R-18はチラリズムに反すると思うんだ…。
もちろん好きだよ!嫌いじゃないよ!大好物だよ!!
トイレに響き渡る卑猥な水音。
「はあ、はあ…あん…ん…んあ!」
荒い息使い。
激しさを増していくよがり声。
今、女子トイレの一室で、1人の女が自ら情事に勤しんでいる。誰か来てしまった時のことなど、今の彼女には考えられない。滾った性欲と火照った身体には抗うことなどできないのだ。
「ああん!
氷…也…は、早くゥ…来てよォ…」
ただ、彼女はもう己自身では満足などできない。
本物の快感を知ってしまったからだ。いや、そのように開発されてしまったから…。
彼女が求めるのは、ただ1人の年下の男のみ。
しかし、発情した女──みたらしアンコは、
「────え?
(え?え?えェ!?
予選真っ只中にトイレでいったいッ…な、ナニしてるんですかッ…アンコさん!!)」
その場に居合わせてしまったのは、アンコの後輩で〝暗部〟に所属している優秀なくノ一だ。中央の塔で護衛任務に就いていた彼女は、交代時間にたまたま用を足していたらしく、そこにアンコがやって来て今に至る。
不運に見舞われてしまった彼女の名は卯月夕顔。彼女は今、アンコのよがり声と淫らで卑猥な水音に顔を赤く染めていた。
「ふっ…隣に人がいるのに気付かずに自慰に勤しむとは…エロい女になったもんだな。
いいぞ、アンコ。もっとエロく、もっとスケベになれ」
「……え?」
そして、卯月夕顔が用を足していたトイレには、いつの間にかさも当然の如く男がいた。
「!!」
まるで時が止まってしまったかのような、それと同時に驚愕しすぎて固まってしまったかのような、なんとも形容し難い表情を彼女が浮かべてしまっているのも仕方がない。
それともこの場合は、暗部に所属する優秀なくノ一である卯月夕顔に気付かれることなく、同室に潜伏していたドスケベ──氷也を褒めるべきなのだろうか…。
「おっと、驚かせてしまったかな?
これは失礼。だが、怪しい者ではない」
「!?
(こ、この子は──〝
いや、己の周囲に結界術を施すことによって、姿だけではなくチャクラ、匂い、音、気配を消せる氷也にとっては、これくらいは造作もないこと。
かつて、〝無人〟と恐れられた岩隠れの里の二代目土影を超えるのも不可能ではない。寧ろ、近いうちに超えているだろう。
「…ッ。
(こ、これが白い悪魔!カカシ先輩とヤマト先輩を超える近年稀に見る逸材にして里の狂気!)」
それよりも、叫び声を一切上げずに、ズボンと下着を下ろし
悲しいかな……夕顔は今、氷也に手入れされ整った花園と用を足したばかりの奥の院を見られているにも関わらず、彼女はまったく気付いてはいない。どのような状況に陥ってしまおうと、瞬時に冷静さを取り戻すのは訓練された証拠でもある。忍あるあるだ。
「さて、
無論、氷也の言う〝イイもの〟とは、夕顔のあられもない魅力的な姿のこと。そのおかげで、氷也の準備はすでに整い万全の態勢だ。
「ッ…!
(な、何を…え!?
ア、アンコさんの方に行った!?)」
そこから始まる男女の場外戦。
さすがの夕顔も、己の先輩と一回り近い年下の下忍による色事に言葉も冷静さも失うのである。
嵐が去ったトイレ。
たった今まで繰り広げられていた壮絶な色事の影響で、卯月夕顔は茫然自失状態にあった。
暗部に所属する者としては、今のこの状態は暗部失格の烙印を押されてしまうだろう。
しかし、こうなってしまうのも仕方がない。
「す…凄かった。
(ア、アンコさん…別人だった。
あ、あんなによがり狂って…でも…物凄く気持ち良さそうだった。私…あ、あんなこと一度も…されたことない。そ、そんなに気持ちイイの?)」
繰り広げられていた色事はそれ程までに凄絶で、夕顔の常識を覆してしまったのである。
「あ…んん…わ、私…こんなに
それどころか、夕顔まで発情させてしまった。彼女の手は無意識に己の秘部へと向かい、触れた瞬間に甘い蜜が指に絡みつく。
そして、己の蜜にまみれた指を目の当たりにした夕顔は衝動を抑えきれず、抗うこともできず、今度はその奥へ入り込み、
「はあ…はあ…はぁん…ふ…ん…んん!
(だ…だめェ…こ、こんなこと…だめなのにィ…ど、どうして…指が止まらないの!?)」
暗部に所属する卯月夕顔には恋人がいる。
いつ死んでもおかしくない環境に身を置いているが、いや……置いているからこそ、彼女はその恋人と清い関係を築き上げており、互いに不満など一切あるはずもなかった。
だが、卯月夕顔は見てしまった。
己の知らない世界を…。男と女の──雄と雌の真の〝まぐわい〟を…。
「ふう…ふう…あ…あ…あッ────あァ!」
果たして、卯月夕顔はこれから
❄️
乱れた衣服を整えながら歩く男女。
男は飄々として、それでいて色気が駄々漏れ。
女は高揚した頬と乱れた衣服、肌に張りついた髪がこれでもかとエロさを溢れ出させている。
「本当に来てくれるとは思ってもなかったわ…しかも
「同じ過ちは繰り返さないさ。
それにしても、本当にトイレで1人でシてるとはな」
欲望に忠実。
快感を味わったであろう男女がそこにいる。
「お、お願い、それは忘れて…」
女は男が来るよりも前から、自らの手で情事に勤しんでいたようだが…。
「そ、それはともかく!氷也は受験者。しかも主催里の。本選出場を決めたからって…」
「安心しろ。氷遁影分身からの情報だと誰も気付いてはいない」
〝白い悪魔〟と恐れられる氷也は、他の受験者の試合を観戦するよりも中忍試験試験官の1人である特別上忍・みたらしアンコと奏でる快感のハーモニーを選んだのである。
いや、寧ろ快感を選ぶ以外に選択肢は存在しなかったのだろう。それに前回、アンコとお楽しみだったのが氷遁影分身だったのもあり、次は必ず本体で行くと決めていたのだ。
しかし、まさか本当にアンコの異変に気付いてしまうとは。いや、寧ろ初めから彼女を発情させることが目的で、先の試合であのような
目の前の女だけではなく、それを目にした女すらも発情させてしまう二段構え。
おまけに、相変わらずの〝ラッキースケベ・トリガー〟によって、自ら手を下すことなく新たに
これぞまさに白い悪魔の所業。
故に、氷也は白い悪魔と恐れられるのかもしれない。
「さて、そろそろ戻ると────ん?」
そんな氷也だが、試合会場に戻ろうとするなか、何やら異変を感じ取るのである。
「どうしたの?
…って、あら?
「それにこのチャクラ──
氷也の表情がドスケベから忍のものへと変わる。
❄️
中忍試験第三の試験の予選が行われる中央の塔。
現在、才能ある若き下忍達が本選出場を懸け、死に物狂いで試合に挑んでいるわけだが……そんな状況のなかで別の場所では、とある下忍──うちはサスケを巡り、担当上忍であるはたけカカシとS級犯罪者の大蛇丸が殺意を撒き散らしていた。
正確には、うちはサスケを狙う大蛇丸を排除するべく、はたけカカシが臨戦態勢に入っている状況だ。
その一方で、大蛇丸ははたけカカシにまったく興味を示していない。大蛇丸が興味を示すのは……欲しているのは、うちはサスケだけなのだ。
「サスケくんにとって
カカシは、大蛇丸の登場によって最近のサスケに対する自身の危惧が間違いではなかったことを悟った。
「サスケの復讐心…そこに付け込んだのか!?」
第二の試験の最中に大蛇丸の襲撃を受け、〝呪印〟をその身に刻まれたうちはサスケは、呪印の影響を受けてしまっているのもあるのか、精神が不安定な状態に陥っている。
いや、不安定と言ったら語弊があるのかもしれない。サスケは己が掲げる復讐に取り憑かれてしまっている。復讐を果たす為に、更なる力を追い求め、力に溺れている。
とくにここ最近の教え子の精神状態、力への渇望を危惧していたカカシは、予選で見せたサスケの強さが闇に染まったもので、これ以上は危険であると判断し、呪印に封印を施そうとしたのだ。
しかし、カカシの行動に対してサスケが見せたのは激しい拒絶。全力の抵抗だった。
カカシですら、〝写輪眼〟を使用しなければ抑え込めないほどにサスケの力が増大していたのである。その結果、カカシはサスケを気絶させるしかなく、封印術も施すことができず、しかもその場に大蛇丸が現れ、担当上忍としての在り方を指摘され今に至るのである。
「ふふ、私は付け込んですらいないわ。
サスケくんが自ら望んだことよ。復讐を果たす為には、
ただ、サスケの力の増大は大蛇丸だけが原因ではない。寧ろ、比率としてはそちらからの影響の方が大きいだろう。大蛇丸は付け込んですらいない。サスケが己の無力感に苛まれ、闇に染まるのを見守っていただけだ。
「ッ…まさか!」
どうやら、カカシも思い当たる節があるのか、その脳裏にはとある下忍2人の顔が浮かんでいる。
その2人は、直接的な絡みこそ多くはないが、カカシにとって強い縁がある。
「さすがは里の狂気の再来と二代目黄色い閃光だわ。
木ノ葉にとって眩い光。でも、光が強ければ強いほど…闇もより一層深くなるのよ」
そう……今や里内外で知らぬ者はいないであろう木ノ葉の若き英雄達。恩師の
「忌々しいガキ達だけど、サスケくんを私好みに変えていってくれていることだけは心から感謝してもいいわ」
氷也とナルトの強さを目の当たりにし、2人に助けられたカカシは、大蛇丸の言葉を否定することができずにいる。
サスケが波の国の任務で氷也とナルトの強さを目の当たりにしてしまったことをきっかけに、焦りを抱き、嫉妬し、今まで以上に力を求め、渇望するのは当然の結果。無論、氷也とナルトに悪意があるわけでもなければ、2人が悪いわけでもない。これは、若気の至りのようなものだ。可愛げが一切ない若気の至りではあるが…。
一つだけ問題点を挙げるとしたならば、うちは一族の性質上か、はたまたエリート一族に生まれ落ちてしまった
「どこまで闇に染まってくれるのかしら…」
少なくとも、あの大蛇丸が強く惹かれるほどに、サスケは闇に魅了され、染まりつつあるということだ。
「あなたじゃサスケくんの力は伸ばせないわ」
「く…」
カカシは今になりようやく、自身のサスケに対する教育が間違っていたことを猛省する。
サスケの自主性を重んじていたつもりだが、カカシの指導は他者から見たら放任主義ともとれる指導内容だった。カカシ本人の経験なども相まってのものかもしれないが、サスケに対して良かれと思っての行動が、まさかこのようなことになろうとは…。
カカシは、サスケの為に時間を割き、サスケと共に行動するべきだった。付きっきりで指導すべきだった。初めての教え子ならば尚更に…。
戦争という究極の実戦経験をサスケと同じ歳の頃に積んだカカシ世代と、戦争とは無縁な時代に生まれたサスケ世代では大きく違うのだから…。
もっとも、カカシと同等の実力であったであろう〝鬼人〟桃地再不斬や氷遁使いの白などを相手に、戦争とは無縁な時代の生まれでありながら死闘を繰り広げることができ、それどころか打ち倒した氷也とナルトという例外がおり、サスケはそれを目の当たりにしてしまったのだから焦りを覚えてしまうのも致し方ないのかもしれない。
普通なら、実力の違いを目の当たりにして自信を失くしてしまうところだろうが、失うどころか激しい嫉妬から対抗心を燃やしてしまうのは力に固執しているからこそのものなのだろう。
とにかく、サスケの精神状態と身の周りの環境はあまりよろしくないということだ。
「私なら伸ばせる。サスケくんなら、あの2人なんて目じゃないわ。それどころか…
サスケくんに必要なのはあなたじゃない」
だからこそ、大蛇丸は断言する。
サスケに必要なのは己なのだと。
少なくとも、〝伝説の三忍〟の1人に数えられる大蛇丸ならば、カカシよりもサスケを強く鍛え上げることは可能だろう。禁術も多く含まれるが、ありとあらゆる多くの術に精通しており、忍術の扱いにおいては、千の術をコピーしたとも言われているカカシですら比ではないはずだ。
大蛇丸にとって忍者という存在はその名の通りで、忍術を扱う者を指している。
力を渇望するサスケにとって、師としてはお誂え向きのはずだ。
だが、大蛇丸がサスケを弟子として迎え入れようとしているのも、それもこれも全ては自身の為。サスケが望んでいるであろう力を与え、そして力を手にし、大蛇丸が望む成長を遂げたその瞬間に、
大蛇丸の目的、それは──若く逞しい
「ふッ、復讐しか興味のないつまらん男が俺やナルトを超える?
とはいえ、全てが大蛇丸の思い通りに事が進んでいるわけではない。いや、進むわけがないのだ。
「ッ…ただエロいだけのクソガキじゃない。
(わ、私が気付けないなんて…忌々しい!)」
その要因は音も気配もなく、突如としてその場に現れ、忍界全体に名を轟かせる大蛇丸とカカシですらも驚愕させた。
「ひょ、氷也!?
(い、いったいいつの間に!?
気配も匂いもまったく感じ取れなかった…〝時空間忍術〟か?)」
今の木ノ葉隠れの里には、他里にとって脅威となる狂気がいる。木ノ葉にとっても狂気ではあるが…。寧ろ、里に対してこその狂気なのかもしれない。
「うちはを狙って何をするつもりか知らんが、俺とナルトにはそいつじゃ勝てんよ」
「ふん…女の尻ばかり追いかけてる性欲の塊なんて、サスケくんならすぐに超えるわ」
木ノ葉の抜け忍で、
ただ、氷也が生まれつきのドスケベであることは嘘偽りなき事実だが、大蛇丸が残忍さと狂気を持ち合わせた危険人物であることも事実。方向性は違うが、ある意味では似た者同士。
「禁欲の果てに辿り着く境地なんてたかが知れてるんだよ。女の尻ばかり追いかけてる?ハッ、俺は朝も昼も夜もなく、食前食後も追いかけてるぞ。嬉しいことに、俺の惚れた女達は〝飽きる〟とは無縁なエッロい女達だ。いくら喰らおうと、喰らい尽くせぬ程な」
そんな2人が揃った今、事態はどうでもいい方向へと向かってしまおうとしていた。
氷也はいったい何をしにこの場に現れたのだろうか…。
「真の強者とは、忍を駄目にすると言われている〝忍の三禁〟を平然と三つ同時に破れる豪傑さを持ってこそだ。性欲の欠片もない
一つだけ言えることは、氷也は忍の三禁を平然と三つ同時に破れるどうしようもないドスケベだということだ。ちなみに、氷也の父親も三禁破りの常習犯である。さすがは元祖里の狂気。
「これだから
私色に染まったサスケくんがアンタ達2人まとめて殺してくれるから覚悟しなさい」
氷也と大蛇丸はある意味では似た者同士。
しかし、決して相容れない。
事態はどうでもいい方向に向かってはいなかった。氷也と大蛇丸が向かい合った時点で、殺し合いに発展するのは当然。
「ならその前に…木ノ葉に仇なす前に、お前とうちはを葬り去るとしよう」
氷也の手が、まるで焼け焦げたかと勘違いしてしまいそうなチャクラに覆われ、瞬く間に辺り一帯の水分を失わせ、異常乾燥を発生させる。
「!
(コレは…食らったらヤバいわね)」
すぐに異変に気付いた大蛇丸は表情を曇らせた。見ただけでこの術の危険性に瞬時に気付くとは、さすが〝三忍〟に数えられる忍なだけはある。
この術は一見、チャクラ性質の違いこそあれど、カカシの〝雷切〟と同系統の術に見えなくもないが、似て非なるものだ。カカシの雷切が対象を貫く〝突き〟であるのに対し、氷也のそれは灼遁の炎全てを右手を覆うチャクラに集中、圧縮し、その熱によって触れるもの全てを跡形もなく消し飛ばす術だ。
凄まじい熱量は骨すら残さないだろう。
「ッ…!
(唇が切れた…おまけに、ほんの少しの間で喉まで乾きだすなんて、なんて熱量だ!
周囲に与える影響も、威力もオレの雷切とはまったく違う。桁外れすぎる!相変わらず恐ろしいヤツだ!)」
木ノ葉一の技師と讃えられるカカシですら驚愕と同時に絶賛するのだから、この術の恐ろしさと、編み出した氷也の才能の高さは言わずもがな。
大蛇丸を相手に見劣りしていない。
「ふふふ…私よりも、あなたは
大丈夫かしら?死んでないかしら?」
とはいえ。相手はあの大蛇丸だ。今回もまた、このまま大人しく殺られるはずがない。
人質を取る三忍。
人質を取られる下忍。
三忍らしからぬ行いではあるが、氷也を相手には形振り構ってられないのだろう。
「ふ…俺を相手に人質でも────ッ!?
(
先の試合で医務室送りになってしまった多由也の安否は如何に…。