色々な伏線も回収されてきてワクワクします!
映画も間近なので楽しみであります!!!
「──海軍大将もそうだけど、ここにあの
"偉大なる航路"前半の海、最後の島──シャボンディ諸島13番GRにある酒場"シャッキー'S ぼったくりBAR"にて、女店主シャクヤクがそう声を発する。
「ほう。ダイナーがこの島に来ているのか」
白髪で丸眼鏡をかけた老年の男が面白げに笑う。
老齢の男だが、服から覗く肉体は鋭く引き締まり、また、強者特有の圧を放っている。
彼は、シルバーズ・レイリー。海賊王ゴールド・ロジャーの右腕として名を馳せた伝説の海賊である。
現在は引退し、この島で船のコーティング職人をしている。
シャクヤクの一言に現在海、そして現在進行形でこの島を騒がせる問題児海賊団、麦わらの一味の面々が目を飛び出すほど驚く。
「なんだ、覇王って?」
「バカ! ルフィ、お前あの覇王ダイナーを知らねェのか!!?」
「ああ、知らねェ」
黒髪の男、ルフィの言葉にカビーンッと驚きで固まる長鼻の男、ウソップ。
「あんた本当に何も知らないのね。いい! "覇王"っていうのはこの海で最も恐れられる名前なの」
呆れながらも説明するオレンジ色の髪の女、ナミと、大きく頷くウソップと人型のトナカイ、チョッパー。
「大海賊時代以前から現在まで活動する伝説の海賊──"覇王"ルイン・ダイナー。あまりの
「ヨホホホホ! 彼は未だ現役でしたか」
「ブルックも知ってんのか?」
アフロ頭のガイコツ、ブルックが過去を思い出す。
「直接お会いしたことはありませんが、偶然にも彼の戦う姿を一度見たことがあります。どう足掻こうとも殺されてしまうであろうあの強さ、今思い出しても心臓が震えます!! ガイコツだから心臓ないんですけど!! ヨホホホホ〜〜!!!」
「へぇ、そんなに昔から活動していたのね」
黒髪おかっぱヘアの女、ロビンはそう驚く。
「ルフィ、お前の今の懸賞金は3億ベリー。覇王の懸賞金は──80億ベリーだ」
「は、80億ベリー〜〜〜〜!!?」
己の数十倍の懸賞金に驚き、椅子から転げ落ちるルフィ。
世界で最も高額であるこの懸賞金だが、ダイナーの手配書には特例として、『懸賞金は言い値で良いものとする』の一文が書かれている。
海軍も世界政府も、そのトップである五老星、そしてその更に上の者からも諦められているダイナーの討伐だが、もしそれが為された場合、政府及びそれ以上の権力者達は下手人を英雄と讃え、無限の財を与えるという。
「び、ビックリしたぁ! で、そんなヤツがなんでここに来たんだ?」
「それが、私にも分からないのよね。取り敢えず、ついさっきこの島に上陸したってことは分かっているんだけど」
「まぁ、何にしても彼には気をつけることだ。ロジャーと私が組んでも歯牙にも掛けぬヤツだ。今の君たちでは勝ち目はないだろう」
海賊王とその副船長二人が相手でも敵わないということに驚く一同だったが、そこで思わぬ者が意外なことを言う。
「あ、ダイナーなら俺の友達だ」
瞬間、空気が凍った。
ぐるぐる眉毛の金髪の男、サンジのあり得ない言葉に一同は固まってしまう。
そして一拍後。
『えぇぇ〜〜〜〜〜〜!!!?』
サンジとは犬猿の中である緑頭のゾロまでもが大声で驚きの声を上げた。
「ほう。珍しいな。あのダイナーに友人か!」
「俺のいた店によく来てたんだ。小さい頃からの付き合いだけど、あいつはまじで化け物だよ」
「そうか、そうか! 彼も少しは丸くなったようだな」
昔のダイナーの気性の荒さを知っているだけに、大いに驚くレイリー。
かつての覇王はそれはもう手がつけられなかった。
大きい子供とも言われる彼は、気に入らないものは全て薙ぎ倒し、欲しいものは奪ってでも己のものにしていた。
自分たちもよく苦労した、とはレイリー談である。
「敵になれば恐ろしい男だが、味方となるとあれ程頼もしい男もいない。これからも良い関係を続けることだ、サンジ君」
「ああ、店を出た時も挨拶出来なかったからな。次会った時には美味いメシをたらふく食わせてやる」
「ふふ。さあ! 大将達ももう島に上陸しているだろう。予定通りに行動しよう。運が良ければダイナーにも会えるかもしれんぞ?」
「おれも会ってみてェな!」
そうしてサニー号のコーティングを行うためにレイリーが出発し、それと別れてルフィ一行も海軍の追手を撹乱するため出発した。
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シャボンディ諸島44番GRにあるとある娼館。
この島において最も高級なこの娼館には世界中の名だたる著名人達や大物海賊が足を運ぶという。
そして、この店を利用している一人の男がいた。
一糸纏わぬその肉体はダイヤモンドの如く鍛え上げられ、黄金に輝く瞳は強大な意思を感じる。
世界中から恐れられる"覇王"ルイン・ダイナーが巨大なベッドの上で美女と寝ていた。
かの海賊女帝に肩を並べる程の美女は一才の衣服を纏わず、その豊満な肉体をダイナーに押し付けている。
「ダイナー様ぁ……。もうくれないんですかぁ?」
情気した顔で甘い声を出す美女の頭を撫で、ダイナーはニヤリと笑う。
「この島には友人に会いに来たんだ。そのついでにこの店に寄ったんだ。外も騒がしくなってきたし、ワガママ言うんじゃねェよ」
「もう! ダイナー様ったら意地悪なんだから。いつもはもっと長く遊んでくれるのに!」
気配からこの島が騒がしくなってきているのが分かっていた。
何をやらかしたのか、海軍の大将、中将達がこの島へと上陸し、大規模な戦闘となっているようである。
ダイナーが会いに来た友人の気配もあり、何故か古い知人二人も共にいるようである。
「ところで、最近天竜人のバカどもは来てねェのか?」
「ダイナー様がこの店を縄張りって言ってくれてから来てないわ! おかげで連れて行かれる女の子もいなくなって、ダイナー様には感謝しかないわ!!」
「そうか。あのバカどもでも学習するんだな」
天竜人とはこの世界において頂点に立つ者たちのことだ。
世界貴族と呼ばれ、世界で最も誇り高く気高い血族として、絶大な権力をもつ。
天竜人にとって天竜人以外の人間は人権はないものとされ、前を通ったからという理由で簡単に殺されたり、見目麗しい女は気まぐれに連れ去られることもある。
ダイナーは過去に幾度も天竜人を殺し、犯し、奪い、しかし、どうやっても殺せないことから天竜人からも恐れられている。
そんな経緯から政府より"触れるべからず"の発令が出たのである。
「あいつら、弱えくせに態度ばっかりデカいからなァ」
「……なんでダイナー様は天竜人を滅ぼさないの?」
海兵に聞かれたら一発処刑の発言をする娼婦だが、その顔は憎悪を堪えている顔をしている。
「あん? あァ、お前もヤツらに人生を狂わされた口か」
この娼館の一番人気である彼女だが、彼女もまた天竜人によって人生を狂わされた一人である。
シャボンディ諸島においてはよくある話だが、幼い頃に両親を天竜人によって殺された彼女は女であることを唯一の武器として、生きるために娼館へと入ったのである。
あの日の悲しみはいつまでも忘れない。あの日の怒りはいつまでも忘れない。そして、あの日の憎しみも、また、いつまでも忘れない。
「まァ、お前らの気持ちも分かるが、俺は時代の担い手じゃないからな。今の時代のことは今のヤツらにやらせるさ」
含みのある言葉に娼婦は疑問を浮かべるが、言葉にする前にダイナーに覆い被さられ口を塞がれる。
深い、熱いキスを交わした瞬間には先程までの疑問など消え去っていた。
「あと少しくらいは時間もある。それまではなにも気にしねェで、楽しもうや」
世界最強と謳われる覇王ダイナーだが、彼は無類の女好きである。
かつて麦わらの一味のコックに教え込んだ、女を悦ばせる極意を遺憾無く発揮した結果、この島一番の娼婦は人生最高の時間を過ごしたという。
頂上戦争にカイドウさんを乱入させる?させない?
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カイドウさん乱入上等!
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カイドウさん悔し涙でやけ酒なり!
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カイドウさん以外にその他大海賊が大集結!