青山君が仲間に加わってから暫く経った頃……僕と青山君は夜の街を原付バイクで走行していた。
「青山君、あと少しで『例の場所』だ!」
「分かった!」
隣を走る青山君にそう言うと僕はバイクを加速させ、道路を疾走する。
今回向かう場所は調整が行われたカイザギアのテストと称したヴィラン狩りである。青山君にとってカイザギアで戦うのは初めての事だ。
「着いた……スマートレディがヒーロー達より先に存在を察知して良かったな。」
「そうだね。行こう!」
「うん!」
バイクから降りた僕らは荷台に詰んであるアタッシュケースを開けた。
ケースから各々ベルトを取り出しそれを腰に装着する。
『555 standing by』
『913 standing by』
並び立った僕らの持つ端末からサイレン音が鳴り響く。
「変身!」
「へ……変身!」
『complete』
『complete』
深夜の街に赤と黄色の光が輝き、僕と青山君はファイズとカイザに変身する。
「よし!行こう!」
拳を構え、駆け出した僕の後を青山君……カイザは小さく頷き、後に続くのだった。
◇◇◇
深夜の街の中……とある一角の宝石店で事件は起こった。突然、宝石店の入口から爆発音が響くと非常ベルがけたたましく鳴り響いた。
「クックック!上手くいったぜ!」
宝石店から現れた2人組のヴィランは高笑いしながら店の前に止めていた車に乗り込んで立ち去る。
「やったな!これで俺達金持ちだぜ?」
「そうだな!さぁて……何処にトンズラするかなぁ!」
盗んだ宝石を助手席で見つめて笑みを浮かべるヴィラン……しかし、その運転する車は不意に前を向き直ると急ブレーキを掛けた。
「うわっ!?」
そこには2人の仮面の様なものに覆われた者達が立っており、こちらを見つめていた。
「あーもう!危ねぇだろ!テメェら!」
窓から顔をだしてヴィランはそう言うが彼らは無言でこちらを見つめているのだった。
◇◇◇
僕らは目の前に停車した車から怒号を放つヴィランを見つめる。
「おい!聞こえねぇのか?ゴラァ!」
怒鳴りつけるヴィランに僕はようやく口を開いた。
「宝石泥棒に語る舌はない。」
「何?なんでそれを知ってんだ?」
「どっちでもいい!邪魔すんなら消えてもらうぜ!」
痺れを切らしたヴィラン2人組は車から降りて個性を発現する。
「炎使いと風を腕に纏えるヴィランか…。」
「劣化エンデヴァーって言ったところだね。」
2人の個性を見て僕とカイザは向かってきたヴィランを見つめる。
「おらぁぁぁ!」
「ぐぁぁぁぁ!」
炎と風の拳が振りかかろうとした時……僕らは手にしていた武器にミッションメモリーを装填する。
『『READY』』
僕は赤い光を放った剣型の武器……ファイズエッジの柄を両手で握って構え、カイザはカイザブレイガンの柄を両手で握りしめた。
『『EXCEED CHARGE』』
「はあぁぁぁぁっ!」
「ふっ!」
そしてヴィランとすれ違い様に高出力のフォトンブラットの斬撃で斬りつけた。
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」
2人のヴィランは呆気なく斬り口から血を吹き出すとそのまま灰となって消えていった。
崩れ落ちたヴィランの亡骸に振り返った僕らは互いの剣を一振りして佇んだ。
「ミッションクリアだね。」
「うん、早いところ車も押収して会社に帰ろう……それで……ッ!?危ない!」
何かを感じ取った僕はカイザの背中を押してその場を離れた。
「SMASH!!」
直後……強烈な拳が空から降りかかり、車ごと地面にクレーターを作った。
「はぁ……はぁ……あ、あれは!?」
「……ッ!?」
現れたヒーローに僕らは動揺する。
目の前に現れたのはV字型の逆立った金髪……青を基調としたコスチューム。そして白い歯を浮かべて笑う顔……。
ヒーロー史上ダントツ1位の実力を誇る……通称、平和の象徴にして僕の夢を否定した張本人……オールマイトその人だった。
「オールマイト!?」
「君達か?エンデヴァーから小耳に挟んでいた連中は。」
オールマイトは険しい顔をして僕らに身体を向ける。……遂に現れた!僕が倒さなければならない人!ここで……奴を倒す!拳を握り締めた僕は立ち上がるとファイズエッジを構えて因縁の相手と相対する。
「貴様が言っている意味が分からない。確かに僕はエンデヴァーと会った……。」
「……ッ!?そ、その声は!?」
僕の声にオールマイトは動揺する。
「いや……まさかな。あの少年は半年前に死んだハズだ!」
「何をほざいている平和の象徴……いや、人の夢を簡単に踏みにじった偽善者!」
「……ッ!?」
僕にそう言われたオールマイトは激しく動揺して後ずさりする。
「僕は……俺はお前を許しはしない。」
「まさか……君は!?」
「散れ!」
『READY』
ファイズエッジに再びミッションメモリーを装填し、刃を赤くする。
「……ッ!?緑谷君!ダメだ!」
「ぐわっ!」
しかし、カイザが僕を突き飛ばすと僕はそのまま道路に転がり、攻撃は中断された。
「おい!何をするんだ!邪魔をするな!」
「落ち着け!」
するとカイザは僕の上に馬乗りになって制止させる。
「おい!退け!」
「やめようよ!今は奴を倒す時じゃない!」
「弱体化してるなら……倒せるだろ!」
「それは……ダメだ!」
「くっ……!」
カイザの強い口調に僕は歯を食いしばりながら力を込めていた腕を降ろした。
「オールマイト、今はお前達と戦う気はない!……だがいずれヴィランを殲滅した暁にはお前達と戦う!首を洗っておくんだ!」
「……ッ!?」
笑みを消したオールマイトにカイザはそう言うと僕を起こして背中を叩く。
僕はオールマイトを睨みつけたまま何処かやるせない気持ちでその場を去っていくのだった。
◇◇◇
オールマイトとの邂逅した僕らは立ち去るとバイクを乗りこなし海が見える海岸線で停車すると僕はヘルメットを脱いで前に停めた青山君に声を掛ける。
「どうして……。」
ヘルメットを脱ぎ、こちらを振り返る青山君は真剣な表情をしていた。
「どうしてあの時僕を止めた?」
「キミも分かっているんだろう?今、平和の象徴を倒すのは時期が早いって!」
「……ッ!」
彼のその言葉に僕は唇を噛む。実は……青山君には僕とオールマイトの事を話していた。オールマイトに夢を否定された事、新聞で名前こそ挙がってはいなかったものの僕が死んだ時に深く哀しみ、先の行いを後悔していた事も……。
青山君は僕に深く同情してくれたのだ……。同じ無個性だった人間で同じくヒーローを志し……そして同じくオルフェノクなのだから。
「だからボクはキミを止めた。今、オールマイトは倒すべきでは無いし居ないと困るから。」
「そうだよね……そうなんだよね。」
結局そうなんだ。オールマイトが何をしようとも彼は平和の象徴という実績がある。実力で黙らせられる。あぁ……本当に腹が立つ。僕をこんな目に合わせた偽善者がNo.1?平和の象徴?笑わせるな。
でも……今の世間にオールマイトは居なくてはならない存在……。青山君があそこで僕を止めたのは賢明な判断だった。そうだ……そうなんだ。
「オールマイト(アイツ)とやり合うにはまだ……早いよな。」
「うん、今は耐えよう。いずれオールフォーワンとオールマイトは戦い、互いに痛み分けになる……そうすれば。」
青山君はそう言って青くなりかけた空を見上げる。
「ありがとう……青山君。僕には『我慢』という2文字が無かったみたいだ。」
「気にしないでよ。ボク達もう……トモダチだろ?」
彼の言葉に僕は目を見開いた。……トモダチか。
「トモダチ……うん!そうだ。僕らは友達だ。」
そう言って青山君と微笑み合った時だった。突然、僕の懐にあったスマホから着信が入る。
「なんだろう?こんな時間に。」
着信音を聞いた青山君もスマホの画面を覗き込んだ。着信の相手は村上社長だった。僕は青山君にも聞こえるようにスピーカーにして電話に出る。
「もしもし……社長?」
『緑谷君!良かった出てくれたか!』
少し慌てた様子の社長に僕らは顔を見合わせる。普段、冷静な社長がこんな声を出すのは初めてだ。
『スマートレディがヴィラン連合の調査を行って先程帰還した!直ぐに会社に戻って来るんだ!』
「わ……分かりました!」
社長はそう言うとプツリと電話を切断する。
「あの様子だと……何かあった見たいだね。」
「うん!……会社に戻ろう!」
「そうだね!行こう!」
僕らは頷き合うと互いのバイクに乗り込み、急いで会社へと戻る事にした。
「みぃーつけたっ!」
しかし、この時気づきもしなかった。僕らの後を付いてくる影の存在に……。
オリジナル小説作成の都合上、こちらでの投稿が亀レベルになっておりますがご了承下さい。
尚、アンケートの方も終了致します。
結果は……皆大好きトガちゃんが多かったので今後どのような形で登場するのか楽しみにして頂ければと思います。
そして更に近々、555のあの姿とあのライダーが登場致します。(555のライダーとは言ってない)
果たしてそのライダーは誰なのか?ご期待下さい。
555原作キャラを除くスネークオルフェノク枠が誰がいいか?(555のあのライダーに変身予定)
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ヴィラン連合から:トゥワイス
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他ライダーの蛇キャラ:浅倉威
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雄英生から:心操人使
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その他