やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。   作:あかう

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まさか日間ランキングに載れるとはなぁ!
超感謝!

今回は導入回の色が強いので内容が薄いし筋肉が少ないです!
申し訳ない!


7話 申請は筋肉で乗り切れる。

 神々による宴が行われた夜も明け、次の日の朝。

 ベル君はバベルまでの道のりをランジで歩いていた。

 

 多分「ランジとは何ぞ?」と思う人も多いと思うので説明するが、

 腿を片方は地面に並行に、もう片方を地面に垂直になるようにし、そして地面に並行な方の脚を地面に垂直に、地面に垂直な方の脚を地面に並行にする、もっと分かりやすく言うと卍の下の部分のような感じにする下半身のトレーニングだ。

 また、その形から歩行との互換性が高く、グラウンドをランジで一周、などというトレーニングもできる。今現在ベル君がやっているものもそれに該当する。

 運動系の部活であればよくやるトレーニング方法なので、意外と親しみのある人も多いのではないか? 

 

 とにかくそのような感じでバベルに向かって歩いて(?)いた。

 最近ではもうこの筋肉が街を行進する光景にも慣れたらしく、割と大勢の人々が平然と普段通りに日常の営みを行なっている。

 何ならベル君に声をかける者までいる始末。慣れって怖いね。

 

 さて、今回ベル君がバベルに向かう目的は一つ。そう、ランクアップの申請である。

 冒険者にはLvが上がったらギルドに報告する義務があるのだ。

 理由としてはギルドが「コイツにはこの厄介事を押し付けても良いな」という指標にできるようにするためである。

 

 おいおい、それじゃあランクアップ申請なんて誰もしないんじゃないか? 

 と、思うかもしれないが、そこはギルドもちゃんと分かっているようで、ランクアップした時の「報酬」をしっかり用意したのだ。

 それこそが「二つ名」である。

 

 ランクアップをすれば、神会にて神々の意見によって格好いい「二つ名」がつけてもらえるのだ。

 例を挙げるならば「雷電闘士(サンダーボルト)」だったり超俊足(マッハ)」だったり「卍究極深淵竜卍(アルティメット・アビス・ドラゴン)」だったり…………

 まぁ……うん。流石はこの世界の神々(快楽主義者)というかなんというか。

「格好いい」というよりむしろ「痛い」だがそれは我々にとっての話。

 この世界の人間にとっては『人知を超えた圧倒的なまでのハイセンス』であり『すんごく格好いい』のだ。これは。

 

 そんなわけでこの「二つ名」によってギルドは見事冒者を釣り上げることに成功。

 早く上級冒険者──つまりLv2以上になって「二つ名」を貰うことがほぼ全ての冒険者の第一の目標になったのだ。

 

 そんなわけでバベル近くのギルドまで辿り着いたベル君。

 普段通り冒険者達が窓口までの道を開ける。

 これも多くの冒険者によるベル君への慣れの賜物だろう。やはり慣れとは怖い。

 

「あ、ベル君。今日はどうしたの?」

「はい! ランクアップの申請をしにきました!」

「「「「「?????」」」」」

 

 慣れた冒険者達も流石にこれはあまり良く理解できなかったようで、周囲の時が止まった。

 そして理解へと辿り着こうとする脳があまりにも意味不明な情報のために宇宙を展開したようで、それが周囲の冒険者達のものと合わさり銀河を形成する。

 しかし、その銀河の内にはエイナの宇宙は存在していなかった。

 

「あ、ベル君もうランクアップしたんだね! すごいじゃん!」

 

 そう、このエイナ。この前のスキル事件が決め手となり、ベル君のぶっ飛び度合いに完全に順応してしまったのだ。

 そのためベル君が何と言おうと「まぁベル君ならできるでしょ」というある種のオブラートのようなものが脳内で形成され、簡単に飲み込めるようになったのだ。

 慣れ……いや、この場合慣れどころで済ませていいレベルではないな。どちらかというと侵食されたと表現した方が適当か。

 

「それで? 発展アビリティは何にしたの?」

「筋肉です!」

「そっかぁ! 筋肉かぁ! ベル君にピッタリだね!」

 

 見よ、この侵食されっぷりを。

 前例のない発展アビリティであることとか、どんな効果のものなのかとか。

 そんな常識的な人間であれば確実に出るであろう疑問を差し置き、「ピッタリだね!」とベル君に言ったのだ。

 これは確実に頭がおかしくなっている。

 

 その証拠としてよく見ても見なくても分かるくらいには目の光が消し飛んでいる。

 どうなっているのだろうかコレ。

 濁ってはいないのでちゃんと見えていそうだが、とにかく怖い。

 

「いや〜、感慨深いね! つい一ヶ月前くらいに来た時はなんだコイツって思ってたけど、まさかこんなに早くLv2になるなんてねー! あははははははははは!」

「はい! 僕もこんなに早く上級冒険者になれるだなんて思ってませんでした!」

 

 これはいけない。完全に狂気に飲まれている。

 これには周囲の人々も宇宙を展開しながらもエイナブラックホールに引き込まれないように避難している。

 言い換えるとつまりドン引きしている。

 

「じゃあベル君! ちょっとこっち来て! 色々聞きたいこともあるし!」

 

 と、ギルドの部屋にベル君を連れて行くエイナ。

 これはランクアップした冒険者のランクアップまでの過程をまとめ、下級冒険者に“こうしたらランクアップできるよ! “と紹介するためである。

 まぁベル君のものを紹介したところでどうにもならないと思うのだが、形式上やっとかなくてはならないので仕方がない。

 

 

 

「────────はい! OKだよ! 絶対に上司から怒られると思うレベルの報告書だけど事実だから仕方ないよね! で? 今日もダンジョンに行くの?」

「はい! ところで、Lv2になったので十三階層────中層に行ってみたいのですが、大丈夫でしょうか!?」

「いいよ! ベル君なら大丈夫だろうし!」

「ありがとうございます! 行ってきます!」

 

 と、そんな具合で色々な聴取を終えた二人。

 途中途中で色々と訳の分からない単語だったり謎に出てきたロキ・ファミリアだったりがいたが、流石エイナと言うべきか完スルー。

 しかも中層行きにもOKを出してしまった。

 いきなり中層とは、ベル君は大丈夫だろうか大丈夫なんだろうな(自己解決)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダンジョンであったこと。

 

 アルミラージ「逃げ切ったと思ったら死んでたよ!」

 ヘルハウンド「アイツ焦げ目一つ付かないんだけど」

 ハード・アーマード「装甲ごと握り潰されました」

 バッドバット「数の暴力が通用しねぇんだけど!」

 

 以上! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、そんな中層のモンスターをボコボコにして帰る、という生活を三日ほど送ったベル君。

 当然と言うべきか中層のモンスターの換金効率は上層モンスターに比べかなり良く、結構な額のお金が溜まったようだ。

 だが、まだ頑丈な────できれば不壊属性がついた────剣を買うのには全然足りなさそうだ。

 どうやらまだまだ拳を血と灰で汚す生活は続くらしい。

 そんなわけで、今日も金を稼ぎにダンジョンに行こうと歩いている時。

 

「おーい! 待つニャそこの白髪筋肉!」

 

 ベル君はいきなりの呼び声にギョッとした。

 何事かと慌てて周囲を見渡すと、豊穣の女主人の前に、一人の猫人(キャットピープル)がおり、こちらに大きく手を振っていた。

 念の為周囲に他の白髪筋肉がいないことをベル君は確認すると、その猫人に駆け寄った。

 

「おはようございます。ニャ。いきなり呼び止めて悪かったニャ」

「あ、いえいえ、大丈夫です。それで、何か御用ですか?」

 

 その猫人は思っていたよりも礼儀が良く、丁寧に頭を下げた。

 ベル君も釣られて頭を下げ、用件を聞く。

 

「ちょっと頼みたいことがあるニャ。はい、コレ」

「え?」

 

 唐突に口金のついた袋のような財布、所謂がま口財布を押しつけられた。

 ベル君の大きな手と比べると遥かに小さなそれには、何かの刺繍が施されているように見える。

 これは、何かの横顔だろうか。

 

「筋肉はシルのマブダチニャ。だからこれをあのおっちょこちょいに渡して欲しいニャ」

 

 ちょっと何言ってるかわかんない。

 圧倒的に情報量が足りず、何がどういうわけなのかも全くわからないベル君は、追加の情報を聞き出そうとするも、もうコレで話は終わり。と言うような猫人の顔を見て、声をかけようにもかけられなかった。

 このままなんの情報もないままシルさんを探さなくてはならないのか、とベル君が半ば諦めかけていた時、救いが現れた。

 

「アーニャ、それでは説明不足です。クラネルさんも困っています」

 

 と、エルフの店員さんが来てくれた。

 まさか数多の英雄譚で見る憧れのエルフに名前を覚えてもらえているなどと思っていなかったベル君は感動した。

 まぁその体のインパクトがあまりにも強すぎるので、一度名前を聞いたらどんな種族だろうが嫌でも忘れられないのだが、今そこは問題ではない。

 

「リューはアホニャー。店番サボって祭りを見に行ったシルに、忘れていった財布を届けて欲しいニャんて、そんニャこと話さずともわかることニャ。ニャア、白髪筋肉?」

「と、言うわけです。言葉が足りず申し訳ありませんでした」

「あ、いえいえ、良くわかりました。そう言うことだったんですね」

 

 ヤレヤレ、といった顔をした猫人の店員アーニャを完全に無視して、エルフの店員ことリューは謝罪した。

 アーニャの自己補足にベル君の疑問も完全に氷解したようだ。

 綺麗に無視されたアーニャは今の会話を聞くと尻尾を垂らし、顔を赤くして俯く。

 どうやら得意な顔をしてリューをアホ呼ばわりしたくせに、問題が自分にあったことを恥じているようだ。

 優しいベル君はそんなアーニャにどんな言葉をかけようかと思考する。

 

「彼女は気にしないでください。それで、どうか頼まれてくれはしないでしょうか? 私も、アーニャも、他の店員も店の準備があって手が離せないのです」

「それはわかりましたが……本当なんですか? シルさんがサボったっていうの」

 

 ベル君はあのなんだかんだで真面目そうなシルさんがサボっている姿を想像できなかったようだ。

 まぁ確かにあの仕事熱心な姿からはそんなことを想像できないだろう。

 

「サボった、と言うのは語弊がありますね。ここに住まわせてもらっている私達と、彼女とでは、環境がそもそも違うので────」

 

 色々聞いてみてわかったのだが、シルさんはここで住み込みでは働いているわけではないので、リューさんたちとは違い、休暇が認められているようだ。

 そこで、シルさんは今回の暇を利用して、祭りを見にいったらしい。

 

「その祭りってやっぱり怪物祭(モンスターフィリア)ですか?」

「はい。シルは本日開かれるあの催しを見にいきました」

 

 モンスターフィリアのことを一欠片も知らないベル君はその祭りに強く興味を引かれた。

 怪物祭ってくらいだからモンスターに関係があるのかな、なんて思いつつリューに質問した。

 

「そういえば、モンスターフィリアって何をするんですか?」

「おや? 知らないのですか? オラリオにいる人間なら皆知っているはずですが」

「僕は最近ここに来たので……」

「ニャら! ミャーが教えてやるニャ!」

 

 と、俯いていたアーニャがベル君とリューの間に勢いよく割り込み、ふんす! と自信満々に胸を張る。

 どうやら先ほどの失態の挽回を狙っているようだ。

 ベル君はせっかくなのでアーニャに教えてもらうことにした。

 

 アーニャの説明はつい1分前のゴミみたいな説明をしっかり反省したらしく、とてもわかりやすかった、とだけ記載しておこう。

 そんなわけで教えてもらった情報をまとめると、ガネーシャ・ファミリアが、主催するダンジョン出身のモンスターをテイムする催しのようだ。

 

「シルはさっき出たばっかりニャ。追いかけたらすぐのはずニャ」

「はい! いってきます!」

「お願いしますね」

 

 と、急いで闘技場の方まで向かう。

 道を駆けるの姿はまるでかの「止まらないオ○ガ」の元ネタであるア○トロガンガーのようであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、その様子を見ていた美の女神ことフレイヤ。ベル君の巨体は凄まじく目立つのですぐ見つかるし、見失うなんてことは確実にない。

 ベルがこちらへ向かってきていることを確認したフレイヤは行動を開始した。

 西ゲート────モンスターの搬入口にいた門番を魅了し、侵入。

 そしてその奥にいたモンスター、シルバーバックなるゴリラのようなモンスター。つまり筋肉モンスターを解放し、ベル君と戦うように命令した。

 

 彼女はどうしても筋肉バトルが見たかったのだ。

 ついでにカモフラージュとか目眩しとか諸々の役割として他のモンスターも解放した。

 流石にシルバーバック一体だけであればその辺にいる冒険者で対処できてしまうからだ。

 

 そんな感じでモンスターが街に溢れ出す。

 シルバーバックはベル君目掛け猪突猛進。他のモンスターも散り散りになり暴れ始めた。

 さて、オラリオは一体どうなってしまうのだろうか。

 

 

 

 

 

 





次回!なんか良くわかんないことになった筋肉バトル!
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