その間にワンピースが怒涛の展開でワクワクでございます!
アニメもとても楽しみでございます!!
悍ましい闇が全てを飲み込むべく広がる。
太陽の如き灼熱の炎が吹き荒び、大気と大地を焼き焦がす。
荒ぶる闘神が敵を討つべく破壊の拳を放つ。
荘厳な漆黒の仏による覇王色の衝撃が全てを崩壊させる。
インペルダウンの全囚人の脱獄という未曾有の大事件を引き起こした張本人である"麦わらのルフィ"は、今にも倒れそうになる肉体に鞭を打ち、眼前に迫り来る衝撃波を紙一重で避ける。
「ゼェ……ゼェ……! 危なかった!!」
「気をつけろルフィ! あれ食らったら終わりだぞ!」
「分かってる! 大丈夫だ!」
強がるルフィだが、実際のところ肉体はとうに限界を越えている。
連戦による連戦。酷使し過ぎた結果による体力の限界。インペルダウンでの瀕死からの回復。
現在までにおける全ての戦いとダメージにより、もはやルフィは精神力でのみ動いていた。
「ゼハハハハ!!! もう限界なんだろォ!!? 無理しねェで、さっさとくたばれよ麦わらァ!!!」
「うるせェ!! おれは先に進む!!!」
「この世紀の頂上戦争をここまで荒らしたのは賞賛に値するが、お前に
「おれの限界をお前が決めるなよ!! お前くらい倒せねェとおれはなれねェ、
その覚悟の言葉と共にルフィから莫大な覇気が溢れ出す。
溢れ出る覇気は紫電を生み出し、黒ひげや、百戦錬磨の海兵センゴクまでをも怯ませた。
「まさかここまでとはな……! 流石はガープの血筋か……」
「あの体でまだこれだけの覇気を……ッ」
「やるなルフィ……!!」
血流を更に加速させ、武装色の覇気により筋肉の密度を更に増大させる。
肉体から膨大な蒸気が噴き荒れ、高速で流れる血潮により熱を発する。
血流が速くなり、更に速くなり、それに比例して上昇していくルフィの体温。
口から漏れる吐息は熱を帯び、次第に漆黒の肉体は赤熱していく。
ジリジリと、まるで金属を熱したかのようなルフィの肉体は加速度的に温度を上げ、やがて
あまりの熱に、ルフィ周囲の空間はまるで蜃気楼の如く揺らぎ、体表からは時折火炎が立ち上がっている。
「こ、れは……ッ」
「覚醒か……? いや、違う……」
「まるで太陽みてェだ……」
離れていても感じられる熱と覇気、そして強靭さにセンゴクは息を呑み、黒ひげは悪魔の実の更なるステージ──"覚醒"を疑うが、ルフィの様子と、悪魔の実の性質を考え、違うと断ずる。
エースはルフィの姿に太陽を幻視し、心地良い熱に目を閉じる。
「くッ! 全身が痛ェ……! 早く決着をつけねェとッ」
血流を高速で回すことによる肉体への負担。
覇気の過剰使用による肉体、精神への負担。
ここまで数多の試練を乗り越え、幾度も限界を超えてきたルフィ。
全身を絶え間なく突き刺す激痛と疲労に顔を歪ませ、眼前の敵を睨み付ける。
「兄として、弟にばかりいい格好をさせとく訳にもいかねェな!」
エースは周囲を覆っていた灼熱の炎を頭上に集め、巨大な火球を作り出す。
絶え間なく流動する炎の球からは時折火柱が立ち、その光と熱はさながら小型の太陽のよう。
エースの頭上に太陽が出現した瞬間、分厚い雲により夜のように暗くなっていたマリンフォードが一瞬にして明るさを取り戻す。
太陽の出現に近距離にいるセンゴクは目を細め、黒ひげはニヤリと笑う。
「ゼハハハ!! 兄弟そろって太陽とは面白ェ!! 太陽か闇か! 勝者は一人だ!!!」
「一人じゃねェ、勝つのはおれ達兄弟二人だ……!」
太陽──炎帝から数多の熱線を打ち出すエース。
白く赤熱する一撃必殺級の拳を乱打するルフィ。
無限の引力で全てを無に還す黒ひげ。
全てを破壊する覇王色の一撃を繰り出すセンゴク。
三つ巴の闘争も終盤戦。
二対の太陽。
怒れる闇。
正義の仏。
三者三様の意志の果て、決着の時は近い!
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この世界において最強は誰かと問われた時、間違いなく誰もが"覇王"こそが世界最強だと答える。
事実古来より鍛え抜かれた戦闘能力は、間違いなく彼が世界最強と断言できるものである。
であれば、この海において"覇王"ダイナーを除いて最強と呼べる者は誰か。
その答えは決して一人に絞られる事はないだろう。
しかし、それでも必ず名が挙がる者達がいる。
それこそが、"四皇"。
この海において頂点に座する四人の皇帝の存在だ。
故に、現時刻をもって世界最悪の地獄であるマリンフォードにおいて激突する"四皇""白ひげ"エドワード・ニューゲート、"四皇""百獣のカイドウ"は世界最強の一角である。
互いが何気なく繰り出す一撃全てが一撃必殺級。そこらの海賊を一振りで何百と殺し尽くす一撃が縦横無尽に飛び交っている。
そんな中でなお一等の輝きを放つ巨漢の海兵。
短く切り揃えられた黒い短髪に、筋骨隆々とした規格外の肉体。
そして際限なく溢れ出す覇気。
海軍の英雄にして、最強の海兵、"拳骨のガープ"の全盛期の姿。
白ひげの武装色と覇王色の覇気、そして振動エネルギーを内包した斬撃。
カイドウの武装色と覇王色の覇気を纏った金棒による一撃。
ガープによる武装色と覇王色の覇気を纏った拳による一撃。
間違いなく世界最高峰の戦い。
最早三人の戦場に留まる者はおらず、これまで戦場を生き抜いてきた猛者ですら吹き飛ばされている。
「"
「グォォォ!!!?」
可視化出来る程濃密な武装色と覇王色の覇気を纏った拳が人獣形態のカイドウへと突き刺さる。
硬すぎるカイドウの防御を貫いた一撃は、その衝撃で遥か上空の分厚い雲を掻き消す。
血反吐を吐き出すカイドウは、しかし楽しそうに笑いながら金棒を刹那の間にガープへと叩き付ける。
「ぬゥ!!! いい一撃じゃ!!」
「おれを忘れるんじゃねェよ!!!」
宙でぶつかり合うカイドウとガープへ強烈な飛ぶ斬撃を放つ白ひげ。
振動エネルギーが空間を破壊しながら飛来し、二人は紙一重でそれを避ける。
飛来した先を見ると上空の空間に激突しガラスのように破壊している。
「ウォロロロロロ!!! 楽しいなァ!!! "白ひげ"のジジイもその体でよくやる……!!!」
「グラララララ!!! 舐めるんじゃねェよ小僧!!」
上機嫌に笑い、口元の血を拭うカイドウと笑いながらも鋭い目でカイドウを睨みつける白ひげ。
かつて同じ船に乗り共に海を荒らした元仲間である二人。
別の道を歩んだ二人の数十の年月に渡る闘争。
「思えばお前との腐れ縁も長くなっちまった。ここらでおれが引導を渡してやるよジジイ!」
「……ハナッタレが一丁前に言いやがる。やれるもんならやってみろォ!!!」
鬩ぎ合う二人の覇王色の覇気。
覇王色の衝突により大地は震え、大気は軋む。
「久しぶりの再会に熱くなるのは分かるが、貴様らはわしがここで息の根を止めてやるわい!!」
「お前もだガープ! 楽しい闘争の果てに、おれが殺してやる」
「ぶぁっはっは!! 楽しみじゃ!!!」
激突する三者。
「"雷鳴八卦"!!!」
「
「"天地海闢"!!!」
化け物達が蔓延るマリンフォードにおいても尚際立つ特級の化け物達。
全てを破壊せんと暴れる三者の闘いも終わりが近い!
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要塞も町も海軍本部も何もかもが無くなったマリンフォードの大地にて激しく繰り広げられる頂上戦争。
"火拳のエース"の処刑を巡る"四皇""白ひげ"との戦争は、エースの弟"麦わらのルフィ"率いる"インペルダウン"脱獄囚達により大きく荒れた。
海軍が誇る智将"仏のセンゴク"の作戦を尽く破壊した末のエースの解放。
そこからの駄目押しの"黒ひげ"と"四皇""百獣のカイドウ"の来襲。
その全てが映像電伝虫にて世界中へと放送される始末。
改めて今の最悪の状況を考え、猛烈な頭痛を感じるセンゴク。
エースの解放を許してしまったのは勿論、それを世界中に流してしまったのがトドメの一撃だった。
この戦争に勝とうが、負けようが、上から圧力を掛けられるのは間違いない。
「──全く、面倒なことをしてくれたものだ!」
苛立ちを掻き消すように覇王色の覇気を放ち、全ての計画の崩壊の原因である"麦わらのルフィ"を吹き飛ばす。
「流石にここまで引っ掻き回されるとは、思いもしなかったぞ……!」
勢いよく吹き飛び地面を転がるルフィへと吐き捨てるように言うセンゴク。
こめかみに青筋を立てるセンゴクは、その怒りに呼応するように覇気が膨れ上がる。
「"海賊王"の血筋は確実に断たねばならないッ。"絶対正義"の名の下に正義を執行する!」
「おれの親父は"白ひげ"ただ一人! 白ひげを海賊王にするために、おれは死なねェ!!」
己の胸の中に渦巻く様々な複雑な感情を押し殺し、悪の火種を摘むべく覚悟を決めているセンゴク。
恩人であり、尊敬する父親である"白ひげ"を海賊王へとするために覇気を固めるエース。
そんな二人の様子に黒ひげは冷めた目を向ける。
「──親父、親父と下らねェ。誰が誰から生まれただのと、それに何の意味があるってェんだ!!? おれらは生まれた瞬間からただの一人の男。夢を追うのに、てめェの血に何の意味がある!! ガタガタと下らねェこと言ってんじゃねェよ、エース!!!」
「ッ! ティーチ、てめェ! よく知りもせず──」
「──黒ひげの言う通りだ」
怒鳴るような黒ひげの言葉に激昂するエースだが、続くルフィの声に言葉を遮られる。
「エースの父ちゃんが誰かなんてどうでもいい。海賊王が父ちゃんでも、白ひげの人が父ちゃんでも、どっちでもいい! エースはおれの
「ルフィ……ッ」
苦痛と疲労に朦朧とするルフィの強い言葉に、エースは目の端に涙を浮かべる。
「そうか……。そうだ、そうだよな。おれはルフィの兄で、
「あぁ! 二人はおれの兄ちゃんだ!!」
センゴクの言葉に過剰反応していた怒りがエースの中から抜けていく。
幼少の頃からエースの中で強く渦巻いていた実の父、"海賊王"ゴール・D・ロジャーへの憎悪。
そして、そんな鬼の子であるという自分の血への忌避感。
その全てがこの極限の状況での弟からの言葉により氷が解けていくかのように無くなっていく。
「──ルフィ、ありがとう。おれは誰でもねェ、おれであり、お前の兄だ」
「ししし! 分かったんならいい!」
「ゼハハハハ!! 親父の次は兄弟ごっこか、エース!! 楽しそうで何よりだなァ!!!」
「ティーチ、お前からあんな言葉をもらうなんてなァ! おかけで吹っ切れたぜ」
「ゼハハハハ!! 親父、親父と気持ち悪かったから言っただけだ。なァ、麦わら!!」
「うるせェ、お前なんか嫌いだ!」
嫌われたもんだ、といやらしく笑う黒ひげに笑みを見せたルフィは拳を握り、エースもまた全身に更に強固になった覇気を纏う。
仕切り直しだとばかりに大きく腕を広げて闇を纏う黒ひげと、もう何も言うまいと覇気を漲らせるセンゴク。
一触即発、その瞬間。
「"──冥狗"!!!」
突如現れた大将"赤犬"のマグマの腕がルフィの背後から腹部を貫いた。
「ガフッ……」
眩く白熱していた体は色を失い、口から尋常ではない血反吐を吐く。
明らかな致命傷。
「ルフィーーーーーッッッ!!!!」
ルフィの腹部から抜き放たれる赤犬の腕。
支えを失ったルフィの体はドサリと地面へと倒れ伏す。
「──好き勝手やってくれとるのう、ゴミ共が!!!」
全てを焼き尽くすマグマにより、"麦わらのルフィ"、致命傷を負う!