僧侶「バグって剣しか装備できない」   作:中村翔

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ノークライムの町~賢者の住む洞窟(最深部)

———ノークライムの町

 

僧侶「・・・」

スライム「・・・」

盗賊「どうしたの?食べないの?」

ソーシュたちの目の前には山盛りの肉!

そして盗賊の目の前には金ぴかな装飾品の数々。

スライム「とうぞくってさぁ・・・僧侶と食の好み似てるよね。」

僧侶「私でもさすがに肉だけっていうことはないよ。」

とうぞくの前から肉が出たり消えたりを繰り返していた。

僧侶「そう言えばノークライムの町って言ったら鉱山だよね?」

遠くの方でキンコンと鉄や銅などの金属を掘る音が聞こえる。

僧侶(そういえば、このあたりだったっけ?賢者の住んでいる洞窟って・・・おじいちゃんが若いころからいるらしいけどまだ生きてるのかな?だとしたら一体何歳だよ!って話なんだけど)

スライム「こんな町に長く居座っても良いことないし、明日には出発しよう。」

ソーシュが食べるのを止めてスライムに食って掛かった。

僧侶「なんで!?賢者だよ!?賢者!!魔法書とか意味わかんないくらい強いアイテムとかくれるかもだよ!?」

スライム「へっ?賢者??魔法書??アイテム????」

盗賊「ここら辺に賢者が隠れ住んでるって噂があるんだよ。でも、そんな偏屈な爺さんに会おうなんて人はいなかったんじゃないかなぁ?」

とうぞくの金品の中に一際目立つ古い地図があった。

ソーシュがそれを取り広げて見せた。

僧侶「まず、ここがノークライムの町でしょ?怪しいところが三つくらいあるんだよね」

ソーシュが地図に〇をつけていった。

金鉱山=麓の窪地

鉄精錬所=近くの小屋

町=近郊の洞窟

スライム「これ全部回るの?っていうか、賢者いても仲間にはできないよ?」

盗賊「なんで?」

僧侶「パーティーは3人以上はくめないんだよ。」

まずは近場から・・・という提案を蹴って盗賊が一言。

盗賊「金鉱山いこうよ。金がそこら中に転がっているんでしょ?」

———金鉱山に許可なく立ち入ることを禁ずる。立ち入ったものは何者であろうとも即刻処断することとする。

僧侶「処断・・・って死刑ってことだよね?刑が重すぎない?」

スライム「金がそれくらい貴重で価値があるってコトでしょ。」

盗賊もあきらめたようだ。

僧侶「麓の窪地だからこのへんかな?」

人が住んでいるような気配はなさそうだ。

さすがの賢者といえども一歩間違えれば死ぬようなところにはいないらしい。

金鉱山から調べるということで遠くの方から調べることになり次は鉄の精錬所の小屋だ。

※注意※鉄の精錬所が近くにあるためこの小屋で休んだりしないでください。毎年死人が出ています!※注意※

スライム「書いてること、こわっ!なんで死ぬの!?」

僧侶「鉄って1538°Cなんだよ。相当な熱さだからこの小屋の中は・・・。」

スライム「こわいこわい!この小屋の中は・・・ってなに!?こわ~・・・」

盗賊は窓から小屋を覗いて後悔していた。

最後に来た場所は町近郊の洞窟。

———このあたりの鉄はとりつくしました。炭鉱夫は東のCの3エリアで募集中です。

僧侶「これみて」

スライムと盗賊が看板をのぞきこんだ。

看板『賢者の洞窟』

全員『露骨~~~!!!』

賢者の洞窟1F

僧侶「多分だけどこの洞窟モンスターでないよね。気配がない。」

盗賊「でも宝箱はあるよ。・・・なんか不気味だね。」

かぱっ!宝箱を開けた。

12Gてにいれた。

かぱっ!宝箱を開けた。

76Gてにいれた。

かぱっ!宝箱を開けた。

300Gてにいれた。

盗賊「しけてんねえ!!」

僧侶「ああ~!なるほど?つまりこれ賢者が入れてんだよ。人が来ないから適当な物いれて人が来た時に最終回層まで下りてくるように?」

スライム「にしてももっとマシなのいれなかったんかな?薬草でもわりかしありがたいけど。」

賢者の洞窟地下1F

かぱっ!宝箱を開けた。

ひのきのぼうをてにいれた。

かぱっ!宝箱を開けた。

ひのきのぼうをてにいれた。

かぱっ!宝箱を開けた。

ひのきのぼうをてにいれた。

スライム(てきとーすぎる!!)

僧侶「そう言えば、私武器何にも装備してないや。ん?ひのきのぼうってだれでも装備可能じゃなかったっけ?」

ソーシュはひのきのぼうを装備した。

僧侶「ああ~・・・装備出来ちゃった。装備したところで魔力は上がんないけどね。」

賢者の洞窟地下2F

かぱっ!宝箱を開けた。

中身は空だった!

かぱっ!宝箱を開けた。

ローブが入っていた!

ローブをてにいれた。

僧侶「そういえば私装備何つけてたっけ?」

僧侶

ぶき:ひのきのぼう

よろい:なし

たて:なし

かぶと:なし

アクセ:なし

スライム「ぷふっ!裸にひのきのぼう付けた変態じゃん」

僧侶「むっ!そこにローブを付けます!」

ソーシュはローブを身に着けた

盗賊(よけい変態度あがってる気が・・・。)

賢者の洞窟最奥部

盗賊「鍵かかってる・・・。」

ソーシュは最後の鍵を使った。

盗賊「!?それって伝説の最後の鍵?」

僧侶「ん?伝説って?」

盗賊は息を吸ってこう答えた。

盗賊「鍵を持ちし者との開墾、それ即ち、魔王との和解の道」

僧侶「魔王は」

「だれ!?」

耳の垂れたエルフが顔を出してきた。

スライム「えっと・・・あなたがこの洞窟に住んでるっていう賢者さん?」

エルフは耳をぴょこりとあげると名を名乗った。

賢者「こ、こんにちわ・・・わわ、私の名前はルフェドル=シエットよろしくね・・・?」

僧侶(ミドルネームがある!?)

賢者「そうだよ。エルフの中でも高齢な者にはみ、ミドルネームが・・・あるんです。」

僧侶「こころをよんだ・・・?」

賢者は耳に手を当てながら喋った。

賢者「エルフっていう生き物はね・・・隠しがちだけど、耳に読唇ができる・・・波長の変化があるんだよ・・・です。」

スライム(ルフェ・・・ドル?シエット??なんて呼ぼうか・・・。)

盗賊(何だろう?この人って前にあったことあったっけ・・・?たしか・・・。)

賢者「わわっ、いっぺんに喋んないで・・・私のことは”ルフェ”って呼んで・・・ね・・・?それと勇者くん」

スライム・盗賊・僧侶(ゆうしゃ?)

ルフェは焚火の暖炉から一冊の本を取り出した。

賢者「これは語り部賢者の語る伝説。ロト伝説・・・です」

 

賢者「バグって験(けん)しか装備できない」

 

ルフェ「勇者ロトの前日譚から・・・はじまります」

 

―――半世紀前

 

ロト「勇者さま。バズズ・・・というか魔王を名乗る魔物は複数いるということは勇者さまの額に傷をつけたのはバズズなのですか?それとも・・・。」

 

シエスタ「忘れたのか?勇者を名乗るのは君だって言ったろう。そして質問の答えはバズズではない。だ。」

 

勇者はごくりと唾をのんで聞き返した。

 

ロト「それはどんな魔物だったんですか・・・?」

 

盗賊は鼻についた煤をこすりながら言った。

 

シエスタ「とてもきれいな羽根を持った妖精の女の子だったよ。名はティターニア。」

 

勇者の足元には盗賊の使用した針金の残骸が転がっていた。

 

盗賊は鍵のかかった一個の箱を開けるために針金を数本無駄にしていた。

 

ロト「妖精は確か滅んだはず・・・。」

 

シエスタ「そう。妖精には、たまに悪思想を持って魔物に寝返るように仕組まれた個体が存在するらしい。それも彼女は特殊でね。」

 

勇者のあたまに”?”が浮かんだ。

 

ロト「特殊?ですか?」

 

シエスタ「そう。特殊。その個体に刻まれる呪いともいうべき特性を克服し、魔物としてではなく魔王として魔物を使役し遊ぶ女王。それがティターニア。」

 

がちゃり。

 

ロト「中身は!?」

 

シエスタ「剣だな。」

 

西洋剣の柄の部分にドラゴンの模様が描かれていた。

 

ドラゴンキラーなら腕を覆うように装備する形になる・・・が。

 

この剣は通常の西洋剣なので鋼のつるぎにドラゴンの模様をあしらった特別製に思えた。

 

シエスタ「そういえば勇者は剣は持っているのか?」

 

ロト「あぶないからと、禁止されていました。」

 

盗賊は今しがた掘り当てた剣を渡した。

 

シエスタ「これは君が使うといい。就職祝いって奴だ。」

 

勇者は喜びのあまりすぐ後ろにいたメタルドラゴンを真っ二つにした。

 

シエスタ「・・・・・・・・・」

 

ロト「どうなさいましたか?勇者さま??」

 

シエスタ(ドラゴン特攻の付いたオリハルコン製の剣・・・?まさかな・・・。)

 

ルフェ「勇者ロトの前日譚」




この小説はpixivでもご覧いただけます。
この部分(ノークライムの町〜賢者の住む洞窟)からpixivと違う展開を予定してます。pixivの方の更新予定は未定です。

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