チート主人公がスローライフを送る為にヒロイン達や試練から逃げまわる話 作:あいうえあ
ステータスの描写するの初めてなので、分かりにくい所があれば教えて頂けると幸いです。
「ぅ…」
鳥のさえずりで目が覚めた。
頭が痛い。何十時間と眠った後の様だ。
意識が鮮明になるにつれ水の音が耳に入る。目の前には大きな川が流れていて、その辺の砂利で寝転がっていた。
ゴブリンと戦って川に落ちた所まで覚えている。
どうやらここまで流されてきた様だ。
となると、どの位流されたのだろうか?辺りは見たことの無い木や草が鬱蒼と生い茂っている。
太陽の光が濡れた身体を暖かく包み込む。今は昼の12時位だろう。川に落ちたのが夕方。そして髪や服の濡れ具合から推測するに、さっき流れ着いたばかり。
つまり少なくとも一晩中流されていたことになる。
「いたッ…」
起き上がろうとすると身体中に鈍い痛みと、左腕い鋭い痛みが走った。左腕に目を向けると腕全体が火傷を負った後の様に焼け爛れている。
そう言えば【身体狂化】なる能力でゴブリンを倒したんだっけ?
身体全体が酷く傷ついているが、あの時使った左腕が最も損傷していた。
これは能力を使った代償と言うやつだろう。この状態では起き上がる事すらままならない。となれば今できる事は一つしかない。
ピロリン♪
メニューを展開しステータスを確認する。
存在するのなら回復系のスキル取得など行い、この身体を回復しなければいけない。
だが、まずはステータスの確認から行っていこう。
──―
【アル・クラネル】Lv4
筋力 :13
耐久 :30
技量 :8
敏捷 :40
持久力 :45
魔力 :5
魔力熟知:0
運 :-100
所有スキル
【神の
【
【身体狂化】G+
所有スキルポイント:320P
──―
メニューを開くと、まず名前が書かれてあり、その下にはステータスが並んでいた。
よくRPGなどで目にする項目ばかりだが『魔力熟知』や『運』なんて項目はダンまちの世界のステータスになかったはず。そして今の自分にLV4の実力があるとは思えない。よってこのステータスは、ダンまちの世界の神の恩恵によって得られる物とはまた別の基準で構成されているのだろう。
沢山逃げ回ったお陰か『敏捷』と『持久力』が少し高くなっていた。
何と言っても気になるのはこの【
勿論こんなスキルは取得した覚えなんてない。と言う事はこの世界に来た時から攫まされていたのだろう。あの憎っくき転生神に。
思い返せば、転生と同時に襲われ、助けられたと思ったら主人公と遭遇し、更にその主人公はTSしていて、そこでの暮らしを気に入り始めたらまた襲われた。
なるほど。ツイて無いと思っていたが、このスキル…と言うかあの転生神の所為だったか。『運』の値がマイナスなのもこのスキルの影響だろうか。
どちらにせよあの転生神…
「絶対に許さねぇ…」
あの転生神への復讐を固く誓った後にその他のスキルに目を向ける。
【
ゴブリンと遭遇した時など、最近妙に勘が冴えていると思っていたがこのスキルのお陰だったのか。
どうやら有効的なスキルも備わっている様だ。
しかし異分子呼ばわりとは…自覚はしていたが少し落ち込んだ。
そしてお世話になった【身体狂化】。字面は物騒だが、これが無ければ今頃僕はゴブリンの腹の中に居たのかもしれない。
スキルの横に『EX』や『G+』と書かれているがこれはどういう意味だろう?
ランクなのだろうか?
現状のステータスの確認はこれくらいで良いだろう。前回消費した筈のスキルポイントが320も溜まっている。何がトリガーでポイントを得る事が出来るのか判らないが、レベルアップでもしたのだろうか?前が何Lvだったが確認していないが、あのゴブリンとの戦闘で経験値を取得し、レベルアップしていてもおかしくは無い。
兎に角、新たなスキルを取得しよう。身体に鞭を打ち、スキル取得欄までスワイプする。
──―
所有スキルポイント:320P
戦技-
魔法-
【
作成-
【回復薬】10P
便利-
【超回復睡眠】100P
【異次元インベントリ(解放)+5】20P
魔眼-
【鑑定眼】200P
──―
ん??何か色々増えてね?
じっくり見るのはこれが初めてだが、【魔眼】なんて項目あっただろうか?
…気になる。
以前、どこかで『俺TUEEEEなんて興味ないっす。ハイ』とかほざいていたが、僕だって一人の男の子だ。魔眼にロマンを感じない訳無い。
所有ポイントが320P【鑑定眼】の必要ポイントが200P。120Pは残る計算だ。それなら10Pの【作成:回復薬】を余裕で取得できる。【作成:回復薬】。文字から察するに回復薬の作り方を習得できるのだろう。今の僕に最も必要な能力だ。
【魔法:ファイヤ】や【異次元インベントリ】など気になる項目はいくつかあるが、僕の指は【鑑定眼】に吸い寄せられるように動いていた。
ピロリン♪
【鑑定眼】を習得しました
しゅ、習得した…!
使い方なんて知らないが、顔の横にある草に向けて脳内で念じてみる。
鑑定っ…!!
その瞬間、見ていた草の情報が脳内に流れ込んできた。
──―
【薬草】ランクG
生命力の強い野草。回復薬の元になる。
全土に生息している。
──―
おお!これが【鑑定眼】の力か!!
まぁ戦闘では使え無さそうだが、この世界を生きる上では非常に便利だ。
ったたた…
テンションは上がっても身体の痛みは変わらない。
真横に薬草もあるし、さっさと【作成:回復薬】を取得しよう。
メニューの【作成:回復薬】に目を向ける
──―
作成:【回復薬】
『薬草』に手を
回復量は『薬草』の質と製作者の作成熟知に依存する。
消費魔力:5
──―
おや?
今流れ込んできた情報はこのスキル【作成:回復薬】の情報だろう。
まじか…どうやらこの【鑑定眼】はスキルの鑑定までしてくれるらしい。
鑑定眼によると【作成:回復薬】の消費魔力は5らしい。現在の僕の魔力も丁度5だから一回しか作れない。慎重に使わないとな。
超必須スキルやん…
これがあれば無駄なスキルを取得するも無く、また習得したスキルを上手く扱う事が出来るだろう。
と言うか今更だが、スキルの説明機能くらいデフォルトで付けといてくれたってよくね?
ピロリン♪
【作成:回復薬】を習得しました
よし!
早速、目の前の薬草に手を翳し回復薬を作成する。
薬草は鈍い光を放ち緑色の水となり、その場で零れ落ち、やがて土に吸収されていった。
「あ…」
なるほど…回復薬を入れる容器が無いとダメなのね。
いや、そりゃそうなるだろうけど…そこはちょっと忖度して瓶ごと生成してくれても良いんじゃないの…?不親切なシステム!!
魔力消費による脱力感と残念な気持ちに苛まれ、翳していた手を力無く土に放り投げる。
ここでとあるスキルが目に入る。
──―
パッシブスキル:【超回復睡眠】
睡眠の質・時間に比例して体力・魔力を回復する事が出来る。
また状態異常や欠損も全て回復する。
──―
【超回復睡眠】か。必要なのは100Pで110P所有している。
パッシブスキルと言う事は取得する事で常時発動してくれるのだろう。
知らない森の中で睡眠をすると言う事は危険極まりないのだが、今できる最善手はこれしか無い。現状の傷を癒すのにどれ程の時間を有するのか見当も付かないが、これはある種の賭けだ。
運は-100だが溺死することなくここまで流れ着いた。運-100はそこまで絶望的な数値では無いのかもしれない。
ピロリン♪
【超回復睡眠】を取得しました
次目が覚めた時、死んでいたとすれば転生神が目の前に現れる。そうなれば直接文句を言える。生きていたとすれば元気な状態で生の喜びを感じる事が出来る。
なんだ。どう転んでもハッピーじゃないか。
ふっと笑い、そっと目を瞑った。