封印解除から1週間後……
すごいよここの設備!大きいベッドもあるし、人工太陽もある。川や畑もあってとっても自然豊か……ではなかった。川しか流れてないんだよね……畑には何にも植えられてないし。
あと大きいお風呂もあった!速攻で入った!だって封印されてから一切身体洗えなかったからね、久しぶりのお風呂は気持ちよかったな〜
でも使えない部屋もあるんだよね……ちょっと調べてみないことにはわかりそうにないな……
封印解除から2週間後……
色々探してたら3階の奥の部屋に直径七、八メートルの僕が作る魔法陣よりも精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。少し嫉妬しちゃうな……
あとその魔法陣の向こう側に僕が昔座ってた玉座みたいに豪華な椅子に座った骸骨がいた。見事なロープを着ててホコリとかも被ってない骸骨だったな……
まぁ運命見た感じなんか面倒なことが起こることとかもないっぽいし……魔法陣、踏んでみよっと……
僕の頭の中に色々な情報が流れ込んでくる。走馬灯のように僕のこのオルクス大迷宮に封印された時の記憶から反逆者の住処に来るまでの記憶が流れ込んでくる。
そして僕よりも身長が大きい黒衣の男の人が現れた。なんか幽霊っぽいな…………あ、この人この骸骨と同じ格好してるじゃん!
「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」
へー反逆者ってこんな感じの人だったのか……というか苗字を大迷宮の名前に登録するなんて……案外自己顕示欲強かったりするのかな?
「ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを」
記録映像かーなら僕も撮ってみようかな?…………僕多分今そんな知名度ないだろうし、意味無いか。
しかし、オスカーくんの話す話は面白いな〜叔父上が教えてくれたことと凄い差があるじゃん。かっこよく説明すると……
それは狂った神とその子孫達の戦いの物語
神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた。人間と魔人、様々な亜人達が絶えず戦争を続けていた。争う理由は領土拡大、種族的価値観、支配欲、他にも色々あるが、その一番はそれぞれの〝神敵〟だから。今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っていて、その神からの神託で人々は争い続けていたのだ。
だが、そんな何百年と続く争いに終止符を討たんとする者達が現れた。それが当時、〝解放者〟と呼ばれし、選ばれた集団である。
彼らには共通する繋がりがあった。それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったということだ。そのためか、〝解放者〟のリーダーは、ある時偶然にも神々の真意を知ってしまった。何と神々は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していたのだ。〝解放者〟のリーダーは、神々が裏で人々を巧みに操り戦争へと駆り立てていることに耐えられなくなり志を同じくするものを集めたのだ。
彼等は、〝神域〟と呼ばれる神々がいると言われている場所を突き止めた。〝解放者〟のメンバーでも先祖返りと言われる強力な力を持った七人を中心に、彼等は神々に戦いを挑んだ。
しかし、その目論見は戦う前に破綻してしまう。何と、神は人々を巧みに操り、〝解放者〟達を世界に破滅をもたらそうとする神敵であると認識させて人々自身に相手をさせたのである。その過程にも紆余曲折はあったのだが、結局、守るべき人々に力を振るう訳にもいかず、神の恩恵も忘れて世界を滅ぼさんと神に仇なした〝反逆者〟のレッテルを貼られ〝解放者〟達は討たれていった。
最後まで残ったのは中心の七人だけだった。世界を敵に回し、彼等は、もはや自分達では神を討つことはできないと判断した。そして、バラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにしたのだ。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って。
あー、あー疲れた。なんかかっこいい言い方するのは疲れるぜ……まぁこれ独り言というか考え事なんだけど。
「君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」
なるほど、そんな感じだったのか。なんか新しい僕の知らない魔法も手に入ったけど……それ聞くと僕が封印されたそもそもの原因は神のせいってことなのかな……
…………まぁいいや。そもそも封印されたのは僕のカリスマが足りなかっただけだろうし!ここで神を恨むのはお門違いではないけど……まぁ恨まないでおいてあげるぜ!神殺しも面倒くさそうだしね!
あ、なんかオスカーくんの話聞いたら設備全部使えるようになった。あとオスカーくんは丁寧に氷漬けにして丁寧に棺桶に入れて丁寧に畑に埋めときました。オスカーくん、ここに眠るって書いといた!
あと出口見つけたけどここでずっと暮らすつもりだから見なかったことにしといた。
封印解除から40年後、封印されてから300年後!
40年間ずっと暇だったから苦手だった回復魔法の習得やら剣技やらを習得しておいた。これで僕は近接も遠隔攻撃も回復もできるようになった!
でも暇で暇で仕方ないんだよね……話し相手が欲しいと思ってるんだけど中々そう言う人現れないんだよね……
最近は各階層を歩き回るのが趣味になってきてるんだ。今日は久しぶりに101階層を歩き回ってる!101階層は風の斬撃を飛ばしてくるだけのクマくんや、雷を放つだけのワンちゃん、蹴りを放ってくるウサちゃんっていう可愛い子しかいないんだ。だからすごい和むんだよね……
……なんかいない?なんかものすごく顔色の悪そうで腕が一本ない女の子が神水飲んで回復してる……もしかして何かあったのかな…………助けてあげよう。
「ねぇ、そこの君!何かあったの?」
「…………え?だ、誰?」
「僕?僕の名前はアレイ・ガルディエ・ウェスペリティリオ・アヴァタール!なんか可哀想だから君のことを助けてあげるよ!」
顔色の悪そうな子が僕のことをじーっと見つめる。……こうして見ると少し可愛いな〜
「え?」
「答えは聞かないよ、女の子をこんなところで寝かす訳にもいかないしね」
僕は顔色の悪そうな女の子をお姫様抱っこするとそのまま転移魔法で住処まで帰った。……この時はまだ僕は知らなかった。この子と出会ったことが僕のこの生活の変わり目だったなんて。