やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。   作:あかう

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 筋肉・・・ベル君強っ!?
 な、話です。

 後半にギャグはあんまり無い!


11話 フレイヤ・ファミリアは筋肉でいける。

 さて、そんなわけで前回、ヴェルフと契約を結ぶことになったベル君。

 そこで、契約にあたっての色々な取り決めをするため、バベル八階に設けられた小さな休憩場でベル君とヴェルフは内容の擦り合わせをしていた。

 

「で、俺がお前の武器を打つってことになったわけなんだが!」

「はい!」

「今の俺には色々足りん!」

「はい!」

「【鍛治】アビリティも無ぇし!」

「はい!」

「何より素材が無ぇ!」

「はい!」

「そこで、だ!」

「はい!」

「お前には俺とパーティを組んで、ダンジョンに潜ってもらいたい!」

「はい!」

「できれば中層くらいには行きたい!」

「はい!」

「ゆくゆくは深層までは行きたい!」

「はい!」

「一緒に潜って素材を取ってくれれば無償で剣は打ってやる!」

「はい!」

「よし契約成立だ!」

「はい!」

 

 なんというか、超ハイスピード契約だった。

 これも筋肉の為せる技である。

 で、そんな感じで契約が成立したところでその日はお開きとなった。

 

 その後ダンジョンに少し潜り、日課の筋トレをこなして、翌日の朝に朝食を頬張りながらこのことをインドラに話したところ、このようなことをインドラが言ってきた。

 

「なるほど、武器か……武器ならば槍はどうだい?」

「槍ですか?」

「うん。槍は良いよ? リーチも長いし、攻撃力あるし、上手く使えば狭い場所でも戦えるよ?」

「へぇ……すごいですね」

 

 インドラは謎の槍推しだった。

 これはインドラがかつて槍を所有していたことに起因している。

 フェイトなアポクリファとかグランドオーダーとに出ている施しの英雄さんが持っているアレだ。

 

 で、何故そんなに槍をベル君に持たせようとしているのかというと、インドラが少しでも眷属を自分色に染めたいから、と言う理由に他ならない。

 神託を授けるかの如くベル君を諭そうとするインドラだったが、

 

「でも僕は剣が良いんですよね」

「うぐふっ」

 

 ものの見事にインドラは沈んだ。

 うずくまり動かなくなったインドラを放っておいて、ベル君は約束通りフレイヤ・ファミリアのホーム、『戦いの野(フォールクヴァング)』へと向かうことにした。

 服を着替え、念のため多少のポーションを腰に提げ、準備ができたというところでインドラに「行ってきます」と告げ、扉を開けたらその眼前には

 

「よく来てくれたわ、ベル」

「まだここインドラ・ファミリアなんですけど」

 

 なんと美神ことフレイヤが出待ちしていた。

 ついでに疲れた顔をしたオッタルもいた。

 これだけでフレイヤ・ファミリアにて何が起こったかは想像に難くないが、とにかく待ちきれずに迎えに来たようだ。

 

「じゃあ早く行きましょうか、ベル。さぁ、早く。さぁ早く」

 

 なんかもう本当に待ちきれないようだった。

 

「わかりました。行きましょう」

「あ、待って待って。ねぇベル。私を運んでくれない?」

「え、あ、はい。良いですよ」

 

 そんなわけでフレイヤを運ぶことになったベル君。

 不敬にならないように細心の注意を払いつつフレイヤをおぶろうとするが、

 

「横抱きでね?」

「あ、わかりました」

 

 と、フレイヤのおんぶ回避スキルによってベル君はフレイヤを横抱きにして運ぶことになった。

 まぁその途中で筋肉の波動を間近で感じたフレイヤが大惨事になったりしてディアンケヒト・ファミリアに寄らねばならなくなったことは言うまでもないだろう。

 

「……着きましたね」

「……ああ」

「」

 

 到着した頃には既にベル君もオッタルも疲れていた。

 元凶のフレイヤは何度目かもわからない気絶の真っ最中であった。

 

「ベル・クラネル。フレイヤ様は俺が運んでおく。中に入れば、まぁ恐らく奴らの歓迎が待っているだろうからな。お前にフレイヤ様を持たせておくと少し不安がある」

「あ、はい。わかりました……歓迎というのは?」

「まぁ……何だ……冒険者流といったところか」

「大体理解しました!」

「うむ。精々その筋肉を見せつけてこい」

「はい!」

 

 と、フレイヤをオッタルに渡したベル君は、戦いの野(フォールクヴァング)の門番の人に話しかける。

 どうやらオッタルから事前に話は聞いていたようで、割とすんなり門を開けてくれた。

 なんか拍子抜けだなーなんて呑気なことを思っていると、

 

「「「「「よく来たなベル・クラネル! 死ね!!」」」」」

 

 突然の手荒な殺意マシマシの歓迎だった。

 百をゆうに越すの剣やら槍やら斧やらが迫ってくるが、ベル君はそれらに一切の反応を示すことなくその筋肉で受け止める。

 

 そして、まぁ当然と言うか必然というか。

 Lv3以下の殆どの団員は無抵抗なベル君の肉体に刃が届いた瞬間にその必殺の威を込めた攻撃を反射され、その多くが致命傷と言って良いほどのダメージを負う。

 Lv2以下全員とLv3の多くの者の攻撃は剛筋之皇帝の攻撃反射効果、及び攻撃無効効果の範疇だったのだ。

 反射、無効圏内含まれなかった者達の攻撃もベル君には効かず、ベル君の肌を少し切る程度であった。

 損傷10分の1効果に阻まれたのだ。

 

「あ、すみません。回復しますね」

 

 と、攻撃をまともに反射され、虫の息の冒険者達にポーションをかけるベル君。

 攻撃を反射されなかった団員は、何が起こったかすらわからないその光景にただ硬直している。

 

「かっ、回復! 回復を早く!」

 

 ヒーラー達が急いで冒険者達を回復させ始める。

 それを見たベル君はこの場はもう大丈夫だろうと判断し、庭の奥に見える館へ移動しようと足を踏み出す。

 と、同時にこちらへと凄まじい速度で飛来するものに気付いたベル君。

 ベル君は咄嗟にそれを防ごうと腕をかざす。

 

 それがベル君の腕に当たった瞬間、ベル君はえげつない衝撃に襲われ、軽々と吹き飛んだ。

 数秒遅れて大音量が轟く。

 

 当たった部分、右腕が消し飛んだ。

 胸が大きく抉れ、白い骨が見えている。

 全身の肌は火傷し、爛れ、髪は黒く焼け焦げている。

 ベル君はこの現象の原因を即座に脳内で検索し、すぐさま魔法によるものだと理解する。

 

「破壊せよ破壊せよ破壊せよ深淵より這い上がりし不死の巨人雷霆はもはや霞むまで遠のいたぞ」

 

 再び飛来する魔法の凶弾。

 ベル君はそれを巨人で防御する。

 

「ティタノマキア!」

「ウオオオオオオオオッ!!?」

 

「チッ」

 

 ギリギリで召喚された巨人に防がれる魔法。

 巨人はそのあまりの衝撃に驚きの声を漏らす。

 しかしその巨体に傷は殆どついていない。

 それもそのはず、その6Mより大きい体はベル君(約2M)の大体48倍ものステイタスを持っているのだ。

 耐えられない道理がない。

 

 撃ち続けられる魔法。

 念のため2体目の巨人を召喚するベル君。

 2体目の巨人が完全に召喚された時、巨人が突然上空に対し拳を振るう。

 何事かと驚愕するベル君。

 

「うぐっ!?」

 

 釣られたようにベル君が空を見上げると、黒い影が館の方に向けて吹き飛ぶのが見えた。

 どうやら奇襲を仕掛けに来た敵だったらしい。

 自動防衛ついてるとか優秀だなこの巨人。

 

 と、ベル君が巨人に感心していると、両脇から迫る影に気付く。

 片方は小さい、片方は大きい。

 反撃を諦め、左腕のみで防御の構えをとるベル君。

 達磨と化したベル君に殺到する影。

 

 巨人が拳を振り下ろすまでの刹那の間、ベル君は台風の如き剣戟の嵐にさらされた。

 小さい方の影は身体を翻し、大きい方の影は四つに分かれ、散り散りになり巨人の拳を避ける。

 

 ほんの1秒にも満たない間だというのにベル君の肌は切り裂かれ、肉はズタズタにされた。

 特に腕のない右側は骨が剥き出しになり、肉も元の形を留めていない。

 だが、その攻撃はどれも骨にまでは届いておらず、浅いものだ。

 剛筋之皇帝の効果でじきに治癒されるだろう。

 

「硬い」

「超硬い」

「どんな体してやがる」

「あの猪より硬い、だが攻撃は通る」

「「「「殺れる」」」」

 

「クク、ク、金剛をも超越せし剛筋、クク、ならばその身を捧げ、我が標となれ」

(オッタルより固いね、じゃあオッタル攻略のための練習台になって)

 

 状況を確認するベル君。

 正面には絶えず魔法を連打するヤベェヤツ。

 その奥には吹っ飛ばされたヤツ。

 左に明らかにヤバい剣を持ったヤツ。

 右にそれぞれ体に見合わない程のでかい武器を持った小さいヤツ四人。

 そしてボロボロな自分と巨人二体。

 

 このまま防御に徹していれば負けると考えたベル君は、咄嗟に賭けに出た。

 ベル君はまず、正面の防御に徹している巨人を全力ダッシュで館へと走らせた。

 まずは砲台を潰すべきだと判断したのだ。

 

 続いてもう一体の巨人を左に走らせる。

 理由としてはそちらの方が巨人と相性が良いと判断したからだ。

 そしてベル君は四人の小人の方へと突っ込んだ。

 

 突然の突撃に喫驚する各フレイヤ・ファミリア幹部達。

 初めに行動したのは“ヤベェヤツ“ことヘディン・セラルド。

 巨人が向かってきていることを確認すると魔法の詠唱を中止し、ベル・クラネルの方へ巨人を迂回し回ろうとする。

 本体を倒せば良いのだから、とんでもなく硬い巨人を相手にする必要は無いないと考えたのだ。

 

 が、Lv2の48倍のステイタスを誇る巨人の手にあっさり囚われる。

 まぁ当然と言うか、単純計算で良いのならば96Lvのステイタスである。

 抜けられる訳がない。

 

 次に“吹っ飛ばされたヤツ“ことアレン・フローメル。

 ヘディンに気を取られている巨人に向け、その神速から放たれる必殺の一撃を打ち込むものの、Lv6の魔法にすら容易く耐える巨人には、まぁこれも当然と言うか通用しなかったようで、ヘディン同様に囚われてしまった。

 

「何をやっているのだ愚猫ォ!」

「テメェこそ捕まってんじゃねぇか! 人のこと言えんのかオイ!!」

 

 そして“剣を持ったヤツ“ことへグニ・ラグナール。

 飛び上がり、巨人の頭部に向けて魔法を放つ。

 

「永久に滅ぼせ! 魔の剣威をもって! 【バーン・ダイン】!」

 

 巨人の頭を爆炎が襲う。

 でもまぁ効かないよね。

 ってなわけで即座に囚われるへグニ。

 

「………………反則じゃない?その魔法」

 

 自分もそう思う。

 

 で、最後に“四人の小人“ガリバー4兄弟。

 ベル君の突撃を軽く避け、途切れなく、更に四方八方からの常識はずれな強さを持つ連携攻撃を行う。

 普通ならば為す術もなく切り刻まれるところだが、このベル・クラネル、間違っても普通ではない。

 

「はっ!」

 

「「!!!?」」

 

「ふんっ!!!」

 

「「「「!!!!!?」」」」

 

 さて、何が起こったか。

 それは、まず「はっ!」で二人の武器を頭突き、膝蹴りで破壊し、「ふんっ!!!」で残り二人の武器も握り潰し、肘打ちで破壊したのだ。

 自らの体が刻まれることも意に介さず行われた捨て身の攻撃。

 スキルの自動回復のせいでベル君は傷つくことに耐性がついてしまったのだ。

 

「ヤベェ」

「マジヤベェ」

「超ヤベェ」

「どうしよ」

「とりあえず回復させてくれません?」

 

 と、そんなわけでオッタル除くフレイヤ・ファミリアの面々を軽々とは言わずとも無力化したベル君。

 その姿は悲惨なものだった。

 全身は焼け爛れ、右腕はなく、胸は大きく抉れ、骨が露出している。

 側面はもはや元の形すら残しておらず、真っ赤に染まっており、ところどころピンク色と白の物体が見える。

 脚は内側こそあまり傷ついていないものの、そこ以外は傷がついていないところを探す方が難しい。

 白かった髪も炭化し、黒く染まっている。

 もはや骨格でしかそれをベル・クラネルと認識できない。そんな状態だった。

 だがこれも時間さえかければ全快できるというのだから恐ろしい。

 

「もう殴り殺すか?」

「殺れるか?」

「殺れるだろ」

「殺ろう」

 

 そんな瀕死のベル君を見て戦う姿勢を見せるガリバー4兄弟。

 だが、そこに、

 

「くっそがァ……!」

「惨めな姿だなへグニ。笑ってやる」

「お前も似たような状況だろぉ!」

 

「「「「……あ、無理」」」」

 

 その手にLv6を捕らえた二体の巨人が帰還した。

 捕らえられたLv6三人を見て四兄弟の戦意は完全に削がれたようだ。

 本当に反則すぎんかこの巨人。

 なんでオッタルはコレの倍は大きいヤツの一撃を弾き返せたんだ? 

 ああ、そうか、筋肉だからか。(納得)

 

「あの……」

「「「「ヒエッ」」」」

「回復……したいんですけど……」

「「「「よしわかった呼んでくる! だから勘弁してくれ!!」」」」

「えぇ……」

 

 と、そんなわけでフレイヤ・ファミリア(オッタル除く)を無力化できたベル君。

 次回、フレイヤ・ファミリアはどうなってしまうのだろうか? 

 

 圧倒的ネタバレ:筋肉になる。




 ベル君強すぎじゃない?
 まぁ後悔も反省もしてないけどね!
 筋肉だから!

おまけ 剛筋之皇帝のダメージ計算
 ベル君←攻撃(威力1000[適当])

1、剛筋之皇帝の反射、無効判定(500以下で成功[大体]) →成功で攻撃反射、無効
  ↓失敗
2、耐久のアビリティによる威力軽減 (この時点で約300[適当])

3、剛筋之皇帝の損傷10分の1効果(約30[適当])

4、ダメージ適用(約30[適当])
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