苦手な方は閲覧を控えるのをおすすめします。
…ほのぼのとしたギャグを書きたかったんですが、なぜこんなにグロになってしまったのだろう…。
元王国騎士団副団長『百龍狩り』ローウェンと魔王軍が一派超獣軍団副団長ネルネッカは向かい合う。
片や幅広の長剣を構え、片や両手の爪を擦り合わせ睨み合う。
先に仕掛けたのは、ネルネッカだった。
「―ジャァアア!!」
右腕を振り抜き、爪で切り裂かんと迫る。
ローウェンは爪に片手で握った剣を叩きつけて防ぐと、空いた右腕でネルネッカの腹部を殴打した。
吹き飛ぶネルネッカ。
少し離れたところに突き刺さっていたローウェンの斧の柄に背中を強かに打ち付けてようやく止まったネルネッカが咄嗟に顔を上げると、ローウェンが眼前に迫っていた。
「―そらァ!」
「ギッ!?」
顔面を狙うローウェンの拳。
咄嗟に両腕で顔を覆うが、腕の上からローウェンは拳を振り抜いた。
轟音。
魔力を纏い腕を襲う衝撃を散らすが、散らしきれず再びネルネッカは空を舞う。
しかしネルネッカは翼がある。
空中で姿勢を正すと、ネルネッカはローウェンから距離をとった。
ローウェンはそんなネルネッカを見て溜息をつく。
「『超獣軍団』の副団長って聞いていたんだが…弱すぎないか?逃げるし。偽物か?」
「抜かせ人間。ちょっと力が強いからと調子に乗ってんじゃァねェですよ」
ネルネッカは両手に炎を生み出した。
「青い炎とはお洒落だな。ロマンチストか?」
「口を閉じなさい、魔法も使えない人間風情が…。ここで死になさい!」
ネルネッカは炎をローウェン目掛けて投げつける。
ローウェンはそれを危なげなく避けた。
地面に接触した炎は小さく爆発し、大地を焦がした。
「殺す気ならせめて当ててみろよ」
「ぬかせェ!」
ネルネッカは次々に炎を放つ。
10、20、まだまだ。
ローウェンはそれを避けていたが、あまりにも数が多いため避けきれなくなってきた。
肩を、腕を、足を炎が掠める。
しかしローウェンは、変わらず余裕そうだった。
「多いが…それだけだな」
「減らず口を!」
ネルネッカは掌だけでなく、自身の周囲にも火球を無数に作り出すと、同時に放った。
輪のように放たれた火球の束を潜るようにして避けるが、炎は地面に触れることなく、ローウェンを囲んだ。
「ほぉ、これは…」
「これでトドメです!」
特大の炎が放たれる。
周囲を炎で囲まれ逃げ場をなくしたローウェンは、自分目掛けて放たれた特大の炎に向けて剣を振るった。
「避けても良いが…折角だ。そのまま返してやるよ」
「―は?」
ローウェンは剣の腹で炎を弾いた。
炎は放たれた時以上の速度でネルネッカに迫る。
「魔法を弾くなど、そんな馬鹿な―ぐああァァァ!!?」
爆発。
自身が放った炎にネルネッカは羽を焼かれ、地面に叩きつけられた。
ローウェンは剣をしまい、地面をのたうち回るネルネッカへと近づく。
「あ、ああ゛、ああ゛あ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ!!」
「うるさいぞ」
ローウェンはネルネッカの顔を蹴り抜いた。
ネルネッカは為す術なく吹き飛ばされ、地面を転がる。
「グッ…貴様ァ!?」
「もう一発行っとくか」
「ガアッ!?」
ネルネッカは宙を舞った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ノエルとユイは走っていた。
ローウェンとニーナに加勢するために。
しかしエルラパウロが壁を殴っていた轟音と、いまも続く剣戟の音により村はパニックになっており、ノエルが説明しようとしても誰も聞こうとしない。
村に来たばかりで道を知らない2人は大通りを進んでいたが、人が邪魔で通れず立ち往生していた。
「ど、どうしよう…」
「ん、あの人」
「ん―あ、ギギさん!ウッドさん!」
人の群れを掻き分け、2人は村長ウッドと鎧を纏ったギギに声をかけた。
ウッドはギギと共に村人に声をかけ落ち着かせようとしており、ノエルを見つけるとちょうどいいと言わんばかりに駆け寄った。
「おお、勇者さま!あの轟音はいったいなんだったのでしょうか?」
「あれは魔物がニーナの張った魔力の壁を叩いていた音です。村の外の壁を超えることは出来なかったみたいなので、安心してください!」
「おお、それはそれは…。流石は賢者さまだ」
「今、魔物を退治しにローウェンさんとニーナが先に行ってます。ボク達も行かなくちゃいけないんですけど、人が…」
「人、邪魔。なんとかして」
「かしこまりました」
ウッドは大きく息を吸う。
そして村中に響き渡る声を放った。
「皆の者、聞けィ!我らが聞いたかの轟音、魔物の仕業である!これより勇者さまが魔物討伐へと向かわれる、道を開けよ!!」
瞬間、人々はノエルに道を譲った。
誰もが期待に満ちた目で、ノエルとユイが村を襲う魔物に勝利することを願っている。
「ありがとうウッドさん!」
「どうかご無事で…。この村をお助け下さい!」
「ん、任せて」
ノエルとユイは譲ってもらった道をひた走る。
すると後ろから、鎧を纏い槍を片手に持ったギギが追ってきた。
「ギギさん!?」
「お供します!黙って村を守ってもらうのを見ているだけなんて出来ません!なんの力にもなれませんが、道案内くらいならできますから!」
「ありがとうございます!」
「ありがと」
「どういたしまして!こっちが近道です、着いてきてください!」
三人はローウェンとニーナの元へ走った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ニーナは昨日ノエルに放った白い光球を13も同時に展開し、顔を貫通し地面に突き刺さった槍を引き抜こうと吹き飛ばされた両腕を再生させた魔物、超獣軍団団長エルラパウロへと放つ。
しかしそれはエルラパウロが右腕を振るうだけで、呆気なくうち落とされた。
しかしニーナは気にせず、エルラパウロの足元を凍らせて動けなくする。
エルラパウロは足を縛る氷を拳で砕いたが、ニーナはその一瞬、エルラパウロが足元の氷に気を取られるのを待っていた。
「トドメッ!」
「何―ガァッ!?」
エルラパウロの腹部から氷の塊が飛び出す。
こっそりとエルラパウロの背後に作り出した氷の槍を突き刺したのだ。
ニーナは氷の槍が抜けないように槍を変形させてエルラパウロの腹部を包むと、顔に刺さっていた槍を引き抜いた。
「いいザマね、エルラパウロ」
「おのれェ…。それが『賢者』のやることかァ!」
「当然じゃない。勝つためならなんでもやるわ」
言い切った。
一切の反論も許さないその姿に、流石の魔物もちょっとひく。
ニーナは引き抜いた槍に炎を纏わせる。
切っ先を中心に渦巻く炎。
ニーナはそれをエルラパウロ目掛けて放った。
エルラパウロは瞬時に氷の拘束を砕き、槍を避ける。
「チッ、やっぱりアンタにはあの程度の拘束じゃだめか」
「炎の槍…。当たればこの儂に傷をつけていただろうな」
「何が傷よ。魔力もこもってないただの槍に貫かれてジタバタしてたくせに」
「音の速さで飛び魔力障壁を力技で砕く槍を『ただの槍』と抜かすなァ!」
「いやあれただの槍よ?アイツが投げただけで」
「アイツ?」
エルラパウロはニーナが指さした方へ顔を向ける。
そこにはサンドバッグと化し宙を舞うネルネッカと剣をしまい素手でネルネッカを吹き飛ばすローウェンの姿があった。
「ネルネッカァァァアア!?」
「隙あり!」
ニーナは隙を晒したエルラパウロの顔目掛けて白い光球を放った。
咄嗟のことで避けきれなかったエルラパウロは、爆発した光球により吹き飛ばされる。
「チィ―」
「足元注意ってねェ!」
空中で姿勢を整え着地したエルラパウロの足元に、複雑な魔法陣が現れる。
設置魔法。
詠唱の必要がなく火力も高いため古くから罠として用いられていたが、そこまで誘導しなければいけないことと準備に手間がかかること、何より咄嗟に使えないため今では知る人ぞ知るマイナー魔法である。
「グアァァァアアア!!」
大爆発。
魔力障壁なぞ簡単に貫通し高熱と爆風によって全身に熱傷を負い、エルラパウロは宙を舞った。
しかし腐っても超獣軍団団長。
いつまでも人間如きにやられるわけに行かない!
空中で姿勢を立て直す。
エルラパウロは二対の猛禽類のような翼を展開し、空中に佇んだ。
「あら、今度は空中戦かしら?―ってうわっ!?」
「―ガァッ!?」
魔力で足元を作りニーナがエルラパウロに迫る。
ボロボロのエルラパウロだが、ニーナは油断せずにトドメを刺そうと近づき―慌てて旋回した。
突然の意味不明な行動に気を取られて、エルラパウロはなにかにぶつかり吹き飛ばされる。
それは、意識を失ったネルネッカだった。
全身血まみれになり、右腕は切断され、翼も毟り取られている。
特に酷いのは胸の傷だ。拳台の穴が開けられ、血が止めどなく噴き出している。
「なんと…なんと酷いことをする!こやつが貴様に何をしたァ!」
「何をした、だと?笑えないことを言うなよ魔物」
「アンタ、散々人類を殺してきたくせになに被害者ヅラしてるの?」
ネルネッカを抱き寄せ泣くエルラパウロに、ローウェンとニーナが迫る。
2人は怒っていた。
ローウェンはこれまでに両親を、家族を、親しき友を、愛すべき仲間を、慕ってくれた部下を、守るべき無辜の民を魔物より殺されている。
ニーナは両親を、魔法を教えてくれた師を、ずっと一緒だった双子の妹も魔物により殺され、自分を慕い受け入れてくれる村を襲われている。
そんな奴らが命乞い?笑わせる。
「弱い方が悪いのだ!人類の癖に我々魔物に歯向かうから死ぬのだ!我々が支配すると言ってるのだから、黙って隷属し搾取されるべきなのだ!」
「…もう黙れよ魔物」
「我ら魔物こそ最強!至高!絶対なのだ!我らに従うことだけが、貴様ら下等生物にとって最大の幸福なの―」
「黙れっつってんだよ」
「イッ、ギャァァアアア!!」
ローウェンは剣を振るった。
エルラパウロの右腕を切り落とす。
そしてその腕を掴むと、肩の部分でエルラパウロの横顔を殴りつけた。
「やっぱり魔物ってのは意味がわからんな。ニーナ、どうする?」
「個人的にはトドメを刺したいんだけど…なんか嫌な予感がするのよね」
「やっぱりか?」
「あ、感じる?こいつを殺したらなんかマズい気がする」
「だよな。あの森の方から、強い魔力を感じる。あとこれ」
「…なにこれ?」
ローウェンは腰に提げていた布袋からゴムボールくらいの蠢く肉片を取り出した。
ニーナは後ずさりながらも、肉片に刻まれた刻印から魔法に使う何かだと当たりをつける。
「これはネルネッカの心臓だ。アイツの中に別の魔力を感じたからな、無理やり引き抜いた」
「…アイツ心臓抜かれて生きてんの?」
「アイツ心臓三つあったからな。1個とっても直ぐに死ぬことは無いだろうと思ってな。他の心臓には刻まれていなかったから、多分これがなんかある」
ローウェンは痛みに呻くエルラパウロの顔を蹴り抜いた。
吹き飛ばないよう加減して放たれたそれは、エルラパウロの首を180度回転させたが魔物にはその程度致命傷にならず、エルラパウロは怯えたように目を向ける。
視線の先にはローウェンが握る自身の右腕。
100年以上自分のものだったそれは、今では自分を叩くための物になってしまっている。
エルラパウロは恐怖した。
こんなこと、魔物であっても思いつかない。
腕を切り落としてそれで殴りつけるなど、異常者だ。
ローウェンは怯えるエルラパウロ目掛けて、エルラパウロの右腕を振り抜いた。
鈍い音がする。
「ちょっと今からこいつを尋問するから、見ない方がいいぞ」
「心配しなくても大丈夫よ。そんなにヤワじゃないわ」
「いいってんならいいんだが…。結構グロいからな。辛くなったら耳を塞いで目を閉じとけ」
「ええ、わかったわ」
ローウェンはエルラパウロの顔を殴りながらそう言うと、尋問を開始した。
「貴様、あの森に何を隠している?」
エルラパウロは黙秘している。殴る。
「あの森からお前の魔力を感じるぞ」
黙秘している。殴る。
「ネルネッカの心臓からも、お前の魔力を感じた」
黙っている。殴る。
「答えろ、何を隠している?」
黙っている。殴る。
「答えないと殴るぞ」
黙っている。殴る。
殴る。殴る。殴る。
殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る―。
「―ん?気絶したか」
ローウェンはエルラパウロの反応が無くなったため、殴るのを辞めた。
右腕を放り、エルラパウロに背を向ける。
その瞬間だった。
「ぎ、ヤァハァァアアア!!」
ローウェンの背にネルネッカの爪が迫る。
途中で意識を取り戻したネルネッカは、ローウェンが隙を見せるところを待っていたのだ。
爪はローウェンの鎧を貫通し、その身を貫く―ことは無かった。
「気づいていないと思っていたのか?」
振り向きざま剣を一閃、爪を切り落とす。
しかしネルネッカはそれを読んでいたのか、魔力を手のひらに集めると地面に叩きつけた。
もうもうと土煙が上がる。
「ニーナ!」
「ココよ!」
ローウェンはニーナを庇うように構える。
しかし襲ってくる気配がない。
土煙をはらうと、エルラパウロとネルネッカは消えていた。
ニーナが魔力を探知すると、ローウェンがエルラパウロの魔力を感じた森の方へ向かっている。
「逃がさん!」
「待ちなさいッ!」
2人は逃げるエルラパウロとネルネッカを追い、森へ向かった。
ご覧いただきありがとうございました。
前書きにもあるように、元々この作品はほのぼの系ギャグを描きたくて始めたのですが、いつの間にかグロ注意のR15作品になってしまいました…。
ストーリーも書いていくうちに無駄に壮大になってしまったため、一から書き直してもよろしいでしょうか。
アンケートをしますので、回答のほどどうぞよろしくお願いします。
感想、評価などしていただけましたら幸いです。
作品の路線を見失ったため、書き直してもよろしいでしょうか。
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いいよ!(ほのぼの系に書き直し)
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ダメです(R-15のまま続行)
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えぐめマシマシで(R-18Gへ路線変更)
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別作品としてほのぼのを書けば?
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別作品としてR-18Gを書いて♡