ハジメちゃんを従者にして90日後……
ハジメちゃんの成長を感じれて僕は嬉しいです。魔力量も結構上がってきています。まぁ魔法は使えないから錬成で作り出した武器を使ってますが。何個か魔法を義手に込めてみてもいいかなと思ってるよ。まぁそれはさておき……
僕はハジメちゃんを魔物の巣窟にたたき落としました。魔力を常に供給してあげるから101階層から200階層まで1ヶ月で帰ってこいって言いました。その時の顔と言ったら本当に可愛かったです。
なにやら決意を固めたハジメちゃんはすごい勢いで101階層から僕が封印されていた150階層までたどり着いた。魔物は全部肉片に変わってました。全部銃で殺されてました。……うちの従者はめちゃくちゃ殺意が高いです。
咸卦法のやり方も完全にマスターして、バイクを走らせながら咸卦の気を纏わせて突撃する技も編み出してました。僕の恋人はひき逃げタックルをいつの間にか覚えていました。
あの僕を操ろうとしたアルラウネなんか七色の弾丸で炎属性の弾丸を作ってそれをメツェライで大量に浴びせられて燃え尽きてた。
ヤマタノオロチの階層まであっという間にたどり着くとヤマタノオロチに向けてメツェライとオルカンの同時発射で作られた圧倒的弾幕と、シュラーゲンのヤマタノオロチの頭同時貫通なんて芸当をしてきた。
……もうハジメちゃんは昔のハジメちゃんじゃないんだな……と思いながら、押し倒してきたハジメちゃんをまた足腰立たなくさせた。どれだけ強くなってもここは変わらないんだな〜と僕は思う。
アレイの従者になって90日後……
アレイに家に帰りたいというとわかったと言ってくれた。でも家に帰るには、生成魔法と同じような魔法を7つ集めないといけないというのが、オスカーくん?って人の手記からわかっているから、冒険しなきゃ行けないと言われた。
構わないと言ったら装備を持って畑の前で待っててって言われた。待っていたら突然転移魔法を使って私を転移させようとしてきた。
「ハジメちゃんがもしオルクス大迷宮の101階層から200階層まで攻略出来なかったら、ここでお留守番ね」
お留守番は嫌だった。私はアレイの言葉を聞いて、私が作ったアーティファクトとアレイとの契約で得たアーティファクトをフル稼働させ、ようやく習得した咸卦法を発動する。
そこからの私は夢中だった。永遠に供給されていく魔力を使って斬撃の能力を込めた弾丸をにっくきクマ公に放ったり、サイクロプスに凍結弾を放ったり、アルラウネを蜂の巣にしたり色々した。いつの間にかメツェライとオルカン同時持ちなんてこともできるようになっていた。
バイクに咸卦法で生み出したエネルギーを纏わせてタックルする技なんてのも身につけた。ひき逃げタックルはやった時、とてつもなく心地よかった。
最後の階層にいた、アレイがヤマタノオロチって言ってた魔物を全アーティファクトフル稼働で残弾なんてないよ!ってぐらい撃ち放って、咸卦法で強化した身体でタコ殴りにしたら、全階層をクリアした。……ヤマタノオロチっていうかあれヒュドラじゃないかな?
苦戦することなんてなかった。アレイの従者として、負けるつもりは一切なかったけど、こんなに呆気なく終わるとは思って無かった。
アレイから貰った腕に着いた生成魔法を手に入れた。これで左だけじゃなくて右でも生成魔法が使える!
今の私なら何でも出来るとアドレナリンがドバドバ出てた私は何を思ってか、ニコニコしながら出迎えたアレイをそのまま押し倒してズボンを下ろした。
…………普通に負けました。
ついにハジメちゃんとオルクス大迷宮の外に出ることになった。ハジメちゃんの作ったアーティファクトはここに置いておいて転移魔法で使う時に呼び出そうと思ったら、オスカーくんの遺品に宝物庫なるアーティファクトがあったからそれに収納しておいた。
僕はハジメちゃんに転移魔法を込めた指輪を、ハジメちゃんは僕に魔晶石の指輪をお互いに渡しあった。僕の作った指輪はハジメちゃんが魔力を流すことで好きなものを転移させることが出来る。それがどんなものであろうと、好きなところに。
僕に渡された魔晶石の指輪は魔力を貯蔵する効果を持つ指輪。貯蔵できる量は僕の全体魔力には遠く及ばないけど、僕がもし魔力を使い切った時の保険だそうだ。……嬉しいな、ハジメちゃんが僕を心配してくれるなんてさ。
「……ハジメちゃん、君の持つ君の作ったアーティファクト、僕の振るう能力、魔法、力……全てが異端だ。僕は今の情勢は知らないけど、必ず僕達を排除しようとしてくるに違いない」
「わかってる、神様を敵に回して、教会や国と戦うことになるかもしれない、でしょ?」
「うん、もしかしたら僕達を封印してこようとするかもしれない。処刑しようとするかもしれない」
「……アレイの障害になるやつは私が倒す」
「嬉しいこと言ってくれるね。……まぁ、黄金の福音に手を出そうとする馬鹿がどうなるか、300年前と同じように知らしめるだけさ。別に僕封印されたけど負けたわけじゃないし……」
「……どうやって封印されたの?」
「……叔父上にプレゼントを渡されて、それを身につけたらなんか封印されてた」
「……耐性付けなよ、そしたら封印されなかったでしょ!?」
ハジメちゃんに怒られた。でもさ、唯一の肉親のプレゼントだし、仕方なくない?それに同じことがあったら滅ぼすから問題なし!
「……コホン、まぁそれは置いといて……僕がハジメちゃんを、ハジメちゃんが僕を守る……そんな感じで、君の故郷に行こうぜ?」
「うん!」
僕がそう宣言すると、ハジメちゃんは可愛く肯定の意を示してくれた。僕はハジメちゃんと転移の魔法陣を起動して、この住み慣れたオルクス大迷宮のオスカーくんの住処から外へと転移した。
……まさかあんなことが外で起きてるなんて、僕はこの時知らなかった。