覇王、自由気ままに旅をする。   作:イチゴ俺

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いよいよ今週には映画放映です!
楽しみで鼻血が出そうです!
映画までに漫画を読んで気分をアゲておきます!!!


第4話"覇王と冥王"

「──もう二度と会う事はない……。さらばだ」

 

 "シャボンディ諸島"12番GRにて熊の耳を付けた大男、王下七武海の一人、バーソロミュー・くまの手により海を騒がせる海賊──"麦わらのルフィ"が姿を消した。

 前代未聞の天竜人傷害事件により派遣された、海軍大将"黄猿"及び"冥王"レイリーの眼前にて行われた麦わらの一味崩壊の瞬間に周囲は異様な静かさになる。

 

「──どこに飛ばしたんだいィ? 説明はあるんだろうねェ?」

「貴様に説明する必要はない」

「戻ったら覚悟することだねェ」

 

 世界貴族である天竜人二名を傷付けた大罪にて麦わらの一味の抹殺に来ていた黄猿は、邪魔をした張本人であるくまを睨みつける。

 

「では、私も帰るとするよ」

 

 先程まで黄猿と剣を交わしていたレイリーだったが、目の前でルフィが飛ばされたのを見て剣を下ろす。

 そして、帰投しようとしたところ、尋常ならざる圧力が周囲を包み込んだ。

 数百万人に一人しか持ち得ないとされる"覇王色の覇気"がレイリー、黄猿、くま、そして同じく居合わせた鉞を担いだ戦桃丸のみならず、シャボンディ諸島一帯を威圧した。

 ビリビリと肌を刺激するのみならず、雲を消し去り、ヤルキマンマングローブを軋ませる。

 

「この覇気は……」

「なんだ、この覇気は……!!」

「ん〜〜これはまずいねェ……!」

「……」

 

 四人の眼前に一人の男が現れる。

 

「──おい、どういう状況だ?」

 

 世界最強の男"覇王"ダイナーが額に青筋を浮かべ低い声で問いただす。

 政府からも手を出すことを厳禁とされた男が明らかな怒りを放っており、黄猿は冷や汗を流す。

 

「友達に会いに来てみたら、気配が突然遠ざかっていきやがった。くま、お前の仕業かァ?」

「……貴様には関係ない」

 

 瞬間、ダイナーの姿が消え、同時にくまの巨体が遥か彼方へ吹き飛んでいく。

 一連の動作を見聞色の覇気でなんとか知覚出来た戦桃丸は驚愕する。

 

「"クマ公"が瞬殺……ッ!? 何故、ヤツがこんなところに!!?」

「おい、誰か説明しろよ」

「……ダイナー、久しいな。こんな状況で再会とは思わなかったが」

「レイリー、お前は何故こんなところにいる? 隠居してるんじゃなかったのか?」

「少しばかりやることができてな」

 

 大海賊時代以前からの顔馴染みである彼らの幾年ぶりの再会は最悪の状況だった。

 彼がここまで怒るのを見るのはいつぶりだろうか。

 怒れる覇王の覇気は島のあらゆる生命を気絶させていく。

 

「おい、レイリー。どういう状況だ?」

「ふむ、君の友人のサンジ君の一味が天竜人を傷付け、先程まで海軍に追われていた──といったところか」

「ほぅ、サンジのところの船長は中々気概がありそうだな?」

「あぁ、ロジャーに似て実に精悍な男だったよ」

 

 レイリーの言葉に黄猿と戦桃丸は驚愕する。

 

「覇王と黒足が友人だってェ?」

 

 これが真実であれば厄介なことになる。

 ダイナーに"触れるべからず"と厳命されているのは、単純な強さ故だ。

 この世界において打倒出来るものがいないからだ。それは、海軍の最高戦力である大将がでもだ。

 覇王と麦わらの一味の船員が友人関係にあるとして、それに手を出す事で覇王の怒りを買うとしたら、海軍も容易に捕まえる事が出来なくなる。

 まぁ、それは船長が嫌がるだろうが、とレイリーは考えクスリと笑う。

 

「飛ばされたモンは仕方ねェ。くまはぶっ飛ばしちまったし、このクソみてェなイライラはお前で晴らすしかねェな? 黄猿」

「お〜〜怖いねェ〜〜。わっしはあんたとやりたくなんかないんだけどねェ」

 

 そう言いながら先手必勝とばかりに光の速度でダイナーに詰め寄り、光の剣で斬りかかる。

 黄猿が食らった悪魔の実は"ピカピカの実"。

 悪魔の実の中でも最強種と呼ばれる自然系であり、その中でも更に強力な"光"そのものになる能力者だ。

 "光人間"である黄猿は文字通り光速で攻撃する事が可能である。

 高度な見聞色を持たねば知覚すら出来ないその一撃を武装色の覇気を纏った掌で受け止めるダイナー。

 

「おいおい。能力ばかりで覇気がなってねェなァ」

「まったく、いやになるねェ。ゼファー先生と同じことを言われるとはねェ」

「最後には覇気だけがモノを言うんだ。これに懲りたら一度鍛え直せェ!」

 

 一瞬の内にダイナーの全身が武装色の覇気により黒く染め上がり、規格外の膂力で黄猿を殴り飛ばす。

 回避も出来ず食らった一撃に全身の骨はズタボロになり、意識は一瞬遠のく。

 あまりの武装色の濃度と強さに肉体を回復することさえ出来ず、息も絶え絶えでダイナーから遠ざかる。

 

「……やっぱり、覇王となんて戦うもんじゃないねェ〜〜」

「おい! 大丈夫かオジキ!!」

「とてもじゃないが、勝てそうもないね〜〜。"触れるべからず"は伊達じゃないよォ」

「これが覇王ダイナーか! 化け物みてェな覇気だッ!!」

「俺もお前らを殺すつもりはねェけどよォ。もう一発ずつ殴らねえと気ィすまねェからさ」

 

 ーー殴るついでに送ってやるよ。

 その一言の後、並んでいる黄猿と戦桃丸を覇王色を纏った拳が襲った。

 一撃で山河を崩壊させる一撃は黄猿、戦桃丸両名を吹き飛ばし、意識を失った二人は同じ方向へと一直線に吹き飛んでいく。

 

「大将を赤子扱いか。流石だなダイナー」

「ふん。あんな能力頼りのヤツとまだまだヒヨッコの覇気使いなんて楽勝だろう。海軍本部まで飛ばしてやったから、着いたら本部のヤツら、ビックリするんじゃねェか?」

 

 ハハハハと大笑いするダイナーを見て笑うレイリー。

 

「くまにも何か事情があったようだ。私も詳しくは聞いてはいないが、とりあえず、久しぶりの再会だ。落ち着いた所で話そうじゃないか。サンジ君も無事なようだしな」

 

 

□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️

 

 

「──ダイナーさん、本当に久しぶりね」

「お前が店をやってるってのは知ってたけどな。レイリーとも上手くやってるようじゃねェか」

「レイさんったら他所に女作ってちっとも帰ってこないのよ?」

「ハハハハ! 男なんてそんなモンだ。ましてや元海賊。帰ってくるだけいい方だろ」

「ま、気にしてないけどね」

 

 居た堪れない思いをするレイリーはポリポリと頬を掻き、それを見たダイナーは爆笑する。

 

「天下の冥王も女には勝てんか!」

「惚れた弱みだな……」

「ところでよォ、この人魚と魚人たちは何だ? 陸にいるのは珍しいなァ」

 

 あの後レイリーと共に13番GRにある酒場"シャッキー'S ぼったくりBAR"へとやって来たダイナーは、古い知り合いとの再会を果たし酒を飲んでいた。

 上等なダークラムの瓶を傾けるダイナーは、包帯に包まれたタコの魚人、若い女の人魚、喋るヒトデを興味深げに見る。

 目を向けられた三人は緊張に身を固まらせる。

 

「彼らはサンジ君たちの友人だよ」

「ほ〜ん。他の島ならまだしも、この島に上がるたァ、度胸あるじゃねェか」

 

 かつて魚人、人魚は魚類として世界中で迫害されてきた過去があり、このシャボンディ諸島では、その悪習が未だに続いている。

 それ故、魚人、人魚たちはこの島に足を踏み入れる事は滅多にないのである。

 

「ニュ〜〜でもそのせいであいつらが……」

「あん? どういうことだ?」

 

 そしてタコの魚人、はっちゃんが事情を説明する。

 

 友達である人魚のケイミーが人攫い屋に捕まってしまったこと。

 人間屋(ヒューマンショップ)競売(オークション)で天竜人に落札されたこと。

 天竜人にはっちゃんが銃撃されたこと。

 麦わらのルフィが天竜人を殴り飛ばしたこと。

 

 一連の流れを聞いたダイナーはニヤリと笑う。

 

「軽くは聞いていたが、サンジの所の船長は良い男みたいだなァ」

 

 今は亡き戦友を彷彿させる人物像に興味を持つ。

 

「それで、モンキーちゃんたち、くまに飛ばされたの?」

「あぁ。ヤツはルフィ君たちを逃がしたい(・・・・・)と言っていたよ」

「……くまの野郎にゃ悪いことしちまったなァ」

 

 サンジと先程覚えた仲間たちの気配を探ってみると、それぞれが別の方向へと遠ざかっていく。

 

「まァ、ヤツらも立派な海賊だ。どのみち、この程度のことで躓くようじゃ、この先の海ではやっていけねェ」

「フフ、一体どうなることか」

「サンジに会えなかったのは残念だが、あいつが着陸した後にでも会いに行けば問題ねェだろ」

「ところで、ダイナーさん。あなた、この島に入って今まで一体何していたの? もう少し早ければモンキーちゃんたちも飛ばされることはなかったでしょうに」

 

 店主のシャクヤクが単純な疑問を問いかける。

 単純な質問だが、それを受けたダイナーは顔からダラダラと汗を流す。

 

「……さては、お前、また娼館にでも行っていたな?」

「え? いやぁ……、まぁ、え〜〜、い、イッテないけどなぁ……!!?」

『ウソつけェ!!!』

 

 分かりやすすぎるダイナーの顔に総ツッコミする一同。

 蔑んだ目で見つめるケイミーと呆れて笑うシャクヤク。爆笑するレイリーと顔を覆うはっちゃんとヒトデのパッパグ。

 そんな彼らの目から逃げるために酒瓶を呷った。

 ダークラムの甘みと強い香りを鼻から逃がし、一気に飲み干したダイナーは二本目の瓶へと手を伸ばす。

 

「も、もうこの話は終わりだ! 久しぶりなんだからお前らももっと飲め! 今日は俺の奢りだ。人魚の嬢ちゃんたちも何でも飲めやァ」

 

 世界中から恐れられる最強の男も、一度宴を共にすれば、血の通った同じ人間だと分かる。

 天竜人以上に手が付けられなく、魚人以上に化け物じみた男だが、酒を飲んで話を紛らわせる姿は常人と変わるものは何もない。

 魚人と人間を別つ差別も、一度偏見の目をなくしたのなら、もしかしたらお互い歩み寄れるのかもしれない。

 

 そんなことを、タコの魚人はっちゃんは、覇王から手渡されたジュースを飲みながら思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

頂上戦争にカイドウさんを乱入させる?させない?

  • カイドウさん乱入上等!
  • カイドウさん悔し涙でやけ酒なり!
  • カイドウさん以外にその他大海賊が大集結!
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