やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。 作:あかう
筋肉ヤベェ!
な、回です。
・・・今回賛否両論分かれそう。
筋肉だからってことで許して。
インドラ・ファミリアのホーム。
今、そこでベル・クラネルのステイタス更新が行われていた。
なんだかんだLv2になってから初のステイタス更新なので、主神インドラもベル君も期待している。
特にインドラは「私由来のなんか発現しろ〜」と物凄い期待していた。
と、どうやら更新が終わったようだ。
「よし! できたよ! これがLv2になってから初めてェェェェェええええええええええええええええうぐアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!! スキルがァァァァァァァァァァァァぁぁぁぁぁァァァァァァっあああァァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁアアアアアアア!!! スキルの名称があああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!」
最近見たぞこの光景。
前回は魔法だったが今回はスキルらしい。
と、そんなわけでベル君の新しいステイタスは、
ベル・クラネル
Lv2
力:I0→EX 2053
耐久:I0→EX 2963
器用:I0→I 7
敏捷:I0→I 12
魔力:I0→I 21
筋肉:I→H
魔法
【ティタノマキア】
・変更点無しのため省略
スキル
【
・力、耐久の経験値に倍率(現:16倍)
・他は変更点無しのため省略
【
・変更点無しのため省略
【
・常時筋肉を持たない生物及び物体への破壊補正
・怒りが一定以上になった時、特殊状態異常「怒り」発動 これは状態異常耐性の効果を受け付けない
・「怒り」発動時
全アビリティに極大補正
周囲に威圧効果
【ガンガダーラ・バージョー】を自らを対象者として発動
【ティタノマキア】の詠唱及び効果変更
→【ラハショガッテン・マハーデーヴァ】
・召喚魔法
・召喚される人型実体の体型は術者の詠唱時の体型に依存
・詠唱時【ガンガダーラ・バージョー】が発動していた場合、融合する
・身長は調節可能
・身長は高くする程消費精神力も増加
・人型実体のステイタスは、詠唱時の術者のステイタス(潜在値含む)×筋肉一筋の倍率×人型実体の身長/術者の身長×怒り持続時間(分)
・魔力の値は力の値に加算される。
・精神力使用で熱線を発射
・詠唱式「破壊せよ、破壊せよ、破壊せよ。偉大なる三眼の大神よ、秘めし大いなる怒りのままに」
・送還式「大いなる三眼よ、その眼に破壊すべきものは今、映っているか?」
※ティタノマキアとの比較は最後に記載
→【ガンガダーラ・バージョー】
・
・対象者の周囲に浮遊する腕を顕現
・腕の形状は対象者の腕に依存
・ステイタスは対象のステイタス×怒り持続時間(分)
………………ん?
これは頭おかしい。
確実に頭おかしい。
毎回毎回何でこんなに頭おかしくなるのだろうか。
まぁアビリティの合計上昇値が5000超えてるのはまだ、まだ許容範囲……許容範囲か?
オッタルとの戦いもあったし妥当と言えば妥当、のはず。
だが、確実にスキルがヤバい。
【破壊天憤怒】、読みをハラ・ナーラーズ。
効果を要約すると、常に物を壊しやすくなって、怒ると最強になるスキルだ。
普段あまり怒らないベル君なので、普通にしておく分には物を壊しやすくなるスキルなのだが、諸君はベル君が怒る時を知っているだろうと思う。
つまり植物系モンスターや、死霊系モンスターと出会うと大体発動する。
まぁ何が言いたいかというと、ソード・オラトリアは勝ったということだ。
本当に何でこんな毎回ヤバいのだろうか。
それは筋肉だからだ。(自己解決)
で、何がそんなにインドラが発狂する原因になったかというと、スキルの効果をよく見ていただければわかると思うが、この破壊天憤怒、シヴァを象徴しているのだ。
つまりインドラからすると自分の眷属が同郷のやべーやつにいつの間にか汚染されてしまっていたという風になる。
これには発狂するも仕方ないだろう。
と、そんな狂った主神を置いて、ベル君は、バベルに向かうことにした。
そろそろいい感じにお金も溜まったので、バベルにあるヘファイストス・ファミリアに今買えるいい感じの大剣とナイフがないかな、と探しに行くのだ。
服を着て、財布を持ち、発狂している主神に向け「行ってきます」と告げ、ドアを開ける。
するとそこには、錆色の武人が立っていた。
「まだか」
どうやら催促のようだ。
「明日伺いますので、お願いします」
「了解した」
と、帰って行った。
多分主神の方が待ちきれなくなったんだろう。
オッタルさんも苦労してるなーと思いつつ、ベル君はバベルに向かって出発する。
「…………」
「…………」
ベル君とオッタルが縦に並び、街を行く。
先程帰って行ったと記述したが、オッタルの帰り先はバベルだ。
そんなわけでバベルに用のあるベル君はオッタルに着いていく形になるのだ。
筋肉が並んで歩くと言うとても珍しい光景が広がる。
そして街の住民はその光景に歓喜している。
最近筋肉に慣れすぎていてベル君の筋肉だけでは物足りなくなっていたようだ。
これは普段ベル君より圧倒的に筋肉のあるインドラがバイトで建築工事をしているせいだ。
え? 初耳?
逆に聞くがどうやって稼ぎもなしに一ヶ月間体づくりができるというんだ。
ベル君が筋肉になったのもインドラがバイトをしてくれていたおかげなんだぞ?
インドラに感謝!
ちなみにフレイヤはその光景を見てものの見事に撃沈した。
ヘルンがそれを発見し応急手当てを行い、帰ってきたオッタルが急いでディアンケヒト・ファミリアに運ぶのはまた別の話。
さて、そんなわけでバベルに無事到達したベル君。
以前、エイナから「流石に防具はつけた方がいいんじゃない?」と勧められて行ったことのあるため、ヘファイストス・ファミリアのテナントには迷わず行くことができた。
その時は要らないと言っても「絶対につけたほうがいい」と譲らなかったエイナだったが、今ではもう「ベル君なら要らないよね!」と言うようになってしまった。
侵食とは恐ろしいものである。
と、バベル四階、ヘファイストス・ファミリアのテナントを物色するベル君。
ヘファイストス・ファミリアのテナントは、四階から八階までの五階層に分かれており、上に向かうほど、安いものが多くなっている。
つまり今ベル君は、一番高い武器の置いてあるところを見ているわけだ。
まぁ、基本的にベル君が求めている不壊属性はこの階層にしか置いていないのだ。
一応予算は300万ヴァリスである。
まぁ不壊属性武器など、普通は数千万ヴァリスから数億ヴァリスを必要とするため、300万などでは到底買えるものではない。
と、だんだん上の階層へと追いやられていくベル君。
もしかしたら掘り出し物とかあるかな、とか希望を抱いたが、五階から七階には一つもベル君の握力に耐えきれそうなものは置いておらず、とうとう終着点の八階まで登ってしまった。
雑多に置いてある数多の武器防具。
四階の最高級品からじっくりと吟味しながら登ってきたベル君は、この階層の武器のほとんどがただの鉄塊に等しいレベルのものしか置いていないように見えた。
目が肥えてしまったのだ。
そんな中、こんな声が聞こえてきた。
「何でいつもいつもっ……あんな端っこに……俺に恨みでも……!」
と。
何か揉め事のようだ。
会計の方から聞こえてくる。
「こちとら命懸けでやってるんだよ! もうちょっとマシな扱いをだなぁ!」
そこにいるのは「着流し」を着た恐らく鍛治師。
燃えるような赤い髪に、中背中肉。
もう少し筋肉をつけたほうがいいのではないだろうか。
「上の決定だからなぁ……それにお前ももっと売れるようにならねぇと……」
「だぁぁっ! おまっ! それを引き合いに出すか!?」
店員も困っているようだ。
ベル君は声をかけることにした。
「あの……」
「んお……うおぅ!? 筋肉!? ……ああ、お前さん、インドラ・ファミリアの……」
「おおお!? 何だその筋肉!?」
「あ、どうも、インドラ・ファミリア団長のベル・クラネルです。ところで、一体何が……」
と、尋ねるベル君。
すると赤髪の人が
「聞いてくれよ! 筋肉! コイツらがいっつもいっつも俺が打ったモンを端っこの方に押しやるんだ! ひどいと思わねぇか!?」
「そりゃあテメェの武器が売れねぇからだろうが! 俺らのせいにすんじゃねぇ!」
「お前らが端っこに置くから売れねぇんだろうが!」
「あぁ!? テメェの武器が粗末なのが悪りぃんだよ! 変なプライドなんざ捨ててとっとと魔剣を打ちやがれ!」
「ふざけろ! 俺ぁ絶対に魔剣なんざ打たねぇ!!」
「あ、あの……」
「「アンタはどう思うんだ!」」
と、再びヒートアップした二人。
そんな二人にベル君はたった今芽生えた質問をしてみることにした。
「え、えっと……魔剣って何ですか!?」
ポカーン、と。
二人が口を開ける。
「お、お前さん、冒険者のくせに────……あー……アンタには縁がなさそうだしなぁ……まぁ知らねぇか……」
「お、お恥ずかしながら……」
と、顔を赤くするベル君。
「魔剣っていうのはな、まぁ何、回数制限があるが魔法を撃てる切れない剣っつったとこか」
「成程……回数制限が来るとどうなるんです?」
「砕ける。撃った瞬間にな」
「そうなんですか……」
と、魔剣に関する知識を得たベル君。
実は一瞬、魔法剣士みたいな感じになれるのかなーと期待したベル君。
今でもベル君は魔拳士みたいなものなのだが、ベル君はもっと派手な炎魔法とかを使いながら剣で戦う、所謂勇者スタイルに憧れているのだ。
が、その希望は回数制限という事実の下、一瞬にして潰えた。
そしてかわりに一つ疑問が浮かんだ。
「彼はその魔剣を打てるんですか?」
「ああ、そいつはヴェルフ・クロッゾっつってな、かの有名な……アンタは知らねぇだろうが、クロッゾの魔剣鍛治師っつー名門の末裔なのさ」
「…………フン」
確かにベル君はクロッゾとやらは全然知らない。
「でもなぁ……そいつ、打てば打つだけ売れるくせして頑なに打とうとしなくてなぁ……」
「……俺ぁ魔剣が嫌いだ」
「え? 何でですか?」
「それは────」
ヴェルフは滔々と語り始めた。
要約すると、
クロッゾが強力な魔剣を打てるのは初代が助けた精霊の血のおかげ。
でもそのことを忘れた血族は調子に乗って魔剣を作りまくった。
で、それで色々焼きまくった一族は精霊の怒りを買い、呪われた。
そして魔剣が打てなくなった。
魔剣を打てなくなった一族は没落した。
だがヴェルフはなぜか魔剣が打てた。
一族はヴェルフに魔剣を打つように強要したが、ヴェルフはそれは違うと主張。
武器は使い手の半身で、一心同体。裏切っちゃいけない。
それを作り、送り出すのが鍛治師。
だが魔剣は使い手を残して砕けるので武器じゃない。
それに魔剣は強すぎて人を腐らせるので作りたくない。
そういうことだった。
ベル君と店員は黙って聞いていた。
ヴェルフが粗方話し終えると、ベル君が口を開く。
「……いや、それは違くないですか?」
「……あ?」
真っ向からの反対意見。
ヴェルフは口を半開きにして掠れた声を上げた。
「だって、おかしいじゃないですか、それ」
「どこがだ!!」
激昂。
今にも掴みかかりそうだったが、欠片ほど残っていた理性で押し留めたようだ。
「つまるところ、魔剣が貴方の鍛治師としての矜持に反するから作りたくないんですよね?」
「……ああ」
「でも僕はそれがおかしいと思うんです」
「……なんでだ」
「それは魔剣が『そういう道具』だからです」
「……は?」
「今僕は初めて魔剣というものを知りましたが、そんな僕でも分かります。魔剣は、それこそポーションや矢と同じように使い捨てられる『そういう道具』の一つなんです」
「……」
「確かに『武器』を作る鍛治師がそれを打つので『武器』の括りに入るかもしれませんが、それはつまり『そういう道具』としての『武器』なんです」
「……」
「お分かりでしょうが、迷宮では『そういう道具』が命を助ける場面が、それこそ星の数あります」
「……」
「貴方が言うところの、使い手に寄り添う『武器』ではどうしようもできない場面でも、『そういう道具』は助けてくれます」
「……」
「確かに好き嫌いとか、プライドとか、そういうのもあるでしょう。でも、命に関わるそんな場面でそんなこと気にしてる場合でしょうか? 」
「……」
「強力すぎる? 人を腐らせる? そりゃあそうでしょう。強力になるように、自分の身を守れる可能性を少しでも上げるために作るのですから」
「……」
「使い手を残して砕ける? だからなんですか? 強大な力に代償が無いとでも?」
「……」
「そんなの『武器』じゃない? 当然じゃないですか。だって、そもそも武器ではないんですから」
「……」
「貴方の矜持とやらは、ただの自己満足どころか、空虚なだけのハリボテです。そこになんの重みもありません」
「……」
「ただのエゴ、ただの個人の好き嫌い」
「……」
「貴方のその自己満足のせいで、死んでしまった方は居るのでしょうか?」
「……………………………………お前は」
「?」
「お前は、何だ?」
苦しそうに、喉から絞り出すような声でそう尋ねるヴェルフ。
今までの自分の持論を根底から崩されたのだからそうなるのも当然だろう。
必死の思いで捻り出したその問いだったが、その質問の答えは既に決まっているのだ。
「筋肉です」
即答だった。
その時、ヴェルフの中の何かが吹っ切れた。
「あぁ……………そうか……………」
「はい」
「……そうか……………………………なぁ」
「何ですか?」
「俺はどうすればいいと思う?」
「?」
「今ので、なんか全部ぶっ飛んじまった。俺の今までの全部」
「そう…ですか」
「なぁ、どうしたらいいと思う? お前はそれを何か知っているか? 俺が新たに目指すべき場所をお前は提示できるか?」
「そう……ですね」
ベル君がその辺の剣に手をかける。
そして、一振り。
音が三度にわたって響く。
一度目は限界を迎えた剣の破砕音。
二度目は砕け散った剣の破片が舞い散り、辺りに所狭しと並ぶ武具に反響する甲高い音。
三度目は一際大きい破片が置いてあった甲冑を倒した音。
「……とまあ、こういうわけです。僕に耐えれる剣が欲しいかなー……なんて」
「……いいな、それ」
「あ、そうですか?」
「あー……いいな。うん。新しい鉄にピッタリだ。よし」
「そ、そうですか」
「俺にそれをやらせてくれ。俺がお前に相応しい剣を打ってやるよ」
ヴェルフが手を差し出す。
そしてベル君は────
「……はい! よろしくお願いします!」
その手を取った。
「おっしゃあ! じゃあ契約とか色々あっから! こっちこい!」
「うわっ、はっ、はい! じゃなくて! 壊しちゃった剣のお代を……!」
そしてテンションの上がったヴェルフに引っ張られていった。
Lv1とは思えないほどのスピードで筋肉を引っ張っていった。
そして、
「……イイハナシダナー」
店員は完全に途中から置いてけぼりだった。
ヒンディー語を日本語に直すの大変だった・・・
というわけでヴェルフ君筋肉信者入り。
魔法の比較↓
【ラハショガッテン・マハーデーヴァ】
・召喚魔法
・召喚される人型実体の体型は術者の詠唱時の体型に依存
・詠唱時【ガンガダーラ・バージョー】が発動していた場合、融合する
・身長は調節可能
・身長は高くする程消費精神力も増加
・人型実体のステイタスは、詠唱時の術者のステイタス(潜在値含む)×筋肉一筋の倍率×人型実体の身長/術者の身長×怒り持続時間(分)
・魔力の値は力の値に加算される。
・精神力使用で熱線を発射
・詠唱式「破壊せよ、破壊せよ、破壊せよ。偉大なる三眼の大神よ、秘めし大いなる怒りのままに」
・送還式「大いなる三眼よ、その眼に破壊すべきものは今、映っているか?」
【ティタノマキア】
・召喚魔法
・召喚される人型実体の体型は術者の詠唱時の体型に依存
・身長は調節可能
・身長は高くする程消費精神力も増加
・人型実体は部分的な召喚も可能
・人型実体のステイタスは、詠唱時の術者のステイタス(潜在値含む)×筋肉一筋の倍率×人型実体の身長/術者の身長
・魔力の値は力の値に加算される。
・精神力 2倍消費で 2体召喚可能
・詠唱式「破壊せよ、破壊せよ、破壊せよ。深淵より這い上がりし不死の巨人。雷霆はもはや霞むまで遠のいたぞ」
・送還式「哀れなる巨人よ。母なる大地の目に留まってしまったようだ」