リアルの方も忙しく中々執筆ができない状況でしたが、短いですけど何とか出来ました。
「(うう……私どうなっちゃうんだろう。紅輝さん、無事だといいけど…)」
特異災害対策機動部二課に身柄を拘束された響は、車の中で揺られていた。そして数十分後、車はある場所に止まる。そこは、響が通っている私立リディアン音楽院だった。
「何で学院に…?」
響は隣に腕を組んで座っている緒川に聞くが、彼は何も答えない。そして、暗い廊下を緒川を先頭に翼と共に響は進む。
「あの、ここ、先生達のいる中央棟ですよね?」
普段リディアンの教師がいる中央棟を何故通るのか響は分からなかった。そして、エレベーターに辿り着き、緒川と翼と共に乗り込むと、
緒川が何らかのデバイスを装置に読み込ませ、エレベーターの自動ドアが閉じた。
すると、自動ドアの上にさらに頑丈そうや自動ドアが閉まり、何故か手すりが現れた。翼は何も言わず、手すりを掴む。
「あの…これは…」
「さぁ、危ないので掴まっていて下さい。」
響が翼に聞くと、緒川に手を取られ、手すりを掴まされた。
「危ないって…?……わあああああああああああ!!!」
突如、エレベーターが急降下したのだ。響はそれに思わず愛想笑いを浮かべる。
「あ、あはは、は…」
「愛想は無用よ」
翼が冷たく言う。響はエレベーターの外を見ると、壁に何やら不思議な壁画が描かれていた。
「これから向かう所に、微笑みなど必要ないから」
そしてエレベーターが1番下に着き、響はそこで目にした物とは…
熱烈☆歓迎!立花響さま☆
ようこそ2課へ
「ようこそ!人類最後の砦 特異災害対策機動部二課へ!!」
「へ?」
熱烈な歓迎だった。
呆然とする響。翼はため息をつき、緒川は苦笑いをした。すると、スマホを持った了子が響に近づいてきた。
「さぁさぁ!笑って笑って!お近づきの印にツーショット写真!」
了子は手錠をかけた響と自撮りをしようとした。
「嫌ですよ〜!手錠をしたままの写真だなんて…!きっと悲しい思い出として残っちゃいます!」
響は了子から離れ、拒否した。
「それに、どうして初めての皆さんが私の名前を知ってるんですか?」
そう。ボードを見て響は思ったのだ。何故彼らが自分を名前を知っているのか。自己紹介もしていないのに。
「我々二課の前身は、大戦時に設立された特務機関なのでね、調査などお手の物なのさ」
弦十郎が帽子を被りながらそう言うと、手に持っていたステッキから花を出した。すると了子が微笑みながら響を学生鞄を持ってきた。
「あ〜!!私のカバン!な〜にが調査はお手の物ですか!カバンの中身を勝手に調べたりして!」
声を上げる響を翼と緒川は見ていた。
「緒川さん、お願いします」
「はい」
翼は緒川に頼み、響の手から手錠を外し机に置いた。机の上には料理や飲み物が置かれている。恐らく歓迎の為に二課が用意したのだろう。
「あの…ありがとうございます…」
「いえ、こちらこそ失礼しました」
すると、弦十郎が口を開いた。
「では、改めて自己紹介だ。俺は風鳴弦十郎。ここの責任者をしている。」
「そして私は出来る女と評判の櫻井了子。よろしくね♪」
弦十郎と了子がそれぞれ自己紹介をした。
「ああ、こちらこそよろしくお願いします」
響は2人にお辞儀をした。
「やっぱりお前、あの時の!!!」
黙って様子を見ていた奏が響の顔を見て二年前のライブの事を思い出し響に駆け寄り事をかける
「嘘⁉︎奏さん!私のこと覚えてるんですか?」
「覚えてるに決まってるだろ?あれは私にも責任があるしな…」
「そ、そんなことありません!奏さんのあの言葉があったからこそ私は今を生きていられたんです!」
「そっか、今更になるけど…生きててくれてありがとう」
「はい!」
その様子を優しい眼差しで見守っていた翼達、タイミングを見計らって弦十郎は本題を話す。
「君をここに呼んだのは他でも無い。協力を要請したい事があるのだ。」
「協力って…?ハッ…!」
響が弦十郎の言葉に反応すると、自分が覚醒してシンフォギアを纏った事を思い出したのだ。
「教えて下さい!あれは、一体何なんですか?」
響の質問を聞いた弦十郎は了子を見ると、了解したかのように頷いた
「あなたの質問に答える為に2つばかりお願いがあるの。最初の1つは今日の事は誰にも内緒。そしてもう1つは…」
了子は響の体を寄せると…
「とりあえず脱いでもらいましょっか。」
「な、何でぇぇぇぇぇ!!!?」
響の声が地下深くに響いた。
「響の奴、大丈夫か…まぁあの特機部二の事だろうから丁重に扱っていると思うが」
『どうだろうな、今頃人体実験をされてるかもなぁ…』
「物騒なこと言うんじゃない。風鳴翼の組織の人間がそんな事をするとは思えん。恐らくなぜあれを纏えたのか精密検査と説明をするくらいだろう」
一方紅輝はあの戦いの後助けた少女と再会し、一応正体がバレない様に響の事を聞くと…政府の役員に事情聴取のため連れていかれたと少女の母親が証言してくれた。
「ん?」
響の事を考えているとガンデフォンがブルブルと震えている。ポケットから取り出し、掛けてきた主の名前を見れば『小日向未来』。掛けてきた理由はおおよそ察しはつく。
「もしもし?」
『もしもし、紅輝さん!?近くでノイズが出たってニュースがやってて……響は一緒にいますか!?』
おそらく響とお茶をしていた時に何かしら響経由で聞いていたのだろう。
響が中々帰ってこない、加えてニュースを見て響に電話したが繋がらず、心配して一緒にいるであろう紅輝に電話を掛けたと言った感じだ。
響は電話に出れないだろうし、仕方がないのかもしれないが、未来の心配もごもっともだ。
「ああ、一緒にいた。響と女の子を逃す時に分かれたけど、ノイズのせいで合流出来なくて。でも、響と一緒にいた子と合流できて話を聞いたけど、怪我もなく無事みたいだ」
俺が仮面ライダーに変身して戦っていることは伏せる、あくまで響を逃すために囮になった事を未来に話す。
『良かったぁ……紅輝さんも無茶しないでください。怪我とかはしていませんか?』
「大丈夫、問題ない。多分響もそろそろ帰るんじゃないのか?」
『わかりました。教えてくれてありがとうございます』
そう言って、通話が切れる。
「ふぅ…響、お前には普通の日常を過ごして欲しいが……あいつの性格じゃ……戦う道を選ぶんだろうな」
『ハンッ、あのお人好しなバカな事だ、そんなこと分かりきっているじゃねぇか?まっ、仮にアイツが戦いに出ても死に急ぐだけだがな…』
「そうさせない、仮にアイツがふざけた事を抜かすなら一発引っ叩く所だ」
カゲロウの言葉に紅輝は響を死なせないよう全力でサポートをする事を決めた。
「ん?今度は誰だ…」
ガンデフォンがブルブルとまた震えており、ポケットから取り出し、掛けてきた主の名前を見れば『立花響』だった。
「(どうやら終わったみたいだな)もしもし、響か?」
『もしもし紅輝さん⁉︎立花響です!!ご無事ですか⁉︎』
耳元で大声で安否を確認され少しだけガンデフォンを耳から離した。
「あ、ああ、こっちは大丈夫だ。響は大丈夫か?」
『は、はい。何とか大丈夫です。よかった……紅輝さんが無事で…』
電話越しでもわかるくらい、無事で安心している様子だった。
「響達も無事でよかった。それとさっき未来から俺に連絡があった。後で未来にも連絡しておけ、物凄く心配してたぞ?」
『はい、勿論ですよ!』
「ふっ、元気な声が聞けてよかった。それじゃあまたな響」
『はい!また今度未来と一緒にご飯を食べに行きませんか?お礼もしたいですし』
「……わかった。場所はいつもの場所でいいか?」
『はい!勿論です!』
紅輝は電話を切りガンデフォンをしまう。本当はお礼はいらないのだが響は頑固だから断ると余計に面倒になるから受け取ることにしている。
「……今回の件、こいつを使う時が来るかもしれないな」
懐から、金色のヘラクレスオオカブトの載ったバイスタンプを取り出す。
「(正直これには極力変身はしたくはないが…覚悟はしておかないとな)」
紅輝はバイスタンプをしまうと、バイクに乗り自宅に帰路につくのだった。