野生のトリモンが亡命してきた・・・どうする?   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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入隊であります

 正式入隊日が1ヶ月後なのでその間というか当面の間の衣食住はボーダーが用意してくれることとなり、ボーダー本部からは出れないが、基地内は居住スペース、実験室を行き来し、たまーに空いている夜の時間に訓練室を使わせていただいたであります

 

 あと林道も忙しいので代わりに松田という女性スタッフが私付きとなったであります

 

「松田殿、フルオプションの強化トリオン兵と戦いたいであります」

 

「アル今日は空いてないわよ。残念」

 

「動かないとデブになるでありますよ」

 

「いやいや、今ガリガリなんだから食べて寝て休みなさいな」

 

「トリオン吸収実験とかトリオン電池作成とかあれ殆ど疲れないから休んでるのと同じなんでありますよ」

 

「それアルだからよ。普通の人がやると凄い疲れるらしいわよ」

 

 膨大なトリオンを持っている自分は他人が苦痛を感じる実験をのほほーんとこなし、新武器だ新兵器だとかの実験に参加するでありますがそれも殆どトリオンタンクとしての役割でつまらないであります

 

 最近は松田殿に頼んで教科書や参考書を貸していただき、実験をやりながら勉強しているであります

 

 体に電極パットみたいなのを貼り付けてそこからトリオンを回収し、電池に流し込んでいるみたいでありますな

 

 私のトリオン量だと毎日3分の2程度持ってかれるでありますが、それで2m位あるデカイ電池が1日で15本貯まるであります

 

 デカイ電池1本で通常基地で扱うトリオン量の半分らしいので1日で7日分私から取っているらしい

 

 ちなみに私が来る前はどうしていたのか聞くと機密だと言われた

 

 自分の予想だと人数が多いC級とかから知られないように取っているか、別のエネルギー(電気等)をトリオンに変換させる技術がある、母トリガーか冠トリガーのどちらかからトリオンを得ているか……が考えられる

 

「迎撃兵器の開発に弾みがついたのは良いことだ。アル何か欲しいものあるかい? 外に出るついでに買ってくるけど」

 

「常識非常識についての本が欲しいであります。自分の知っている常識が非常識になったりしているでありますからな……すまないであります寺島殿」

 

「あいあい、こっちも研究が進んでいるからお互い様。じゃ、買ってくるわ」

 

 しっかし玄界……ボーダーの技術の進歩は凄まじいでありますな

 

 驚いたのはトリオン体で戦闘してもすぐにトリオン体で戦闘できる訓練施設でありますな

 

 トリオンの技術だけではできないので地球産の技術が使われていると思うであります

 

 ……これが有ればサテラスで稀にある訓練中の事故死も0にできるでありますからな

 

 実践的な訓練がクールタイム無くできるのは大きいであります

 

 それだけで訓練期間が大幅に短縮できるでありますからな

 

「……ボーダーができてまだ2年あまりでここまで拡張できたのはそのお陰でありましょうな」

 

「何か仰いましたかアル?」

 

「なんでもないであります松田殿」

 

 

 

 

 

 1ヶ月が経過し、入隊式の日になった

 

 訓練生は白い隊服を着用し、本部にあるホールに集められた

 

「約1ヶ月ぶりでありますな皆!」

 

「閣下お久しぶりです」

 

「体重戻ったでありますか?」

 

「おう! こっちの飯が美味しくて7キロも太ったよ! 和田なんか10きぐわ!?」

 

「女性に対して体重はタブーよ!」

 

「いってぇな! 思いっきり背後から殴るなよ! お前気配消すの得意なんだから避けられねえんだからな」

 

「うっさい武! 避けられない奴が悪い」

 

「あわわわ! 他の隊員から凄く見られてるよ」

 

「福長、別に気にしなくて良いじゃんどうせ目立つよ俺ら」

 

「そ、そうかもしれないけどさぁ」

 

「そろそろ黙った方が良いでありますよ……お偉いさんが来たであります」

 

 自分がそう言うと綺麗に横に並び3動作で自分に対して敬礼をして駆け足で並ぶべき場所に戻って行った

 

「おいおいアイツらヤバくないか?」

 

「え? 自衛隊?」

 

「全員動きが同じだったぞ」

 

 その様子を見ていた周りがざわつく中、自分も並ぶべき場所にゆっくりと移動した

 

 

 

 

 

 

「ボーダー本部長の忍田 真史だ。君達の入隊を心から歓迎する。君達は本日よりC級隊員……つまり訓練生として入隊するが、三門市及び人類の未来は君達の双肩にかかっている。日々研鑽し、正規隊員を目指して欲しい……君達と戦える日を待っている」

 

 忍田本部長の話の後職員とボーダー隊員の方がやって来て説明を始める

 

「では攻撃手と銃手の方はこの場に残り、狙撃手を志願する方は東隊員について行くように」

 

「東だよろしく」

 

 東隊員に数名がついていくが、自分と帰還組の5名はこの場に残る

 

「おや? 福長は狙撃手を希望しなくて良いでありますか?」

 

「そ、狙撃手だとB級に上がるのに時間がかかるから攻撃手をやりながら後々狙撃手やれば良いかなって」

 

「考えが有るなら良いであります」

 

 ちなみにでありますが各々がトリガーに装備しているのは

 

 自分 バイパー(拳銃)

 和田 弧月

 武  弧月

 福長 弧月

 横田 スコーピオン

 里見 弧月

 

 であります

 

 射手は? と質問したでありますが、最初は射手希望でも銃手で弾道計算等を慣れるらしいので最初から射手は今は駄目だと言われたのでしぶしぶ拳銃を装備したであります

 

「それでは残った方々は移動しますので着いてきてください」

 

 職員に連れていかれている途中に気がつく

 

 あれ? この道ってあの訓練室じゃないかと

 

「到着しました。ここで対近界民戦闘訓練(たいネイバーせんとうくんれん)を行ってもらいます。場所はこの仮想戦闘モードの部屋の中です」

 

 通されたのはお馴染みの訓練室

 

 仮想戦闘モードではトリオン切れが起きない様になっており、トリオン体なので怪我もしないし身体能力も上がっている

 

 今回戦う相手は大型ネイバーこと捕獲用トリオン兵のバムスター

 

 本来なら2、3階立ての家位の大きさがあるのだが、訓練用に小型化された(それでも大きいが)タイプらしい

 

 攻撃力が内分防御力が高く、口の中にあるコアを傷付けないと止まらないであります

 

 雑魚中の雑魚でコイツの運用方法はバムスターの中に偵察用トリオン兵を潜り込ませる、小型の対人トリオン兵を潜り込ませる、改造して死亡した瞬間に爆発させて周囲の建物を破壊する等で改造は福長が得意で、自分と一緒に遠征艇の中で卵状態のトリオン兵を内職(改造)していたであります

 

「初心者レベルの相手ですので頑張って倒してみてください。制限時間は5分になります。早く倒せば評価が上がるので頑張ってください。説明は以上になります。試験を始めます」

 

 さーてボチボチやるでありますか

 

 

 

 

 

 

『38秒』

 

「まっこんなもんか」

 

「やるなお前名前は?」

 

「犬飼澄晴……お前は?」

 

「米屋陽介! 俺40秒弧月使いだよ」

 

「俺は突撃銃のアステロイド」

 

「1分切れれば良いんじゃね? しっかし弧月使いづれー槍とかにできねーかな……俺トリオン量が低いからよ」

 

「正規隊員になれば改造の許可が出るんじゃないか? いや憶測で言ったすまない」

 

「おお? ずいぶん大人の人がブースに入ったな? 大学生……いや? 社会人じゃね?」

 

「珍しいな。Cブースか少し見ていくか」

 

 俺と米屋はCブースに移動する間少し喋ったが、明るくて喋りやすかった年は米屋が1つ下で中学3年、俺は高校1年とわかると先輩と呼んできたが、犬飼で良いよと言った

 

「お! 始まりますよ」

 

「別に敬語じゃなくても良いぞ。同期なんだから」

 

「いやいや、犬飼先輩そこはしっかりしないと揉めるやなのでね」

 

『戦闘開始 記録0.3秒』

 

「は? あ? 何が起きた?」

 

「故障? うわ!? 口の部分真っ二つになってるし……」

 

「スゲー……なんだあの人……声かけてみません! 犬飼先輩」

 

「あ、ちょっとおい!」

 

 米屋がドタドタと観客席から降りると年上のお兄さんに話しかけた

 

「お兄さんお兄さんスゲーな! どうやったのさっきの」

 

「何って……普段通り斬っただけだけど」

 

「普段通り? 剣道でもやってたの?」

 

「いや、俺一兵卒だから」

 

「兵隊? 自衛隊!? スゲー自衛隊からボーダーに転職とかやベー」

 

「米屋勢いで喋りすぎだ……すみません興奮して質問色々として」

 

「構わないよ。俺は武安昭……歳は22だ」

 

「22か、武さんって呼んで良いっすか?」

 

「構わないよ。えっと」

 

「米屋陽介っす!」

 

「犬飼澄晴です」

 

「米屋に犬飼ね。覚えたよろしく!」

 

「あ、俺の仲間がやるけど見るか?」

 

「えっと……あの綺麗なお姉さんですか?」

 

「あぁ、和田って言うんだけど……おーい、和田!」

 

「武ェ最速出したから調子乗ってるんじゃないわよ」

 

「おいおいなんで怒ってるんだよ? 年下の同期の奴らが綺麗なお姉さんって言ってたぞ」

 

「お、おぉ!? 綺麗って初めて言われたんだけど」

 

「お前顔だけ見ればのんびりとしたお嬢様だもんな。性格真逆だけど」

 

「あ、あの! 米屋陽介です!」

 

「俺、犬飼澄晴です」

 

「米屋に犬飼ね! 同期としてよろしく」

 

「「よろしくお願いします」」

 

「可愛かった頃の横田みたい」

 

「横田?」

 

「あぁ、仲間の奴ね……と、私そろそろやらないといけないからちゃっちゃと仕留めてきますわ」

 

「俺0.3秒だから」

 

「えぇ! 0.3? 雑魚じゃんバムスターごとき0.1で倒しなさいよ」

 

「うっせえな調子悪かったんだよ」

 

『和田訓練生早く入りなさい』

 

「武ェ! あんたのせいで注意されちゃったじゃない」

 

「俺のせいかよ! 早く行けや」

 

「仲良いんですね……彼女か何かですか?」

 

「彼女? ナイナイ……戦友だよ」

 

「戦友……戦友ってあの人も!?」

 

「お、始まるぞ」

 

『戦闘開始 0.09秒』

 

「はいはい終わり終わり」

 

「スゲー、弧月投げたよ」

 

「コアにドンピシャか」

 

「流石閣下の右腕だな」

 

「こんなのアル閣下なら0.01切るでしょ」

 

「アル閣下?」

 

「私達の上司よ……Aブースに今入ったわ」

 

『戦闘開始 記録0.01』

 

「は、早撃ち!?」

 

「ハンドガンだから1発で仕留めたってことだよな……アステロイド?」

 

「良く見てみろ、コア横に穴があるだろ……バイパーで操ったんだよ」

 

「バイパー!? アステロイドじゃなく!?」

 

「閣下弾道計算変態だからやベーよ」

 

「まぁ変態ね」

 

 試験で1秒以下の人が6人も出て、それら全員がアル閣下とその部下らしいと後でわかった

 

 兵隊って言ってたから自衛隊からの再就職だと思ったけど明らかに福長って人幼いし、アル閣下も二十歳くらいに見える

 

 どういう関係なのか気になる

 

「あの、もしかして日本人じゃなかったりします? 武さん達って」

 

「いや日本人だよ。ただ俺達戦場帰りって奴だ。幼少期から青年期全て戦ってきた……これを使ってな」

 

「おい、武ェ喋りすぎだ」

 

「正規隊員になれお前ら、そしたらもっと教えてやるから」

 

 凄い人も居るんだと俺と米屋は圧倒されつつもB級に上がる目標ができた……あの2人……いやあの6人について詳しく知ることが目標だ

 

「面白くなってきたな」

 

「あぁ、好奇心でうずうずする……ボーダーは面白い人が沢山いるな米屋」

 

「そうっすね犬飼先輩」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やベーアイツらやっぱりやベーよ」

 

「1秒切るってヤバすぎだろ」

 

「さっき敬礼してた人達だよね」

 

 ざわついているが自分達に話しかけに来る人は少ないでありますな

 

 犬飼と米屋という2人と香取という女の子が突っかかってきたでありますが皆可愛いでありますなぁ

 

「福長以外殆ど年下だからな新隊員」

 

「高一や中学生が多いでありますな」

 

「こ、この後は地形踏破訓練、隠密行動訓練、探知追跡訓練、攻撃回避訓練の4つありますね」

 

「さっきの戦闘訓練は最初は30秒を切れば20ポイント付与らしいでありますから皆とりあえず1020ポイントになったでありますか」

 

「全部高得点出しても訓練だと1日100ポイントしか上がらねーし、それが週2回だろ19週……133日かかる計算か」

 

「そんなに無給は辛いでありますなぁ……となると来週から解放されるランク戦をやるしか無いでありますなぁ」

 

「どうします? 我々もバチバチにやりあいますか?」

 

「ボーダーも自分達の戦闘データが欲しくてたまらないハズでありますから各自自分のポイントを見せることを禁じるであります。ぶつかったらぶつかったで全力で倒しにいくでありますよ」

 

「「「了解!!」」」

 

「あ、あと射手の許可が出たから次から射手として自分いくでありますからよろしくであります」

 

 この後の訓練全てを6人は満点を叩きだしランク戦は1100点スタートで始まる

 

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