やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。   作:あかう

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今回はインドラ視点があります!


6話 宴は筋肉に包まれた。

 インドラ・ファミリアのホームにて。

 

「おめでとうベル君! Lv2にランクアップできるよ!」

 

 突如響いたホームを揺るがす大音量。

 どうやらベル君がLv2にランクアップ出来るらしい。

 Lv5にも効果がある程の超極重錘をLv1が軽々持ち上げたことが偉業としてカウントされたようだ。

 

 さて、そんなわけでランクアップができるようになったベル君。

 ベル君はインドラの「ランクアップをするか、もう少し待つか」という質問に対し当然の如く前者、ランクアップを選んだ。

 いや待てまだ器用と敏捷低いじゃねぇかと思ったかもしれないがちょっと待って欲しい。

 先ずは今回、更新されたステイタスを見ていただこう。

 そんなわけでハイ、ドーン。

 

 ベル・クラネル

 

 Lv1

 

 力:EX 4825 →EX5093

 耐久:EX 3588→EX4000

 器用:H105→H105

 敏捷:G260→G282

 魔力:I0 →I0

 

 魔法

【】

 

 スキル

筋肉一筋(ナイスマッスル)

 

 ・力、耐久の経験値に倍率(現:15倍)

 ・筋肉の量により効果上昇

 ・筋肉がある限り効果持続

 

剛筋之皇帝(ジ・エンペラー)

 

 ・力、耐久に常時圧倒的補正

 ・損傷ダメージを10分の1

 ・損傷ダメージを自動回復

 ・状態異常完全耐性

 ・毒、酸完全耐性

 ・一定以下の威力の攻撃無効

 ・一定以下の威力の攻撃反射

 

 と、こんな具合である。

 此処から何でランクアップにするか選択したかというと、

 まぁ……もういいだろ。という考えからである。

 器用、敏捷、魔力は正直ベル君の戦闘にあんまり必要ないし、力、耐久なんてもう有り余るどころかやり過ぎってくらいにあるし、これ以上上げたところで……という感じなのだ。

 

 それに渋ってランクを上げずに死んじゃいました。という状況を避けるためでもある。

 まぁ上げなかったところでそんなことはほぼ確実……というか絶対にならないのだが念には念を入れておくに越したことはない。

 そんな感じで、ランクアップすることに決めたわけだが、ここで一つ問題が発生した。

 

「ふぅむ……中々に珍しい発展アビリティがあるな……」

「発展アビリティ?」

 

 ベル君が初めて聞く単語に疑問を呈する。

 発展アビリティとはランクアップに伴って一つ発現させることのできる基本アビリティ────力、耐久、敏捷、魔力、器用の五つ────とは違う特殊なステイタスだ。

 有名なところで例えるならば【狩人】、コレは一度戦闘し、経験値を獲得したことがあるモンスターと同種のモンスターと交戦時、ステイタスが一時的に上昇するというもの。

 シンプルで、尚且つ強力であり、これのお陰で命が助かった、なんてこともざらにある。

 

 それと他で言うなら【耐異常】、コレは毒や麻痺といった状態異常に耐性を得ると言うもので、これまた分かりやすく強力。

 これがあるだけで中層の生存率は段違いだ。

 で、そんな強力な発展アビリティ達だが、今回ベル君が発現可能な物は4つ。

【狩人】【耐異常】【幸運】【筋肉】

 

「筋肉で」

 

 即決だった。

 当然である。

 

「うむ、私もそれがいいと思っていたぞ!」

 

 同意だった。

 むしろそうじゃないと困る。

 

 逆になんでこのベル君がコレ以外を取るんだ、と言う話である。

 だってそうだろう? ベル君(筋肉)だぞ?

 

 と、そんなわけでベル君のランクアップが執り行われた。

 ベッドの上でマッチョ二人が色々やってるという側から見たらかなりヤバめな感じだが、これは至って健全であって気にしたら色々と負けである。

 でもまぁ、アイズあたりが見たら喜びそうではある。

 ………どうしてこうなっちゃったんだろうなぁ……。

 

 そんなことは置いておいて最後にベル君の背中が一際強く光り、ランクアップは完了である。

 

「よし、終わったよ! これで君もLv2だ! コレが君のLv2の最初のステイタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!! 魔法が! 魔法の詠唱式がァァァァァァァァァァぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!

 

 インドラは発狂した。

 どうやら魔法が発現したようだ。

 さて、Lv2になったベル君のステイタスを見てみよう。

 

 ベル・クラネル

 

 Lv2

 

 力:I0

 耐久:I0

 器用:I0

 敏捷:I0

 魔力:I0

 

 筋肉:I

 

 魔法

【ティタノマキア】

 

 ・召喚魔法

 ・召喚される人型実体の体型は術者の詠唱時の体型に依存

 ・身長は調節可能

 ・身長は高くする程消費精神力も増加

 ・人型実体は部分的な召喚も可能

 ・人型実体のステイタスは、詠唱時の術者のステイタス(潜在値含む)×筋肉一筋の倍率×人型実体の身長/術者の身長

 ・魔力の値は力の値に加算される。

 ・精神力 2倍消費で 2体召喚可能

 ・詠唱式「破壊せよ、破壊せよ、破壊せよ。深淵より這い上がりし不死の巨人。雷霆はもはや霞むまで遠のいたぞ」

 ・送還式「哀れなる巨人よ。母なる大地の目に留まってしまったようだ」

 

 スキル

筋肉一筋(ナイスマッスル)

 

 ・力、耐久の経験値に倍率(現:15倍)

 ・筋肉の量により効果上昇

 ・筋肉がある限り効果持続

 

剛筋之皇帝(ジ・エンペラー)

 

 ・力、耐久に常時圧倒的補正

 ・損傷ダメージを10分の1

 ・損傷ダメージを自動回復

 ・状態異常完全耐性

 ・毒、酸完全耐性

 ・一定以下の威力の攻撃無効

 ・一定以下の威力の攻撃反射

 

 

 成程、確かに魔法が発現している。

 見た限りだとトンデモステイタスの人型実体を呼び出す魔法のようだ。

 ちなみに潜在値とはつまりランクアップ前のステイタスの値である。

 コレはランクアップをする毎に加算されていく。

 つまりベル君は力と耐久の潜在値がすごいと言うことだ。

 

 で、何でインドラが発狂したのかというと、インドラ自身が言った通りその詠唱式が問題だったのである。

 わかる人にはわかると思うが、このティタノマキアという言葉、これはギリシャ神話にて起こった神々と巨人たちの戦争を表す言葉である。

 

 つまりこの魔法はギリシャに由来する魔法なのだ。

 何故ギリシャか、というのは読者諸君はわかっているだろうが、それはベル君が幼少期にゼウスと暮らしていたことが影響したようだ。

 で、実は心の底で「私関連の魔法が出ないかなぁ」と期待していたインドラからしたら、自分関連どころか全く別の所の魔法が出ちゃったので大変ショックだったのだ。

 気持ちとしては、試験勉強を十分にしてテストを受けに行き、絶対の自信があったにも関わらず解答欄がズレていて0点だった時のような気持ちだ。

 つまり絶望である。

 

 と、そんな発狂する主神を見てベル君は────

 

「そんなに喜んでくださるなんて! ありがとうございます!」

「うお、うおぉ、うおぉぉあァァァァ、うおあァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────と、いうことがあったんだよ」

「成程……それは災難だったな! ちなみに俺はガネーシャだ!」

 

 所変わってここはガネーシャ・ファミリアのホーム、「アイアム・ガネーシャ」

 主神であるガネーシャが大金を叩いて購入した、ガネーシャ本人をモデルにして精巧に作られた巨像がホームになっているその場所で、今、まさに神々による宴が行われていた。

 ちなみに出入り口はその股間であり、ファミリアの団員たちはいつも泣く泣くそこから出入りしているらしい。

 それでもガネーシャは団員達から慕われているらしく、その人格者、もとい神格者っぷりが窺える。

 

 今回の宴は数日後行われるフィリア祭────闘技場でモンスターのテイムが大々的に行われるイベント────に先立って行われるものであり、つまるところ神々のご機嫌取りである。

 まぁ自由奔放な神々はそんなガネーシャの意図なぞ知ったこっちゃねぇ! と各々好き勝手に料理を貪っており、ガネーシャのフィリア祭に関する話をガン無視。

 話を全く聞いてもらえなかったガネーシャと、眷属の子が変な魔法を発現してしまったインドラ。

 その傷ついた二柱は互いに同郷であったということもあり、二柱で並び、隅っこで酒を飲んでいた。

 

「はぁ……何とかならないものかね……」

「ふぅむ……無理じゃないか?」

「うぐっ」

 

 と、傷を抉られるうずくまるインドラ。

 会場の隅の方でタキシードを着た筋肉が丸まっている姿は中々に恐怖を感じる。

 そんな折だった。

 

「おいおいおいインドラァ! 何してくれとんねやジブン!」

 

 晴天の霹靂が如くロキが突っ込んできた。

 

「どうしたロキ! 俺はガネーシャだぞ!」

「な、何だい……? 何の用だい……?」

「何の用やとぉ! 白々しいにも程があるってモンやろがい! お前さんの所の白髪筋肉が! うちのアイズたんに! 変な性癖植え付けよったんや!」

 

 どうやらただのクレームだったらしい。

 正直悪いのはそちらの眷属でありはするのだが怒り自体はもっともである。

 しかし、ベートの方について言及しないことからそちらについてはどちらかというと感謝しているようだ。

 

「え、マジ?」「あの剣姫が?」「筋肉フェチに……」「俺らの嫁が……」

 

 周囲の神々が反応する。

 殆どの連中は嘆いているようだ。

 だが少なくとも神々の嫁ではない(断言)

 

「いや、私にそんなことを言われても……」

「あぁん!? 何やとぉ!?」

「いや、だから……」

「もっとデケェ声出さんか!」

「…………」

 

 これはいけない。

 このままではインドラが怒りのあまり神話の時代の戦闘狂に戻ってしまう。

 その雰囲気を感じ取った他の神々はいつでも逃げ出せる体勢をとる。

 一体どうなってしまうんだとガネーシャが思ったその時。

 

「あら、いいじゃない。筋肉」

 

 思わぬ所から救いが現れた。

 

「む」

「ゲッ! 色ボケ!」

「おお! フレイヤ! 助かったぞ! ガネーシャ感謝!」

 

 都市最強ファミリアを率いる主神にして、超越存在として神々が持っている完璧な美貌を更に超越する、絶対無欠の完全なる『美』の保持者。

 美の女神、フレイヤである。

 

「筋肉は良いわ。とても良いわ」

 

 神々は恐れ慄いた。

 フレイヤが筋肉信者になっている。

 一体何がどうなってしまったのだろうか。

 

「い、色ボケ? どないしたんや? お前らしくないで?」

「あら? 私はいつでも私よ? ……そうね、ロキ。せっかくだし、あなたも筋肉の素晴らしさを味わってみない?」

「なっ……なぁっ……」

「ここに丁度良い筋肉がいるし……どう?」

「きょっ……今日はこのぐらいにしといたるわアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 逃げた。

 脱兎の勢いとは正にこれ程の勢いであろう。

 と言えるくらいには凄い勢いで逃げた。

 

「あ、有難うフレイヤ。助かったよ」

「うふふ。例には及ばないわ。インドラ。……ところで、今夜空いてるかしら?」

「あ〜……すまない。遠慮しておくよ。また見られていたら、たまったものじゃない」

 

 神話内において強○やら陵○やら散々やったインドラだったが、どうやらこの世界のインドラは色に耐性がついているらしい。

 まぁ天界にいた頃に上記のことをしでかしたことで、色々痛い目を見てそれで反省したようだ。

 

「そう。わかったわ。それじゃあね」

 

 そしてフレイヤは帰って行った。

 すると周りの神々は、

「俺……筋肉つけようかな……」「俺も」「私も」

 と、筋肉をつけたいという声をポツポツと上げ出した。

 嫌な予感がしたインドラは帰ろうとしたが、間に合わなかったようだ。

 

「インドラ! 俺に筋トレを教えてくれ!」「頼む! この通りだ!」「金なら払う!」「俺の体を自由にしてもいい権利をやるぞ!」「筋肉! 筋肉!」

 

 と、道を塞がれてしまった。

 そこから色々あって最終的に宴はガネーシャ・ファミリア団員も巻き込み、インドラによるブートキャンプになった。




詠唱これでいいと思う?




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