やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。   作:あかう

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 筋肉最高!
 な、話です。


29話 筋肉は発見する。

「いよおおおォォォォォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッシャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

 突然の咆哮。

 近所迷惑どころか遠所迷惑と言っていいんじゃないかくらいの尋常ではない絶叫の発信源であるインドラ・ファミリアのホームでは、耳を塞ぐベル君とシヴァ、喜びの舞を執り行うインドラが存在していた。

 インドの神らしく踊りには結構なレベルの破壊力が備わっているようで、ホームがミシミシと悲鳴を上げている。

 

 ちなみにベル君の鼓膜だが、なんと発達した上腕二頭筋には耳栓としての役割も存在したようで、外界からの音を完全にシャットアウトいるため、スキルと合わさり耳へのダメージはほぼ0だった。

 流石筋肉、やはり万能である。

 

 そんなことはさておき、なぜこのようなことが起きたのか。

 その原因はつい先程されたベル君のステイタス更新の結果にある。

 

 ベル・クラネル

 

 Lv2

 

 力: EX 3525 →EX 6785

 耐久:LB →11293 → LB22439

 器用: I 38 →I 51

 敏捷: I 63 →H 143

 魔力:H163 → C 600

 

 筋肉:G→F

 

 魔法

【ティタノマキア】

 

 ・変更点無しのため省略

 

【ディヴァイン・パニッシュメント】

 

 ・攻撃魔法

 ・詠唱連結

 ・必中

 ・詠唱式【今此処に、悪しき御霊へと裁きを下せ】

 

 ・第一位階【ケラウノス】

 ・超広域殲滅魔法

 ・詠唱式【天上の聖域、頂点の玉座、座すは全能の王、帯びしは雷の剣。天を裂く霹靂、大地焦がす天撃、狂王討ちし神撃。大地焦がし尽くす稲妻の嵐には逃避すら許されぬ。荒々しくも繊細な其の貴き神威よ、──】

 

 ・第二位階【ムジョルニア】

 ・広域破壊魔法

 ・詠唱式【鳴り響く角笛(ギャラルホルン)、迫り来る大船(ナグルファル)、終わり告げし神々の黄昏(ラグナロク)。地を深紅に染めし大地に轟くは雷神の鉄槌(ミョルニル)、迸る赫怒の雷、悉くを砕き、万物を瓦礫に帰する戦鎚の一撃。執拗なる破壊の権化には避けること叶わぬと知れ。燃え盛る火山が如く苛烈なる猛々しき神威よ、──】

 

 ・第三位階【ヴァジュラ】

 ・単射魔法

 ・詠唱式【灼き尽くし、破壊し尽くし、悉く消し飛ばせ。白象(アイラーヴァタ)跨りし天空の王者(スヴァルガパティ)蛇王(ヴリトラ)討ちし英雄(シャラク)暴風(マルト)を従えし帝王(ディーヴェーンドラ)賢者の呪い(ドゥルヴァーサス)をも打ち砕きし雄牛(ヴリシャン)。放つは撃滅の雷槍。帝王より賜られる宣告を拒むことなど言語道断であると悟れ。傲慢にして誠実なる君臨者の偉大なる神威よ、──】

 

 スキル

筋肉一筋(ナイスマッスル)

 

 ・力、耐久の経験値に倍率(現:21倍)

 ・以下省略

 

剛筋之皇帝(ジ・エンペラー)

 

 ・変更点無しのため省略

 

【破壊天憤怒】

 

 ・変更点無しのため省略

 

 

 

 

 

 

 

 

 つまりそういうことである。

 おめでとうインドラ君、やっと君モチーフの魔法が発現したぞ。

 まぁなんか別の地方の余計な奴が二人程紛れ込んではいるが。

 しかしまぁ、喜んでいるのだからいいのだろう。

 

 そんな踊り狂うインドラを横目にベル君は床に落ちたステイタス用紙を拾い、目を通す。

 新たに発現した魔法に目を滑らせると、紙をポケットにねじ込み、立ち上がった。

 

『む、どうした?』

 

 踊るインドラをまるで養豚場の豚を見るかのような目で眺めていたシヴァが、耳を塞ぎながらベル君に問いかける。

 

「いえ、ちょっと試し撃ちに行ってきますね」

『あまりやりすぎない程度にな、あと紙は覚えたら処分しておけ』

「はい!」

 

 元気よく返事をしたベル君は何階層で撃ってみようかな、なんて思いつつホームの扉を開ける。

 すると、扉の前にはなんとロキ・ファミリア団長の勇者(ブレイバー)ことフィン・ディムナが出待ちしていた。

 槍を持っているので一瞬身構えかけたが、戦闘態勢ではない。

 恐らくダンジョンへの行きがけなのだろう。

 

「やぁ、ベル・クラネル。久しぶりだね。戦争遊戯での勝利、おめでとう」

「あ、はい。お久しぶりです。ところで一体何の御用ですか?」

「いや何、そこを歩いていたら凄まじい叫びが聞こえたものだから何事かと思ってね」

 

 どうやら突然の騒音への調査だったらしい。

 ばつの悪そうな表情をするベル君。

 心当たりがありすぎるというか自分自身が心当たりそのものというか。

 

「ええっと……うちの主神様が迷惑をおかけしました」

「あー……成程、事情は大体わかったよ。……ところでベル・クラネル。今からダンジョンかい?」

「はい、そうです。ディムナさんもでしょうか?」

「ああ、そうだよ。今から遠征でね」

「そうなんですか。頑張ってくださいね」

「うん、頑張ってくるよ。じゃあね」

 

 飛び去ってゆくフィン・ディムナ。

 一体なんでフィン一人だけで来たのだろうか、とベル君は首を傾げるが、そんなことを気にするだけ無駄かな、と歩き出す。

 そして大通りへと飛び出した瞬間、周囲の視線が一斉にベル君へと向けられた。

 

「お、おい、アイツ……」「強者(オリオン)……」「くっ……アイツのせいでファミリアが財政難だ……」「な、なんて肉圧だ……特にあの大胸筋……何か、ヤバい!」「お前のお陰でウチのファミリアは安泰だー! ありがとなー!」

 

 半分ほどの憎悪と恐怖、もう片方は敬意と感謝。

 そんな視線が四方八方よりベル君に降り注ぐ。

 だが、本人は全くと言っていいほど気にしていない。

 

 原作ベル君とは大違いの図太さで、割と不自然な感じがあると言えばあるが、筋肉なのだから仕方がない。

 筋肉は筋肉だから筋肉なのだ。(?)

 

「あ、ベルくーん!」

 

 そんなわけでギルドに踏み入ったベル君。

 するとベル君を発見したエイナが呼び止めてくる。

 

「エイナさん、どうかされましたか?」

「いやね? ベル君のファミリアって今回等級がSになったでしょ? だから……じゃーん! 遠征の強制任務(ミッション)!」

「え、遠征ですか」

 

 差し出された紙を受け取るベル君。

 内容にざっと目を通していると、所々気になる点があるようで、度々読み直したりしている。

 

「えーっと……これもしかして僕、五十階層くらいまで行かないといけない感じですか?」

 

 そう、強制任務の紙には、成功条件の欄に五十階層以降の未開拓領域のマッピングか、五十階層以降に出現するモンスターの素材の収集が書かれていたのだ。

 実はこれはギルド、というかギルド長ことロイマンがいい感じにベル君を殺せないかな、と安易な考えで出したものなのであるが、正直言って圧倒的筋肉を持つベル君からしたら楽勝どころか圧勝がいいところであった。

 

「うん、そうだね。ちょっと時間はかかるとは思うけど、ベル君なら大丈夫だよ! パパッと素材を集めてくるだけだから!」

 

 このようにベル君をよく知るエイナもこう言っている。

 他にも深淵を瞳に抱く者は大体同じような事を言うだろう。

 そう、筋肉だから。

 

「はい、わかりました。今日はリリもヴェルフもいないので、今度行ってきますね」

「うん、それがいいと思うよ。じゃあ今日も探索頑張ってね!」

 

 エイナと別れダンジョンへと潜るベル君。

 階段を飛び降りながらベル君はとりあえず十八階層を目指すことに決めた。

 

 しかし、ここで一つの問題が発生する。

 いつも通りのスピードで進むとすると、今日はリリとヴェルフがいないので魔石が拾えないのだ。

 ちなみにリリはソーマ・ファミリアがインドラ・ファミリアの下につく際の色々な整理をおこなっており、ヴェルフは『新しい魔剣』とやらを打つと言って工房に篭っている。

 

 そんな問題に対し、ベル君は会敵を最低限に抑え、尚且つ普段よりも圧倒的に速い速度で下に降りる方法を思いついた。

 しかし思いついたとは言っても脳ではなく、大体僧帽筋の辺りで感覚的に思いついたものである。

 つまるところそれは筋肉的解決方法であることを表しており────

 

 正規ルートから外れまくった全くの見当違いな位置にスタンバイするベル君。

 腰を落とすと、その拳を大きく振り上げ、力強くダンジョンの床を殴りつけた。

 

 その暴力的なまでの筋肉と【破壊天憤怒】の効果により容易く崩壊する一階層の床。

 ベル君は圧倒的最短タイムで二階層へ到着した。

 

 この案が意外とうまくいくことを確認したベル君。

 諸君もこの後に何が起こるかは非常に分かり易い、というか確実に分かるだろう。

 

 次々と筋肉的解決方法(脳筋の所業)によって砕かれる床。

 悲鳴を上げるダンジョン。

 下へ下へと爆速で降ってゆくベル君。

 

 普通の人間ならば十階層あたりから急に高くなる天井によって落下死する(そもそもできない)のだが、そこは今作ベル君こと筋肉なので問題ない。

 筋肉が衝撃吸収材として最適なのは周知の知識であるからして、その辺の説明は不要なはずだ。

 

 そして歴代最短記録で十八階層まで到着したベル君。

 記録はなんと1 分13秒。

 TASかな?という程のタイムだ。

 ちなみに本物のTASは床をすり抜けていくので20秒かかるか、かからないかくらいである。

 

 まぁそんなことはどうでもよく、十八階層の床に着地したベル君は、とりあえず適当に魔法を放ってみることにした。

 ポケットに突っ込んだステイタス用紙を取り出し、詠唱式を読み上げる。

 

「えーっと、まずは…コレかな。【鳴り響く角笛(ギャラルホルン)、迫り来る大船(ナグルファル)、終わり告げし神々の黄昏(ラグナロク)。地を深紅に染めし大地に轟くは雷神の鉄槌(ミョルニル)、迸る赫怒の雷、悉くを砕き、万物を瓦礫に帰する戦鎚の一撃。執拗なる破壊の権化に避けること叶わぬと知れ。燃え盛る火山が如く苛烈なる猛々しき神威よ、今此処に、悪しき御霊へと裁きを下せ】」

 

 詠唱中にベル君を中心としたものと狙った位置を中心としたもの、二つの魔法円(マジックサークル)が展開される。

 どうやら威力や攻撃位置の調整ができるらしい。

 これは非常に便利である。

 

 ベル君はここが一八階層であることも加味し、威力を最弱まで弱め、魔法を発動させる。

 

「【ムジョルニア】!!!」

 

 脳内にイメージされた魔法の引き金を引いたベル君。 

 

 壁の魔法円が爆発する。

 響き渡る轟音、立ち上る土煙。

 リヴィラの辺りが一気に騒がしくなったが、このようなことには慣れっこのリヴィラ住民であるので、すぐに落ち着きを取り戻すだろう。

 

 何条もの巨大な亀裂が入った壁は、所々が崩れ落ちていた。

 そして土煙が晴れたると、ベル君は中々に興味深いものを見つける。

 

「ん? ……これは……鉱石……超硬金属(アダマンタイト)!?」

 

 崩れ落ちた壁の奥には何と自然に存在する中では最硬を誇る金属ことアダマンタイトの層があったのだ。

 ベル君はとりあえず採取しようと、アダマンタイトの層を壁ごと粉砕する。

 すると。

 

「これは……まさか……」

 

 アダマンタイトの奥にあったのは横に広がる通路。

 しかもその道は全てアダマンタイトで構成されていた。

 ベル君はその異様な光景にこのような感想を述べる。

 

「ヴェ、ヴェルフに持って帰ってあげないと……!!」

 

 違う、そうじゃない。

 と、言いたいところだが、何も知らないのだから仕方ないだろう。

 とりあえず壁を力押しでゴリゴリと削ってゆくベル君。

 素手で、しかもアダマンタイトをこうも簡単に、もっと具体的に言うとケーキのスポンジくらいの感じでどんどんと削っていけるのは、やはりスキルもあるがその筋肉故だろう。

 

 持てる限界までアダマンタイトを採取し終えたベル君は、一旦これをヴェルフへと持っていこうと探索を切り上げる。

 その後削られまくった壁を見て暴れ回る男がいたとかいなかったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「団長。この揺れっt」

「何も聞かないでくれ頼むから」

 





 詠唱がマジで難しい・・・
 

 おまけ vs今作ベル君

瞬殺              
                
 神々(神力封印) ↑弱
 Lv3以下ほぼ全員        ↓強

若干耐える

 インドラ(神力封印)
 異端児(一体除く)
 大体のLv4 

勝ち目はある

 リューさん
 ラウル
 アキ
 原作ベル君(13巻以降)
 Lv5大体全員
 レヴィス
 へグニ
 ガリバー兄弟

互角

 タケミカヅチ(神力封印)
 レフィーヤ
 シャクティ
 ティオネ
 ガレス
 リヴェリア
 アレン
 穢れた精霊
 
勝つ確率の方が高い

 ベート
 ティオナ
 アイズ
 フィン
 ヘディン
 □□□□□□(魔法解除)
 へファイストス(神力封印&神創武器使用時)

ほぼ確実に勝つ

 □□□□□□
 オッタル
 3大クエストモンスターズ
 ニーズホッグ
 神々(神力解放)

勝ち確

 ガネーシャ(神力解放)
 ゼウス(神力解放)
 ヘラ(神力解放)
 インドラ(神力解放)
 タケミカヅチ(神力解放)
 シヴァ(本体)

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