野生のトリモンが亡命してきた・・・どうする? 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「レーダー反応! 門開きます」
「今警戒任務に着いているのは」
「東隊です」
「門の数は」
「1つです」
「偵察か? 東隊至急向かうように伝えろ」
「了解」
2年前のある日突如三門市に異世界の門……ゲートが開いた
近界民通称ネイバーが現れ町は大混乱に陥った
現代兵器が全く通用せず、市の壊滅は時間の問題だと思われた
しかし、その時謎の一団が現れてあっという間に近界人を撃退していった
彼らはこう言った
「コイツらの事は任せて欲しい、我々はこの日の為に鍛えてきた」
この日を境にこちらの世界を守るために界境防衛組織【ボーダー】が一般に認知され、彼らは僅かな期間で巨大な基地を作り上げ、近界人の監視体制を築き上げた
これはそんなボーダーができて2年目の時に起こった重大事件から物語は始まる
「皆さん映像出ます……これは……」
「遠征艇!? 近界民のか!?」
『東隊遠征艇と思わしき物体の包囲しました』
「何時でも攻撃できるように」
『『『了解』』』
「遠征艇開きます」
ガシャンとエアステア(扉)が地面に設置され、中から人が降りてくる
一同緊張が走る
東隊は現ボーダーA級1位の部隊であり、遅れを取ることは無いと思うが、遠征艇が現れる事など今まで無かった
その為初めての出来事の為緊張する
中から降りた人は白い旗の様な物を持っており、それをブンブンと振り回す
「何をしているんだ?」
「映像だとわかりませんが……東隊、何か分かるか」
『忍田本部長! 旗に投降と亡命と日本語で書かれています』
「なに!」
「なんだと!?」
周りのスタッフ達が動揺する
忍田本部長はすかさず城戸司令に指示を仰ぐ
「城戸司令如何致しますか」
「……まて」
「東隊、東は目標を照準から外すな、二宮、加古、三輪は包囲を狭めろ」
『『『了解』』』
城戸司令は待機を指示、それを忍田本部長が的確に指示を飛ばす
「……俺出ますよ」
「林道……如何します城戸司令」
「やむ終えない許可する。油断はするな」
「迅も連れていきますね」
「わかった」
トリガーを起動し、林道支部長が部下の迅を連れて現場に向かう
「!? 近界民に動きあり、旗を地面に刺して船内に戻ります」
「コンタクト無しかぁ難しいでありますなぁ」
「閣下、本当によろしかったのですか我々の為に国を捨てて」
「なに、自分も母国は日本だと今でも思っているでありますよ! 転生などと生まれ変わっても祖国は日本のみであります……しかし、皆すまなかったでありますな。三等国民などと言う事実上奴隷の様な扱いをしてしまって」
「閣下は国や部下を裏切ってまで我々を日本に帰してくれました。閣下は他の者と違い我々をしっかり人間と見てくださりましたし、閣下には恩しかありません」
船内には先ほど旗を振っていた閣下と呼ばれる女性と他に5名の人員が居た
性別は女性2の男性3で年齢は10代から20代前半の様だ
閣下と呼ばれた女性も年齢は20代前半に見える
「ほ、方面司令部のトップエースで変人と呼ばれている方にし、召集された時はし、死ぬんだと思ったけど……信じて……信じて良かった……」
「あぁ、日本だ……電気の明かりが扉から見える……帰ってこれたんだ」
「閣下、正装の方がよろしいのではないですか?」
「止して欲しいでありますよ……ブラックトリガーなんか起動していたら敵対行為と見受けられてしまうでありますよ。とりあえずやることはやったでありますから私は外で待つので船内で残りの食料食べてて良いでありますよ」
「ダメよ閣下、あなた1日1食しか食べないでトリオンの殆どを船の航行に使って疲れてるんだからゆっくりしないと」
「まだ外に出たらダメなのか?」
「狙撃兵が見ているでありますし、強そうなのが3名包囲しているであります……レーダーに映っているでありますからなぁ」
「……別の反応あり、まっすぐ近づいてくるよ」
「とりあえず皆は食べてるであります。皆も長期航海で痩せちゃってるでありますし、これから尋問を受けるかもしれないでありますから食べておいて欲しいであります」
「閣下がそう言ってるし残りの食料食べちゃおうぜ……って殆どねーけどな」
「の、残しておいたドライフルーツが確かあったと思うからそれ食べない! フルーツなんて何時以来だろう! 食べるの!」
「そうだな……食べるか」
「じゃあ自分は外に居るでありますな」
「閣下も食べるんだよ! 席に着いてろって」
「と、取ってきたよ!!」
「これで硬いパンともおさらばかな」
「早く米くいてぇなぁ」
「私も食べたい! お味噌汁と漬物と一緒に」
「ババアかよ」
「何だと武ェ!」
「やんのか和田!!」
「け、喧嘩はよくないよ」
「馬鹿どもはほっておいて食べますよ……いただきます」
「「「いただきます」」」
「ボス、今回の未来は大丈夫そうですよ……明るい未来が多いのでね」
「迅のサイドエフェクトは頼りになるよ本当に……着いたな」
「着きましたね……少しうちのとは形が違いますね」
「いくら近界民の技術を多数使っていても地球用に合わせないといけないからね」
「呼んでみます?」
「いや、来たみたいだね」
カツカツと階段を降りて先ほど旗を振っていた人物が現れる
「お待たせしたであります。最後の晩餐を楽しんでいたところであります」
「そうか……俺は林道、こいつが」
「迅悠一! 実力派エリートなんでよろしく」
「交渉に応じてくださり感謝するであります」
「……おいおいマジか林道さん飛びっきりのサプライズが有るわ」
「……まず交渉の前に我が国に拉致されていた日本国民を帰すであります……皆出てきて良いでありますよ」
そうすると階段から5名の男女が現れる
「まずは彼らの保護を頼みたいであります」
ニッコリと笑った近界民は死を覚悟しているかの様な振る舞いをした
トリガーを迅に渡したことでトリオン体が解除され、本当の姿が現れる
先ほどまでは銀髪の胸が大きな女性だったが、トリオン体が解除されると今にも倒れそうなガリガリの体だった
戦闘の意志が無いこと、日本国民が居るとの情報は直ぐに本部に伝えられ、周りで包囲していた東隊や本部からの応援で乗組員は保護された
司令官らしき人物のみ近界民であり、彼女は手錠をはめられて何もできないようにされて本部に担ぎ込まれた
身体検査の後衣服を交換され、尋問室に移動させられた
尋問官は先ほど挨拶した林道と立会人が2名、記録員が2名の自分を居れると6名がこの部屋と横のガラス越しの部屋に居る
「まずは何か欲しい物はあるかい?」
「尋問と言えばカツ丼……いやなんでも良いので食べ物が欲しいであります」
「わかったカツ丼を用意しよう」
「ありがとうであります」
直ぐに食事が出され、カツ丼がデンと置かれた
「箸はないのでありますか?」
「おや、箸が使えるのかい?」
「使えるでありますよ」
「それは他の乗組員に教わったのかい?」
「違うであります。私は元々は日本人だったであります」
「君は近界人じゃないのかい?」
「体はネイバーでありますが、心は日本人であります……時に林道殿は輪廻転生を信じるでありますか?」
「仏教用語も知っているのかい……そうだね僕的には輪廻転生よりも天国で死者はゆっくりして欲しいかな」
「私は20年前に日本の東京都大田区で亡くなったんでありますが、気がついたら近界乱星国家のサテラスに転生していたんであります」
「サテラス……聞いたことが無い国家だ」
「サテラスが地球……ミデン 玄界に近づいたのは10年前だからね……その時に50名程拐ったらしいがすまない、自分が助けられたのと生き残っていたのが彼ら5名のみであります」
「……そうか……とりあえずカツ丼を食べ終わってから詳しく君の事を聞かせてもらうよ」
「優しいでありますな」
「僕みたいなのは少数派だけどね」
「他の人の殺気を感じるのでそうでありましょうな……いただきます」
私は20年ぶりの米を堪能した