緑谷出久の555アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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お待たせ致しました!続きでございます。

今回はトガちゃんがオルフェノクになったエピソードが遂に明かされます。
そして……個性持ちの人間がオルフェノクになったのは何故か?それも明かされていきますのでご覧ください!m(_ _)m


第13話:α(アルファ)

翌日……クレインオルフェノクことトガヒミコを一晩部屋に泊めた僕は社長室へ彼女を連れていくことにした。

 

「ここが僕達の拠点、スマートブレイン社だよ。」

「昨日そんなに見てなかったですが中々いい所ですね。」

 

外から見える街並みを眺めながらトガさんはニコリと笑みを浮かべる。

 

「出久くんはいつもここで働いてるの?」

「ま、まあ……ね。仮面ライダーとしてだけど。」

 

トガさんの質問に頬を少し赤くしながら答える。結構クセのある性格とは言え初めて女の子と話すのだから緊張しちゃう。

 

「もしかして……照れてます?」

「えっ!?そ、そ、そ、そんな事ないよ!!」

「顔に思いっきり出てますよ?」

「あぅ……」

 

真っ赤に顔を染める僕にツッコミを入れてくる。

 

「カァイイねぇ〜♡」

「うぅ……」

 

トガさんに揶揄われて更に赤面する。女の子と話すのがこんなにも緊張するなんて……。

 

「あっ!おはよう緑谷……くぅううううん!?」

 

すると自室から出てきた青山君が僕を見て青ざめた顔をして現れた。

 

「あ!あの子ってまさか!!」

「あー、色々あって今から社長に伝えに行く所なんだ。」

「だ、大丈夫なのかい!?」

「あっ!貴方は出久くんと一緒にいた……!」

 

トガさんは青山君を指さして笑みを浮かべる。

 

「ど、どうもボクは青山優雅……ホースオルフェノクだよ。」

「宜しくねぇ〜優雅くん!」

「あ、うん……宜しく。」

 

トガさんにやや警戒しながらも青山君は何処か嬉しそうな顔をして微笑む。

 

「丁度いいや。そういう事なら……ボクも一緒に行くよ。」

「いいの?折角の休暇なのに。」

「うん、特にやる事がないからね。」

「分かった。じゃあ社長室に行こうか?」

「行こ行こ!」

 

ニコリと笑みを浮かべたトガさんは僕の腕を掴んで歩き出す。大分懐かれちゃったなぁ……そう思いながら彼女の事を伝えに社長室へと足を運んだ。

 

 

 

「成程……そういう事があったのか。」

 

社長室へ向かった僕と青山君はまずトガさんの事を社長に紹介すると彼女がクレインオルフェノクであること、そしてオールマイトと接触した時から付けられていた可能性があること、USJの帰りに彼女と出くわした事も話した。

 

社長は話を聴きながら時折「成程と」相槌を打った後、トガさんに質問を始めた。

 

「それでトガヒミコ君……君はオルフェノクであると言ったね?」

「はい、私はオルフェノクです。」

「……君の様にまだ年端の行かない子がオルフェノクになるとはな……その身に何があったと言うのだ?」

 

社長のその質問にトガさんはさっきまで浮かべていた笑みを消した。

 

「あの社長……余り触れて挙げない方が……」

 

彼女の顔を見て僕はソファから立ち上がった時だった。

 

「あれは……丁度一年前の話です。」

「トガさん?」

 

急に口を開いたトガさんに僕らは顔を向ける。そして……彼女の知られざる過去を知る事になるのだった。

 

 

◇◇◇

 

 

私……トガヒミコは『変身』という個性を持って生まれました。それは他人の血を吸うことで他者に変身できるという個性でした。それ故に、血を吸うことがやめられなくなっていたのです。

 

死んだ雀の血ですら啜るのが楽しいと感じてしまったのですから。

 

でも……幼い頃の私は自分の個性を理解できず親からも「普通でいろ」と強制されてしまった。勿論、本来の笑顔も否定されながら……。

 

それから私は仮面を被りながら生き続けました。凄く息苦しく……血を吸う衝動は日に日に大きくなっていきました。

 

そして……中学卒業の頃……それはプツリと切れてしまった。まるで糸が切れた人形の様に……。

 

「アヒャアヒャ!アハハハハハ!アッハハハ!!」

 

気がつけば私は当時好きな人の血を吸いながら笑い狂った。抑えきれなかった……その欲望に、自分の個性に……私自身に。

 

結果として私はその人を殺害した容疑で晴れてヴィランとして生きることになったのだ。血さえあれば生きる事が出来た私はあらゆる手で逃げ延びた。

 

警察からも……ヒーローからも……

 

でも、現実は……非情だった。

 

「見つけたぞ!例のヴィランの少女だ!」

「追いかけろ!」

「気をつけろ!餓鬼だからと見くびるなよ!」

「分かっている!」

 

ある日私は街を巡回していたヒーローに追い詰められた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ!イヤッ!来ないでください!!」

 

ヒーローから必死に逃げ延びた私は息が切れそうな程走った。

 

「ッ!!」

「追い詰めたぞ!これで逃げられやしない!」

「もう諦めろ!まだやり直せる!」

 

やり直せる?何言ってるの?何を……何をやり直したら良いの?分からない。

 

「イヤッ!来ないで!!」

 

こちらに伸びてくる多くの手……嫌だ!捕まりたくない!なんでヒーローはこんな人達ばかりなの?これがヒーローのやり方なの?

 

捕まったら終わる……どうせ……捕まる位なら!!

 

「なっ!コイツ!!」

 

覚悟を決めた私は舌を噛んでその場で自殺した。惨めな人生でした……なんで個性だけでこんなに差別されるのか?何故ヒーローは私をこんなに虐めるのか?

 

意味が分からなかった。なんでこんなことで……ユルサナイ……ユルサナイ!

 

次の瞬間……私は自分の個性と引き換えに『ある力』を手に入れて蘇った。それが……オルフェノクになれることだった。

 

「な、なんだ!コイツ!」

「生き返っただと?」

 

驚くヒーローを他所に私も理解出来なかった。死んだ筈の自分が生きているんですから……。

 

「ううっ……ウワァァァァァァ!!」

 

錯乱した私はそのまま鶴の化け物に変身するとヒーロー達目掛けてものすごい力で反撃した。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」」

「ひっ!?」

 

気がつくとヒーロー達は青い炎に包まれながら灰となって消えてしまっていた。

 

「フッ……ウフフフ、アッハハハ!!アハハハハハハハハ!!!!!」

 

そして……オルフェノクに覚醒した私はいつしか血を吸う事ではなく……人が灰となって消える事に快楽を覚える様になった。

 

こうして私の……タァノシイ……オルフェノクとしての人生が始まったのです。

 

◇◇◇

 

トガさんのオルフェノクになった過去を聞いて僕達は複雑な表情を浮かべた。……明らかに彼女は人してもオルフェノクとしても歪んでいる。

 

でも……それを歪ませたのは他でもない彼女の個性を理解しなかった者達と彼女を追い詰めたヒーロー達だ。

 

「トガさん……君の変身の個性は確かに他人の血を吸わないと成しえない個性だ。でも……時にそれは人を笑顔にだって出来る。素晴らしい個性だと思うよ。」

「出久くん……ありがと」

 

少し涙を浮かべたトガさんは優しい笑みを浮かべる。それは出会った時に見せた狂気じみたものではなく心の底から笑っている表情だった。

 

「でも、良いんです。私オルフェノクって力を得られたのですから。」

「それにしても不思議だよね。」

 

ふと、トガさんを見た青山君が一つの疑問を投げかけた。

 

「どうして個性を持った人間が死んだらオルフェノクに覚醒したんだろうね?オルフェノクって本来……ボクらのような無個性の人間がなり得るものだろ?」

「確かに……。」

 

青山君の疑問に僕も頷く。事実、現在確認されているオルフェノクはトガさんを除いて僕と社長と青山君の3人だ。しかも全員無個性でこの世を一時去っている。オルフェノクの覚醒条件も一部の無個性の人間だけであると定義されてきた筈だ。

 

「……いや、そうとは限らないというケースが生まれたという事だ。」

 

その疑問に答えたのは社長だった。

 

「どういう事ですか?」

 

僕が社長に顔を向けると彼は書斎の椅子から立ち上がり、仮説を語り出す。

 

「確かにオルフェノクは我々無個性の人間から覚醒するものと思われてきた。だが、個性を持った人間がオルフェノクに覚醒した。これももしかしたら人間の新たな進化の一つ、オルフェノクの覚醒の一つとも言える。」

 

社長はそう言ってトガさんに顔を向ける。

 

「トガ君、君は現に個性と引き換えにと言っていたね?」

「はい」

「今はもう個性は使えないんじゃないのか?」

「確かにそうですね……血を見ても何も思わなくなりましたし」

 

トガさんは社長の質問にこくりと頷きながら答えた。

 

「じゃあトガさんは個性を失った代わりにオルフェノクの力を得たってことですか?」

「そういう事になるな。」

「す、凄いや……」

 

青山君はソファに深々と座りながら驚く。社長の言っている事が本当なら今後個性を元々持っていた者がオルフェノクに覚醒するという事だ。

 

「コホン、ではトガヒミコ君。」

「あ、はい」

 

咳払いした社長にトガさんは顔を向ける。

 

「勝手に我が社に乗り込んで緑谷君の部屋に入った事はもう咎めない。その代わり、私は君を保護する権利がある。そして戦う選択肢も君が決めるんだ。どうする?ライダーとしてヒーローとヴィランと戦う気はあるか?」

 

社長のその質問にトガさんは迷いなく頷いた。

 

「私も出久くんや優雅くんみたいに戦いたい!私にとってのヒーローは出久くんだから!私はなりたい!出久くんに……ううん出久くんみたいに!」

「トガさん……」

 

彼女の真っ直ぐな瞳を見て僕は微笑む。

 

「分かった……ならばこれから君は仮面ライダーとして2人と一緒に戦って欲しい!スマートレディ!」

「はーい♪」

「うわっ!ど、何処から来たんですか?」

 

突然現れたスマートレディにトガさんは驚いた様子を見せる。

 

「これが貴女のベルトです。」

 

スマートレディはそう言うと555でもカイザでもデルタでもない別のアタッシュケースを彼女に手渡す。

 

「社長……このベルトは?」

 

見た事のないケースに僕と青山君は眉を寄せる。

 

「『仮面ライダーアルフ』!αの名を司る女性向けのライダーズギアだ。女性のオルフェノク誕生も見計らって555のデータを元に作成したものだ。そして……端末も特殊なものに変えている。」

 

社長の言葉を聞きながらトガさんは手渡されたアタッシュケースを開く。そこにはαの文字が刻まれたベルトとスマートフォンタイプの端末、携帯充電器型の装備と自撮り棒型の装備が入っていた。

 

「わぁ!カァイイ!」

「それが貴女の新しい姿です♪私が渡したんですからきっと大丈夫ですよ♪」

「貴女……ちょっと不愉快です。」

 

スマートレディの言動を少し鬱陶しく感じながらもトガさんは仮面ライダーアルフのライダーズギアを見て年相応の少女の表情を浮かべる。

 

その様子を僕と青山君は優しく見守ると同時に新たなライダーの誕生を祝うのだった。




トガちゃんのライダーに関してはオリジナルのものになります。555では女性がライダーに変身するシーンはありましたが女性ライダーは存在しません。(平成1期の初期ライダーはそれが多いと個人的に思ってます)

トガちゃんの変身するライダーは仮面ライダー龍騎に登場する仮面ライダーファムをイメージして制作しました。

また、どっかの555のイベント劇場でαにちなんだ超マイナーライダーが出てきたことがありますがそのライダーとは全く関連はございません。(寧ろ、知ってる人は少ないと思いたい)

ということでトガちゃんのプロフィールのご紹介です!!

トガヒミコ/クレインオルフェノク/仮面ライダーアルフ
変身した仮面ライダー:アルフ(正装着)

本作の設定:原作通り、連続通り魔殺害事件の犯人として指名手配されていたがヒーローに追い詰められ舌を噛んで自殺、その直後にクレインオルフェノクとして覚醒しヒーロー達を殺した過去を持つ。

緑谷達とはUSJ襲撃後に男達に絡まれている所で現れる。アイスを食べながら無視していたが男達にアイスを地面に落とされ激昂するとオルフェノクに変身し殺害。それを目撃した彼らを見て同族の気配を感じ取ると共に前から知っていた緑谷に一目惚れし恐怖の余り、逃げた彼らをスマートブレイン社まで追跡した。尚、緑谷がライダーである事を知ったのは彼がオールマイトと邂逅した時である。

スマートブレイン社内に忍び込むと緑谷の部屋で全裸になって彼を襲うとする奇行に走るなど一時彼を困惑させるも自分達を殺害の意思がない事、ライダーとして戦う事を決意した事から仲間として迎え入れる事となった。

これまで登場したオルフェノクとは違い個性を発現しているにも関わらずオルフェノクに覚醒した人物である。覚醒後は個性を失うも寧ろ、オルフェノクとしての自身を気に入っており血を吸う衝動よりも人が青い炎となって崩れ落ちる衝動に興奮するという一言で言えば更にヤバい少女に変貌を遂げた。

因みにメンバーの中で一番ライダーとしてもオルフェノクとしても汎用性に優れている。

尚、軽快に接してくるスマートレディに対して「不愉快」と呟いている。


仮面ライダーアルフ

本作オリジナルの仮面ライダー。αを模したライダーで女性専用に開発されたライダーズギアである。

サイガと同じく白を基調としておりαを模した顔が特徴。(目の色は青)フォトンストリームの色はピンク。

スペック
パンチ力:1t
キック力:2.5t
ジャンプ力:一跳び60m
走力:100mを3秒

本作登場ライダーの中でパワーは最弱だがスピード・機動性は一番高い。

変身法:アルフドライバーを腰に装着し、アルフフォンに「111」+「HOMEコマンド」をタッチをした後、「変身」と発生し、アルフフォンを胸元に当て、認証が完了すると装着者の体格に合わせてスーツを実体化させ変身完了となる。尚、端末の裏側にミッションメモリーが存在し胸元から引き出して各武装へ装填される。

音声は他ライダーとは違い女性の音声のものとなっている。
(ICVは仮面ライダー龍騎に登場するオルタナティブの音声と同じ人)

装備一覧

アルフフォン:アルフに必要な変身端末。これまでのライダーとは違ってスマートフォンタイプの端末となっており、変身コードは「111」

アルフダガー
携帯充電器型のダガーユニット、ギア左腰に装備される。
ダガーモード:胸元にあるミッションメモリーを中央部に差し込むことで変形、展開したアルフタガーの柄を握って先端に生えるフォトンブラットの刃で敵を倒す。

アルフロッド
自撮り棒型のユニット、ギア右腰に装備される。
ロッドモード:胸元にあるミッションメモリーを先端に装填しておよそ1m50cmまで引き伸ばすことが出来るようになり、先端から強力なフォトンブラットの球体を放ったり、細かい光弾も発射可能。更にEXCEEDCHARGEにて放つピンクのマーカーは他ライダーと違って複数放つ事が可能な他、他ライダーがマーカーに沿ってキックを放つ事も出来る。

ランスモード:ミッションメモリーを柄に装填して本体を伸ばす。先端にフォトンブラットの刃が展開し、敵を斬りつけて攻撃する。

ライフルモード:ミッションメモリーを柄に装填し、本体を展開した後、銃の形に変形させて使用する。先端から出力を調整できるフォトンブラットの光弾を放つことができる他、スコープを展開して狙撃することも可能。





次回はいよいよ爆豪、オールマイト目線のエピソードを描かせていただきます。果たして自分達の言動が引き金となってオルフェノクになってしまったデク君をどう思うのか?

そんな2人に救済はあるのか…果たして…

555原作キャラを除くスネークオルフェノク枠が誰がいいか?(555のあのライダーに変身予定)

  • ヴィラン連合から:トゥワイス
  • 他ライダーの蛇キャラ:浅倉威
  • 雄英生から:心操人使
  • その他
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