次俺が目を覚ましたのはリョウの背中の上だった。
周りの景色を見るに、もう森は抜けたようだ。
「リョウ…ソラ…」
「「シュン!」」
まだ意識は若干ぼんやりとしたままで、身体に力も入らない。
でも、2人の声を聞くと少し体の感覚が戻ってきた。
「シュン…!死んじまったのかと…うわあぁ!」
「良かった…!本当に良かった…!」
俺はゆっくりと背中から降ろされた。足がふらつくがまだ大丈夫だ。
2人の顔を見てみると、2人とも頬に涙がつたっていた。
「大袈裟だよ…」
「そんな事あるもんか!倒れたあと呼吸も浅くてホントに死ぬんじゃないかと思ったんだぞ!」
「なんとか回復もしていったがほぼ丸一日寝てたんだからな…」
「え…丸一日…?」
空を見てみると、気絶する時と変わらない位の明るさ。
え、マジでそんな時間寝てたの?
「どんだけ寝てんだよ俺…」
「イノシシ1匹吹き飛ばすのに動けなくなるぐらいだったのに、地面を剥がす程の威力を出しておいてこれだけで済んでるんだ、まだ良い方だろう。」
「それもそうだな…」
「てかシュンはどうやってあそこまでの威力出せたんだ?」
何も思っていなかった。あの能力が使えることがわかっていたとはいえ、あれほどまでの威力を何故出せたのか。というかそもそも能力を使えること自体ちょっと忘れかけていたというのになぜ咄嗟に出せたんだ?
「俺にも分からないけど…なんだか感情に飲み込まれてたような感覚があるな…」
「まあ、何も知らない俺たちがここで考察していても分からないだろう。」
「そうだなぁ…あ!そういえばシュン!街らしきものを見つけたんだよ俺ら!」
「本当か!」
「あぁ、あっちの方向だ。」
リョウはそう言って、東の方向を指さした。
少し遠いが、本当に街…というより王国のような建造物があった。
ようやくこの世界でのスタートラインに立てた…!
「昨日のは怖かったけど…ワクワクが止まらねえよな!異世界!」
ソラが希望に、生気に満ちた顔で言う。
「ここがどんな世界か、どんなことが出来るのか。楽しみだな。」
リョウが仕方ないな、という風に、それでも楽しそうに言う。
「俺たちなら全部大丈夫さ!行こう!」
俺たちはこの世界で生きる覚悟を決め、この世界への期待を胸に、勢いよく第一歩を踏み出した。
「うおぁ足が!」
こけた。
そういえば足ふらついてるんだった。
「あっはは!何やってんだよシュン!」
「お前まだ回復していないんだろ。無理はよせ。」
リョウに肩を貸されながら起き上がる。
「あはは…すまん…」
走るのはちょっとまずかったが、歩く分には問題なさそうだ。
「ゆっくりでいいさ、歩いていこう。」
「そうだよ!時間はあるんだからさ!」
「お前ら…うん、ありがとう。よし、行こう!」
朝日に向かって、俺たちは歩き出した。