世界の壊変   作:nof

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第1章 
第1話 異変、または調査、その始まり。


「うん? ……もう朝か」

 

 あまりにも強かった光が収まって目を開くと、元いた俺の部屋だった。さっきまでの出来事が夢だったんじゃないかとミクとのやり取りを思い出しながら暫くぼーっとしているとスマホが鳴った。

 スマホを確認すると中々な時間で、そろそろ家を出て学校に向かわないと遅刻になってしまう時間だった。ささっと準備をして学校へ向かう。これ間に合うか?

 

 

 

 

 

 

 なんとか学校に間に合った。遅刻した事がないからこのまま学校生活を終えたい所なのだ。指導とかされたくないなと思う。

 休み時間に改めてスマホを確認するとUNTITLEDが入っていた。昨日今日のあれは夢じゃなかったことが確定した。まあミクだったもんな、完全に。

 ただ、確かに布団には潜ってたがあっちのセカイにそんなに長い時間いただろうか。一晩経ってるとはさすがに思わなかった。やっぱり時間軸が違うのかな。

 

 なにはともあれ、調査だ。現象と協力者についてだ。現象については噂やらsnsやらでどうにかなりそうだが、協力者か。で、ヒントは知り合い。

 うーん、心当たりがない。このことだけを聞いてまわるのも不審者っぽいし、 遠回しに聞いてみないとだめか。

 

 

「……そろそろ授業か。一応噂に乗って聞いてみるかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、物の見事に惨敗しましたとさ」

 

 

 あれから休み時間や放課後に聞き回ったが、協力者っぽい人がいなかった。噂のついでのように遠回しにミクやセカイの事を聞いてみたが、それっぽい反応はなし。代わりに噂については色々と聞くことは出来たものの、真新しいものは無かった。

 噂で一貫していたのは、ボカロを忘れているということ。ある一つの曲だけだったり、作者だったりと範囲は違いがあったものの、ボカロということは変わらなさそうだった。おそらくボカロだけ、という範囲がわかっただけよかったかもしれない。

 ざっくり言ってしまえば進展はほとんどないんだけれども。ミクに一回報告しに行った方がいいかもしれないな。

 

 

「はあ……ん? あれは!?」

 

 

 目の前を歩いているうちの高校の生徒がイヤホンを耳に付け曲を流そうとした瞬間、スマホから光が溢れ出し、その生徒が倒れた。あれが噂の現象なのか? 倒れるなんて聞いてないぞ!?

 倒れた生徒の元へ走り、声をかける。意識があるといいが。

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

「うむ……? オレはどうしてここに。とにかく、早く帰らなければ。咲希が待っているはずだ、こんなところで道草を食っている場合ではない!」

 

「うお、元気溢れすぎでは……? というか大丈夫そうで良かったです」

 

「おお、見知らぬ君……弓弦じゃないか。どうしたんだこんなところで」

 

「どうしたんだって、急に倒れたんですよ……司先輩? 珍しいですね、こんな時間に1人で帰るなんて。それにイヤホンなんか着けてましたっけ?」

 

 

 急に倒れたことに動揺していたが、改めて見ると司先輩だった。ひとつ上の先輩で、神高のヤバいやつの片割れと呼ばれている。関わりはたまに話すぐらいでそんなにないはずなんだが、覚えられていたみたいだな。

 ……キャラ濃いし、この人だったり? 知り合いだし……でもなあ。

 

 

「イヤホン? というか、そうか、オレは倒れていたのか……。介抱してもらったうえに心配してもらってありがたいんだが、オレは妹との約束があってな。急いで帰らねばならぬのだ。礼はまたする」

 

 

 そう言ってスタスタと去っていこうとする司先輩をなんとか引き止める。原因はわからないが倒れた人をそのまま1人で帰らせるのは怖いものがあるし、どうせなら色々と聞いてみたい。そう思って司先輩を呼び止める。

 

 

「いくらなんでも今倒れたばかりの人を1人で帰らせる訳にはいきませんよ……家まで送りますよ。何かあったら、妹さんも心配するでしょうし」

 

「む、それもそうか。……なら頼むとしよう。妹を心配などさせたくないからな」

 

 

 なんとか司先輩を説得し、家まで送ることに成功したが、 司先輩の妹である咲希さんの話がマシンガントークで繰り出されたおかげで何一つ聞けなかった。

 司先輩、咲希さんのこと好きなんだなあ。仲のいい兄妹って珍しいと勝手に思うのだが、どうなのだろうか。知り合いの姉弟はあまり仲良くないらしいから少し意外だ。

 明日、司先輩に改めてボカロ知ってるかとか、覚えてるかとか聞いてみるか。そういえば……咲希さんとの約束守れたのかな? それもちょっと気になるし、聞いてみよう。

 色々とあったうえに司先輩というあまりにも濃い人と関わったからか、俺は家に帰ったあと倒れるようにすぐ寝てしまった。

 

 

 

 

 あれから翌日。つまり今日。朝は遅れることなく普段通りに登校し、休み時間は噂についての聞き込みをして、放課後になった。

 昨日から変わったことはほぼなく、元々あったものの延長ぐらいのものだった。ただ、昨日よりも噂が広がっている気がする。とりあえずわかったことだけでもミクに報告すべきだろうか。

 悩みながら歩いていると、ベンチに座っている司先輩がいた。随分と落ち込んでるみたいだし、昨日あれから何かあったのか?

 

 

「司先輩、どうしたんですか?」

「ん、ああ弓弦か。いやなに、咲希と少しあってな。オレがやらかしたのはおそらくそうなんだが、どうしてもわからなくてな」

「やらかしたけどわからない? それってどういう事なんです?」

 

 

 司先輩に話の続きを促すが、何故かとても嫌な予感がする。どこかで感じたような……そうだ。まるであいつの時みたいだ。

 

 

「音楽ってなんだ?」




第1章
メイン 白猫
サブ 奏演、もやしらいふ
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