あなたは、目の前のウマ娘と契約することにした。
決して彼女の勢いに気圧されたわけではない。
……たぶん、おそらく…………きっと。
ともかく。
あなたは新人トレーナーであり、いきなり自分のチームを持てるほどの実績も、コネもない。
まずは1人のウマ娘の専属トレーナーとして始めるのがよくあるパターンだが、しかしそれすらも難易度が高い。
ウマ娘からしてみれば、たいした実績のない新人トレーナーに自分の競技人生を任せるよりも、知名度があり実績も充分なベテラントレーナーか有名チームに担当してもらいたいに決まっている。
新人トレーナーには、最初の1人をスカウトするだけでも非常に大変なことなのだ。
なんなら、あなたは最初の数年はどこかのチームで見習いとして雑用に勤しむ未来も検討していたくらいだ。
しかし今の状況はどうだ。
こちらからスカウトするまでもなく、まさかの逆スカウト。
しかもこちらの経歴は不問ときた。
動機は「良い人」という非常に意味不明なものだし、まだ彼女がどれほどの才能を秘めているかは分からない。
しかし「一期一会」という言葉がある通り、ゴールドシップの焼きそばを通じて出会えたのも何かの縁だ。
――分かった。契約しようか。
「本当!? やったー!」
こちらの意思を告げると、ウマ娘は小躍りして喜ぶ。
あなたが差し出された契約書に自分の名前を書く。
そこのウマ娘の欄に書かれた名前を見て、ようやくあなたは自分が担当するウマ娘の名前を知る。
――『ミスターツルハシ』?
「うん、そうだよ! あれ? 自己紹介まだだっけ?」
罰が悪そうに頭をかいたミスターツルハシは仁王立ちになり、ビシリと天に4本の指を突き立てた。
「わたしの名前は『ミスターツルハシ』!
目標は全距離G1制覇!
短いのも長いのも、勝つのは全部わたしだから!
そこんとこヨロシクね、トレーナー!」
とんでもない目標を口にした。
しかしあなたがその発言の衝撃を噛み締める前に、ちょっとした突風が吹いた。
ブワリと舞い上がるミスターツルハシのスカート。
そこで堂々たる輝きを放つパンツ――水色だった――は、幸いにもあなたの目に入らず。
あなたの目には、スカートで隠されていた生脚だけが見えていた。
あなたはその肥えた目でもって、ミスターツルハシの距離適正を瞬時に計ることに成功する。
短距離A マイルB 中距離C 長距離G
「うえぇぇぇあ!?」
顔を真っ赤にして必死にスカートを押さえるミスターツルハシと反対に、あなたは天を仰いだ。
今この娘はなんと言った? 全距離G1制覇? そんなことしたウマ娘が過去にいたか?
……うん。いた、ような気がする。小さい頃に何かの番組で短距離と長距離を制したウマ娘がいたはずだ。
でもこの娘、長距離適正ないんですけど?
「み、見た……?」
――マジかぁ……。
「ひ、人のパンツ見といてその反応はなんだぁぁぁぁぁ!!!」
ぶべらっ。
あなたはその日、人間ロケットとなり空を飛んだ。
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ルート固定【ミスターツルハシ】育成シナリオを開始します。
※あなたが新しい特徴を獲得しました。
【朴念仁】
自分の担当ウマ娘の考えていることが察しにくくなります。
これは他のどの特徴よりも優先されます。
どうする?
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芝で走る
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プール
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ダートで走る
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坂路
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勉強