と覇王色の乗った衝撃波。
轟音と共に爆散する海水に紛れて、センゴクはインペルダウンの艦隊へと高速で向かう。
漆黒の大仏"智将"センゴク対規格外の巨人"巨大戦艦"ウルフの
しかし、これは戦争。センゴクの目的は海軍、ひいては世界政府の勝利。
単独での勝利を捨て、インペルダウンの強者へと助力を得るため、センゴクは行動を開始した。
ウルフ対センゴクの決着は未だ着かず。
新たな戦力の追加で戦争もまた戦況を変える。
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「"
「くッ! 舐めるなァ!!」
「フン! そなた、その程度でわらわに勝てると思っておるのか? 男など、わらわの前では無力。先の船での出来事を忘れたか?」
七武海の一人、"海賊女帝"ボア・ハンコックの強靭な蹴りが海軍本部中将モモンガへと迫り、モモンガは刀で必死に防ぐ。
あまりの威力に奮起の咆哮を上げたモモンガだったが、力及ばず吹き飛ばされる。
「綺麗な足だのん! おれもあの蹴り食らいてェな〜!」
「ムルンフフフ! アンタも好きねェ」
「おれを相手に余所見とは余裕だな、"大酒のバスコ・ショット"」
「トプトプトプ! 余裕じゃねェけど、あんな美味そうな足、見ないなんて失礼だのん!!」
「下らんな。貴様らがおれを引き留めたのだ。失望させてくれるな……!」
世界一の美女と称されるハンコックのすらりと長い脚線美に涎を垂らし見惚れるショットと、その様子に笑うデボン。
そんな二人に世界最強の剣士"鷹の目"ジュラキュール・ミホークが呆れた声を出し、黒刀を振る。
放たれる極大の飛ぶ斬撃が呑気に笑う二人に迫り来る。
「本格的に、気を抜いているとマズいわねェ!」
「こっからは、真剣にやらんとな〜!」
大気を裂いて迫る斬撃を武装色の覇気で強化した刀"黒刀"で防ぐデボンと、右腕を武装硬化させて防ぐショット。
二人が協力した結果、世界最強の斬撃は一つの傷を与える事もなく霧散することになる。
「トプトプトプ! 酒がねェから本調子じゃないけど、"海賊女帝"にええとこ見せんとな〜。麦わら坊主との約束もあるしな〜! 火拳の坊主は奴らに任せとけばええだろ〜」
「流石は世界最強の剣士。剣の腕も覇気の強さも凄いわねェ。刀だけじゃとても敵わない」
「我が黒刀にどう抗う……!」
ショットはまるで酩酊状態のようにフラフラと揺れ出し、体の様々な場所が武装硬化で漆黒に染まっては消え、他の場所に移るかのようにアトランダムに硬化されていく。
刀を地面に突き立て、他の海兵や海賊達から奪ったありとあらゆる種類の武器を地面に突き立てていく。
酒を飲む程に戦闘力が上がる"大酒のバスコ・ショット"と古今東西ありとあらゆる武器を操り、多種多様な戦闘を行う"若月狩り"カタリーナ・デボン。
片や、四皇の一人、"赤髪のシャンクス"と長年ライバル関係にある世界最強の剣士、"鷹の目"ジュラキュール・ミホーク。
世界最強の斬撃と酩酊する拳、百の武器が衝突する。
逸れた斬撃が凍り付いた津波を斬り飛ばし、拳による衝撃が遠方で戦っていた海兵と海軍を吹き飛ばす。百種の武器による斬撃、衝撃が海岸線を吹き飛ばし、覇気を纏った弾丸がハンコックへと飛んでいく。
しかし、ハンコックは覇気を纏った蹴りで簡単に叩き落とす。
「あらァ、流れ弾ねェ。ごめんなさい、狙ったつもりはなかったんだけど、そちらへ行ってしまったみたいねェ……!」
「なんじゃ、そなたは。ぬけぬけと良く言ったものじゃ。大体、そなたルフィとどういう関係なのじゃ!! 親し気に話しておったが!!!」
「うん? フ、フフ……ムルンフッフッフ!!! アンタ、麦わらの坊やにお熱なのねェ! それで、立場を捨ててまで海軍に楯突くなんて、天晴れだわ!」
白々しくも謝るデボンにルフィとの関係を怒鳴り声で問い正すハンコック。
そんなハンコックの様子に様々な事情を一瞬で察したデボンは大笑いし、ハンコックの行動に拍手を送る。
世界一の美女が自分の立場も権力も捨てて、一人の男のために行動する。
デボンは東の海の「恋はいつでもハリケーン」という諺を思い出す。
「わらわの質問に答えるのじゃ! そなたはルフィと一体どういう関係なのじゃ!!! よもや……恋仲ではあるまいな!!!?」
「ムルンフフフ! 安心しなさい、"海賊女帝"──いえ、ハンコック。麦わらの坊や、素敵な男だから心配するのも無理ないけど、私達は共通の目的を持つだけの仲間。アンタが心配しているような関係じゃないわよ」
「そ、そうか! それなら、よいのじゃが!」
「麦わらの坊やが相手だと苦労しそうねェ。ああいうタイプは無理矢理にでも一線を越えないと、一生上手くいかないわよ」
「ふ、フン。そんなこと分かっておる……!」
ニヤニヤと笑いながら話すデボンと明らかに安心した様子のハンコック。
デボンの助言に分かっている、と返答するハンコックだったが、どこからともなく取り出したメモ帳にいそいそときいた言葉を書き留めていた。
そんな様子を呆然と眺めるモモンガと、滂沱の涙を流すショット。
「……麦わらは女に好かれる男のようだな」
「あのボア・ハンコックが"麦わらのルフィ"を、だと……!」
「うぉぉ〜〜ん!!! アピールもしてねェのに、フラれたの〜! 麦わらの坊主、ズリィな〜〜!!!!」
ミホークは単純な感想を。モモンガは冷徹で他者を見下すハンコックが、乙女のような表情をすることに愕然とする。
ショットは失恋による悲しみから涙を流し続け、ルフィを羨ましく思う。
場は混沌。
気分を上げたハンコックは覇王色の覇気を放ち、己の"メロメロの実"の能力を解放する。
己に見惚れた相手を石化させる能力が覇王色と共に吹き荒れ、周囲で戦う海兵や海賊達を次々と石化させていく。
範囲外から離れたデボン、ショットはハンコックの能力の凶悪さに戦慄し、ミホークは無言で驚く。
「防御不能の石化攻撃なんて、恐ろしい能力ねェ……!」
「くッ……」
モモンガは範囲外への移動が間に合わず、先日の船上での出来事と同様に足に刀を突き刺し、痛みで石化を食い止めた。
欠片程のハンコックへの情欲を持っていれば防御不可能なメロメロの能力であるが、それをなんとか耐えたモモンガは激痛に顔を歪めながらハンコックを睨み付ける。
「貴様……! 七武海を辞めてどうなるか分かっているんだろうな! 貴様の国──"アマゾン・リリー"も海賊の島として我々の殲滅対象になるという事だぞ!」
「そなた等が敵になるというならば、それを打ち破るだけのこと。大体、この戦争に負けるそなた等が心配することか? 勝利するのは"麦わらのルフィ"。わらわのお、お……夫じゃ!」
「戯れ言を……! 海賊、ボア・ハンコック! 海軍本部中将モモンガ、政府に仇なす海賊として、貴様を処罰する!!」
自身が言った夫という言葉に照れるハンコックと、こめかみに青筋を浮かび上がらせるモモンガ。
再び激闘を開始したミホークとショット、デボンの気配を感じながら、己も斬りかかろうとしたモモンガだったが、突如近づいてきた"毒"によって行動を取りやめる。
「──話は聞いていたぞ、ボア・ハンコック。インペルダウンに"麦わらのルフィ"を侵入させたのは貴様だな……!」
「インペルダウン署長マゼラン殿!!?」
毒の柱を通って現れたのは世界一の大監獄、インペルダウンの署長マゼランだった。
全身に傷を負い、肩で息をしながらもハンコックを睨み付ける彼からは、凄まじい怒気が感じられる。
「貴様がインペルダウンに来てからだ。あの男が現れたのは……! 貴様等の今の話を聞いて確信した。インペルダウン署長として己の尻拭いはしなければならない! 覚悟する事だ……!!」
「フン。マヌケが何を今更言っておるのじゃ」
インペルダウン署長マゼラン。
"海賊女帝"ボア・ハンコックの手引きにより侵入した"麦わらのルフィ"により、インペルダウンは事実上の壊滅。
誰一人として囚人がいなくなったインペルダウンを残し、脱獄の主犯であるルフィを殺すべくマリンフォードへ乗り込んだマゼランは、ハンコックの話を聞き、全てを理解し、大激怒した。
頂上戦争、マゼラン率いるインペルダウン職員到着。
怒り震えるマゼランは、怒気を放ち、毒を無差別に解放した。
無機物すらも汚染する最強の毒は、地面を汚染し、広がっていく。
汚染された大地に足を残す者は次々と即死していき、範囲はどんどんと広がっていく。
月歩で空へと移動したモモンガは毒の凶悪さに恐怖を抱きながら、しかし、敵であるハンコックを睨み付け、ハンコックもまた、眼前で戦意を激らせる二人を睨み付ける。
"海賊女帝"ハンコック対"海軍本部中将"モモンガ改め、"海賊女帝"ハンコック対"海軍本部中将"モモンガ&"インペルダウン署長"マゼラン。
愛する者を助けるため。
海軍の勝利及び、世界の平和のため。
己の失態を挽回し、インペルダウン壊滅の原因を討つため。
三者三様、それぞれの目的のための戦いが始まる。
頂上戦争にカイドウさんを乱入させる?させない?
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カイドウさん乱入上等!
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カイドウさん悔し涙でやけ酒なり!
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カイドウさん以外にその他大海賊が大集結!