やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。   作:あかう

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 筋肉!?おい、おい筋肉どこ行った!?
 な、話です。



 導入会だから本番は次回。


26話 戦争前は筋肉にはならなかった

 アイズ・ヴァレンシュタイン及びオッタルのランクアップ。

 二大ファミリアの主戦力二人の同時ランクアップに、オラリオは沸き立った。

 

 特にオッタルのランクアップには、『ゼウス・ファミリア再来』とか、『ヘラ・ファミリアも近い』とか、そんなことがまことしやかに囁かれていた。

 一部では『完全にロキ・ファミリアを抜いた』とか言っている者もいたが、実際Lv8とLv6以下が何十人がかりで戦ったところでほぼ確実にLv8が勝つので、間違ってはいないだろう。

 なお、どこぞのLv2は考えないものとする。

 

 そんな感じで二大ファミリア同時ランクアップから数日後。

 未だ冷めぬ民衆と神々の熱に更なる火種がぶち込まれる事になった。

 

 インドラ・ファミリア対ソーマ・ファミリアの戦争遊戯である。

 戦争遊戯はオラリオに於いて最も盛り上がる催しの一つ。

 連続する火種に、ギルドは住民────特に神々────がテンションをブチ上げまくって暴動を起こすことを警戒し、警備を配置した。

 まぁその警戒はただの杞憂であったのだが。

 

 普段であればオラリオ中がとんでもないくらいの熱狂に包まれる戦争遊戯だったが、今回の戦争遊戯はあまり盛り上がらなかったのだ。

 理由としては、もう単純なる戦力差である。

 本当に戦力差がエグすぎた。

 

 インドラ・ファミリアの戦力は団長ベル・クラネルたった一人だけなのに対し、

 ソーマ・ファミリア側はソーマ・ファミリアを始め、モロス・ファミリア、ネタンス・ファミリア、タラニス・ファミリア、ブレス・ファミリア、マッハ・ファミリア、ブラギ・ファミリア、ガラゴン・ファミリア、ヤリーロ・ファミリア、ペルケレ・ファミリア、ディアンケヒト・ファミリア、ライマ・ファミリア、モコシ・ファミリア、ガダカ・ファミリア、メーネス・ファミリア、アナンシ・ファミリア、ボマジ・ファミリア、アブク・ファミリア、カグン・ファミリア、コティ・ファミリア、ノンモ・ファミリア、オヤ・ファミリア、ブンジル・ファミリア、イナ・ファミリア、エイル・ファミリア、ザルモクシス・ファミリア、ウォルトゥムナ・ファミリア、ヤーヌス・ファミリア、プルート・ファミリア、ケルヌンノス・ファミリア、イズン・ファミリア、セマルグル・ファミリア、そしてイシュタル・ファミリアからなる32のファミリアの連合であり、総勢なんと約2500名。

 

 内訳は

 Lv1:約1500名。

 Lv2:約800名。

 Lv3:約100名。

 Lv4:59名。

 Lv5:2名。

 Lv6以降:0名。

 

 中には都市随一の治癒士、『戦場の聖女(デア・セイント)』アミッド・テアサナーレ有するディアンケヒト・ファミリアや、『男殺し(アンドロクトノス)』フリュネ・ジャミールを始め、多くの戦闘娼婦を抱えるイシュタル・ファミリアの名前も存在する。

 嫌がらせかってくらいの過剰戦力である。

 割とマジでわけわからないくらいの過剰戦力である。

 

 なんでこんな過剰戦力になったかとオラリオの中でも賢いと分類される者達が色々考えたりしたが、深い意味なんて全く無く単純にソーマによる嫌がらせである。

 そう、本当にマジでただの嫌がらせだったのである。

 しかも今回の戦争遊戯ためだけに酒蔵にある神酒を全開放して賄賂的な感じで他のファミリアに渡した程で、本当に頭が痛くなるくらいの嫌がらせである。

 そんなにインドラが嫌い……なんだろうなぁ()

 

 で、これでベル君がLv 6やら7だったらワンチャンあったのだろうが、Lv2である。

 まぁ、無理だろうと。

 流石に……無いだろ、と。

 

 そんな感じで分かりきった勝負に賭けも全くと言っていいほど盛り上がらない。

 いや、盛り上がらないと言っても、こう、それに熱狂する者が少ないと言う話であって、掛け金の総額は過去最高なのだが。

 

 オッズはソーマ・ファミリア側が1,01倍とかいう正直全然儲んないくらいのゴミみたいな数字であるが、賭けはギルドが奨励していて、ある程度金を工面してくれるので、全財産を賭ければ全財産が確実に1,01倍になるのだから全財産を賭けないわけがないのだ。

 ちなみにインドラ・ファミリアのオッズは134倍である。

 当初のギルドとしては、「アレ? これこのままやったらギルド破産するんじゃね?」となって賭け事態を中止する予定だったのだが、ごく一部がインドラ・ファミリアに超高額なヴァリスを賭けたので賭けは続行される事になった。

 まぁ、賭けた人達は諸君なら大体わかるだろう。

 ちなみに今回両ファミリアに賭けられた金額の総額は約10兆8600億ヴァリスで、内10兆と8000億ちょっとがソーマ・ファミリア側である。

 

 なんかもう頭おかしい額であるため比率的に600億が少なく感じるかもしれないが、それでもとんでもない額である事を忘れてはいけない。

 

 そんな感じで「もう決まったろ」みたいな雰囲気が出てる中も時間は着々と進み、遂に戦争遊戯当日。

 まだ日も登りきっておらず、朝露がそこらに張り付いている時間。

 インドラは朝食を作り、ベル君を叩き起こし、朝食を食べ、外に出る。

 

「さて、ベル君。わかっていると思うけど、加減はいらない。思いっきりやるんだ。本当に」

「はい! 行ってきます!」

「ああ、行ってらっしゃい」

 

 そうやってベル君を送り出したインドラは、バベルに通ずる大通りを征く。

 街はまだ朝早いと言うにも関わらず活気に溢れ、住民たちが店を開き、酒場も全て開いている。

 謎のポスターなども貼られていたりする。

 

 戦争遊戯は戦争遊戯。あまり盛り上がらなかったと言えどそれは普段と比べての話で、街の一大イベントに人々も熱狂はするのだ。

 そして当然、その中には神々といった存在もいるわけであり。

 

「下界への別れは済ませたのかよインドラ!」

「稼がせてくれてありがとよインドラ!」

「お前の背中がこんなに小さく見えるなんて初めてだぜインドラ!」

 

 神々がインドラをここぞとばかりに煽りまくる。

 インドラは口角が引き攣ることを我慢しつつも、その足取りは変わらない。

 

 神の量はバベルに近づく程増えた。特に酷かったのはバベルの広場だ。

 神々がまるで出勤する国会議員に詰め寄るマスコミのように、インドラを取り巻き、質問攻めにする。

 それはどれも皮肉、嘲り、同情を装った揶揄、それらに塗れた最悪のものであった。

 インドラはその恵体でまとわりついてくる連中をもろともしていないようだが。 

 

 バベル三十階。

 そこには既に百を超える多くの神々が集っていた。

 神々は用意された椅子に座り、これから始まる戦争遊戯を今か今かと待っている。

 

 のだが、明らかに神々の配置が明らかに不自然であった。

 

 その部屋は講堂のような構造をしているが、その右半分はガラガラで数人しか座っていないのに対し、左側は満員、それどころか座れずに立っている者すらいる。

 

 インドラはあまりの不自然さに理由を考えたが、どうしても法則性が見当たらない。

 そんな微動だにしないインドラに、下卑た笑みを貼り付けた神が煽りついでに答えを教えてくれた。

 

「おーおーインドラ! 良く来たな! ほれ、お前の席はそっちの先頭だぞ!」

「…………ふむ、申し訳ない。これはどう言う配席なのかな?」

「んお? ああ! 左がソーマに賭けたヤツ、右がお前に賭けたヤツだ! いやー! 羨ましいなぁオイ! フレイヤ様に賭けて貰えるなんてなぁ! まぁ最後にいい思い出できたって事でな! 奥さんにバレないようにだけはしとけよ!」

 

 つまりはそう言う事だったらしい。

 多分これもソーマによる嫌がらせの一環だろう。

 右側の神、つまりインドラ側の神はフレイヤ、ロキ、デメテル、へファイストス、ゴブニュ、ヘルメスの6柱。

 そのうちの多くが名の売れたファミリアの主神なのは、ワンチャンを狙っても余る貯蓄による余裕からだろうか。

 

 しかし、この6柱だけがインドラ・ファミリアに賭けたわけではないだろう。

 神々は基本的に自由で、娯楽に飢えている。だから人間たちと違い、当てた時の快感を得るためだけに大穴を狙って賭ける神が割と沢山いるのだ。

 そう言った神々は、基本塔に登らず、酒場やホームで戦争遊戯を見物する。

 自分が当てた時に周囲にいる負け組を煽り散らかすためだ。

 

 そんな快楽主義者どもは、形は違えどこのバベルの場にも存在するようで。

 

「ようよう! どうだ! 別れは済ませてきたか!?」

「いやーw! 済まんなww! 儲けさせてもらうわwww!」

「ねぇ! 今どんな気持ち!? ねぇねぇ! 今どんな気持ち!?」

「負け犬プギャ────www!」

「俺こっちに賭けたけど! 俺の領地燃やすんじゃねーぞ!」

「おお、哀れ哀れ」

 

 後には引けない、もう後がない。

 そんな者をひたすらに小馬鹿にし、より追い込まれてゆく姿を嗤う。

 非常に度し難い快楽主義者どもだ。

 

「………………」

 

 インドラは俯く。

 諸君ならば分かるだろうと思うが、これは当然、インドラが精神的に追い込まれたからでは無い。

 しかし、それを見た神々は珍しいインドラの弱気な表情を拝んでやろうと下から潜り込むようにしてその顔を覗こうとするも、インドラは早足で席に向かい、座ってしまう。

 それでも連中はなんとか顔を見たい、とインドラに群がろうとするが、

 

「まぁまぁ、そこら辺にしておいた方が良いのではないかな?」

 

 上の席から静止の声がかかった。

 アポロンだ。

 

「せやで、やめときぃや」

「そうね、不愉快だから戻ってくれない?」

 

 それに続くような2大ファミリアによる糾弾の声。

 当然、そんな二人に咎められてしまったのならば引き下がるしかない。

 大人しく席に着く快楽主義者。

 

 そして、まるでタイミングを見計らったかのように拡声器の声が響く。

 雷霆神の大きく歪んだ唇は、隣に座った商業神だけが見えていた。

 

 





 インドラに賭けた原作登場ファミリアと理由

 フレイヤ→言わずもがな 
 ロキ→言わずもがな
 タケミカヅチ→雷を信じた
 ミアハ→ナァーザがディアンケヒトアンチだから
 ゴブニュ→とある少女から筋肉のヤバい話を聞いていたから
 ガネーシャ→たまにインドラ経由でベル君と話してるから
 デメテル→雷霆神はヤバい(経験則)
 へファイストス→ヴェルフの懇願&雷霆神はヤバい(経験則)
 ヘルメス→アスフィに滅茶苦茶念押しされた&雷霆神はヤバい(経験則)
 その他ギリシャ神→雷霆神はヤバい(経験則)

過去編どれにする?

  • 幸せな世界線√(ハッピーエンド)
  • 不可避の悲劇√(ノーマルエンド)
  • 平和の礎√(バッドエンド)
  • 粉微塵の星√(XKクラスシナリオ)
  • そもそもいらん。
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