『
……この世界においてモンスターの討伐や捕獲、未開地の探索などを専攻している者達の総称。
各国ごとに『
といってもその範囲は幅広く、基本的に民間人からや王国の重要関係者、騎士団などからも依頼を受け付ける。なんなら署名と遭遇したモンスターについての発見報告書を出せば、大抵の人は依頼を出せる。
…というのが『探索者』についての大まかな説明らしい。
結構依頼の部分とかガバガバな感じもするが…本当にその職業やっていけるのか?主に運営の方の詰めの甘さ加減的に。大きな事件でも起きて即信頼失いそうなんだけども。
と思ったが、広い年齢層から高い支持を得ているらしく、国を崩壊させるレベルの事が起きない限りは信用を失う恐れはほぼ無いそうだ。
まあ支持する気持ちも分かりはする。だってみんな冒険したいもん。
「ってな感じで…はぁ、ここが『探索者集会所』よ。」
ジュンに連れて来られて長めの石段を登った先にあったのは、日本の市役所くらいの大きさの、城に似たような外観の建物だった。入口の前にある石畳で造られた広場は、中央に噴水がある以外は所々にベンチがある程度だ。ちょっとデカめの公園サイズ。
「結構でかいなー…」
「人がいっぱいいるからね。この国の半分近くの人は探索者なんじゃないかしら。」
「そんなにいるのか!?」
「私にはあんま魅力わかんないけどね〜…ま、いいわ。急ぎましょ。あんまり行きたくないけど」
ジュンは探索者集会所の方を向き歩き始める。確実に階段を上る時より足取りが重い。ここになんか恨みでもあるのか。
地味に長い広場から中に入り、一番最初に思ったことは…
「で…でか…」
天井の高さは学校の体育館程、少し奥にはカウンターが用意してあり、入口とカウンターの間には見渡す限りの人、人、人。カウンター横に設置してある掲示板の周りには特に多い。右奥には二階に続く階段がある。
「ま、とりあえず探索者としての登録を済ませなきゃね。左端のカウンターの所よ。着いてきて」
ジュンに促されるまま俺たちはカウンターの席に着く。
受付「はい!こちらは探索者登録の窓口になります!…あら!ジュンさんじゃないですか!お久しぶりです!」
めっちゃこの人元気だな。声すごい大きい。
「えぇ、久しぶり。それでこの子達の登録を済ませたいのだけど」
「了解しました!では人数分の申請書を…はい!どうぞ!お名前とご出身、得意属性やご希望の依頼傾向をご記入ください!」
受付さんに神がかったスピードで紙とペンを渡される。渡された書類には、一切何もわからない言語が使われている。アルファベットと…ギリシャ文字を掛け合わせたような…
それに今なんて?得意属性とか依頼傾向とかわからないって。
しかも出身地なんてどう書けばいいんだ?俺達転移してきたんだけど?
?で俺の頭がいっぱいになったのを見兼ねてかジュンから助け舟を出される。
「はぁ…ちょっとメモ用紙貸してくれるかしら。…ありがとう。ほら貴方達、上から『シュン』『ソラ』『リョウ』。これがここの言語。自分の名前くらい覚えなさい。」
そう言って俺たちの名前を書いたメモ用紙をこちらに投げ渡してくる。
「あ、一番下に書いてあるのは出身地だから。…ごめんね、受付ちゃん。この子達田舎から出てきたばっかりで言葉もろくに覚えてないのよ。」
受付「いえ!書いて下さるのであれば全部OKです!」
「そんなもんなのね…」
ジュンの素晴らしいアドリブなんてそっちのけで、俺たちは自分の名前を表す文字を全力集中で書き写していた。未知の言語って文字を写書きするだけでこんな集中力いるのか…?小学生で初めて習った漢字はもっとスラッと書けた様に思えるんだが……
その後もジュンに教えられながら、ようやく申請書が出せた。
…早い所、ここの文字を読み書きできるようにならなければ。
「…はい、確認できました!シュンさん、ソラさん、リョウさんですね!カウンター横の掲示板から依頼を確認できますので、お好きな依頼を受注して下さい!」
受付はそう言って階段近くの掲示板を指差す。
よし、これでようやく
「あ!そういえば忘れてました!…はい!こちらが探索者ということを証明するバッジです!」
…受付さんが茶色のバッジを渡してくる。
「探索者にはそれぞれ階級があり、『銅級』、『銀級』、『金級』、『白金級』、『金剛級』の5階級があります!依頼にはランクが設定されていて、それぞれの階級ごとに受けれる限度が決まっています!上に行けば行くほど依頼の危険度は上がりますが、その分報酬が弾み、
「ありがとうね受付ちゃん。さあ、行くわよ。」
そういうとジュンは掲示板まで迷わず歩き始める。
一つ、紙を剥ぎ取り俺たちに突き出した。
「最初の依頼はこれよ!」
でかでかと『ピグリンの討伐』と書かれていた紙は、間もなくしてカウンターまで運ばれて行った。