吸血鬼の王に転生したら封印された   作:排他的

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従者を手に入れた!

顔色の悪そうな子の名前は南雲ハジメというらしい。南雲ハジメかーじゃあハジメちゃんだ!とりあえずハジメちゃんにどっかの階層で拾ってきたトレントが落とした果実を食べさせる。

 

「……美味しい!」

 

随分と美味しそうに食べるな〜僕も食べよっと。

 

「はむっ……それでハジメちゃん」

「もぐっ、は、ハジメちゃん!?」

 

「え?南雲ハジメなんでしょ?だからハジメちゃん。さて、なんで君はあんなところで倒れてたんだよ。腕もないみたいだし……」

 

僕にハジメちゃんって言われるのが不服っぽいけど、僕は名前の呼び方を帰るつもりは無いからね!ハジメちゃんは少し話しづらそうにしていたけど、ポツポツと話し始めてくれた。

 

自分は地球という星の日本という国から転移してきたこと。あ、やっぱりこの子日本人かって内心思ったね。まぁ転生したこと言うと面倒臭いから言わないけど。

 

この世界に来て、錬成師っていう非戦型の天職を得たこと、ステータスが低いことに絶望したこと、オルクス大迷宮を攻略することになって、ベヒモスとかいう魔物からクラスメイトを守るために殿を務めたら奈落に落とされたこと。

 

落ちた先で神水に出会ったけど、結局魔物たちにコテンパンにやられて腕も失ってしまったこと。

 

そこまで言って、ハジメちゃんが僕の前で涙を流し始めた。

 

なんで自分がこんな目に遭わないといけないんだ、なんでこんなことになってしまったんだと僕の胸に縋って涙を流し続けていく。

 

僕はハジメちゃんの背中をさすってハジメちゃんを落ち着かせる。ハジメちゃんの気が済むまで泣かせてあげよう。

 

……もしかしたら僕は他人が泣くのを見るのが今世で初めてかもしれない。こうやって落ち着かせるのも初めてかもしれない。そう思っていると、僕の目からも少し涙が出てきた。

 

ハジメちゃんがひとしきり泣き終わると、僕は何故ここにいるのか、僕はそもそも誰なのかって聞いてきた。僕は少し悩んだけど話してあげることにした。

 

「ねぇ、吸血鬼の国って滅んでる?」

 

ハジメちゃんは僕の質問に首を縦に振る。まぁそうだよね。あの神の使徒に対抗できてたの僕くらいだし……僕を封印したところであの国は滅ぶ運命さ……ざまぁないね。

 

「まぁ僕はその吸血鬼の国の最後の王だった。僕は色々と力を持っていてね。それを脅威に思った臣下に裏切られてここの150階層にものすごい厳重に封印されたんだけどね」

 

ハジメちゃんは僕の話の途中で手を挙げて質問してきた。

 

「すごい力って?」

 

「そうだね〜運命を見たり、ありとあらゆるものの弱い所を掌握して破壊したり、死んでもすぐさま再生する能力かな〜」

 

「へ〜」

 

ハジメちゃんが僕のすごい人を見る目で見てくる。なんかすごい嬉しいな〜怖がる奴がいても、それがすごい力だって思う奴いなかったし。

 

「そして僕は封印されてから260年かけて僕にかけられた封印を破ってこのオルクス大迷宮を攻略したんだ。まぁ攻略にかかった時間はそんなかからなかったけどね!」

 

僕が話終えるとハジメちゃんは悲しそうな雰囲気でポツポツと喋りだした。

 

「……すごいんだね……でも私は……」

 

「……ハジメちゃん、君は力が欲しいのかな?」

 

「え…………うん!私はもう仲間に裏切られないような強い力が欲しい!」

 

僕が力が欲しいかと聞くと、ハジメちゃんは勢いよく頷いた。……なら、その力を僕は与えてあげよう。

 

「ねぇ、ハジメちゃん。いや南雲ハジメ……僕は君にチカラを与えてあげよう。君の錬成師としての力を覚醒させる魔法と君の戦う力を上げてくれるものを与えてあげる」

 

「……本当?」

 

「うん、僕は嘘をついたことないよ。……力を与えてあげる代わりに、君は僕の眷属になるんだ。どうかな?」

 

ハジメちゃんは黙る。僕の眷属になることのメリットとデメリットを考えているんだと思う。これは人生に関わってくるからまぁ仕方ないか……気長に待つことに「なる」あるぇ?

 

「早くない?もう少し悩んだ方がいいと思うんだけど……」

 

「……なる、貴方の言うことをなんでも聞くから、私に力をください……」

 

「……わかった。じゃあまずは君の腕の代わりを作ろうか」

 

久しぶりにエヴァンジェリンのもうひとつの側面を使ってみる時が来たみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

「これが、私の腕?」

 

「人形の腕だね。別にぬいぐるみみたいに柔らかいわけじゃないよ?人間の腕に限りなく近づけたものさ。これを君のその左腕に繋げる。痛くないから力抜いてね……」

 

僕はハジメちゃんのために作った本物そっくりな腕をハジメちゃんの肩に繋げる。そしてその腕にオスカーくんから貰った生成魔法で、魔力操作と生成魔法の力を埋め込む。

 

「はい、これで君は魔法陣無しで魔法を使えるようになり、鉱石に力を付与できるようになった」

 

「すごい……!」

 

ハジメちゃんはキラキラとした目で僕の作った腕を見る。錬成を魔法陣無しで使える様になるのが嬉しいのかな?

 

「さて、次だ次。ハジメちゃん、君を本当に僕の眷属にする。まずは魔法陣を用意して……」

 

魔法陣を地面に敷いて、僕とハジメちゃんは魔法陣の中に入る。

 

「あの、これは?」

 

「これはトータスの魔法じゃない。君と僕で従者の契約を結ぶ魔法だ。とりあえず仮契約かな」

 

「従者?」

 

「うん、君と僕で仮契約をすることで君が僕の魔法使いの従者(ミニステル・マギ)になる。そうすることで君は魔力を僕から得て、君は僕を守ることができる」

 

「うん、わかった……ところでなんでそんなに顔が近いの?」

 

「え?キスするためだけど」

 

それを言った途端にハジメちゃんの顔がすぐさま赤くなった。そして魔法陣から出ようとする。僕はそれを固定する。

 

「ちょ、キスするなんて聞いてない!」

 

「言ってないからね」

 

「これ本当に必要なことなの!?」

 

「え?他にも方法あるんだけどめんどくさいからこっちかな〜というかハジメちゃんは僕とキスするのやだ?」

 

もし嫌なら少しショックだな〜

 

「いや、嫌じゃないけど……嫌じゃないけど……アレイは嫌じゃないの!?」

 

「え?なんで?」

 

「だって私可愛くないし……地味だし……」

 

なんだ、そんなことか〜気にしなくていいのにな〜

 

「ハジメちゃんは可愛いよ、元王族の僕が保証してあげる」

 

「え?え?え……」

 

魔法陣が光り輝く。少し気持ちよくなりながら僕はハジメちゃんにキスをした。

 

ハジメちゃんの口を開いて強引に舌を入れる。ハジメちゃんの歯茎や頬、舌を僕の舌で舐めたり絡ませたりする。

 

ハジメちゃんの顔が赤くなってるのが可愛い。ハジメちゃんが可愛い声を上げてるのが可愛い。ハジメちゃんが僕の口の中に舌を入れてきてやり返そうとしてくるのが可愛い。

 

こんなに可愛いところがあるのに、なんでハジメちゃんは自分のことを可愛くないって言うんだろう……不思議だな……

 

「お、パクティオーカードが出てきた出てきた」

 

さてさてこのカードを……なんかハジメちゃんが睨んできた。

 

「ディープキスなんて聞いてない」

 

「……ハジメちゃんも僕の口の中に舌入れてきたじゃないか……お互い様じゃない?」

 

「ファーストキスだったのに!」

 

「……ごめん」

 

素直に謝る。ファーストキスの人にあんなことをするのは非常識だ。

 

「責任とって欲しい。ファーストキスでディープキスかました責任を取って欲しい」

 

「……具体的には?」

 

僕はどんな風に責任を取らされるんだろう?まさか死ねとか言わないよね……!

 

「……後でもう一回して欲しい」

 

「!……ハジメちゃんが望むなら何度でもしてあげるよ」

 

なんだハジメちゃんも結局ディープキス好きになってるんじゃん。

 

そんなこと言ったら叩かれた。…………久しぶりに人に叩かれた。少し嬉しい気持ちになった。…………Mじゃないからな。

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