暑くなってきましたね。
氷也くんの夏の過ごし方はきっと過激なんだろうなぁ~。ローライズデニムのテンテンとかさ。
短いようで長かった5日間……死の森で行われた中忍試験第二の試験も終了した。
ただ、本当の試験はここからなのだろう。出場者の誰もが中忍を目指し試験に参加しているが、本選に出場できるのはごく僅か。しかも、そのごく僅かな下忍達でも全員が中忍になれるわけではない。そのごく僅かな下忍達の内から、中忍になれるのは果たして何人いるか…。もしかしたら、1人も中忍になれないかもしれない。
実際に、中忍昇格者が1人もいなかった年もあるのだ。
それだけ、狭き門なのである。
ここからが、中忍昇格をかけた本当の
「今日こそ勝たせてもらうぜ、サスケくんよォ!
〝擬獣忍法・四脚の術〟!!」
しかし、第二の試験を突破した下忍達は本来、中忍試験本選についての説明を受けた後に、くじ引きによって本選の組み合わせを決めることになっているのだが、見るからに第二の試験を突破した出場者達はくじ引きを行っている様子などまったくなく、どういうわけか個人戦が行われている。
今現在執り行われているのは、本選出場をかけた予選試合。その第一試合が行われていた。
木ノ葉隠れの里で開催中の此度の中忍試験だが、例年にも増して優秀な下忍達が多く、その証拠に第一の試験、第二の試験と続いて想定を上回る人数が残っていたのだ。
その結果、主催里である木ノ葉は本選出場者を絞るべく、規則に従って予選を執り行うことを決定したのである。
ちなみに、予選が執り行われるのは5年ぶりとのことだ。
予選、本選とここからの試験はこれまでのチーム戦とは違い、個人戦が行われる。それはつまり、同じチーム同士で戦う可能性もあるということだ。
そして、この予選に至っては単純なもので、ただ己の強さを証明すればいい。強い者が勝ち、勝った者が本選へと駒を進めるのだ。
もっとも、戦うまでもなく最初から本選出場が決まっている下忍が何名かいるのだが…。
「へへッ……なッ!?」
「この程度でか?
お前じゃ相手にならないな。負け犬は大人しく鳴いていろ」
その内の1名は第一試合からさっそく実力の高さを披露している。それどころか、試合開始と同時に先手必勝とばかりに正面から突っ込んできた相手の攻撃を足一本で軽く受け止め、負け犬の遠吠えすら吐かせずに格下だと宣告し、尚且つ実力の違いをその身に叩き込むのである。
第一試合────ウチハサスケ VS イヌヅカキバ
一試合目から木ノ葉隠れの里の下忍同士……しかも、同期対決となったわけだが、大きな実力差が明らかになってしまうこととなったようだ。
「く、くそ!
けど、まだ────ッがはッ!!」
馬鹿正直ながらも、犬塚キバの攻撃は素早い体当たりだった。それを、写輪眼を発動することもなく足一本で簡単に受け止めたうちはサスケは、一旦距離を取って次の攻撃に移ろうとする犬塚キバの真下付近へ入り込み、顎に強烈な一撃を与え蹴り上げる。
「は…速いッ!
(し、しかもあの動きは
ま、まさか、動きをコピーしていたのか!?)」
そんななか、うちはサスケの速さに誰よりも驚愕している者が1人いた。正確には、速さにではなくうちはサスケの一連の動きに対してである。
その者は、中忍試験第一の試験が始まる直前、名門エリート一族と称されるうちは一族出身のサスケが気になり、決闘を申し込んだ一期上の下忍──ロック・リーだ。
その決闘では、ロック・リーが体術使いとしての実力の違いをサスケに見せつけたわけだが、どうやら第二の試験で
おまけに、決闘の際に見せた一部の動きをうちは一族の代名詞である〝写輪眼〟でコピーされていたらしく、ロック・リーの驚きの度合いは相当なものだろう。
「ここからはオレ流だがな。
〝火遁・豪龍火の術〟!」
とはいえ、全てをコピー出来ていたわけではないらしく、サスケはそこから彼なりのオリジナルへと繋げていく。
「ぐわあァァァ!!」
素早く印を結んだサスケは、身動きの取れない空中へ蹴り上げた犬塚キバに龍を象った火遁を複数放って着弾させ、更にはそこから追撃する。
「サ、サスケくん!これ以上はッ──!?
(は、速いッ!!)」
ただ、見るからに勝負はついており、サスケの追撃は過剰なものだ。
これには、試験官も止めに入ろうとするが時すでに遅し。
いや、サスケの速さが下忍レベルを遥かに凌ぎ、それどころか試験官すら上回るものだったのだ。
焦る試験官や担当上忍達を他所に、凶悪な笑みを浮かべながら飛び上がったサスケは、火遁の直撃をくらって重傷を負い、もはや意識すらない犬塚キバに次々と体術を叩き込んでいく。
「これで終わりだ。
〝獅子連弾〟!!」
同期であろうと、サスケには関係ない。最後にサスケが放った蹴りは無情にも、犬塚キバを地面へと叩きつけてしまった。
勝者は一目瞭然。
「い、医療班!
急いでください!」
しかし、会場は歓声に包まれることなく……恐怖に包まれている。
「氷也…ナルト…首を洗って待ってやがれ」
最初から、サスケは
「ふふ…。
(ああ…素晴らしいわ、サスケくん。
〝呪印〟に打ち勝ち、馴染むどころか、ますます闇に染まって増していく力。私と戦った時よりもまた一段と強くなっている。あなたなら本当に──
そんな状況で、ほとんどの者達が見たこともないサスケの姿に恐怖する一方、内心歓喜に打ち奮えている者がいる。
もしかしたら、この予選でもまだ一波瀾起きるのかもしれない。
一つだけ言えることは、白い悪魔と二代目黄色い閃光だけではないということだ。木ノ葉には〝うちは〟もいる。
❄️
天才エリート一族の末裔の実力の高さに驚愕すると同時に、同期相手にもかかわらず情け容赦ない姿に恐怖させられた後味の悪い第一試合とは打って変わり、第二の試験は非常に熱く白熱した試合展開となっている。
「ぐッ!?
(こ、これが〝二代目黄色い閃光〟!
重りを外したのに、それでもボクより速いなんてッ!!)」
「ゲジマユ!全力で挑んで来いってばよ!!」
第二試合────ウズマキナルト VS ロック・リー
続いての試合も同じ木ノ葉の下忍同士の戦いだ。
オカッパ頭に全身緑のタイツと、一見ふざけた格好をしている下忍ではあるが、ロック・リーは木ノ葉で一番の体術使いと称されるマイト・ガイの愛弟子であり、師匠譲りの体術使いである。
ただ、一期上の体術使いのロック・リーを相手に、ナルトは二代目黄色い閃光と謳われる所以である瞬身の術を駆使し、ロック・リーの体術を躱し鋭いカウンターを叩き込んだ。
ロック・リーの体術は下忍レベルを遥かに超えるものだが、ナルトはかつて忍界最速と謳われた〝黄色い閃光〟の後継者と称される速さを持っている。
先の戦いとは違い、圧倒的な力の差こそないが、ナルト優位で試合は進んでいる。
とはいえ、一見してナルト優位でこそあるが、簡単に終わるような試合ではないだろう。
「さすがは二代目黄色い閃光…。
(ですが、ボクもこのままでは終われない。終われるはずがない!そうですよね…ガイ先生!?
だから、今こそがボクの忍道を貫き守り通す時!!)」
何故なら、ロック・リーはかつてない強者を前にしたことで全力を出すことを決意し、己の全てを拳に乗せて勝負を挑むのだから…。
「これがボクの全力です。行きますよ──ナルトくん!
〝八門遁甲 第三 生門〟開!!」
次の瞬間、試合会場の地面の石版を割ってしまう程のチャクラが、ロック・リーの身体から溢れ出る。
まるで沸騰しているかのように、ロック・リーの身体は赤く染まっている。
八門遁甲。それは、体を流れるチャクラの量に制限をかけているとされる〝八門〟と呼ばれる経絡系上にあるチャクラ穴の密集した体内門を開くことで、制限を外して本来の何十倍もの力を引き出す術だ。
だが、現在の木ノ葉の忍で八門遁甲を扱える忍はたった1人……だった。
「す、すげェ…すげェってばよゲジマユ!!」
その認識が今、下忍によって改められた。
八門遁甲を扱える下忍が存在するなど、
これが本選だったならば、大いに盛り上がっていたはずだ。
「ゲジマユ、オレもお前の全力に全力で応えるってばよ!」
しかし、本選でなくともこの予選は大いに盛り上がっている。
「な、なんと…
(あ、あれは〝雲隠れの里〟の雷影達が代々継承してきた〝雷遁チャクラモード〟か!?
ナルトはどうやってあの術を…まさかこれも氷也が?)」
その一方で、三代目火影・猿飛ヒルゼン至っては盛り上がるどころか、かつて忍界大戦で激しい勢力争いを繰り広げた強敵の姿がナルトの姿に重ねて見え戦々恐々だろう。
幼き日から気に掛けていたナルトがここまで強く逞しく成長しているのを目の当たりにしたのも、三代目の驚きようにより拍車をかけているはずだ。
そして改めて、ナルトをここまで育て上げた白髪の少年──氷也の指導力の高さに感服する。素行に問題がありすぎるが、
とはいえ、
「新しい時代の到来じゃな」
三代目は予選開始前、第二の試験を突破した下忍達の前で中忍試験の真の目的を語った。そもそも何故、同盟国同士が中忍試験を合同で行うのかを…。
友好、忍のレベルを高め合うのが目的ではあるのは事実だが、その本当の意味を履き違えてもらっては困るのだと…。この試験は言わば、同盟国間の戦争の縮図なのだと口にした。
三代目が話す内容を、ほとんどの下忍達は理解できなかっただろう。
この忍の世界の歴史を紐解くと、今の同盟国とは即ち、かつて勢力を競い合い、争い続けた国同士であること、その国々が互いに無駄な戦力の潰し合いを避ける為に敢えて選んだ闘い場……それがこの中忍選抜試験のそもそもの始まりなのだと…。
厳かな声で語る三代目は、かつての大戦で起きた壮絶で悲惨な出来事の数々を思い出しているかのようだった。
無論、三代目の話に疑問を持つ下忍はおり、三代目に問いかけた。
ただ中忍を選ぶ為にやっているのではないのかと…。
三代目はその問いかけに、もっともだと頷きながらこのように答えたのである。
この試験が中忍に値する忍を選抜する為のものであることに否定の余地はないが、その一方でこの試験は国の威信を背負った各国の忍が命懸けで闘う場であるという側面も合わせ持っているのだと…。
国の威信。
それがいったい、この中忍試験とどう関係しているのか、ほとんどの下忍達が理解できていなかっただろう。
当然、国の威信とはいったい何なのかと問いかける下忍もいた。
ここに残った下忍達のほとんどが経験が浅く、国の威信などと、大それたことを言われても理解し難かっただろう。
そもそも、ほとんどの下忍達は与えられた任務ですら、ただこなしているだけにすぎない状況ですらあったはずだ。国の威信もだが、依頼人達からの里に対する信用、信頼などと考えたこともないはずである。
だからこそこの機会にと、三代目は下忍達に国の威信を背負っているとはどういうことなのかを説明した。恐らく、この場に残った下忍達の中でそれを理解していたのはほんの数名のみだったはずだ。
現在行われている予選……その1ヶ月後に行われる本選には、忍に仕事の依頼をすべき諸国の大名や著名な人物が招待客として多勢招かれることとなっている。そして、各国の隠れ里を持つ大名や忍頭もその闘いを見ることになっている。本選では、出場者達が中忍昇格を懸けて血眼になって戦う。即ち、下忍達は里……延いては、国の代表として戦うわけだ。これから里、国を支える下忍達の勇姿は、国力を示すのにまたとない機会だろう。
国力の差が歴然となれば、強国には仕事の依頼が殺到し、弱小国と見なされれば、その逆に依頼は減少する。それと同時に他国に対し、己の里はこれだけの戦力を育て有しているという脅威……つまり政治的圧力をかけることもできる。
国の力は里の力。里の力は忍の力。そして本当の力とは命懸けの闘いの中でしか生まれない。
今この場に残った下忍達が如何に大きなものを背負っているのかを三代目は告げた。
きっと、ナルトとロック・リーの試合を眺める下忍達のほとんどが三代目の言葉を思い出し、改めて実感しているだろう。いや、下忍達だけではなく、上忍達も同じかもしれない。
ナルトとロック・リーは、知らず知らずのうちに木ノ葉の威信を背負い、そして木ノ葉の力を他里に示しているのだ。
「ゲジマユ、勝負だってばよ!!」
いったいどちらが勝つのか、それは誰にも予想がつかないが、ナルトとロック・リーは間違いなく脅威として他里に認識されているはずだ。
元々、ナルトは二代目黄色い閃光と称され、すでに他里からも警戒はされていただろうが…。そのナルトと張り合える存在が白い悪魔の他にも存在したとは想定外だったかもしれない。
もっとも、それはナルトにとっても同じくである。
ナルトも八門遁甲の凄さを肌で感じ取っているようで、頬を一筋の汗が伝っている。それでも、絶対に負けないと表情を引き締め……いや、かつてない
本当の試合はこれからだと言わんばかりに、ナルトの全身から雷遁チャクラが溢れ、けたたましい雷鳴が鳴り響く。
ロック・リーの八門遁甲とは違い、ナルトの八色雷公は雷遁チャクラを身に纏い、身体を活性化させる術だ。体内に迸る雷が神経の伝達スピードを底上げすると同時に、全身を覆う雷はどんな術にも耐えられる強固な鎧ともなる。
「望むところです!!」
そして、実力ある若き木ノ葉の下忍2人がその場から姿を消した。
果たして、ここから先の戦いを目で追える者はいったい何人いるだろうか…。
「ったく、冗談キツいぜ。
(これで下忍?どっちかが予選落ち?ありえねーだろ。
カカシのとこのサスケといい、ガイのとこのロック・リーといい、ヤマトのとこのナルトといい…オレのとことは大違いじゃねェかよ。張り合える可能性があるとしたら
上忍ですら、何人いるか…。
ナルト達と同じ新米下忍を担当する第10班の担当上忍・猿飛アスマは、自身の受け持つ教え子達とナルト達の実力の差に冷や汗を流している。それどころか、猿飛アスマは2人の動きを完全に捉えきれておらず、自身すら食われ兼ねない下忍達の実力の高さに愕然としていた。
しかし、猿飛アスマの心情などお構い無しに試合はさらに激化していくのだ。
「ぐふッ…ま、まだまだここからです!
〝八門遁甲 第四 傷門〟開!!」
ここまではナルトが速さで勝っていたが、ここに来てロック・リーがさらに門を開けたことで、拮抗した戦いへと発展している。
「ぐッ…こ、この…うおらァ!!
(ゲジマユの速さが増した!?これじゃあ、壱でギリギリ…
いや、どうやら状況はロック・リーが優位に立ちつつある。
八門遁甲は、有り体にいえば火事場の馬鹿力を意図的に発揮させる術だ。爆発力はナルトの八色雷公よりも上なのだろう。
ただ、第四 傷門まで開いたロック・リーとは違い、ナルトはまだ一段階目。そして、ナルトの八色雷公も八門遁甲と同様に、身体能力を意図的に向上させていくことが可能で、八段階増すことができる。
『ナルト…前にも言ったが、成長しきってないお前の身体じゃ、弐が限界だ。次できっちり決めとけ』
唯一、懸念があるとしたら、ナルトの身体が成長しきっていないこともあり、これ以上の段階はナルトの身体が術に堪えきれない可能性があるという点だろう。
どうやらそれについては、ナルトの良き相棒になりつつある九尾から口を酸っぱくして言われているようだ。
「(わかってるってばよ!)
ゲジマユ!勝たせてもらうってばよォ!!」
「負けません!
〝八門遁甲 第五 杜門〟開!!
(ぐッ…これ以上は…これで決めなければ!)」
もっとも、身体に負担がかかっているのはナルトだけではないが…。寧ろナルト以上の負担が、ロック・リーにかかっている。
決着の刻は近い。
「勝つのはボクです!
〝裏蓮華〟!!」
ナルトの真上に回り込んだロック・リーの渾身の一撃がナルトに迫る。
「ゲジマユ!
お前は強かったってばよォ!!」
だが、ロック・リーの渾身の一撃はナルトに当たることなく、ナルトは空中で身体を回転させながら攻撃を躱し、ロック・リーの身体を軸に背後へと回り込む形で上に昇り、右掌にチャクラの球体を作り出した。
そしてそのまま、ロック・リーの背中に叩き込む。
「オレは絶対に火影になる!」
才能ある若き忍達の激突──ついに決着。
予選はだいぶ改変されるかも?
サスケくん、呪印刻まれてるけど、写輪眼が完成形に至ったこともあって、呪印を手懐けている模様。
第一試合、犬塚キバを重傷に追い込む。
ナルトくん、雷遁版の八門遁甲〝
弐の段階で、下忍編のリーの杜門に打ち勝つ。
リーくん、筋肉断裂などはしてるだろうけど、原作のような重傷ではない。重傷に変わりはないけど…。
次話、エロの伝道師……満を持して登場!!の巻。