緑谷出久の555アカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

19 / 19
第19話

USJ事件が起こってから暫く経った頃……

 

「以上が今回発生した雄英高校施設での事件の全容です。」

 

雄英高校会議室……ここでは塚内警部が警察で纏めた顛末を元に根津校長、オールマイト、ブラッドキング、スナイプ、ミッドナイトを集めたヒーロー達と今回の事件に対する会議を行っていた。

 

「にしても……ヴィラン連合に"仮面ライダー"とか言ったか?厄介な事になったな。」

 

資料に目を通したブラッドキングは眉を寄せながら両勢力に対する懸念を示す。

 

「ヴィラン連合を率いていた死柄木という男はまるで子供大人みたいな性格だった。まるで自分達のやり方が全て上手くいくと確信しているかなように……」

 

オールマイトは手にしていた資料を机に置いて塚内警部に顔を向ける。

 

「ヴィラン連合の事はともかく問題は仮面ライダー……だったか?彼らの詳細は分かったのか?」

「いいや、まだ分からない。ただ一つだけ言えることがある。」

「なんだ?」

 

塚内警部は真剣な眼差しをオールマイトへ向けるととんでもない事を皆に告げる。

 

「仮面ライダー……所謂"オルフェノク"と名乗っていた者達の戸籍を調べたのですが……信じられない事に皆、死亡扱いされていた……つまり故人なのです。」

「な、なんだと!?」

「信じられん!死人が生きていたというのか!?」

 

その事実にブラッドキングやスナイプは動揺の声を漏らす。

 

「オールマイト、君は一度、仮面ライダーと交戦していると思うが……改めて話させて貰う。」

 

塚内警部はそう言うとスクリーンに映像を映し、1人の少年のプロフィールを掲示する。

 

「数少ない仮面ライダーと呼ばれる勢力……そのリーダー格がこの少年、緑谷出久です。」

「……」

 

スクリーンに移された仮面ライダーの少年……緑谷出久の顔写真を見て、オールマイトは顔を引き攣らせる。

 

「彼は約半年前、交通事故に遭い死亡してから遺体が行方知らずとなっていました。搬送先の病院も不明、駆けつけた救急車も何処へ彼の遺体を運んだのかも分からずじまいでした。」

「それが今になって実は生きて仮面ライダーってやつを名乗っているのか?」

「はい、そうです。」

 

ブラッドキングに塚内警部はこくりと頷く。

 

「仮面ライダーか……そうなると彼等のバックには強大な力があると思っていいだろうね。」

 

根津校長はそう言って緑谷出久のプロフィールを見つめる。

 

「それはどういう事ですか?校長。」

「仮面ライダーに変身する為のベルト……これを死んでいた人間……それも中学生だった子供がどうやって手に入れたのかも分からない。彼に仮面ライダーへ変身出来る装置を作成し、提供している組織がバックに居るとするなら?」

「考えたくもありませんが……その事実が現実的になりましたね。」

 

彼の推測にブラッドキングは腕を組みながら深く椅子に座る。

 

「でも、このオルフェノクと呼ばれる者たちも気になるね。死を一度経験し、生き返るメカニズムがあるのかもしれない。」

「現在、その辺も踏まえてエンデヴァーが単独で調査を続けているそうです。」

「No.2ヒーローが動く程、厄介になってきたな。仮面ライダーってのは……」

「あぁ、雄英の生徒達に被害が及ばなければいいが……。」

 

仮面ライダーの未知数な部分に雄英教師達は懸念を抱く。そんな中、オールマイトは依然としてスクリーンに映る緑谷出久の顔写真を見つめていた。

 

(緑谷少年……私に憧れていた者の1人……私は彼になんてことをしてしまったんだ。彼が本当にヒーローになりたかったのか?無個性でもヒーローになれるのか?を試そうと敢えて厳しい言葉を掛けて突き放したが……その結果が……)

「オールマイト、大丈夫かい?」

「こ、校長?」

 

ふと、隣に座る根津校長に声を掛けられ彼はキョトンとする。

 

「緑谷出久が仮面ライダーになったのもオルフェノクになったのも全て君の責任じゃない。今は彼等の動向を探りながら行動しよう。幸い、彼らが手を出しているのは市民ではなく我々ヒーローや敵だ。先ずは市民にも影響がありそうなヴィラン連合をなんとかしよう。」

「……はい。」

 

その言葉にオールマイトは引き攣らせていた顔を少し、緩和させ深く頷き、静かな声で答えるのだった。

 

◇◇◇

 

志村さんの島へ漂流してから暫く経ち、"オルフェノク・フルカウル"を会得した僕はある朝、海岸で彼女と対面していた。

 

「なんとかフルカウルを習得出来た様だな。ならば私が君に教える事はもう無い。」

「志村さん、お世話になりました。」

 

僕は深々と頭を下げ、志村さんに礼を言う。

 

「礼なら自分の目的を達成してからにしな。」

「は、はい。」

「それと出久、お前のかつての夢はヒーローだったな?」

「えっ?はい……そうですけど?」

 

ふと、僕の『夢』について聞いてきた彼女は果てしなく広がる青い海を見つめて口を開いた。

 

「知ってるか?出久、夢を持つと時々凄く切なくなるが……時々凄く熱くなるそうだ。君は……そう感じた事はあるか?」

「……」

 

こちらに目を向けた志村さんを見て僕は『夢』に付いて考え直す。

 

「今は君に夢が無くてもいい。君が出来ることをすればいいさ。」

「……はい、分かりました。」

 

拳を握り締め、僕は頷く。

 

「さあ、早く行け!仲間達が君の帰りを待っているぞ。」

「はい……!それでは志村さん……」

 

一歩前に踏み出し、全身に力を入れた僕は赤い稲妻を纏うと志村さんに振り返る。

 

「お世話になりました。また会いましょう!」

「あぁ、またな!」

 

別れを惜しむかの様に微笑んだ彼女から視線を剥がし、地面を勢いよく蹴り飛ばすとそのまま高速で滑空し、滞在していた島を後にするのだった。

 

◇◇◇

 

「行ってしまったか……出久、頑張れよ。」

 

瞬く間に見えなくなってしまった彼を見届けた彼女は目から僅かに光るものを流し、笑みを浮かべたその時だった。

 

「うっ!」

 

彼女は突然苦しみだし、その場に座り込むと全身から大量の灰が湧いてくる。

 

「ぐっ……はぁ、はぁ、はぁ……」

 

灰の流出が治まった途端、志村は急にげっそりとした顔になり、自身の掌を見つめた。

 

「どうやら私がこの世界に居れるのもあと少しの様だ……それまでに会わなくてはならないな……彼に……もう一度……」

 

ゆっくり立ち上がった彼女は決意と自身の死期を悟り始め、そのまま小屋の方へと歩き出す。

 

刹那、島全体の風が強くなり始め、不穏な空気が流れ始めるのだった。

 

 

555原作キャラを除くスネークオルフェノク枠が誰がいいか?(555のあのライダーに変身予定)

  • ヴィラン連合から:トゥワイス
  • 他ライダーの蛇キャラ:浅倉威
  • 雄英生から:心操人使
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。