やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。 作:あかう
馬鹿なァ!筋肉が!筋肉がないだとォ!?
よろしい!ならば戦争だァ!
な、話です。
そんなわけで前回、アンフィス・バエナをいい感じに料理したベル君一行。
ノリで深層まで行くことになったワケで、今現在二十九階層あたりを進んでいるわけだが、これまた尋常では無いスピードで爆進していた。
何なら上層や中層にいた時より速く進んでいるまである。
その原因の一因────というか元凶は、先のアンフィス・バエナ戦で呼び出した巨人二体である。
ただでさえトンデモステイタスをしているこの巨人、戦闘以外にも最高に優秀だった。
片方に荷物(人間含む)を持たせ、片方に止まらないオルガをさせているだけで最強の陣形が完成。
荷物の重量を気にする必要も戦闘も巨人達のお陰でほぼ十割カット。
なんかもう普通に冒険している人達を馬鹿にしてるんじゃないかってくらい快適にダンジョンを突っ走っていた。
今ベル君達が目指しているのはひとまず三十七階層。
三十七階層は深層の入り口で、その白濁色の壁面から
その広大さはオラリオをすっぽり収めることができると言われており、そのあまりの広さから全体の地図作成はされていない。
適正Lvは4。それも集団前提である。
Lv5、Lv6ですらその難易度から単独では潜ることができない。
さらに階層主も階段の前にしっかり存在している。
そんなわけで、そのエグさから
そんなヤバいところにLv2一人、Lv1二人のベル君達は行こうとしているワケだ。
ダイナミック自殺かな? という感じなのだが、無論そうではない。
ベル君はしっかりといけると踏んでこの階層を目指しているのだ。
それは何故か、それは『この階層に出る殆どの怪物は骸骨系』という一点に尽きる。
そう、勘のいい読者の方ならば理解できただろうが、この骸骨系、
つまり、しっかり破壊天憤怒の効果範囲内なのだ。
だからこそ簡単に敵を粉砕⭐︎玉砕⭐︎大喝采して差し上げることができる。
で、そんなこんなあって三十七階層に到達したベル君達、タイムは二十七階層から約2時間。
速いにも程があると言いたいが筋肉だから問題ない。
三十七階層に到達した直後にモンスターと遭遇したが、オルガ巨人がしっかりと蹴散らした。
一応Lv4相当のモンスターなのだが、巨人さんの前ではひとえに風の前の塵に同じだった。
「やっぱり筋肉が無いんだ。じゃあ滅ぼそう」
「いや、無理だからな?」
「アハハハハ! リリはもうわかってましたよ! もうわかってましたよ! ええ!」
その光景を見たベル君達の間ではこんな会話が行われた。
しかし、これはすごい。
最初と最後の二人があまりにも異常すぎて異常なはずの人がまともに見える。
そんなわけでベル君がこの階層のモンスターを殲滅することを決定し、巨人と一緒に三十七階層内をディアブロスもかくやという風に縦横無尽に走り回り、フロア内を魔石まみれにしていた。
リリとヴェルフ、それと片方の巨人は一緒に魔石とドロップアイテムを拾い集めていた。
モンスターは生まれた瞬間に粉砕されるので、無警戒でも全く問題なし。
なので安全に魔石を集めまくっていた。
「お、コレ使えそうだな……」
「は、あは、あはは、は、ははははははは」
という感じで拾っていた。
と、数十分ほど拾っていると、問題が一つ発生した。
魔石が一杯になってしまったのである。
流石にこれ以上魔石を出すのは拙いと判断したヴェルフ。
何故か、それはモンスターが回収されていない魔石を食べ、強化種になってしまうからだ。
なのでヴェルフはベル君にとある指令を出した。
「おいベルぅ! もう魔石もいらねぇ! 全部粉々にしちまえ!」
「わかった!」
そこからはもう凄まじかった。
ディアブロスが鏖魔になって亜空間タックルを獲得したくらい凄まじかった。
魔石とモンスターを壁ごと粉砕しながら凄まじい速度で移動。
「お、ミスリル」
と、壁から落ちる鉱石をベル君に粉砕される前に回収するヴェルフはアレンより速かったそうな。
そんな感じでもはや三十七階層の壁がなくなり、広大なワンルームになった頃、
「────────────ッッ!!!」
と、ダンジョンが哭いた。
明らかなる異常事態。しかし、その場にいた面子は、
「うるさ」
「へぇー。こんな音鳴るのか」
「あー、不快ですねー」
と、まるで興味なさそうにつぶやいた。
この音でやっと頭の冷えたベル君は、もう破壊するものがないと気付き、帰ることにした。
すると、ビシリと天井から音が響いた。
何事かと上を見ると、巨大な亀裂が走っている。
なんかやばそうだな、と思ったベル君は、とりあえずリリとヴェルフを巨人に守らせ、自分は戦闘体制に入った。
ビシリ、ともう一度音が響く。
より大きくなった亀裂の向こうから真紅の光がこちらを覗く。
次の瞬間、天井が崩れ落ちた。
ベル君は落ちてくる天井を吹き飛ばし、周囲を見渡す。
すると遮蔽物のない三十七階層の中に佇む巨大なモンスターを発見した。
四足歩行のそれは細く、肉は驚く程少なく、まるで無いように見える。
それは薄紫の輝きを纏った恐竜の化石のような、骸骨系のようなモンスターだった。
「なるほど……アレがウダイオスか……まさか一日で二体も階層主と戦うことになるなんて……」
※違います。
しかしそんなこと知ったこっちゃないベル君はとりあえず攻撃を開始する。
しかし、ウダイオス(偽)はその攻撃を軽々と回避し、ベル君の背後をとる。
ウダイオス(偽)は韋駄天の如き俊足を誇っていたのだ。
背後よりその巨大な爪を振るうウダイオス(偽)。
その爪は確かにベル君を捉えた。
しかし、ガキン、と。
明らかに人体から鳴って良いものではない音が響き、弾かれる。
鍛え抜かれた筋肉の硬度は金属すら軽く超えるのだ。
困惑し、硬直するウダイオス(偽)。
ベル君は素早く体を翻し、ウダイオス(偽)を掴もうと手を伸ばす。
ウダイオス(偽)はその手から逃れようと後ろへ飛ぶが、それはあまりにも遅すぎた。
ベル君の手がウダイオス(偽)の細い腕をつかむ。
そこからは一瞬だった。
腕を折り、脚を折り、背骨を折り、首を折り、頭を粉砕。
1秒にも満たない間にウダイオス(偽)は原型を失い、絶命した。
と、そんな具合にウダイオス(偽)ことじゃが丸君を粉砕したベル君。
仲間の無事を確認し、キリもいいのでそのまま帰ることにした。
帰りは最初からオルガ方式で帰ったのでかかったのは4時間くらいであった。
勿論途中ですれ違った冒険者達にはドン引きされた。
そんなわけでギルドまで帰ってきたベル君達。
その尋常ではない量の魔石に他の冒険者たちをドン引きさせつつ換金所に向かう。
「こちらお願いします!」
と、チョモランマ級の魔石とドロップアイテムの山をドンとカウンターに置くベル君。
これでもヴェルフが使う素材を大量に抜き取った後だというのが恐ろしい。
いつも通り、というかいつもより圧倒的に多い量に発狂する換金職員。
今回は長くなるだろうな、と判断し、換金を待っている間にエイナに報告することにしたベル君。
「エイナさーん!」
「あ! ベル君! 今日はまたすごい量の魔石だったね!」
「はい! パーティを組んだんですけど、すごい効率が良かったですよ!」
「いやぁ、良かったね! で? どこまで行ったの?」
「三十七階層です!」
「そっか! もう深層かぁ! すごいね!」
「あと階層主も二体倒したんですよ!」
「へぇ! 何倒したの? もしかしてウダイオス?」
「はい! アンフィス・バエナとウダイオスです!」
「いやぁ! さすがだね! どうだった?」
「余裕でした!」
「まぁそうだよね!」
ううん、完全にやべーヤツらである。
まぁそんなSAN値がゴリゴリ削られそうな会話をしている間に換金は終わったらしく、ベル君が呼ばれる。
今回稼いだ金はなんと1560万9000ヴァリス。
頭がおかしくなりそうである。
そんなわけで520万3000ヴァリスずつ分け、その日は解散することになった。
そして、そんな3人を見ていたとある男達がいた。
ソーマ・ファミリアの団員である。
そんな彼らは、リリルカ・アーデが裏路地に入った時に、声をかけた。
「おい! アーデ! お前、ずいぶん稼いだそうじゃねぇか!」
「あは、あはははは、そうですねぇ、稼ぎましたねぇ」
「ヒッ」
「怖ッ!?」
「お、おいアーデ、どうしたんだ?」
と、完全に狂ってしまったリリに恐怖する団員達。
金を巻き上げるつもりだったのに、あまりのヤバさに心配までしている。
そんな時。
「おや? 何をされているんですか?」
男達の後ろから声がする。
男達が恐る恐る振り返ると、そこには筋肉モリモリ、マッチョマンの白髪がいた。
そんなわけで続きは次回である。
それはそれとしてそろそろ夏休みが終わるから更新速度がバチクソに落ちるぞ!
堪忍な!
過去編どれにする?
-
幸せな世界線√(ハッピーエンド)
-
不可避の悲劇√(ノーマルエンド)
-
平和の礎√(バッドエンド)
-
粉微塵の星√(XKクラスシナリオ)
-
そもそもいらん。