野生のトリモンが亡命してきた・・・どうする?   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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トリガーであります

 個室にて林道殿と2人きりで夜にお話をした

 

「とりあえず亡命を受け入れるにあたり、ボーダーで働いて貰うことを条件にしたい。詳しくはこの資料……読めるか?」

 

「大丈夫であります」

 

 日本語で書かれた資料を読んでいくと戦闘要員兼ボーダーの新技術のテスター兼本部のトリオンタンクと書かれていた

 

「戦闘要員なのは理解したであります。で、自分はC級隊員とやらからスタートするでありますか?」

 

「あぁ、そうなるね」

 

「C級隊員についてもう少し詳しく聞いても良いでありますか?」

 

「あぁ、構わないよ。まずボーダーのC級隊員は現在約200名居て、その子達が週2回ある合同訓練で良い成績を残すかランク戦でポイントを奪い合うか……とと、ポイントについて説明してなかったね」

 

 ポイント……C級隊員には戦闘用トリガーが1つだけ入ったトリガーホルダーを渡され、それを使ってランク戦や合同訓練を行ってポイントを稼ぐ

 

 ポイントは基本1000ポイントから始まり優秀者や推薦者等は2000前後で始まることも有るようだ

 

「とりあえずアルは1000ポイントからスタートね、武器は長距離のスナイパーだけ別枠の訓練になるけど」

 

「一通り試してみないことにはなんとも言えないでありますなぁ」

 

「それもそうだね。よーしオジさんが交渉してみるよ」

 

「頼むであります」

 

「ちなみにだけどアルはメレだっけ? そのトリガーでどんな戦い方をしていたのかな?」

 

「まず姿を見せないようにする、高所を取る、射程距離内で待ち伏せの3つを基本にして、奇襲をよくしたであります」

 

「奇襲か具体的には?」

 

「メレは爆発する性質が有るので、地雷にするもよし、上から降らせるもよしでありますから二撃でトリオン体を破壊するのに注力していたであります。最初の一撃で脚部か体にダメージを与え、次に頭上もしくは地雷にしていたメレを起爆させて落とであります。接近された場合は仲間に任せる、自分でも格闘戦をする、逃げて罠を張る等を組み合わせて距離を取るであります」

 

「地雷トリオンとは厄介そうだね」

 

「あとメレのトリガーにフレーという探知機能を装着していたでありますので目視が無理なときはフレー便りに広範囲メレで周辺地域ごと吹き飛ばした事もあったであります。うーん口で説明しづらいであります……」

 

「たぶん今後君にメレや黒トリガーを渡すことは無いと思う……それだけは理解していてくれ」

 

「わかったであります……あとは何がありますか?」

 

「そういえば5人が君と会いたいとぐずっていたよ。慕われてるねぇ」

 

「自慢の部下であり戦友でありますからな」

 

「でもさっきの話を聞いた限りだとそれほどまでキル数を稼げると思わないんだけど」

 

「私はとにかく奇襲と相手に不利を押し付けるのが上手いと思っているであります。奇襲は時間的、場所的、心理的の3種類……もっとあるでありますが、3種類を意識したであります。不利を押し付けるは距離を置いたり逆に近づいたりして敵の間合いをコントロールしたでありますな。だから1対1よりも1対複数の方が得意でもあります。敵は複数居るという安心感を逆手にとって追い詰めるであります」

 

「なるほど……とりあえず明日から色々と動くと思うから今日はゆっくり休んでくれ」

 

「感謝するであります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、朝食をいただきそのまま面会室に通された

 

 面会室はガラスで仕切られており、刑務所などに有るような感じだ

 

 椅子に座って待っていると5人が入ってきて

 

「「「アル閣下!!」」」

 

 と敬礼してくれたので私は手を振って椅子に座るようにジェスチャーする

 

 立会人から面会時間は10分だと言われる

 

「どうだったでありますか? 久しぶりの日本は」

 

「まだ外に出ていないのでまだなんとも言えませんが、夕食や朝食に米、味噌汁、漬物が食べれてあぁ、日本なんだなって思えました。あと両親たちと話すことができました」

 

「それは良かったでありますな」

 

 纏め役の和田がとりあえず昨日の出来事を軽く教え、武が申し訳なさそうに話す

 

「……でもアル閣下、他の部下やご家族は……」

 

「他の近界に置いてきた部下は指揮系統が断絶した影響で良くて捕虜、悪ければ殺されてるでありますなぁ、家族は三等親全て四等国民行きでありますなぁ」

 

「本当に良かったのですか?」

 

「……良いか悪いかであれば普通の倫理観であれば悪いでありますが、私の中身は結局のところ祖国は日本だっただけでありますよ……サテラスに愛国心も何も無いでありますからな……暗い話しはこれでおしまいであります! 面会するってことは何か他に話すことがあるんじゃないでありますか?」

 

「あ、あの……私達ボーダーに就職することにしました……家族と後で相談しますが閣下にも報告しようかと」

 

「ほう? それは何故にでありますか?」

 

「俺達閣下と離れたくないのさ。B級に上がればチーム組めるらしいから閣下、福長と組んでくれませんか? ボーダーなら長距離武器使えるらしいので俺、和田、横田、里見の4人チームと福長と閣下のチーム作って場合によっては互いに融通しながらA級目指しません?」

 

「良いでありますが、あれだけ辛い思いをしてきたのに再び戦場に出るのは怖くないでありますか?」

 

「だって閣下が居るじゃないですか」

 

「アル閣下、これからはアル閣下のサポートを私達がする番です」

 

「ただでさえ近界人は厳しい目で見られると思うので支えさせてください」

 

「……皆の気持ちはわかったであります! それじゃあ次の目標はB級に上がることでありますな! 頑張ろうであります」

 

「「「はっ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆との面会が終わると試験をさせられた

 

 国数社の3科目で、国数は良い点を、社会は新しい部分が壊滅していたでありますが、半分くらいは取れたであります

 

 続いて身体測定とトリオン体での身体テストをそれぞれ行い、試験が終わると林道が待つ部屋に通された

 

「お疲れ様、栄養失調で痩せているけど、吸収効率の良いトリオン体で3食もしくは4食食べれば1ヶ月もたたずに健康体になれると思うよ」

 

「そうでありますか……良かったであります」

 

「さて、じゃあ今日のメインのこっちこと玄界のトリガーを使ってみようか」

 

「そんなに早く良いのでありますか?」

 

「上からOKが出てるから安心すると良い。あと君達の管轄は本部付きとなると思うよ」

 

「本部付きということは別も有るのですか?」

 

「支部が有るよ。基本的に支部は地域との窓口業務と学業や家庭の事情、仕事等で本部の合同訓練に参加できない者達が入るところだね。例外もあるけど」

 

「例外?」

 

「僕の玉狛支部は旧ボーダーの意志を継いで近界民にもいいヤツがいるからなかよくしようぜ主義を貫いているんだ。あとはボーダー最強の部隊が居るんだよ。自分の部下を最強と言うのはちょっと恥ずかしいな」

 

「なるほど……そういう派閥も有るのでありますな」

 

「まだだからこうして君の世話係を買って出てるんだけどね……さて、じゃあお待ちかね玄界のトリガー達だよ」

 

 この部屋は訓練室なようで林道が次々にトリガーを見せてくれる

 

「まずはポジションを紹介するね」

 

 ブレードやナイフみたいなのを扱う近接戦のスペシャリスト 攻撃手

 

 トリオン体の技術を流用して作られた銃を使い、味方との連携をしながら安定した火力を出せる 銃手

 

 センスが必要だが銃手と違い複数の玉を使い分ける事が可能、威力も射程距離、弾速も設定可能とやれることが多い 射手

 

 まだできたばかりだが、長距離から敵を仕留める事が可能 狙撃手

 

 攻撃手と銃手or射手を使い分けることで近中距離対応可能 万能手

 

 工作特化の罠や味方の補助を行う 特殊工作兵

 

「以上6種類……一応まだ使用者は居ないけど万能手に狙撃手を組み合わせた完璧万能手てのも有ったりする」

 

 続いてトリガーの説明に入る

 

 近接武器

 

 弧月……ブレード型の傑作トリガーで重さがあることで攻撃力と防御力に優れる

 

 スコーピオン……自由に形を変えられる重さの無い刃物で体のどこからでも自由に出し入れ可能

 

 レイガスト……攻防一体の重装トリガーで刃モードと盾モードを切り替えながら戦う

 

 中距離武器

 

 銃……拳銃、散弾銃、突撃銃、機関砲、擲弾銃の順に射程距離が長く、射手と比べて射程距離が20%長いのが特徴(射手もトリオン量が多ければ長距離攻撃可能 燃費の問題)

 

 弾の種類

 

 バウンド……追尾弾

 

 バイパー……弾道を自由に設定できる変化弾

 

 メテオラ……炸裂弾

 

 アステロイド……直線的に飛ぶ基本弾

 

 この4種類のうち銃手は1枠1つの銃と弾をセットで組み込まれる

 

 例 アステロイド(突撃銃)

 バウンド(拳銃)

 

 長距離武器

 

 イーグレット……汎用性が高い射程が一番長い狙撃銃

 

 ライトニング……射程、威力を抑えた代わりに弾速と速射性が高い一品

 

 アイビス……一撃必殺の対トリオン兵用のライフル

 

「基本はこれだな。ここの訓練室は狭いから長距離武器は使えないけど他のは使えるから試してみるか?」

 

「はいであります!」

 

 私はトリガーホルダーを受け取り、トリガーオンして色々と試してみる

 

 近界のトリガーと違い扱いやすさ、汎用性は玄界のトリガーの方が断然上だ

 

 今まで使っていたメレや黒トリガーは尖った性能をしていたが、私は玄界産のトリガーの方が戦術に幅ができて面白いと思った

 

「バイパーは面白いでありますなぁ」

 

 トリオンを100分割して100通りの進ませ方をセットして放つと思い描いた様に飛んで言ってくれる

 

「1対1の戦闘室だとアステロイドが好まれる傾向があるね」

 

「うーむ、バイパーは威力を調整できないのが欠点でありますが、トリオン量が多ければ多いほど弾数と射程がが多く、長くなるでありますか……面白いでありますなぁ」

 

「いや簡単に100個以上の弾を瞬時に弾道を引けるのは凄いよ。普通10とかだからね」

 

「そうでありますか? やろうと思えば200でも300でもできるでありますよ? メレだと最大1500でやっていたであります」

 

「せ、1500かぁ……」

 

「フムフム弧月はトリオンを込めれば込めただけ耐久力が上がるでありますか……切れ味とかは変わらないのでありますな」

 

「B級になればオプションが使えるようになるよ。弧月だと旋空て言う間合いを伸ばしたり、幻踊っていう形をある程度自由に変えられるオプションがあったりするよ」

 

「なるほどなるほどとりあえず万能手を目指すのが良いかもしれないでありますな攻撃手と射手の」

 

「まぁ頑張ってみてくれよ。戦力になるに越したことはないからね」

 

「頑張るであります」

 

 

 

 

 

 

 

 5人は親と再会し、ボーダーに就職する旨を伝えた

 

 全員反対されたが、義務教育も受けていない成人や成人に近い我々がお金を稼いで自立するにはこの方法が一番良いと説得した

 

 福長は一番幼い(16歳)ということもあり今から頑張れば大学卒業までには高校の範囲くらいなら終わると逆に親に説得されたが、5年間以上付き合ってきた人達と一緒に居た方が安心できると言い、長期休みに必ず帰る事を条件にボーダーに入ることを許された

 

 親達はボーダーが安全なのか、居住場所はどうするのか等を細かく聞き、それに対してボーダーは丁寧に答えていく

 

 結局親達も本人の覚悟の前に折れてボーダー入りを認め、とりあえず入隊日までは各自勉強に励むのだった

 

 

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