ミミナナと姉妹になりました、頑張って生きてます   作:興味本位

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寧々子は考える

1、

 

―てめぇ!!また可笑しなことしたらただじゃおかねえからな!!

 

私はなにもしてませんよ

やったとしても最近出入りしてる呪霊さんの仕業です

 

大きな音を上げながら扉が閉まる

勢いをつけなくたって閉まるというのに

家使いの荒いことで

 

「寧々子……大丈夫」

 

部屋の掃除をしていた菜々子に心配をかけてしまった

私は床に落ちてしまった血を拭きながら答える

 

「大丈夫だよ、ごめんね汚しちゃって」

「ううん、いいよ」

 

私と菜々子は床掃除を始める

美々子は風呂掃除をしているはずだ

家主はもちろん手伝わないけど

 

今の状況なんてこのくらいでだいたいの説明がつくかな

 

私たちは淡々と生きてる

淡々と隷属して

淡々とはけ口にされて

淡々と呪いを募らせる

 

生きてるのか死んでるのかわからなくなってくる

 

親がいなくなって一年たった

みんな仲良く4歳になりました

縁起がいい

4は不吉な数字だし

音読みすれば気前がいい言葉になるし

 

村のことは語ることも説明することもない

クソの田舎だこれで100点の回答だ

 

田舎すべてがクソでは決してないけど

ここは間違いなくクソであり

間違いなく人類が住んでいない

 

そして私たちの存在を誰一人として認めてくれない

 

わかったことは異物は認めない

閉鎖的な空間だからなのかね

世界がどうとか日本がどうとか

普通がどうとか一般がどうのは関係ないのだ

 

自分たちのルールからはみ出たものは異常なのだ

 

だから私たちは異常

だから自分たちは正常

 

確かに転生している私は異常かもしれないけど

姿かたちも何もかも同じだ

村の連中と同じは願い下げだがね

 

両親も普通だしミミナナも普通だ

違うのは呪霊の存在を知ってるかどうかってことだけ

 

それだけのことで人は人を踏みつぶせるのだ

集団になってちっぽけな子供を足蹴に出来るわけだ

 

頭狂ってるだろそれ

 

理解出来ない問題で

理解したくもない事実でも

私たちはそれに従わないといけていけない

 

私たちは黙って暮らす

私たちはなんとなく生かしてもらっている

 

その辺は人間的なのかな

異物は認めたくないけど

異物を消すことは躊躇ってしまう

 

だとしたら両親はどこに行ってしまったのか

おそらく生きてないだろうなって

そんな結論に辿り着いてしまうわけだけど

 

『みんな死んじゃえばいいのにね』

 

私は強く手を握り締める血が出るくらいギュッと

凄い術式があったり凄い力があればよかったのに

私は何も出来てない

 

確かに呪霊の姿は見えるし

なんらかの術式があるのはわかるけど

操作できないというか自由に使うことは出来ない

呪いだけはしこたま溜まってるけど出し方がわからない

将来的には出来るのだろうけど

今できなければ関係なことだ

 

最終地点の夏油さまに助け出されるまで待つしかない

交通や通信が発展知ればその限りじゃないけど

想像以上の田舎だったので難しかった

 

もしも私に全てを壊せる力があったら

こんな村ぐちゃぐちゃにして

美々子と菜々子を連れて新しい街に行ってたろうな

両親だって探してもいい

 

そうして、みんなで川の字になって寝る

 

明日に希望を持って

明日を楽しみにして

 

ゆっくりゆっくり瞼を閉じる

うん最高だね

夢の中で位楽しくいこう

 

「……寧々子」

 

一緒に床を拭いている菜々子が声をかけてきた

 

「どうしたの?」

 

「アタシたちは幸せになれるのかな」

 

返答に困った

哲学的な問いだったので中途半端に答えてしまう

 

「どうかな、わからない」

 

「寧々子はなりたくないの?」

 

「幸せに?」

 

「うん、幸せに」

 

幸せかぁ

何をもって幸せとか幸せの定義とか

学校で習ったことないな

 

間違いなく菜々子の問いとしては

今の生活の脱却ってことだろうな

それが幸せ確かに幸せだ

 

可能かどうかで言えば可能だ

現状の私たちではどうにもならないけど

そう遠くない未来に夏油さまに助けてもらえるわけだから

 

その先のことを考えるといろいろ難しくもなるけど

脱出することを思えば幸せにはなるか

 

結果夏油さまは闇落ちして

私たちも闇落ちする未来も見えてるけどね

だから個人的には自分の力でどうにかって思ってるけど

そう簡単には人生行かないわけで

私たちの蜘蛛の糸は夏油さまのままなわけだ

 

幸せね、私は何とか生きられればとりあえずいいからな

この村じゃ生きていけないから自立というか

身体的に成長したら出ることは確定してる

 

私は煩雑に関係ある事ないことを深々と考えて

菜々子のほうを見る

 

床に小さな水滴が落ちていく

時間が経てば大きな水たまりが出来そうなぐらいに

 

ポツポツと

ポツポツと

 

 

「えっ、なに寧々子!?」

 

私は菜々子を抱きしめていた

力いっぱい抱きしめて

綺麗な金髪を撫でていた

 

「私が幸せにする」

 

なんて子供のいうことを子供なので言った

 

間違ってたな

幸せとか別にあれだわ関係なく

私たち3人がちゃんといれればいいんだった

私も元気で二人もめっちゃ元気

それが最高ではないか

 

 

菜々子は訳わかんないと笑って

一緒に泣いた

 

お風呂掃除をしていた美々子も帰ってきて

3人で泣いた

 

3人で力いっぱいハグをして

幸せになるために泣いたのだ

 

 

その後帰って来た知らない誰かに殴られて

 

私たちは物置に戻って寝る

 

仲良く川の字になって

 

 

「ねぇ菜々子、美々子」

 

「なに?」

 

「白馬の王子様が来たらどうする」

 

なんて可愛らしいことを言いながら

 

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