チート主人公がスローライフを送る為にヒロイン達や試練から逃げまわる話 作:あいうえあ
「なるほど。神様の手違いで僕を殺してしまった代わりに特典を選んで転生できますよ…と」
「そういうことじゃ。いや~申し訳ない」
自身を神だと名乗った老人は申し訳なさそうにしながらもどこか気の抜けた口調で謝罪する。
この
そりゃそうだ。休日家でのんびりゲームをしていたら突然この何もない真っ白な空間に飛ばされ、いきなり転生する事を伝えられたのだから。いやしかし手違いってなんだ。そんなんで殺されたらたまったもんじゃない。
「いや~それに関しては本当に申し訳ないと思っとるよ。なんせわし新人なもんで」
「新人!?神に新人とかあるんですか?」
はぁ。まぁこの
「まぁもう取り返しのつかないことになってしまったからのぅ。責めても仕方が無い」
「いや、それあなたが言う事じゃありませんけどね」
この神本当に反省しているのか?
正直まだ飲み込めない所は有るが一旦冷静になって今の状況を整理する。
まずこれは夢では無さそうだ。現実離れした空間に居るが頬を抓ると確かな痛みを感じた。何より現実であってほしい。この状況は何だかワクワクする。
そして目の前の
「これ!先程から【
このように当たり前の様に心を読んで会話してくる。プライバシーも何もあったもんじゃない。
プンプン怒っている
そうかこれは要するにあれか神様転生ってやつか。ある日主人公がいきなりチート能力を持って異世界に転生して俺TUEEEEEEEして可愛いケモミミっ娘や綺麗なエルフとハッスルするあれだ。
「察しが良いのその通りじゃ。お主には異世界転生してもらう。さぁ特典は何が良い?神も凌駕する程の力かそれとも美の神も恋に落ちる程の美貌か?」
「そんな能力要りませんよ」
「なんじゃと!?」
そう。そんな能力はいらない。僕が望むのは…
「静かな日常…じゃと?」
「ええ。そうです」
チート能力や可愛い女の子とのウハウハ何て必要ない。もちろん一人の男としてチート能力に興味が無い訳では無いし女の子が嫌いな訳でも無い。ただ、やっぱり平穏で静かな日常それが一番重要だ。チートとかハーレムは二次元だけで良い。
「ふむ…言葉に嘘偽りは無い様じゃな。ならばお主には【静かな日常を送る力】を授けよう」
神様は暫く僕の瞳をじっと見つめ心を読んだのか納得した様だ。
しかし【静かな日常を送る力】ってなんだ?
「まぁそれは異世界に着いてからのお楽しみじゃ」
そう言うと神はどこからかノートパソコンを取り出し何やらカタカタと作業を始めた。
余りに突拍子の無い行動に目を丸くする。
「何してんすか??」
「転生の手続きじゃ」
それでやるの?この人本当に神様なのだろうか。
僕の不安を他所に神様は分厚いマニュアルを片手にパソコンと格闘していた。
「よし!!できたぞ!!」
途中「あれ?」「なんじゃこれ?」などど呟やいていたが何とか作業を完了した様だ。
…不安しか無いがまぁ仕方が無い。
「さて、そろそろお別れじゃの…準備はよいか」
「ええ。大丈夫です」
いよいよ転生する準備が整った様だ。
神様がパソコンで操作をすると白い光が周りに立ち込め始めた。
異世界転生。不安も多いがそれと同時に楽しみでもある。何より神様に能力を授けてもらったしきっと楽しい生活になるだろう。
光が徐々に強くなり視界が完全にホワイトアウトしかけたその時
「あ…ミスった」
とてつもなく不穏な声が聞こえた。
「え?ちょ…」
すべてを言い終える前に少年は異世界へと旅立っていった。