響は現在自分の変化に驚きを隠せない状態だった。
「えっ?なにコレ⁉」
「お姉ちゃん、格好いい‼」
聖詠を唱えた事により姿が変わり、天羽奏と似通ったシンフォギアを纏った響は、突然の事に戸惑っていた。だがその戸惑いも、目の前にいるノイズを見て頭を切り替える。
「(なんだか分からない……けど‼)何だか……いける気がする‼」
そう言った響は少女の手を握り、頭に浮かんだ歌詞を歌いながらノイズの攻撃を回避した。
「(凄い……ノイズの攻撃を私、避けてる。コレなら)「お姉ちゃん‼後ろ‼︎」えっ?」
次々とノイズの攻撃を回避していた響であったが、少しの慢心が仇となり、ノイズに背後をとられた。
「(ま、まずい⁉)」
ノイズに背後をとられ、もう駄目だと思ってしまった。
だがその時、
オーイングスラッシュ!
「「えっ?」」
突然光の斬撃が飛んできてノイズを斬り裂く。斬撃を放ったのはデモンズへと変身し、オーインバスター50を構えている紅輝だ。響の背後をとったノイズを、アックスモードのオーインバスター50の斬撃を放ち斬り裂いたのだ。
斬り裂かれたノイズは灰となって消え、デモンズは響の前に立つ様に着地した。
「……仮面、ライダー…」
「わぁ!」
響は日本ではツヴァイウィング並に知らないものはいない存在とされているノイズと戦う戦士、仮面ライダーが目の前にいた。
「あの…「何故」えっ?」
「何故お前が、それを⁉︎」
紅輝は驚いた様子で響に質問した。彼も内心かなり混乱している。
「え、えっと、分からないんですけど、何か頭に歌詞?って言えば良いのかな?歌詞みたいなのが思い浮かんで、それを呟いたらコレが体に」
「歌詞?……ッ⁉︎(…響の体には摘出されていない天羽奏が使っていたガングニールの破片が残っている…あの時の破片が今になって響に影響を及ぼしたのか?)」
紅輝は響の体内に残っているガングニールの破片を思い出し、それが何かしら影響を及ぼしたのだと結論した。
「あの、あなたはコレが何か知ってるんですか?」
「詳しい事は分からん。簡単に言えば、それを纏っている状態でいればノイズを倒せる事ってくらいだ」
「ノ、ノイズを⁉な、なら‼」
「君は戦うな」
「な、なんでですか⁉」
「今の自分の状態を見ろ。その子を危険に晒す気か?」
「……あっ」
自分の状態を確認した響は、彼の言葉の意味を理解した。響の腕の中には少女がいることに気がついたのだ。
「その娘を抱えながらでは、戦い方を知らないお前じゃ守れない。お前はその娘を守ることだけを考えろ。わかったな?」
「わ、分かりました‼えっと……私、立花響です‼」
「(こんな時に自己紹介とは…)」
知り合いが目の前にいるのに自己紹介をしてきたことに紅輝は仮面越しから苦笑いを浮かべる。
「いいか?俺が合図したらこの場から全力で…………ん?」
「えっ?」
紅輝は響への指示を途中でやめ、ある方向に視線を向ける。紅輝につられ、同じ方向に視線を向けると、光を放つ何かが、此方に向かって来るのが見えた。
「あれって…………」
近づいて来るバイク……
そして一台のバイクとその操縦者は紅輝たちを横切り、ノイズに向かって加速していく。
「ちょっ⁉あのままじゃ⁉」
「……いや、心配はいらない」
「えっ?」
バイクの操縦者を心配して慌てる響を落ち着かせるように紅輝は答えた。
響は何故そう言い切ったのか不思議に思いながら、デモンズの顔を覗き、再びバイクの方に視線を戻す。
その時、操縦者は空に高く翔び上がり、一台のバイクだけがノイズにぶつかって爆発した。
そして
「
1人の操縦者、翼は聖詠を唱えそれぞれシンフォギア天羽々斬を纏って、紅輝達の前に着地した。
「え…………えぇえええええ⁉つ、翼さん⁉」
「遅かったか?」
「いや、問題はない」
「そうか、それよりその子は……」
「ああ、わかってはいると思うが、天羽奏と同じ物だ。おそらく二年前の怪我が原因だろう…」
「…っ」
それを聞いて、翼は複雑な表情を浮かべ、響はただただ、頭が混乱していた。
「とりあえず今は後ろの二人を守りつつノイズを倒す。それでいいな?」
「承知した。えっと……」
「ひ、響です‼立花響」
「では立花、あなたはその子を守りながら、ノイズの攻撃を避けることだけに集中して。いいわね?」
「は、はい‼」
「よい返事だ。その子は任せたぞ」
「なら、俺も少し飛ばしていかなければな」
Add…
紅輝はデモンズノックを押し込み、ベルトのホルダーから別のバイスタンプを取り出した。
スコーピオン!
Dominate Up!
Add…
スコーピオンバイスタンプをデモンズレッドパッドに押印し正面のモニター、オーインジェクターに押印し、すぐさまデモンズノックをもう一度押し込む。
メガロドン!
メガロドンバイスタンプを起動させ、 デモンズレッドパッドに押印し正面のモニター、オーインジェクターに押印する。
Dominate Up!
スコーピオン!
メガロドン!
ゲノミクス!
デモンズ腰部から蠍の遺伝子情報を反映した巨大な尻尾【デモンライドルスティンガ】を武装し、両腕には【デモンディヴァインブレード】を武装する。
見た目は仮面ライダーリバイの使うメガロドンゲノムの【ディヴァインソード】に酷似しているが、リーチは長く、刃は牙の様な見た目だ。
「いくぞ‼」
「承知!風鳴翼、推して参る‼」
デモンズを先頭に、翼が刀型のアームドギアを構えて、ノイズの大軍に突っ込んだ。
「ハァッ‼」
「はぁああああああああ‼」
デモンズは、両腕の【デモンディヴァインブレード】でノイズを斬り裂き、腰部の【デモンライドルスティンガ】を自在に操り、ノイズを尾で叩きつけ、締め倒し、鋭い尾の針で数体を貫く。
翼はアームドギアの刀で次々とノイズを斬り裂いていく。それを見ていた響は驚くことしかできなかった。やがて二人はは、背中合わせで1ヶ所に集まる。そして周りにはまだ、ノイズが大量にいた。
「……風鳴翼、ここは二手に分かれないか?」
「問題はない」
「ならば、大型ノイズは俺に任せろ。お前は残りの雑魚を頼む」
「承知した!」
「よし、行くぞ‼」
紅輝に大型ノイズ2体を任せた翼は、ノイズに向かって跳んだ。
「はぁああああああああ‼」
蒼ノ一閃
翼は飛び上がり、その刀を巨大化、一気に振り下ろし、エネルギー刃を放ち、一気にノイズを両断する。
そして更に剣の形を変えそして次の瞬間、刀をノイズに向かって投げる。
それが、一気に巨大化し、見るも巨大な大剣けと変化する。その柄頭を、ブレード部分のブースターで加速した翼は蹴り込み、一気にノイズに叩きつける
天ノ逆鱗
ノイズはこの攻撃で炭化する。
「流石だな…更に腕を上げたみたいだな。俺も負けてはられないか…」
More…
紅輝はズノックを二回押し込む。待機音が流れ出し、大型ノイズを見据えながら紅輝はデモンズノックを押し込む。
スコーピオン!
メガロドン!
デモンズレクイエム!
両腕のデモンディヴァインブレードにエネルギーを纏わせ、腕をクロスさせ、斬撃を放つ。その斬撃は大型ノイズを斬り裂き、炭化と化す。
紅輝は攻撃の手を緩めず、腰部のデモンライドルスティンガをもう一体のノイズに向け伸ばしそのまま拘束し、自身に引き寄せる。
「はっ!」
デモンディヴァインブレードを構え噛み付く様に攻撃するとエネルギー状のメガロドンが出現しそのまま拘束した大型ノイズを噛みちぎり、ノイズは炭化する。
一瞬にして大型ノイズを倒したその光景に、響は目を奪われてしまう。
「す、すご~い‼」
「ふっ、流石だな」
ノイズを全て倒した紅輝たちは、響と少女の元に歩いていく。
すると、急に奥から黒塗りの車が何台も出てきて、響たちを囲むように止まったかの思えば、黒服の人が何人も降りてきた。
「……えっと、この人達は?」
「大丈夫だ。この者達は私の仲間だ。心配しなくてもいい」
「は、はい」
「ママ‼」
翼の説明に響はなんとか納得したその時、響が抱き抱えていた少女が、響の腕の中から抜け出し、母親がいる元に走っていった。
「あの子、お母さんと再会できて良かった」
母親と抱き合い、笑顔になった少女を見て、響は安心する。
その時、響が纏っていたシンフォギアが突然光だし、光が収まると、シンフォギアは解除され響の姿は制服を着ていた時の状態に戻った。
何が起きてるのか分からない響の元に、コップを持った女性が近づいてきた。
「あったかい物どうぞ」
「あったかい物?ありがとうございます。…………はぁ〜、美味しい」
「よく頑張ったな、立花。あそこで怯えずあの子を守るとは、大したものだ」
「あ、ありがとうございます翼さん‼先程は助けてくれて。実は私、翼さんに助けてもらうのは2回目なんです」
「……そう」
響は翼の表情が気になり何か言おうとしたその時、翼の通信機に通信が入った。
「こちら翼…………はい、ノイズはデモンズと共闘し残滅は完了しました。……はい、ガングニールを纏った装者はここにいます。…………了解」
通信を終えた翼は通信機をしまい、響に近づく。
「立花、すまないが今から私達が所属する組織の本部に動向してくれないか?」
「あ、はい。大丈夫ですよ」
「ありがとう。では念のために」
ガチャン!
「へっ?」
響から了解を得た瞬間、響のすぐ傍に所謂優男的な男が立っていた。どこから取り出したのか分からないが、でかい手錠を取り出して響の腕にはめた。
「えぇええええええ⁉な、何ですかコレ⁉」
「すみません。貴方の身柄を、拘束させていただきます」
「そ、そんな~‼」
響に謝った緒川は響を車に押し込んでいった。余りに手際のいい作業に紅輝はただ呆然と響が連行されるのを見ることしかできなかった。
「……手錠まで必要あるのか?」
「すまない、念の為の処置と言う事で理解はしてくれるか?」
「……俺の時は無しだぞ?」
「…善処はする」
翼は紅輝がいずれニ課に入るのは知っているので約束を取り付ける。
「しかし、お前の言った通りになったな……デモンズ」
「ああ、だが…はじまりに過ぎないだろうな…ここから確実に何かが起き始める。精々研ぎ澄ませておけ、風鳴翼」
「………」
翼は紅輝の言葉に無言に頷く。それを確認した紅輝は翼に背を向け歩き出す。
「俺はこれで失礼する」
バット!
紅輝はバットバイスタンプを起動させ、そのまま地面に押印する。すると、影から蝙蝠のようなものが大量に出現しデモンズの姿が見えない程周りを飛び回る。そして蝙蝠は散り散りになるとその場に紅輝の姿はなかった。
それを確認した翼は車に乗り込み、ニ課に帰投するのだった。
「響、お前は絶対に…こっちに踏み込むだろうな…」
現場から離れた紅輝はこれから先、響が非日常に関わる事に、複雑な心情を持ちながら頭を抱えていた。