ひゅぉぉぉぉぉぉ......。
魔王「勇者...。」
崖の上から魔王が眺めていた。
魔王「あーあ。バズズ程度に負けるのなら、竜星には勝てないなぁ。」
バズズと魔王の仲は魔王仲間。
バズズも魔王。魔王も魔王。
魔王の名は”ティターニア”
妖精の女王の名を冠する魔の王
大きさはというと人間の少女並の大きさしかない
魔王「やっぱり、自分のペットは自分で躾けるしかないかぁ。」
そう言うと翼を広げて飛び立っていった
僧侶「バグって賢(けん)しか装備できない」
スライム「で?どうするの?その盗賊。」
僧侶「・・・」
たしかに裏世界で出会った盗賊。
しかし、私のことは覚えてないようだった。
盗賊「ん、、、。」
スライム「あっ、気が付いた?私はスライムの職の戦士。あはは、なんかややこしいね。」
盗賊は何かを訴えるようにこちらを見上げている
スライム「あー...。さるぐつわだけでも外してあげようか?」
盗賊「ぷはっ!なんなの?そりゃ襲ったのはこっちだけど襲い返すなんて常識ないでしょ...。」
僧侶「盗賊。覚えてないのか?私のこと。」
盗賊が首を傾げる
盗賊「私たちさっき初めて会ったよね?」
僧侶「じゃあ、”その前”は?」
盗賊「そのまえ?あっ、勇者にあったかな・・・うん・・・。」
お茶を濁すかのように言う
スライム「勇者?ははーん?それでか。あんた言ったでしょ?勇者になるためにって。勇者に助けられて憧れたってわけだ。」
盗賊「そ、それは...その...。」
言い淀む盗賊に言い放った
僧侶「あなたには私たちの旅に同行してもらう。拒否権はないよ。」
盗賊「!?」
ぎょっとした目で僧侶を見つめる
スライム「・・・言いにくいんだけどさ・・・こいつと握手したでしょ?私の知らない所で。」
戦士が不貞腐れながら言った
盗賊「いいや?してないけど?」
僧侶「嘘だ!!握手したでしょ!?」
盗賊「むっ。してないって!しつこいよ!」
スライム「まあまあ。落ち着いて・・・」
僧侶・盗賊「スライムは黙ってて!!」
スライム「ピギー・・・。」
僧侶「いい?盗賊には世話になったから恩返しがしたいだけなの。他意はないから。」
盗賊「世話って何?LV1に世話になったっての?」
盗賊 LV1
僧侶「え?はっ?えっ??」
盗賊「ほらね!やっぱり嘘じゃん!早く放してよ!」
たしか、盗賊のレベルは30だったはず。
僧侶「レベルが下がった・・・?いや、おじいちゃんに聞いたことがある。”時間を操る魔法”のことを。」
スライム「まま、おちついておちついて?盗賊も私たちの旅についてきたらレベルも上がるし、早く勇者になれるかもよ?」
盗賊「それは・・・そうかもだけど。」
スライム「じゃああらためて」グッ
僧侶「最初からそのつもりだけど?」グッ
盗賊「ぐっ?」
スライム「これでパーティー組んだからね。仲間ってコト。」
盗賊が仲間になった!
盗賊 LV.1
ぶき:どうのつるぎ
よろい:ぬののふく
たて:おなべのふた
かぶと:ぎんのかみかざり
アクセ:なし
僧侶「あっ、そのかみかざり......」
盗賊「これがどうかしたの?」
僧侶「ううん...なんでもない」
僧侶は分かっていたのかもしれない
こいつが”盗賊”であって””勇者””ではないことに。
僧侶「バグって賢(けん)しか装備できない」
「きゃーーーーーー!!」
バズズ「くはは!騒げ!泣け!喜べ!俺たちの食料になれることを」
配下の魔物たちと表面世界の村々を襲うバズズ。
盗賊「まて!バズズ!私が狙いだろう!?民間人を襲うのはやめろ!」
「勇者さま!たすけてくださ・・・」グサッ!
バズズ「くはは。見逃すわけがないだろう!?馬鹿め!」
死体となった村人を蹴るバズズ。
キン!!
バズズを守るようにさまようよろいが立ちはだかる。
盗賊「くっ!また逃げるのか!?バズズ!」
バズズは振り返ることなく立ち去った。
残った村人が話しかけてきた
村人「勇者さま。もうシャナルータを使うのはやめなされ。お体に障りますぞ。」
首を振ってこう答えた。
盗賊「シャナルータを使わないとバズズがあらわれても対処できない。だから」
村人「わかっております。だから、私の息子を旅に連れて行ってくだされ。お願いします。」
少年「・・・。」
盗賊「少年・・・?せっかくだが」
村人「ただの少年ではありませぬ。”事情はすべて飲み込んでおります”」
少年はこちらを強く見つめている。
盗賊「・・・わかった。責任をもって世話をしよう。」
勇者(嗚呼......この世はどうしてこんなにも醜く)
盗賊が少年に笑って見せた。
勇者(そして美しいのだろう)
———巨鳥の巣———
盗賊「ここが私たちのアジトだ。”A4”と呼んでくれ。」
少年「A・・・?」
盗賊「昔、妖精にあったことがあってな。その妖精がアジトの頭文字をとってそう呼んでいたのでな。」
盗賊はフードを取ると椅子に座った。
少年「!!」
盗賊「?。ああ、この傷か?昔、魔王につけられてな。」
少年「ち、ちがいます。髪飾り。勇者さまがつけてると思わなくて。」
古ぼけた銀の髪飾りが見えた。
盗賊「ああ。似合わないだろう?昔”彼女”にプレゼントされたんだよ。」
少年は首を傾げた。
少年「勇者さまは女なのに彼女がおられるのですか?」
盗賊「その話はまたこんどな。」
そういうと額にデコピンをした。
少年「あいたー......。」
盗賊「少年。前衛職はこのぐらいで痛がらないぞ?む?そういえば名前を聞いてなかったな。」
少年「ロトです。」
盗賊は1拍間をおいて驚いた。
盗賊「なるほど。その名前は口に出してはならない。いいか?キミのことを呼ぶときには・・・そうだな。”勇者”と呼ぶから慣れてくれ。」
少年は赤くなり、はなを掻いた。
盗賊「勇者の娘、ロトと共に歩まん。祖は即ち、ロトなりき。ロトの剣、魔王の手に落ち、世界を混沌に包まん。」
少年「?」
盗賊(カギを持ちし者との開墾、それ即ち、魔王と和解の道。)
少年「勇者さま?具合でも・・・。」
盗賊「やっぱりわたしは勇者じゃなかったんだ。」
勇者『バグって嫌(けん)しか装備できない』
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