覇王、自由気ままに旅をする。   作:イチゴ俺

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ワンピース学園も面白い!
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第34話"伝説の始まり"

「次から次へと余計なことをしてくれる。貴様らのおかげで、これからの海は大荒れだ……!」

 

 "麦わらのルフィ"と"白ひげ"の宣言を聞いたセンゴクは、拳を握りしめて怒りに震える。

 

 ルフィの"海賊王"になるという挑発とも取れる宣言に、世界中の海賊達は怒り活発になるだろう。

 "四皇""白ひげ"の引退宣言に世界中の海賊達はその跡を取るため過激になるだろう。

 

 この二人の宣言により、世界の情勢は必ず荒れる。

 それも大嵐のように荒れるだろう。

 

 そんな確定した未来を考えてセンゴクはため息を吐く。

 

「生きてここを出られると思っているのか貴様等!!」

「おれはこんな所で死なねェ! 全員揃って脱出するんだ!」

「私がそれを許すと思うか!」

「グララララ! お前が許さずとも、決めるのはおれらだ。自由にやるのが海賊。そうだろう、センゴク?」

「貴様まで"麦わら"に侵されたか……!」

 

 白ひげの言葉にルフィは大きく笑い、センゴクは奥歯をギリッと嚙み鳴らす。

 

「おれの息子達も、"麦わら"が連れてきた仲間達も既に船に乗り込んだ」

 

 つまり、マリンフォードの大地に立つのは"白ひげ"と"麦わらのルフィ"、そして敵である海兵達だけ。

 

「昔からの馴染みだ、センゴク。これから上に散々言われるだろうお前には同情しかねェが、おれもこんな所で死ぬわけにはいかなくなった。この島を壊してでも行かせてもらうぜ」

「貴様ッ!!!」

「ぬぅッッん!!!!」

 

 白ひげは腕に力を、覇気を、能力を溜めて一気に解放した。

 瞬間、天地が傾く。

 

 膨大なエネルギーが空間を激しく爆発させ、彼らが立つマリンフォードの大地を90度傾かせた。

 天が割れる音がする。

 海に柱のような津波が発生する。

 大地が壁と化す。

 

 この世の出来事とは思えない。

 重力に従い荒れる海へと落ちていく海兵達はそう思う。

 月歩を使う事が出来る者は空に逃げ、使えない者は大地にしがみつくか、あるいは海へと落ちていく。

 

 荒れる海では、小さな街程もある大きさの超巨大戦艦の圧倒的な防御力と、高威力かつ絶え間ない砲撃により、押し寄せる巨大津波を迎撃している。

 

 直角に傾いた大地に白ひげは仁王立ちをし、ルフィはゴムのように変化させた大地を掴んで耐える。

 

「おっさん、凄ェな!! 島が傾いたぞ!!!」

「グララララ!! 仲間を気にしなけりゃ、こんなもんどうって事はねェ。それより、この程度でどうにかなるアイツじゃねェ」

「相変わらずの馬鹿げた能力……! 老いてなお健在か!」

 

 空を駆ける黒き大仏は、目の前の異常な状況に舌を鳴らし、拳に能力と覇気を溜めていく。

 

 世界を破壊すると称される"白ひげ"の能力。

 文字通り島をも簡単に破壊し尽くす能力を長年見てきたセンゴクもまた、そんな白ひげと渡り合ってきた力を解放する。

 

「ハァッッ!!!!」

 

 黒き拳に尋常ならざる覇王色が集う。

 黒い稲光が迸り、悍ましい程の圧力が周囲を覆う。

 拳に空間を崩壊させる程の力が集う。

 耳障りの悪い音が周囲に響き渡る。

 

 裂帛の気合いと共に拳を直角に傾いたマリンフォードの大地へと叩き付けた。

 瞬間、爆発。

 

 膨大なエネルギーが暴れ狂い、傾いた大地が轟音と共に元に戻る。

 

 想像すらつかない程の質量をもつ島がただの拳の一撃で動いた。

 その事実に白ひげはニヤリと笑い、ルフィは目を輝かせて楽しそうに笑う。

 海兵達は頼もしいセンゴクの姿に表情を綻ばせ、インペルダウンの面々はあまりの光景に目を丸くする。

 

「あっひゃっひゃ!! お前、凄ェな!!!」

「小僧が、舐めるなよ……!」

「流石……と、言いてェところだが、そろそろお前も限界みてェだな。センゴク」

「ハァ……ハァ……ッ。貴様等を殺すまでは私も倒れられんッ」

「悪ィけど、おれ達もそろそろ船に行かねェと! 楽しかった、大仏のおっさん!」

「ふざけやがって、ガープの奴を見ているようだ!」

 

 激闘の連続。

 戦争が始まってから前線にて最も激しく戦ってきたセンゴクに限界が来ていた。

 体力は既に限界に来ており、覇気の底も見えている。

 それが、先の一撃でとうとう限界を迎えていた。

 

 対するルフィは赤犬による傷とそれまでの激闘が嘘だったかのように覇気が漲っている。

 そんな状態のルフィの言葉にセンゴクは青筋を浮かべ、吐き捨てる。

 

「それじゃァな、大仏のおっさん!」

「くそ……ッ」

 

 ルフィの強烈な一撃がセンゴクの顔面に突き刺さる。

 大仏の姿から人間大まで戻り、地面へと倒れ伏すセンゴクから感じる覇気は弱々しく、完全に意識を失っている。

 

「よし! 早いとこ行こう、おっさん!」

「あァ、分かった」

 

 

 "麦わらのルフィ"、様々な要因あれど伝説の海兵にして、海軍のトップである智将"仏のセンゴク"を討ち倒す!

 

 

□■□■□■□■□■□■

 

 

「お、おい、あいつセンゴクの野郎を倒しやがったぜ……!」

「驚きだガネ……。インペルダウンじゃ、あそこまで強くなかったはずだガネ」

「ハッ、大した成長速度だ。この戦争の間に覇気を使いこなしやがった」

「ムルンフッフフ! やはり王の器! 素晴らしいわねェ……!」

 

 センゴクを殴り飛ばしたルフィを見るバレット謹製巨大戦艦上の海賊達はその強さに驚愕する。

 もはや恐ろしい程のルフィの強さに震え上がるバギーとMr.3。

 素直に驚くクロコダイルとデボン。

 

「ルフィ……♡ 流石はわらわの夫……♡」

「お前、本当に"麦わら"と結婚してんのかよい。そんな話聞いたことねェよい」

「なんじゃ、そなたは! 切り刻んで犬の餌にしてくれるか!」

「お〜、怖い怖い。分かったから、そんな覇王色向けんなよい……」

 

 ルフィの姿にうっとりと顔を赤らめるハンコックと夫婦という話に疑問を浮かべるマルコ。

 

「ヒーハー!!! 流石はドラゴンの息子! あの成長力には驚きタブル!!!」

「流石ね麦ちゃん! 無事全員回収出来たし、あとは麦ちゃんと白ひげだけねい!」

「お前、おれになるなんて考えたな〜」

「麦ちゃんの兄貴を救えたのも、全員回収出来たのも、全部アナタのお陰でよ〜う! ありがとねい!!」

「気にすんな! おれと同じ体で頑張ったのはお前だからな! お前の大手柄だな〜!」

「ガッハッハ! じゃあ、あちし達皆凄いんじゃな〜い? あちし達が凄くてスワン、スワン!!」

 

 ルフィの成長力に驚くイワンコフと、二人で盛り上がるウルフとボンクレー。

 

「親父……! 引退ってどういう事だ……。おれはアンタを"海賊王"に……!」

「……あいつも所詮人の子って事だろう。押し寄せる年並みにゃ勝てねェ」

「お前……! 親父をバカにしやがって……!!」

「勘違いするんじゃねェ!!!」

 

 親父と慕う白ひげの引退宣言に心を乱すエースとそんな彼に言葉を投げかけるバレット。

 吐き捨てるような言葉に激情するエースだが、続くバレットの怒声に口を噤む。

 

「海賊"白ひげ"は確かに凄ェ男だ。ロジャーと長年渡り合ってきた本物の化け物。だが、所詮ただの人だ。歳を取りゃァ、肉体が衰える。病魔に侵されりゃァ、技も錆びる。勘違いするな"火拳のエース"……! 人間、いつかは終わりがあるんだ」

「ッ!」

「本来ならお前を救ってこの戦争で死ぬつもりだったんだろうが、あのジジイは見届けようとしてやがんだ。お前らの新時代を」

「それなら、海賊をやりながらでも──」

「甘ったれんじゃねェ。お前は親離れも出来ねェガキか? 引退ってのも一つの覚悟だ。男なら、一人の男が決めた覚悟に口を出すんじゃねェよ」

 

 バレットの言葉に拳を強く握り締め、しかし出る言葉はない。

 

「いいから、海兵共の迎撃をやれ。お前の親父も弟もまだこれからデケェ事をやるつもりだぜ」

「……分かったッ」

「フンッ。ガキの子守りも楽じゃねェ……」

 

 巨大戦艦の上、乗り込んだ海賊達は数万。

 

 残る仲間は"麦わらのルフィ"と"白ひげ"のみ。

 

 船の主、ダグラス・バレットは気落ちするエースを眺めてため息を吐く。

 

 頂上戦争、最終局面。

 泣くも笑うも、これからの数分間が世界の未来を決める!

 

 

□■□■□■□■□■□■

 

 

「おい、"麦わら"。お前はあとどれだけ動ける?」

「ハァ……ッ、もってあと数分だ! これ、凄ェ消耗する……!」

「だろうなァ……」

「でも、あとは船に乗り込むだけだ! それまでは何とかする!」

「……そうもいかねェみてェだ」

 

 バレット謹製の巨大戦艦目掛けて走るルフィと白ひげ。

 立ち塞がる海兵達を鎧袖一触で薙ぎ倒しながら走る二人だが、どちらも体力の限界だった。

 

 片や、急激な覚醒で借り受けた体力、覇気共に大量消費するルフィ。

 

 片や、病魔に侵された老齢の肉体に鞭を打ち、激闘を繰り広げる白ひげ。

 

 互いに気力で保っているだけだけの状態だが、そこに悪夢のように追手が襲い来る。

 突如飛来した光線を間一髪で避けるルフィ。

 

「危ねェ!!?」

「お〜、よく避けたねェ、麦わら〜!」

「黄猿!! え、お前なんでそんなに包帯ぐるぐる巻きなんだ?」

「頭に来るねェ、君たちのおかげで出来た傷だよ〜」

「おれ、お前に何もやってねェぞ」

「君が気にする事はないよ〜……!」

 

 明らかに今回の戦争で出来た傷ではない黄猿の体の傷を見てルフィは疑問を浮かべる。

 そんなルフィに憎々しげな様子の黄猿。

 

「このまま君たちを帰す訳にはいかないからねェ。ここでわっしが君たちを殺してあげるよ〜!」

「もうあの時のおれじゃねェ。もうおれは誰にも負けねェ!」

「お〜、怖いねェ〜〜。でも、君はここで終わりだよォ」

 

 文字通り光の速度でルフィへ迫る黄猿。

 奇しくもシャボンディ諸島の一件と同じ構図だが、そこに割って入る者がいる。

 

「おれを忘れてちゃァ、いねェかァ!」

「グゥッ!!?」

 

 白ひげが振動と覇気を乗せた拳で黄猿を叩き落とす。

 続けてもう一撃。

 命を奪うべく振り下ろされた薙刀は、しかし黄猿に触れる間際に凍り付いた。

 

「青雉……!」

「あらら、その傷で無理しちゃダメでしょうに。お前はもう休んでいろ、ボルサリーノ」

「そうもいかんでしょうがァ……」

「そうじゃクザン。このゴミ共も、海にいるゴミ共も消し炭にせにゃァ、わしらは朝日を見ることは出来んぞォ……!」

「仕事熱心な奴らだ……。ま、そういう事でお前たちにはここで死んでもらうよ」

 

 ルフィと白ひげの前に集まったのは海軍が誇る最大戦力、三大将。

 それぞれが相当なダメージを負いながらも、海賊を許さぬという強い意志を持ち二人の前に立ち塞がっていた。

 

「げ、またあのマグマの奴!」

「どうやって生き返ったかは分からんが、奇跡は二度も起こらんぞ"麦わらのルフィ"!」

「うるせェ! もうお前にやられねェぞ!!」

「あの時からかなり強くなったみてェだが、これ以上好き勝手はさせねェよ"麦わら"……!」

「グララララ! 揃いも揃ってルーキー一人に情けねェな、海軍!」

 

 あとは船に乗り帰還するのみ。

 そのタイミングで現れた海軍の最大戦力が三人。

 ルフィも白ひげも限界を超え、しかし相手も相当な手負い。

 

「おっさん、おれに良い考えがある……!」

「なに?」

 

 白ひげの肩に乗り耳元で作戦を伝えるルフィ。

 そして、それを聞いた瞬間笑い出す白ひげ。

 

「グララララ!!! そりゃァ、いい! ふざけた作戦だが、やる価値はある……! 任せろ、"麦わら"。段取りは組んでやる」

「ししし、頼む!」

 

 突如笑い出した白ひげとルフィに怪訝な目を向ける三大将だが、覇王色の覇気を放出した白ひげに警戒する。

 

「覚悟しろ、ハナッタレ共ォ!!!」

 

 

 伝説の大海賊にして、生きる災害、"白ひげ"エドワード・ニューゲートと、新たなる伝説にして覚醒した神、"麦わらのルフィ"が海軍大将達と衝突する。

 

 頂上戦争最後の戦い、勃発!

 

 

 

 

 

 

 

 

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