「遅いな・・・」
私はアリーム・スパーゲット。17歳の女子高生。今日は友人とファミレスで待ち合わせをしてるんだけど・・・もう約束の時間から3時間は経とうとしている。普通の人なら帰ってる時間なんだろうが私は未だに待っている。ドリンクバーとライスで何とか繋いではいるがこのお店のジュースを全種類1リットルずつ飲み干し、米を炊飯器4杯分も食べてしまってもうおなかが限界に近い。やはり帰ろうか・・・そう思った時だった。
「ごめーん遅れちゃった!」
やっと来た。私の友人の籠盛花次羅だ。
「また遅れてきて・・・遊ぶ約束したのに毎回毎回遅れてくるよね?いつもどうしてそんなに遅れてくるの?」
籠盛が遅れてくるのは今日が初めてじゃない。何度か遊ぶ約束をするのだがほぼ毎回遅れてくる。何回かはそもそも来ないこともあった。しかも毎度のごとくなぜか怪我をしている。
「いやーちょっとどうしても出かける前にやらないといけないことがあるじゃん?だからどーしても遅くなっちゃうんだよねー。いっつも悪いとは思ってるよ?」
「だけどこんな毎回毎回だと流石に頭にくるよ。時間は守らない、約束は守らない、何なら毎回怪我もしてきてて自分も守れてない、アンタ法律以外何も守れてないじゃない。」
「ひっどい言い方だなー。ごめんって。『それに法律も守ってないし・・・』」
少し私もイライラしている。縁を切ろうかと思いたいけど、私はあまり人と話せる方じゃない。籠盛は学校で最初に話しかけてくれた。いつも明るくて活発で正反対。おまけに顔も可愛い。だからちょっとの粗相くらいは許せるけど・・・
「ごめんで済むなら警察はいらないよ。流石に今日はブチブチのおこギレだよ。今日はもう帰る。」
「あっちょっと待って!危ないから!」
危ない?どういうことと思ったその時だった。
「Hey!Ms'Aleem!Oinochi Gill!!!!」
外人が早朝バズーカみたいなのを持ちながら叫んだ。驚いた私は腰が抜けて座り込んでしまった。その時だった。
「危ない!」
バーン!!!!凄まじい音が聞こえたと思い、私が目の前を見ると、そこには銃を持った籠盛とアヒルを浮かべながら倒れてる外人の姿があった。
「ど・・・どうして・・・?なんで籠盛が銃を・・・?殺したの・・・?てか私はなんで殺されかけたの・・・?」
困惑する私に籠盛が言った。
「とうとう隠し切れなくなったかあ~。誤解しないで。あたしは誓って殺しはやってないよ。これはDXショックブラスターセカンドⅤ、弾丸が命中した相手を1日気絶させることができる銃だよ。それよりアリーム、外を見てみて。」
「外・・・?えええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
〚そこでアリームが目にしたものとは!〙
そこにいたのは無数のスナイパー、忍者、モンスター、デュラハン、メカ芸人だった。
「ど、どういうことなの・・・?」
「あのね、落ち着いて聞いてね。アリームは世界中から命を狙われてるんだ。」
「うそでしょ!?どうして????私もしかしてとんでも激ヤバ能力でも持ってるの?」
「違うよ。この世界には悪い豪族たちが集まる違法カジノがあるの。その違法カジノの中にワールド・バウンティって競技があって、自分の持ってる金貨5枚をダーツの矢と交換して、世界中の人間のリストをダーツにして当たった人を殺せた人にハ〇ジェロをあげるっていうとんでもないゲームが行われてるの。アリームはそのゲームの景品ってわけなの。」
「なんなのその最悪の東京フレンドハ〇ークみたいな奴!?そんな知らず知らずのうちに景品にされてるなんて・・・」
私は突然のことで動機がおさまらなかった。最悪なのがさっきジュースとライスをたらふく飲み食いしたので吐きそうでたまらないということだ。だが狙われてるのも事実なので私は全てを飲み込んだ。だが私に疑問が生まれた。
「でも籠盛も私が景品なのを知ってるんだよね?一番身近にいていつだって殺せるじゃん。どうして私を守るようなことをするの・・・?」
籠盛にそういうと今まで平然としていた態度だったのが崩れ、モジモジしながら
「い・・いやだってさ・・・アリームかわいいしさあたし学校で一目見て好きになっちゃったしさ・・・殺されるのいやだもん・・・!親がカジノに行って対象がアリームって知った時もう最悪だったよ?だからあたし、アリームを守るためにアリームの障害になりそうなやつら全員気絶させて・・・まあ時々反撃されたりもしたけど・・・」
えっ・・・もしかして私告られてる・・・?こんな状況で?いや・・でもまあ・・・満更じゃないけど・・さ・・・?私もちょっと恥ずかしくなった。
「ハンバーーーーーーーーーーーーーーーーーグ!!!!!!!!!!!!!!」
!?急に叫ぶ男が現れた。びっくりしてしまった。
「ハ、ハンバーグ師匠!?」
籠盛がそう言った。ハンバーグ師匠ってあの・・・?ハンバーグ師匠(?)は
「そうだよ!!!!!!俺がハンバーグだよ!!!!!!!!!」
と言った。どうやら間違いなくハンバーグ師匠らしい。
「で、でもなんでハンバーグ師匠がこんなところに?」
「ハンバーグ師匠はね、百合の波動を感じるとハンバーグを挟みにくるの。そしてあたしたちの今陥ってる状況を解決してくれるの。」
そ・・・そうなんだ・・・
「熱々の鉄板百合500g!!!!!これが!!!!!!!ハンバーグだ!!!!!!!」
私たちの目の前にハンバーグ師匠は鉄板に乗ってアルミホイルに包まれたハンバーグを差し出した。
「これを食べろってこと?でもなんかアルミが今にもはち切れそうだけど?」
「わかった!このアルミを切ればいいんだ!たぶんそれでこの状況が何とかなる!」
本当にどうにかなるのかはわからなかったが今はハンバーグにもすがる思いなのは間違いない。私と籠盛は二人でナイフを取り、アルミを切ろうとした。するとアルミがはち切れ。
「ドラドラ~~~~~~~~~~!!!!!!!!!」
無数の猿ぼぼみたいなのがアルミから出てきた。
「な・・・何これ?」
「これは猿ぼぼ型小型ロボット。ハンバーグのアルミから無数に飛び出て敵を攻撃する特殊兵器だね。」
「それってココ・・・
「とにかくここから逃げよう!猿ぼぼ型ロボットとハンバーグ師匠がここは引き受けてくれる!」
私達はファミレスから全力で逃げた。どうやら追ってはいないらしい。
「な、何とか逃げられたね・・・」
「そうだね・・・・そうだ籠盛、ごめんね。今までアンタは約束も時間も守れないほわほわ野郎だと思ってたよ。ほんとは私をずっと守ってくれてたんだね。」
「お礼なんかいいよ。実際寝坊してきたことも数回あるし・・・でも嫌な思いをさせちゃってこっちもごめん。それより・・・これからどうしよう。ゲームが終わるまではアリームをずっと狙ってくるし・・・」
確かにそうだ。ずっと狙われる生活は大変だ。だけど私の心は決まっていた。
「とりあえず、カラオケにでも行かない?歌いたい気分なんだ。」
「い、今から?正気なの?」
「正気だよ。私はこれからも普通に過ごし続ける。だってさ、アンタが私を守ってくれるんでしょ?これからも頼むよ、ボディーガードさん。」
「なっ・・・・あたし・・・・あなたのそういうところが・・・・」
「好きーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「いや待て待て待てなんでエアーズロックまで来てんだよ!?」
「ご、ごめんあまりにも直球すぎて世界の中心で叫びたくなっちゃって・・・」
「行動力の化身じゃねえか・・・」
こうして私は世界中から狙われる生活が始まった。だけど、ふと考えた。籠盛は今私を守りたいから守っている。だけどもしゲームが終わって私を守る理由がなくなったら・・・籠盛は・・・
「アリーヌ、どうしたの?」
「いやなんでもない。どうする、今週は水族館でも行く?」
今は考えないようにしよう。楽しい今のことを考え、私の大好きな人といる奇妙な1日は今日も始まる。