氷眼の術の特徴、白眼との違い。
氷眼は白眼のようにほぼ全方位を見れない。遠眼鏡の術と複合してのピンポイント。けど、無色透明の氷の眼鏡をただ遠くを見る為の遠眼鏡、望遠鏡などに切り替えて使えたりする。
氷眼は経絡系、点穴を見れない。
氷眼は遠眼鏡の術と複合している為、視るだけではなく聴くこともできる。多分これが、白眼との最大の違いで、ほぼ全方位は見れないピンポイント感知術だけど、諜報戦に於いては、氷也の元々の広い範囲のチャクラ感知術も合わさることで、時には白眼以上の効果を発揮するかもしれない。つまり、1人で情事にふけってる場合は姿も喘いでるところも筒抜け。
これはあくまで白眼との違いであって、氷眼には他にも性能がある。
〝コピー忍者〟の異名を忍界に轟かせるはたけカカシと並び、木ノ葉隠れの里屈指の実力を持つ上忍──〝木遁のテンゾウ〟ことヤマト。彼は、第7班の担当上忍でもある。
そのヤマトが担当上忍を務める第7班は、〝白い悪魔〟と〝二代目黄色い閃光〟を擁しており、現在の木ノ葉隠れの里で最も活躍するチームとして有名だ。
「は?」
ただ、活躍する一方で第7班は大きな問題を抱えていた。それは、ヤマトが受け持つ下忍の2人があまりにも優秀で、それと同時に……それ以上に問題点が多いからである。
「ナルトが…何だって?」
「だから、ナルトが写輪眼を開眼したって話…」
短くもなく、長くもないヤマトの人生に於いて、恐らく第7班の2人の教え子は人生最大の悩みの種だろう。彼らを受け持って数ヶ月……ヤマトはたった数ヶ月で、彼ら以上の悩みと苦労は、これから先の人生で絶対に起きず、現れることがないだろうと強く確信すらしていた。
「誰が…写輪眼を開眼したって?」
「だからナルトが写輪眼を開眼したって…ヤマト先生、大丈夫か?」
そして、ヤマトに降りかかった今回の問題は、現実逃避したくなるほどに大きな問題だったようだ。
「ナルトが何だって?」
「だからッ────」
この後、話は3回振り出しに戻った。
木ノ葉隠れの里の三代目火影・猿飛ヒルゼンが深いため息を吐き出すと、気持ちを察したヤマトは内心、うんうんと頷いていた。それはきっと、ヤマトも三代目と同じ気持ちを味わったばかりだからだろう。
氷也とうずまきナルトが所属する第7班が第二の試験を通過して数時間が経過したが、氷也、ナルト、ヤマト、三代目火影の4人が集った部屋は現在悩ましげな雰囲気が漂っている。
ただ、悩みの根源達は能天気な様子で、ヤマトと三代目の悩みなどまったく気にした様子など見られない。子供は元気に過ごして問題を起こし、大人はそれに悩まされる……それは世の常であり、平和である証拠なのだろう。
「ナルトが写輪眼を開眼し、氷也が白眼の能力の一部を擬似的に再現した…と。
儂はいったいどこからどう突っ込めばいいんじゃ?」
しかし、何事にも限度というものがある。
三代目火影にも許容範囲がある。
ただでさえ火影としての業務に忙殺される毎日なのだ。そこに来て、
しかも、ナルトの写輪眼に至っては、うちは一族の更にその上──
唯一の救いと言うより、何も言わずして三代目とヤマトが勝手に解釈してくれたのには、氷也も安堵を通り越して万々歳といったところだろう。
「とりあえず、今はナルトの写輪眼については後回しにするべきか…。まずは大蛇丸についてじゃ。
じゃが、ナルトが写輪眼…後回しにするには大きな問題すぎる」
「そうですね。
考えられるものとして、ナルトのご両親のどちらかの先祖に〝うちは一族〟の者がいたとしか…ただ、恐らくは木ノ葉設立前の時代まで遡ってしまうでしょう」
そこまで話し合ったところで、三代目とヤマトは深いため息を吐くと同時に、胃に痛みを感じた。
「あ!俺、ちょっとアンコさんの様子見てきますね」
そして、真実を知る唯一の者である氷也は、自身が開発してしまった
❄️
「あッ────」
室内に響き渡る艶やかな女の声。
「封印術に問題はなさそうですね。
確認はこれくらいにしておきましょう」
今度は、耳触りのいい男の声が響いた。
男は冷静な様子でそう呟きながら、一糸纏わぬ女の素肌から手を放し、背を向ける。
「あ…」
すると、背を向けた男の背後から、残念そうな女の声が響く。男は振り返らないが、背後では女が一糸纏わぬ格好で物欲しそうな瞳を向けている。
そんな彼女の様子を、まるで背中に眼がついてるかのように把握している男は、気付かれないように口角を上げていた。
「ま…待って…も、もう少し…見てくれない?」
「どこか悪いところでも?
なら、俺ではなく医療忍者に見てもらうべきです。呪印と封印術に関してならある程度は対応できますけど、それ以外は畑違いですよ」
それでも、男は
「お、お願い!待って!
調子が悪いとかじゃないの!アンタじゃないとダメなのッ!アンタに触られて…それからずっと…そのせいで…私ッ、アンタといると身体が疼いちゃうの!我慢できないの!」
だが、そんな男に対して女は、手で隠していた乳房を露にしてしまいながらも、己の欲望を我慢することができずに、男に思いの丈を伝える。これが男の作戦の内だと気付くこともなく…。
これもきっと、男が
「やれやれ…俺は医療忍者ではないんですけどね。
けど、俺にしか対処できないのなら、責任を持って対処するとしましょう。
(今の俺は医療忍者…いや、ドクター・氷也。
このどこまでも
男が振り返ると、それまで切ない瞳を向けていた女の瞳が歓喜に震えている。
伸ばされた男の手に、女の昂りと疼きは更に増す。
「は、早く…来て」
「そう焦らないで」
そして、男の手が軽く触れただけで、女の身体は強烈な刺激を受け、これまで抑えつけていた全てが爆発してしまう。
室内に響き渡る
それから、時間は幾分か経過し…。
「ぐぬぬ」
「氷也?どうしたんだってばよ?」
みたらしアンコの経過観察という名のお楽しみを堪能中の氷也ではあるが、実は堪能しているのは
しかも残念なことに、氷也のこの術はオリジナルと分身が情報を共有できる特性を持っており、つまりは
「自分自身に嫉妬するっていう稀有な体験中。
あと、俺の分身術の恐ろしさというか万能性を身を持って体験中」
氷也は今、己の分身に激しく嫉妬していた。
それと、術を解除した後に情報を得ることができる〝影分身の術〟と、常に情報が共有できる〝氷遁・氷分身の術〟の性能の差を意外な形で、改めて痛感させられているようである。
慣れとは恐ろしいもので、氷遁を扱える氷也は何も意識することなくこの術を使っていたが、まさかこのような形で凄い忍術であったことを知るとは複雑な心境だろう。
ただそれはともかく、今は別の問題だ。
「君達…事の重大さを理解してるかい?」
「はあ…ナルト、おぬしは写輪眼を開眼したことを今は絶対に公にしてはならぬのじゃぞ?」
疲れ果てた様子のヤマトと三代目が、いつになく疲労困憊といった様子で氷也とナルトに視線を向けている。
九尾から真実を聞かされた氷也とナルトと、真実を聞かされていない三代目とヤマトに温度差があるのは当然。ただ、三代目とヤマトが真実を知った場合は、きっとそれどころではなくなるだろう。
とはいえ、氷也も
それなのにここまで興味無さげな様子なのは、元々知ってたのか気付いていたのか、はたまた興味がまったくないのか……それともただのバカなのか…。九尾から聞かされたのは、ナルトが写輪眼を開眼した理由と、写輪眼がどのようにして生まれたのか、何故それを九尾が知っているのかである。
おまけに、ナルトは
ただその後、写輪眼が世代を経ることで血が薄れてしまった。つまり輪廻眼の成れの果てが現代の写輪眼ということである。
九尾はそれ以外にも氷也達に教えてくれた。九尾含む尾獣の集合体が存在したことと、その集合体と写輪眼や輪廻眼の関係性。さらには尾獣を生み出したのが六道仙人であったことまで。
その六道仙人の先祖返りが起き、ナルトは写輪眼を開眼してしまったのだ。
「わかってるってばよ!
写輪眼はもしもの時以外は使わねェ!」
だが、氷也もそうだが、ナルト本人に至っても本当に理解しているのか、できていないのか…。
「頼むから本選で使わないようにね」
「おぬしらは本当に毎度毎度…」
とにもかくにも、父方か母方かはともかくとして、ナルトの祖父母よりも上にうちは一族出身の者がおり、それによる先祖返りによってナルトは写輪眼を開眼した可能性が高いということで話は落ち着いた。先祖返りという答えそのものは、強ち間違いではない。だが、
そして、三代目とヤマトが可哀想なのは、ナルトの瞳力が増し、完全に六道仙人の先祖帰りが起きる可能性があることである。もっとも崇高とされる輪廻眼だが、2人からしたらもっとも凶悪な瞳術となるかもしれない。
「あ、でも俺が結界張れば、修行くらいいいだろう?
もしもの時に使えない代物ってのもな。ちゃんと鍛えとねェと」
「まァ、それくらいであれば…じゃが、写輪眼を鍛えるとなると、これまでとは勝手が違ってくる。どうするつもりじゃ?」
その質問は、三代目にとって悪手。自ら地獄へと足を踏み入れたのも同然だ。
「そこは大丈夫!
自信たっぷりな様子の氷也を見たことで、三代目とヤマトは背筋が震え冷や汗を流している。触れぬが仏。聞かなければよかったと後悔しても後の祭りだ。
氷也とナルトのそばには……正確にはナルトの内側にだが、写輪眼を忌み嫌うと同時に、誰よりも写輪眼を知っている存在がいるのだ。六道仙人の写輪眼を知る九尾がいる。
ナルトの写輪眼を鍛える存在として、九尾以上の適任者はいないだろう。
今後もし、ナルトが写輪眼を発動して戦う姿を三代目とヤマトが目にする機会があったとしたら何を思うか…。
二代目黄色い閃光として、うずまきナルトの名は忍界に広まり始めているが、まさか忍の祖の先祖返りを起こし、何れは二代目六道仙人と呼ばれる可能性もあるなど想像するだけで恐ろしい。それが知れ渡れば、忍界は大きな衝撃を受ける。
もっとも、一番大きな衝撃を受けるのは木ノ葉隠れの里だろう。本来なら、忍の祖の後継者が己の住む里から誕生することは喜ばしいことなのだが、それがナルトとなれば話は変わってくるのだ。木ノ葉の住民達の
だからこそ、ナルトが今後どのように成長するかも含め、写輪眼の開眼についても冷静に対処せねばならない。
そう、冷静に対処せねばならない……のだが、ナルト本人が天下のイタズラ小僧ときた。隣には、ナルト以上の問題児〝エロスの伝道師〟氷也がいる。
事は、三代目が願うようには進んでくれないだろう。
「とりあえず、ナルトは幻術はからっきしだし、写輪眼開眼してもそこは変わんないだろうから、〝見切り〟を重点的に鍛え上げようぜ」
「おう!」
氷也とナルトが木ノ葉にとってすでに大きな戦力であることは間違いない。その一方で、大きな力故に更なる災いを呼び寄せる存在であることも事実。
三代目の火影人生に於いて、間違いなく過去最大の事案だ。