第6話です。
戦闘シーンって難しいですね。
それでは、楽しんでいってください。
ローウェンはユイの母ミーシャの体内に潜んでいた魔物、ドッペルゲンガーを引き出すと、周りの迷惑にならないよう近くの森へ連れていった。
森の奥の少し開けた場所で、ローウェンとドッペルゲンガーは向かい合う。
「よし、ここなら周りを巻き込まないですむ。―行くぞ、貴様は塵一つ残さず消し飛ばす」
『■■■■■■■■■!!』
ローウェンは斧を振り上げ、ドッペルゲンガーは自身の腕をナイフのように尖らせて、突進した。
ローウェンが斧を振り下ろす。
ドッペルゲンガーはそれをナイフのように硬く鋭く尖らせた両腕で受け―両断された。
腕を中程から失ったドッペルゲンガーは、ローウェンから距離をとった。
ローウェンは斧を構え、再びドッペルゲンガーへ突進する。
ドッペルゲンガーは瞬時に腕を再生させると、今度は両腕を盾のように大きく硬く広げた。
轟音が響き、ドッペルゲンガーの腕にヒビが入る。
が、それまで。
今度は両断されなかったことにドッペルゲンガーは三日月のような笑みを浮かべ、ローウェンを吹き飛ばした。
ローウェンはあえて吹き飛ばされ、勢いに逆らわずに距離をとる。
ローウェンは驚いていた。
瞬時に欠損部分を回復できる再生能力と、ローウェンの速度に対応できるスピード、そして何より、ローウェンを吹き飛ばせるほどのパワー。
そのどれもが、並の魔物とは比べ物にならないほどの強さ。
おかしい。
ただのドッペルゲンガーが、ここまで強いはずがない。
そもそも、両腕を叩き切った際、ローウェンは両腕ごとドッペルゲンガーを両断しようとしていたのだ。
それを腕だけのダメージで済ませた辺りからも、この魔物の異常性が窺える。
「お前、強いな。その強さ、どこで得た」
『■■■■…』
「返事はなし、か。まあ、普通魔物は喋れないからな。いいさ、来い」
ローウェンは斧を振り上げた。
そしてそのまま、地面に叩きつける。
ドッペルゲンガーは自身に向けられた攻撃では無いためそれに目もくれず、斧を振り下ろして隙だらけのローウェンに襲いかかった。
「ーなんだ、知能は低いみたいだな」
瞬間、ドッペルゲンガーはバラバラになった。
あえて隙を晒し攻撃を誘ったローウェンが、飛びかかってきたドッペルゲンガーを瞬時に細切れにしたのである。
バラバラになったドッペルゲンガーは瞬時に再生しようとしたが、ローウェンは再生中に治るよりも速く切り捨て、ドッペルゲンガーの弱点であり魔力の元である核を上空へ飛ばした。
ドッペルゲンガーは周囲から生命力を吸い取り、核で魔力に変換し肉体を作る。
つまり、核から魔力を放出し肉体を再生するわけで、核を破壊されると肉体を再生出来ない。
ドッペルゲンガーは、空中で身動きが取れないまま再生してしまった。
地上ではローウェンが、斧を両手に構え力を貯めている。
ローウェンが放つ膨大な量の闘気が、斧にどんどん吸われていく。
「核を中心に回復するのもドッペルゲンガーだな。力と速度が異様に早く、硬いだけか。ならば、核を破壊すれば良いが……面倒だ。全身まとめて塵になれ」
斧が赤く光る。
闘気を十分に吸い上げた斧は、次に放つ一撃が自身の命を屠るのをドッペルゲンガーにイメージさせるのには十分過ぎるほどだった。
『■■■■、■■■■■■■■■■!!』
慌ててドッペルゲンガーはローウェンから逃げようともがくが、ここは上空。
手足をばたつかせても、なんの意味もない。
ならばとドッペルゲンガーは腕を翼に変え空を飛び逃げようとするが、ローウェンの方が早かった。
「逃がさんぞ。―消し飛べ」
一閃。
斧を振った軌跡に残る一筋の赤い光は、溢れんばかりの闘気を解き放ち―ドッペルゲンガーを消し飛ばした。
上空に登る赤い光の柱。
それをユイの家から見たノエルは目を見開き、ユイはすごいすごいとはしゃぎ、アンジェはこめかみを押え苦笑いを漏らした。
「あのバカ、やり過ぎるなと言ったはずだが……まったく」
「―ん、んん。……ここ、は―?」
「―お母さん!」
「おや、目が覚めたみたいだね。ま、私にかかればこんなもんさ」
「お母さん、お母さん!」
「もう…ユイ、どうしたの?そんな泣きそうな……」
「…アンジェさん、行きましょう」
「ああ。お邪魔だね」
◇◆◇◆◇◆◇◆
ローウェンが森から出てくると、ユイの家の前にノエルとアンジェが立っていた。
「おお、待っててくれたのか?」
「いや、ミーシャが目覚めてね。せっかく家族が目を覚ましたんだ。邪魔をしちゃ不味いだろう?」
「ローウェンさん、怪我は無いですか?」
「おう、大丈夫だ。あ、そうだ。アンジェ、ほいこれ」
「…これは?」
「…魔結晶、ですか?」
「ああ。ドッペルゲンガーが持ってた。嫌に強くてな、妙だと思ったから消し飛ばしたら核の中から出てきた」
「消し飛ばしたって……」
「つまり、あいつは長年生きていた老獪なドッペルゲンガーだったってことかい?」
「いや、ちがう。強くはあったが、賢くはなかった。自分で生成できるなら、もっと賢いはずだ。おそらく、何者かに埋め込まれたんだろう」
「何者か、だって?」
「ああ。…おそらく、魔王、またはそれに準ずるものだろうな」
「そんな…」
「魔結晶を埋め込んだ魔物を使い、人類を滅ぼそうとは。今回の魔王は随分と下卑た野郎のようだね。にしても、なぜ魔王だと思うんだい?」
「決まってるだろう。核の中にあったんだ。普通に埋めるなら、まずそんなところに入れられないさ。なにせ核だ。ちょっと傷つけるくらいならまだしも、俺の拳くらいのこのサイズを埋め込むのは不可能。ならば、魔物を生み出すときに埋め込んだと考えられる。魔物を生み出せるのは魔王しかいないだろう?」
「なるほどね。ということは、最初から魔結晶を埋め込んだ…いや、魔結晶を核にした魔物が他にも産み出されていると思った方がいいね。どれくらい強かったんだい?」
「俺の斧に耐えた」
「―ほう。大したもんだ」
「ま、本気で振ったら蒸発したがな」
「じょ、蒸発…」
「安心しな、勇者さま。ローウェンはこの程度普通にする」
「普通ってなんでしたっけ…」
「ま、諦めな。こいつと一緒にいると、退屈はしないが価値観は変わるよ」
「えぇ…」
「ゴホン。とにかく、魔結晶を核とした魔物は、ローウェンの斧に耐えられるだけの強さを持つが、知能は並の魔物レベル。ということだね?」
「ああ。付け加えるなら、自己進化能力も非常に高い。最初は斧を耐えられなかったが、耐えられるように腕の形を変えたりしたから、頭が悪い訳では無い。おそらく、知能も並の魔物より上がっていると言える。俺が見せた隙に引っかかったのは……まあ、ドッペルゲンガーって元々知能高くないしな」
「元が阿呆だから多少賢くても見え見えの隙に引っかかる程度にしか知能が上がらなかったってことかい」
ローウェンとアンジェは息を着く。
ノエルは話についていけていないが、何とか理解しようと頑張っていた。
そんな時、後ろ―ユイの家の方から声が聞こえる。
「ローウェン、アンジェさん、ノエル。来て」
「ん?お母さんとの話は終わったのか?」
「命の恩人、紹介したい」
「なるほどね。じゃあ、ローウェンは最後にしようか。勇者さま、行くよ」
「あ、はい!」
「えー、なんで俺最後なんだ?一緒に紹介じゃダメなのかよ」
「ダメですよ。ミーシャさんはローウェンさんの―じゃなくて、ローウェンさんはミーシャさんと面識があるんですよね?なら、積もる話もあると思いますし、先に自己紹介させてください」
「んー、面識と言っても、まだミーシャが小さい頃だぞ?しかも、10年以上前だ。もう忘れてるよ」
「い・い・か・ら!待っててください!」
「は、はい」
「よく言ったよ、勇者さま。ミーシャがローウェンのファンだってことを言わなかったのも素晴らしい」
「あの人、下手に誤魔化すよりも強い言葉で話を打ち切った方が話を聞くので…」
「ふふ、違いない。じゃあ、行こうか」
ノエルとアンジェは、ユイの家へ向かった。
ご覧頂き、ありがとうございました。
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この作品は書き溜め無しで投稿している為、度々遅れることがありますが、完結まで頑張ろうと思いますのでよろしくお願いします。
作品の路線を見失ったため、書き直してもよろしいでしょうか。
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いいよ!(ほのぼの系に書き直し)
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ダメです(R-15のまま続行)
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えぐめマシマシで(R-18Gへ路線変更)
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別作品としてほのぼのを書けば?
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別作品としてR-18Gを書いて♡