戦姫絶唱シンフォギア 仮面の悪魔   作:狼ルプス

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惨劇のライブ

 

 

「すごい人の数だな…」

 

俺は速水紅輝、生前では強盗事件で射殺され転生した人間だ。現在俺はツヴァイウィングのコンサート会場前にいる。

 

 

何故ここにいるかと言うと、半年前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よし…ドライバーと武器のメンテはこれで完了…後は』

 

紅輝は研究室でデモンズドライバーとオーインバスター50のメンテナンスをしていた。後は変身して状態を確認しようとデモンズドライバーを装着しようとした時…

 

 

 

 

 

ピンポーン〜♪

 

 

 

 

『ん…誰だ?荷物は頼んではいないが…』

 

インターホンが鳴り、デモンズドライバーは一度机に置き対応する為玄関に向かう。

 

 

 

何が起こっても良いよう一応の心構えと警戒をしつつ、紅輝は玄関の扉を開く。

 

『はい。どちら様ですか……って、誰もいない…』

 

対応はしたが誰もいなかった。紅輝は悪戯と思い溜め息を吐くが、下を見ると何やら段ボールがあった。

 

 

 

『ダンボール?一体誰から…』

 

宛先も配達業者の紙もなく、全く身元不明の届け物に不信感を覚える紅輝は一度ダンボールを持ち上げ上下に振るが不審物では無いのを確認し、部屋に持ち運ぶ。

 

 

 

『一体誰からだ…一応確認はした方はいいよな…』

 

ダンボールを開け中身を確認すると紅輝にとって驚愕するものが入っていた。

 

 

『こ、これは⁉︎』

 

 

ダンボールの中身には複数のブランク状態のバイスタンプと、一つは紅輝にも見覚えのある通常のバイスタンプとは違う形状のバイスタンプが入っていた。

 

 

『バイスタンプ…一体何故これが…ん?これは』

 

その隣には封筒があり名前は【神様より】と書いてあった。

 

『あの神様からか…随分久しぶりに感じるな…』

 

 

封筒の中に入っていたのは、手紙とUSBメモリ、2枚の紙が入っていた。

 

 

『これ、ツヴァイウィングのライブチケット?なんでこれが…』

 

何故かライブのペアチケットが入っており、なんの意図がありこれを送ってきたのか全くわからず、この時はライブに行くつもりはなかったのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在、あまりにも暇だったので結局行くことにしたのだが、今思えば、「虫の知らせ」というやつだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここまで人気とはな…流石に想像以上だな」

 

紅輝は列の最後尾に並び、入場時間を待つ。その時、前にいる少女が顔を青くしてとまどっているのを感じた。紅輝は心配に思い声をかけた。

 

「…君、どうしたんだ?」

 

「えっ?えっと…それが、持ってきたはずのチケットをなくしてしまって…って、あれ?もしかして紅輝さん?」

 

「…お前、もしかして立花か?」

 

「はい!立花響です!お久しぶりです!まさかこんな場所でまた会えるとは思ってもなかったですよ」

 

目の前にいたのは数ヶ月前出会った少女、立花響だった。久しぶりの再開に響は明るくなるが…紅輝は先程の戸惑っていた原因を問う。

 

「それで、何かあったのか?戸惑っているように見えたが…」

 

 

「ああ⁉︎そうだった!その、チケットを無くしてしまって」

 

「チケットをか?」

 

「はい。ど、どうしよう、未来に勧められてすっごく楽しみにしてたのに」

 

 

「(まさかと思うがあの神様…これを予期して…)」 

 

 

今にも泣きそうな顔を見て紅輝は念のために持ってきたもう一枚のチケットをバックから取り出す。

 

「立花、よければこれ、お前にやるよ」

 

「えっ、いいんですか!でも…それは」

 

「もう一枚持ってるから心配すんな、どの道渡す相手もいなかったからな」

 

「ありがとうございます!じゃあ、遠慮なく頂きます」

 

少女は嬉しそうにチケットを受け取り、笑顔になる。

 

 

「あの、紅輝さん。失礼かもしれないんですけど、紅輝さんも友だちにすっぽかされた感じですか?」

 

「いや…このチケットは知り合いからもらったものだが、ホントは行くつもりは無かったんだか…勿体無いと思ってきてみたんだ。それに俺は基本学校じゃ一人だから友達と言える奴はいないな。そう言う立花はすっぽかされたのか?」

 

「すっぽかされたというか……未来が急に行けなくなってしまって、もったいないから1人で見ることにしたんです」

 

「そうか」

 

数十分後、ようやく入場時間となった。紅輝達は入場すると、響はペンライトを購入し、観客席に移動する。観客席にはすでに多くの人が座っており、会場は盛り上がっていた。

 

チケットに書かれた席を探し歩く紅輝と響……チケットはペアな為、座る場所は当然響と隣同士となる。

 

「すごい…始まってもいないのにすごい盛り上がり……」

 

「そうだな…生のライブは俺も初めてだからな。何だか新鮮だな……ん?」

 

「あれ?」

 

突如、会場内が暗くなった。そして、音楽が流れだし、ステージに明かりが点る。そこから2人の少女が出てきた。

観客席の人々は、一気にテンションが上がり、会場内は熱気に包まれる。

そして紅輝にとって見覚えのある2人の少女、天羽奏と風鳴翼が歌い始める。

 

「(生で聞くとやはり違うな、戦場の時とは大違いだ…………心にビシバシ伝わってくる)」

 

 

ノイズとの戦闘の際は協力してノイズと戦っている。しかし今の紅輝は2人の歌に魅了される。不意に隣を見ると、響が楽しそうにペンライトを掲げていた。そんな響を見た紅輝は、口元を緩ませる。

 

「(落ち込んでいたわりには、楽しんでいるじゃないか。しかし、何だ?妙に胸騒ぎがする)」

 

 

 

 

 

ーーーおい、あまり油断すんじゃねぇぞ

 

 

「っ⁉︎なんだ?」

 

 

突如頭の中から声が響く、しかし今はライブを楽しむことを優先し、静かに二人の歌を聴く。

 

するといつのまにか歌が終わってしまっており、周りからアンコールのかけ声が会場に鳴り響く。

 

「もっと盛り上がっていくぞー‼」

 

『『『『『オォオオオオオ‼』』』』』

 

会場内は盛り上がり、歌が再び始まろうとしたその時、

 

ドガァアアアアアアアン‼

 

「な、なに?」

 

「なっ!爆発⁉」

 

突然ステージの一部が爆発した。それからすぐ、上空から正体不明の物体が会場内に降りてきた。

 

「の、ノイズ⁉」

 

「ノイズだと⁉︎……」

 

人類共通の天敵…認定特異災害ノイズが会場内に現れ、次々と人々を襲っていった。襲われた人々は灰となって消えていった。

 

「人が………‼」

 

「立花‼お前は逃げろ‼俺は逃げ遅れた人を避難させる‼」

 

「えっ?こ、紅輝さん⁉」

 

紅輝はその場から立ちあがって駆け出す。すると、1人の女の子が泣きながら立っていた。そして、その女の子にノイズが迫っていた。

 

「間に合えっ‼」

 

紅輝は女の子に向かって駆け出した。ノイズが女の子に近づき、触れようとした瞬間、紅輝がギリギリ女の子に抱きつき、転がりながら魔手を回避した。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ありが……ヒグ……とう……ヒグ……お兄ちゃん」

 

「花‼」

 

「お母さん‼」

 

紅輝に助けられた女の子は、母親の元に駆け寄り抱き締められる。そして母親はイサムに顔を向ける。

 

「ありがとうございます‼ありがとうございます‼」

 

「礼はいい‼ここから早く逃げてください‼」

 

「はっ…はい‼」

 

母親は紅輝に礼を言って、その場から離れる。紅輝は後ろを振り返った。そこには、先程までいたノイズはいなくなっていた。紅輝ではなく、響に狙いを定めたようだ。

 

「立花‼逃げろ‼」

 

「あ……イタっ……‼」

 

逃げようとする響だったが、足を怪我してしまい逃げられないでいた。そしてノイズは段々と響へ近づいていく。

 

 

「くそっ!」

 

カメレオン!

 

 

紅輝はカメレオンバイスタンプを取り出し起動させると、それを自身に押印する。

 

すると紅輝の姿が大きく変わった。衣装は黒いダブルのテーラードコートに変わりフードを被り、顔を黒の覆面で隠している。

 

このバイスタンプは紅輝が独自で創り出した変装用バイスタンプである。しかしこれはあくまで変装用なので戦いには使用は出来ないし、ギフの遺伝子や細胞を持っていない者が使用すると悪魔を召喚してしまう。

 

 

ガンデフォンを取り出しガンモードにして響に襲い掛かろうとしているノイズ構えトリガーを引こうとした時…

 

だがその時、

 

「はぁあああ‼」

 

 

シンフォギアを纏った奏がノイズを薙ぎ払い、響を守った。だが今度は、奏を狙ってノイズが攻撃する。

 

「早く逃げろ‼」

 

「くっ‼」

 

響は痛めた足を引摺りながら逃げようとする。奏はノイズの攻撃を必死に防ぐが、段々と押されていくにつれ、ガングニールに亀裂が入る。

やがて亀裂が入った部分が砕け、後方に飛んでいく。

そして、その砕けた破片が響に突き刺さってしまった。

 

「しまった‼」

 

「ッ⁉︎立花ぁぁぁ‼」

 

奏と紅輝は響の元に駆け寄る。

 

「立花‼しっかりしろ‼」

 

「おい‼しっかりしろ‼目を開けてくれ‼生きることを、諦めるな‼」

 

すると、二人の必死の呼びかけに答えるかのように、響がうっすらと目を開ける。

 

 

「いつか……体の中空っぽにして、おもいっきり歌ってみたかったんだよな」

 

「お前、一体何を…」

 

「今からデケェのをやる…………あんた、その子を連れて早く逃げてくれ」

 

「………わかった」

 

響を抱き上げ、出口に向かって走り出す。すると出口付近に、避難誘導をしていた警備員らしき人ががいた。

 

 

 

 

 

「君!大丈夫かい!?」

 

「俺は大丈夫です!けどこの子が」

 

「っ⁉︎怪我をしてるのか⁉︎」

 

「……すみません、この子をお願いします!!」

 

「え?あっ、おい君⁉︎何をやっている!!戻ってくるんだ!!」

 

紅輝は響を警備員に預け、奏たちの元に向かう。

 

 

 

Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl──

 

 

「(なんだ…歌?)」

 

 

 今までの歌とは全く趣の違う歌が響き渡る。その歌は、どこか幻想的で、とても儚く聞こえるものだった。

 

「嫌な予感がする!」

 

紅輝は速度を上げ会場まで急いで戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃翼は、必死で奏に絶唱を最後まで使わせまいと、叫んでいた

 

 

 

 

 

「だめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!奏ぇぇぇ!」

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

翼の声を無視して絶唱を最後まで歌おうとする奏。その時、1体のノイズが、奏に向かって襲いかかろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?奏避けて‼」

 

 

 

「ッ!?(ヤベェ⁉︎)」

 

翼に避けるように言われる奏だが、反応が遅れ、ノイズが目の前まで迫っていた。

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

オーイングストライク!

 

 

 

 

 

 

「「えっ?」」

 

 

 

オーインバスター50を手に持った変装した紅輝が、ノイズを撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

「あ、あんた…さっきの、どうして戻ってきた⁉︎」

 

「………」

 

 

 

無言のまま紅輝は、ノイズに向かって歩き出す。それを遠くで戦いながら見ていた翼は、ノイズを斬り払い、奏の元に駆け寄り、紅輝に声をかける。

 

「ち、ちょっとあなた⁉」

 

「お、おいあんた‼普通の人間じゃノイズは‼」

 

「安心しろ。俺は普通じゃない……それ以前に、お前達とは何度も一緒に戦っているだろ」

 

「「えっ?」」

 

紅輝の言ってることを理解できない二人を残し、

 

 

デモンズドライバー!

 

 

 

紅輝は片方の手に持っている赤と黒のドライバー…デモンズドライバーを腰に装着し、もう片方の手にはスパイダーバイスタンプを手にしている

 

 

 

 

「そ、そのベルト……まさかお前!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……我が全身全霊をかけて…貴様らを潰す」

 

 

スパイダー!

 

 

ノイズに向けはなった声や表情に怒気を含めた紅輝は、スパイダーバイスタンプを起動し、バイスタンプを、ドライバーの上部にあるデモンズレッドパッドに押印する。

 

 

Deal…

 

 

不穏な待機音が鳴り、腕を上げてバイスタンプを上部に持ち上げ

 

「変身!」

 

ドライバーの正面のモニター、オーインジェクターに押印した。

 

 

Decide Up!

 

 

すると紅輝のとなり糸を垂らしながら銀色の蜘蛛が現れ…

 

 

 

Deep. (深く)

 

 

Drop. (落ちる)

 

 

Danger. (危機)

 

 

 

(仮面)Rider.

 

 

 

Demons!!

 

 

 

銀色の蜘蛛が糸を吐きながら跳び回り糸が紅輝を包み込んでスーツが形成、そして、蜘蛛が右肩に取り付き、上半身がクモの巣状の意匠に覆われ、変身が完了し、複眼が左右に一つずつ光を発する。

 

 

 

 

 

 

奏と翼は目の前の覆面をした男の姿が変わり目を見開き驚いていた。しかも二人がよく知っている相手だったから尚更だ。

 

「へ、変身した…だと」

 

「お前…デモンズだったのか⁉︎」

 

 

 

するとノイズに近づき、迫ってきたノイズに紅輝の拳がノイズの一体にめり込む、その瞬間衝撃を受けノイズだけが炭素の塊となって消えた。

 

 

 

「お前ら雑魚じゃ俺の相手になると思うな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…やっぱり強ぇ」

 

「ええ、あれだほどの数のノイズをもろともしない」

 

二人は、紅輝がノイズの軍団を次々と倒して行く姿に呆然としていた。

 

一方紅輝は、ノイズを蹴散らしていく。その時、1体のノイズが、紅輝を後ろから襲おうとしていた。

 

「ま、まずい‼」

 

「おい!後!!」

 

奏と翼は紅輝に危険を知らせようとした時には、ノイズは紅輝に攻撃を仕掛けていた。

 

だが……

 

 

「ふっ!!」

 

紅輝は、ノイズの攻撃が当たる寸前で、蜘蛛の糸をノイズに向け放ち、拘束し、ノイズを群れのいる方に向け叩き込み複数のノイズは炭化した。

 

「ま、まじかよ……」

 

「蜘蛛の糸で…」

 

「……………………」

 

二人は紅輝の対応に驚きを隠せなかった。それに構わず、紅輝は、無言でノイズがいる方を見て、紅輝はすぐさまデモンズノックを押し込む

 

 

 

Add…

 

 

コンドル!

 

 

ホルスターから別のバイスタンプを取り出し起動させデモンズレッドパッドに押印し正面のモニター、オーインジェクターに押印する。

 

 

 

Dominate Up!

 

 

紅輝はもう一度デモンズノックを押し込む

 

 

 

Add…

 

 

 

コンドルバイスタンプは違うバイスタンプを起動させ

 

 

アノマロカリス!

 

 

Dominate Up!

 

 

 

 

コンドル!

 

 

アノマロカリス!

 

 

  

ゲノミクス!

 

 

 

二つのゲノムモジュールを展開し、紅輝の背にデモンランブルジョーカーが両腕にはデモンブラディオールが武装される。

 

 

 

 

「な、なんだと⁉︎」

 

「武装を二つも⁉︎」

 

二人は今までデモンズの武装を一つの武装しか見た事がなかったため複数の武装をするデモンズを見たのは初めてだった。

 

 

 

「ふんっ!!」

 

紅輝は飛行し、デモンランブルジョーカーの羽をノイズに向け弾丸のように放ち、それを受けたノイズは炭化する。

 

 

そしてノイズの大群に突っ込みひれ状のブレードを構え、ノイズを切り裂き、右腕側に内蔵された前部付属肢を模した触手2本を伸ばして空中にいたノイズを数体を絡め取り、そのまま自身の下まで引き寄せ、左腕のカギ爪による一撃を食らわせ、ノイズを倒した。

 

ほんの数分でノイズの数をかなり減らした。

 

 

 

 

More…

 

デモンズノックを二回押し込み、待機音が流れ出し、ノイズの大群を見据えながら紅輝はデモンズノックを押し込む。

 

 

 

 

 

 

 

コンドル!

 

 

アノマロカリス!

 

 

 

 

 

デモンズレクイエム!

 

 

「うおぉぉぉっ!!」

 

紅輝は、ノイズに向かって飛翔しデモンランブルジョーカとデモンブラディオールの力を纏いながら大回転させ、攻撃の勢いは凄まじく中型ノイズの大群は一気に全滅した。

 

 

 

 

 

 

 

「す、すげぇ……」

 

「あんなにいたノイズを……」

 

 

 

 

 

 

「残るはあの大型だけか」

 

驚いてばかりの二人を他所に、紅輝は、最後の1体となった大型ノイズの方を向く。

 

 

 その瞬間、紅輝は、大型ノイズに向かって駆け出す。

 

「「デモンズ⁉」」

 

 

 

 

スパイダー!

 

 

Charge!

 

 

紅輝は大型ノイズに向かいながらスパイダーバイスタンプをデモンズドライバーのオーインジェクターに押印し、デモンズノックを押し込む。

 

 

 

デモンズフィニッシュ!

 

 

 

 

 

右足に蜘蛛の脚を実体化させ、その場で跳躍し、一点集中で飛び蹴りを大型ノイズに叩き込む。

 

 

喰らったノイズは、悲鳴のようなものをあげながら灰となって消えた。

 

「……」

 

「やっぱ、あんたすげぇな…」

 

「ん?」

 

終わったのを確認した紅輝は後ろから奏の声に振り向く。翼の手を借りながら此方に近づいてくる。

 

「あれだけいたノイズをあんなあっさりと片づけちまうなんて…流石だよ」

 

「……そうか」

 

「デモンズ……奏を助けてくれこと、感謝する」

 

 

「………天羽奏、お前はあの時何をしようとした?」

 

「それは…」

 

「…絶唱よ」

 

「絶唱?」

 

「ええ、私達が纏っているシンフォギアには切り札と言えるもの。歌えば通常時とは比べ物にならないほど高出力のフォニックゲインを得られるが、その出力と引き換えに強力な負荷が身体に掛かる。下手すると命を引き換えにしてしまうものだ」

 

 

「お前、自分を犠牲にして奴等を道連れにするつもりだったのか?」

 

「………」

 

奏は何も言わずに顔を逸らしていた。

 

 

 

 

 

「生きるのを諦めるなと言った奴が生きる事から諦めようとしてどうする!いいか!そんな事をするのはな……何も失うものがない奴がやる事だ!!」

 

 

「……それは……グッ!!」

 

「奏⁉︎」

 

奏は突如苦しみ出し、その場に座り込み、纏っていたシンフォギアが解除された。首にかけていた宝石らしきペンダントにヒビが入り、そのまま跡形もなく砕けてしまった。

 

 

「ゴホッ、ゲホッ!!ゴホッ!!アハハ…絶唱を…途中までとはいえ…歌っちまったからな…そのツケが、きたんだろう……な…」

 

「おい!大丈夫か⁉︎」

 

「奏!しっかりして!!」

 

口からは大量血を吐き、目からも血が流れていた。そして意識も失い誰からみても危険な状態だ。

 

 

すると一つのバイスタンプが光を放ち紅輝の目の前に飛来してくる。

 

「な、なんだ。何故バイスタンプが勝手に…」

 

バイスタンプは紅輝に何かを訴えるように光を放っていた。

 

「…もしかして」

 

紅輝はブランク状態のバイスタンプを手に取り苦しんでる奏に近づく

 

 

「お前、何をするつもりだ⁉︎」

 

「じっとしていろ…」

 

紅輝は翼の声を無視し、奏にブランク状態のバイスタンプを押印する。すると奏の体から黄色の光が発し、奏の顔色は良くなっていき、その光はブランク状態のバイスタンプ集まり

 

 

 

 

ガングニール!

 

 

「(なんだ⁉︎バイスタンプになった!)」

 

ブランク状態のバイスタンプが正規のバイスタンプとして変化した。橙色に槍の載ったスタンプに姿を変えた。

 

 

 

「奏!大丈…」

 

 

「……zzz」

 

 奏から返ってきたのは規則性のある気持ちの良いくらいの寝息であった。

 

「……ね、寝てる?」

 

「……ふっ」

 

 返ってきた奏の反応に翼は疑問符を浮かべ、紅輝は仮面越しから笑みを浮かべる。 

 

 

「奏に一体、何をしたの…?」

 

「さぁな…俺にもわからない…ただ、天羽奏は、もう戦えないだろう…」

 

「……そう、ね」

 

翼もシンフォギアを纏うために必要なペンダントが砕け、消失したのを見ていたので、もうシンフォギア装者して戦えないのは嫌でもわかっていた。

 

 

 

 

 

「…俺はここで失礼する…後の事は頼んだ」

 

「ええ、また…戦場で会いましょう…デモンズ」

 

 

紅輝その場から去り、その後、2人の仲間である“特異災害対策機動部”がきて、奏を急いで病院へ運び込んだ。

 

 

 

 

その後、二人も戦闘後の精密検査をおこなった所、奏の検査結果に周囲に驚きが走った。彼女の体はLiNKERの影響でボロボロだったのだが、それが綺麗に、健康体の体に治っていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、使用していたガングニールが完全に消失し、天羽奏は戦場から退く事となってしまった。

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