ミミナナと姉妹になりました、頑張って生きてます 作:興味本位
0、
「ざっけんな傑!!」
「こっちのセリフだ!!」
人間って何でも出来るんだな
私は目の前の光景を見ながら
現実かどうかを複雑怪奇にさせている
さてはて
隣では
菜々子美々子は手を握りながらその光景を見ていた
硝子さんも頬杖を突きながら見ていた
「ばっかで~ぃ」
ばっかで~ぃって
他人事の極致の意見だ
今回の作戦を手伝ってくれたはずなんだけどな
「どうなると思います?」
「どうかな、わかんない」
「そこは大丈夫とか言うんじゃないんですか」
「あいつらだからね」
「……親友なんですよね」
「うん」
「なら大丈夫なのでは?」
「そんな簡単なもんじゃないでしょ。親友だからって全部わかるわけでもないし、距離が近いだけわからないことだってあるんじゃない」
「例えば?」
「それを言うのが恥ずかしいとかかね」
硝子さんには二人の会話は聞こえているのだろうか
私には途切れ途切れにしか届いてこないけど
最強と最強は殴り合いながら泣いているのかもしれない
真実はわからないし語ったところで
他人の秘部を言ってしまうだけだ
なので当事者だけのことで終わらせよう
断片的にならいいのかな?
もっと風評被害が生まれそうだ
1、
「なんとかしたいなと!」
日に日にやつれていき
目に見えて闇が濃くなっていく恩人を前に
私は行動を起こさない訳にはいかなかった
相談相手はもちろん
「漠然としてるね」
年齢制限の壁をいろんな意味で突破している硝子さんだ
「夏油さまをなんとかしたいんです」
「何とかってなんで?」
「げ、元気ないってわかるじゃないですか」
「別にほっとけばいいでしょ」
「で、でもでもでもですね」
「寧々子ちゃん」
「は、はい」
ぐいぐい行きすぎたろうか
怒られるのではと身構えたが
頭を撫でられながら言ってくれた
「そだね、夏油が元気ないのは心配だけど。私じゃそれは解決できないよ」
「な、なんでですか」
「私より適役がいるから」
「誰でしょうか」
「クズにはクズの友達がいるんだよ」
そんな会話から数日後
「んな話聞いてないんだけど!!」
「嘘だからな」
「嘘かよ!!」
目の前に長身の超絶イケメンが立っていたのだから怖いわ
「寧々子こいつ怖い」
「なんか嫌だ」
素直すぎる子どもは尖りすぎたナイフより危険度が高い
いい教訓を得たね、でもね二人とも言っていいことと悪いことがあるんだ
今回は後者ね
「あぁ?お前らなに俺に文句あるの?」
「子ども相手に大人げないぞ五条」
「うっせ、俺は老若男女関係なしだ」
「言ってて恥ずかしくないのか」
「ぜんぜん」
二人の仲の良さがありありとわかる会話だった
「で、俺に依頼とかって何かあるわけ」
「お前にしか頼めないお願いがあんのよ。私じゃなくってこっちからだけど」
私のことをイケメンに差し出す美女
前方のイケメンに後方の美女
なんだこの空間は2周回って地獄か?
「えっと、ですね、えええっと」
イケメンの供給過多により
コミュ障が爆発してしまう私
「……なに?」
機嫌がジェットコースター並みに落ちて行くイケメン
これ以上言葉を詰まらせると一生話を聞いてくれそうにないので
意を決してイケメンにお願いをすることにする
「げ、夏油さまと」
「なに?」
「け、喧嘩してくれませんか!!」
「は?」
驚くイケメン笑う美女
チワワみたいにイケメンを警戒するミミナナ
「喧嘩して悩みを吹っ飛ばして欲しいんです」
話し合いなんて物騒だ
ここは暴力で解決しよう
つまり私が考え抜いた間抜けな作戦は
『親友と殴り合いすればいろいろスッキリするんじゃないの作戦』
何も言わないでくれ馬鹿っぽいって思わないで欲しい
そりゃ人事を尽くして天命を待てっていうけどね
私に出来ることもまだまだあるだろうけど
……たぶんもう限界だ
もう溢れだしててなんとか受け皿で耐えてるだけだ
本能を理性で押さえてるんだ夏油さまは
夏油傑の道を戻すことが出来るのは
五条悟しかできないだろう
親友で最強で悪友で
表裏一体なんだから
本来であれば
最強の呪術師と
最凶の呪詛師だ
呪いあった二人だからこそ
この因縁に葛藤に苦悩に違う意味を与えられるかもしれない
新しい答えを出すことは
五条悟にしかきっと出来ない
パっとでの私に出来ることなんてやっぱりない
ここでも他力本願なのかと思うけど
最適解だとも思えるんだ
それが出来るかどうかはわからないけど
「なんで、んなことしなきゃいけねぇんだよ俺が」
「げ、夏油さまが悩んでるから」
「はぁ?なにそれ」
「いま夏油さまがすごく悩んでるんです」
「だから、どういうことって聞いてるの」
「……えっといろいろ悩んでて、自分のこととか、えっと」
「全然わかんねーての、なにがどう悩んでんの」
「……詳しくは、わからないけど」
私は言葉をつまらせてしまう
事細かに説明することも出来るけど
私からそんな情報が出ればどうあがいても角が立つ
問答するにしても二人は対等な状態でして欲しいのだ
私が停止していると
イケメンは苛立ちを隠す気もなく
頭をかきだした
「硝子、わけわかんないんだけど」
「ちゃんと聞いてやりな五条」
そうだちゃんと言わないといけない
ちゃんと言わないとそうしないと
私たちはきっと夏油さまについていく
そして人を呪う道へと歩いてしまう
それもそれでいいかもしれない
人に恨みがないと言えば嘘だし
夏油さまがその道を選べばついていくだろう
だって私も人は嫌いだから
でも今だったら
迷っている現在だったら
決断を出せてない今日だったら
選択が裏返ってくれるかもしれない
それが幸せかどうかの判断は出来ないけど
夏油さまのことで私は悩み切りたいんだ
正しいとか正しくないとかではなく
幸せになるためのことは全部したいのだ
だから私は
「お願いです、夏油様と」
「いっぱいいっぱい話してください」
「それは親友の五条さんにしか出来ないから」
「私なんかじゃ全然伝わらないから」
「夏油様と幸せになるためにお願いします」
言葉と一緒に泣いてしまった
誰のための涙だったんだろう
自分のためがほとんどだろうけど
夏油さんの為の涙でもあったんだと思う
あの選択も幸せだったんだと思うけど
あの選択は幸せにはなり切れないと思ってしまったので
「お願いします五条悟さん」
「夏油様を助けてください」
私は泣きながら頭を下げた
すると理解出来てないだろうけど
「「お願いします、夏油様を助けてください」」
美々子と菜々子も頭を下げてくれた
一緒にやらなくてもいいのに
でもありがとう
二人が姉妹で本当によかった
反応は見えない
頭を下げてるんだから当然だけど
怖くて見えなかったのは確かだ
そしてどれくらい時間が経ったかな
多分一瞬だったと思うけど
長かった
長い静寂の後で
「――ま」
「えっ」
声が聞こえて顔を上げた
「だから、五条様って言ってくれればやってやるよ。傑と話し込めばいいんだろ、そのくらいラクショーだっての」
目の前のイケメンはそっぽを向きながらそんなことを言ってくれた
「素直じゃないな五条」
「うっせえよ硝子」
私はその光景を見て
また泣いた
「ありがとうございます、ありがとうございます」
私に出来る精一杯の背伸び
夏油様にしてあげたい最初のこと
最強の舞台は整った
あとはただ願うだけ
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ひぃひぃと喜んでます。