チート主人公がスローライフを送る為にヒロイン達や試練から逃げまわる話 作:あいうえあ
こんなに誤字していたとは…自分でも驚きです。
ここがギルドか。
昨晩、リューさんから聞いた話によれば、ダンジョンに行くためにはギルドに登録をする必要があるらしい。
ギルドの中にはいくつかのカウンターがあり、其の一角にはベルの担当アドバイザーをしていたエルフの受付嬢エイナ・チュールがいた。その横には若干気怠そうに事務仕事をしている桃色の髪の…名前なんだったけ?アニメではエイナさんの同僚兼、友人みたいな立ち位置だった人だ。
少したれ目な薄紅色の大きな瞳からは彼女のおっとりとした雰囲気を感じるが、動きや言動からはどこかドジっ娘っぽさも感じさせる。主要キャラでは無いがとても可愛らしい容姿をしている。
エイナさんの同僚…原作キャラとは言え、この人なら関わっても別に問題ないだろう。並んでいる人は比較的少なく、すぐに順番が回って来た。
「ようこそギルドへ。あれ?見た事無い顔ですが、ギルドに登録されるのですか?」
「はい。そうです」
「お名前は?」
「アルトです」
「アルトさんですね。私は貴方の担当アドバイザーの、ミィシャ・フロットです。これから担当アドバイザーとしてダンジョンに纏わる事全般のサポートをさせていただきます」
ミィシャさんか。しっかりと覚えておこう。
そこからは個室に案内されギルドが設けているルールは勿論、冒険者同士が持っている暗黙のルールなど非常に丁寧に解説してもらった。他にも魔石を換金する方法など、ダンジョンに関する事は一通り叩き込まれた。
登録に500ヴァリスを請求された。初日に門番さんにお金を貰っておいて良かった。バイト代としてミア母さんに1000ヴァリス貰っていたが、それだけでは必需品を揃えるには心細い。
「はい。確かに500ヴァリスいただきました。それでは登録完了です。ダンジョンに行くときはくれぐれも用心してくださいね。そして深層に挑戦する際は必ず私の許可を得てからにしてください」
絶対ですよ。とばかりに身をずいっと乗り出しお願いされる。過去に何かあったのだろうか?邪推をしてしまう程に必死な様子だった。
◆◆◆◆
バベルの塔に着いた。塔の周りは冒険者で賑わっている。待ち人がいるのか、時計へと頻りに目を向け少しソワソワしている男性。バックの中の必需品を確認しているサポータと思しき少女。じゃが丸君を片手にファミリアの勧誘を行っている女神。
ん?
「じゃが丸君だよ~!なんと今ならこのじゃが丸君を購入した人の中から抽選で1000人に、僕のファミリアに入る義務を贈呈しているよぉ~」
なんじゃその特殊すぎる勧誘文句は。じゃが丸ついでにファミリアに入る人がいるのかね。
そう。塔の前で勧誘と失敗を繰り返しているのは神『ヘスティア』だった。
当然だがスルーさせていただく。
しかし、こそこそ動くと逆に目立つ。ヘスティア様のみに死角になる場所を探し、当たり前の顔をして平然と進む。完璧な隠密だ。
塔の中に入ると中心部に大きな階段がある。ダンジョンの入り口だ。
◆◆◆◆
太陽の光が届かない薄暗い洞窟だが、その壁には光る石ころが埋め込まれていて視野は確保する事が出来る。いくつもの分かれ道があり、どこからかゴォォという風の抜ける音が聞こえる。
さて、いよいよダンジョン攻略だ。ここでは神の目は届かないが冒険者の目には触れる事になる。特に気を付けるべきはロキファミリアの面々だ。あそこに目を付けられるとめんどくさそうだからな。
ピキピキ…
そうこうしているとダンジョンの壁が音を立てる。やがて壁が割れ、そこからゴブリンが産まれ落とされた。
ギィィ…
産まれたばかりだが本能で僕を敵だと認識したのか、牙を剝き出しにし手に持っているこん棒を構える。
久しぶりだな…。
こいつには何度も追い掛け回されて来た。漸くまともに戦う事が出来る。まぁこいつは別の固体だが。
恐怖は一切無い……とは言い切れない。だが、以前もっと強力な奴に追われたからな。その経験が活き、怯える事無く冷静にナイフを構える事が出来た。ギルドによって支給されたナイフ。リーチは短く切れ味も悪い。だが、今の僕ならこいつを仕留めるには十分だ。
「ッ!」
ゴブリンの攻撃を躱すとゴブリンはバランスを崩し、倒れる。首元がガラ空きだ。
ギィィ!……ギ……
一撃だった。倒れたゴブリンの首にナイフを差し込む。
絶命すると同時に身体が黒い灰のようになり消え、小さな魔石だけが残された。
今僕は命を奪った。手を見るとまだ生暖かい血がべっとりと残されていた。
分かっている。こいつはモンスターだ。命を奪った所で何の罪にも問われる事は無い。
だが、それでも…。
いずれ慣れ、このような気持ちを抱く事も無くなるだろう。それが少し怖く感じたが、同時に早くそうなりたいとも思った。
◆◆◆◆
ピロリン♪
―――
【アル・クラネル】Lv4
筋力 :15
耐久力 :30
技量 :9
敏捷 :41
持久力 :46
魔力 :7
魔力熟知:0
運 :-100
スキルポイント:10P
≪所有スキル≫
【神の
【
≪戦技≫
【身体狂化】G+
≪作成≫
【回復薬】G+
≪便利≫
【睡眠超回復】G+
≪魔眼≫
【鑑定眼】F
―――
現在のステイタスはこんな感じか。所々値が上昇している。だが、相変わらず取得できるスキル、スキルポイント、Lvに変化はなかった。
鑑定眼で身体狂化について視てみる。
──―
【身体狂化】ランクG+
・脳から流れる電波を意図的に操る事で限界を超えた力を発揮する。
・力の出し度合いに比例して筋肉や細胞が破壊される。
・身体への負担は纏った稲妻の色で確認する事が出来る。負担が少ない順で白、青、紫、赤となっている。
──―
なるほど。それで流れ着いた時、左腕の損傷が大きかったのか。
どうやらこの【身体狂化】とは諸刃の剣的な能力だったらしい。
確かあの時の稲妻の色は紫だった筈。という事は上手く白色に留める事が出来れば、身体を傷つけずに程よく身体能力を向上させる事が出来るのではないだろうか。
握りこぶしを作り力を込める。やがてバチバチと音を立てなが白い電気が拳に纏い始めた。少しピリピリする…。電気は直ぐに青色に変色する。
「うっ!」
その瞬間痛みが増した。直ぐに力を弱める。すると再び白色に戻った。
結構難しいな。今は何とか制御できているが、戦闘中に制御するとなると至難の業だろう。
そして気になるのは、白色の状態でどこまでの力が出ているかだ。
ピキピキ…
ダンジョンが空気を読んだのか、丁度ゴブリンが現れた。
実験台にさせてもらおう。
ナイフを構える。
今度はこちらから仕掛ける。
地面を強くけった。
その瞬間、ゴブリンを通り過ぎ正面の壁に激突する。
な、なんだ!?
足を見ると白い電気が帯電していた。どうやら白色でも相当な力を発揮できるようだ。激突した頭は痛いが、帯電した部分に激しい損傷は無い。
力が制御できず苦戦したが、ゴブリンを倒す事が出来た。制御さえできれば、難なくこの階層は攻略できるだろう。…まだ1階層だが。
暫く狩り続けるが物足りない。2階層へと足を進める。
「ふむ…」
1階層より強くなっている2階層のゴブリンやコボルトを狩り続けているが、負ける気がしない。【身体狂化】を使用せずとも難なく倒せる用になった頃、ポケットが魔石で一杯になっていた。
一旦戻るか。
ギルドに登録した後、そのままの足でダンジョンに来ていた為、バックや回復薬などの必需品をなにも持って来ていなかった。
ギロギロ
背後から不気味な音がし、振り返ると腰に届く程の蛙がこちらを見ていた。
あれはフロッグ・シューターだ。上階のモンスターの情報は一通りミィシャさんに叩き込まれていた。
確か中距離から舌で攻撃を…。
その瞬間フロッグ・シューターから舌の攻撃が繰り出される。見事に僕の腹に命中し後方へと弾き飛ばされた。
「ったたた…」
本来なら骨折ものだが怪我は無さそうだ。
白い稲妻が駆ける。
狂化によって一気に距離を詰め後方に周り、ナイフを頭に刺し一撃で仕留める事が出来た。
【身体狂化】、やはり強すぎる。というよりこの階層が今の僕には物足りなさすぎる。次回はもっと深層に挑んでみよう。
不完全燃焼だが【身体狂化】の影響か動いた以上に疲労感がある。白色でも身体への負担は大きいのだろう。
魔石もこれ以上持てそうにないし、ダンジョンを出て魔石を換金し必需品を揃える事にした。久々のショッピングだ。楽しみ。
◆◆◆◆
―――
【アル・クラネル】Lv4
筋力 :20
耐久力 :45
技量 :15
敏捷 :45
持久力 :47
魔力 :7
魔力熟知:0
運 :-100
スキルポイント:10P
≪所有スキル≫
【神の
【
≪戦技≫
【身体狂化】G+
≪作成≫
【回復薬】G+
≪便利≫
【睡眠超回復】G+
≪魔眼≫
【鑑定眼】F
―――